冠茂(焼きたて!!ジャぱん)

登録日:2017/09/03 (日) 14:56:15
更新日:2024/01/09 Tue 20:28:37
所要時間:約 5 分で読めます




「ボクは冠茂と申します。以後、御見知りおきを」 


冠茂(かんむり しげる)とは漫画「焼きたて!!ジャぱん」に登場するキャラクターである。

声の出演:井上麻里奈


【概要】

ハーバード大学を僅か16歳で卒業したという超天才(1歳の時から天才としての兆候は現れていたようで因数分解を解けるほどの凄まじい頭脳の持ち主だった)
ピンク色の外ハネした髪に逆さにカールした長い睫毛、もはや美少女にしか見えないほど整った顔立ちのやや小柄な少年で、基本的にニコニコとした笑顔を絶やさない。
誰にでも敬語で接する礼儀正しさと容姿から女性読者の人気が高い。
またその外見であるが漫画版では髪の長さを除いてパーツがヒロインの月乃と同じなせいもあってか勘違いされやすいと単行本のおまけ4コマでネタにされている。

【性格】

礼儀正しく誰に対しても敬語で話す。常ににこやかな微笑みを絶やさない爽やかな美少年に見えるのだが、初期は結構腹黒く、上司である雪乃に対し「メス豚」と心の中で軽蔑するなど毒舌家の面も見せていた。

【主な活躍】

パンタジア新人戦

パンタジア新人戦を不戦敗で準々決勝まで勝ち上がる。
彼はこの時対戦相手に近づきの印として自分で作ったパンを試食してもらっていた。その完成度の凄まじさたるや新人戦最強と謳われるほどの諏訪原をして滝のようなよだれを流すほどの代物であり、

「俺の味覚にこれほどの威圧感を与えるパンを作るとは! この職人(おとこ)只者でなし!」

と戦慄させている。
冠がここまで勝ち上がってこられたのは上記の作戦や彼の上司である雪乃の策略が深く関係している。
あと、冠きゅんの営業スマイルがあまりにも可愛かったので棄権した可能性も……

次の対戦相手である河内は冠が黒柳の後輩にして、ハーバード大学食品化学研究所出身、更には天然酵母までも研究していると知り、戦意を喪失しかけるが、月乃が持ってきた発芽玄米酵母と店長の言葉を借りた彼女の叱咤激励もあり、河内は戦意を再燃させる。そしてついに準決勝の日を迎えることとなった――

パンタジア新人戦 準決勝

試合開始前に冠は審査員で大学の先輩でもある黒柳に挨拶をする。
しかし、ここは新人戦の試合会場で自分は審査員で冠は新人という理由から先輩呼ばわりはやめるようにと忠告される。
そんな彼に対し冠がとった行動は――

冠「時が経つと人は変わってしまうものですね……ハーバード大では……あんなに愛してくださったのに……」

と涙で目を潤ませ声を震わせながら、黒柳を同性愛者と勘違いさせる発言で報復した。
ちなみにマイスターは本当の話と受け止めており、後の出来事もあってか暫く勘違いしていた。
試合開始直前になった時、冠は爽やかな笑顔を向けて対戦相手である河内に手を差し出す。
しかし前日に彼の上司である雪乃のとても人間とは思えない悪行を耳にし、店長の「本当の悪党は悪党に見えない」という発言を聞いて彼を悪党なのではと疑った河内は握手を拒否してしまう。

そしてついに始まったパンタジア新人戦準決勝で冠は海洋天然酵母を使用したパン・オアルグで勝負を挑む。
しかしながら冠のパンは完成しても河内はまだ生地をこね続けていた。
発芽玄米酵母に太陽の手甲まで備えた河内である。普通ならとっくに生地は膨らんでいても不思議ではない。
では、なぜ膨らんでいないのか。
実は雪乃が隙を突いて河内の生地の中にタンパク質分解酵素エンドプロトアーゼを混入させていたのだ。
これでは生地を膨らませることなど到底できない。
冠の実力ならば正々堂々と闘っても河内に勝つことはできるが万が一のことを考えてと雪乃が仕組んだ卑劣な罠だった。
遡ること数日前に雪乃がエンドプロトアーゼを借りたことを疑問に思っていた冠だったが、河内の生地に混ぜ込むとは考えてもいなかった。
彼自身は玄米酵母と太陽の手甲を考慮したとしても自分の勝利は揺るがないと考えていた。
しかしたとえ結果は想定できていたとしても、彼は一人のパン職人、いや、人間として河内と正々堂々と勝負したかったのだ。
その気持ちを踏みにじり、自分と河内との勝負を台無しにした雪乃に冠は激しい憤りと戦慄を感じるのだった。

パンタジア新人戦 決勝

葉長石「ペターライト」を使用することにより諏訪原に勝利した東はついに決勝戦で冠と闘うことになる。
準決勝はともかく決勝では策略抜きでの正々堂々の闘いを繰り広げたいと雪乃に釘を刺していた冠だったが、彼女がそれを素直に聞くはずもなく東がうっかりペターライトを準決勝の会場で忘れたことを良いことにそれを盗み出して粉々に破壊するという暴挙に至る。
一度ならず二度までも自分の試合を邪魔をした雪乃に更なる怒りを募らせる冠。
そもそも彼は本心から雪乃に従っていたわけではなく、酵母の研究をするには莫大な金がかかるためにその費用を出してもらうためにサンピエール側についたのだった。

冠はいつもの爽やかな笑顔を捨て去り、悪魔のような形相で心の中で勝利宣言をする。

冠「東君、キミに怨みはありませんが勝たせてもらいますよ!この太陽の手と海洋酵母RASが織りなす、パン・オリスティックでね!」

彼は日本人好みの瑞々しくモチモチとした食感を味わえるパンで勝負に出る。
しかし東は一個目のパン生地を洗い流すことにより小麦粉を落としグルテンだけを残したバイタルグルテンを作り、二個目の生地に加える方法で冠に勝利する。冠は常識に縛られていたが故に常識を破る柔軟な発想をすることができず、それが敗因となり東に敗れたのだ。
敗北の仕打ちとして彼がこれまで築き上げてきた研究を研究所ごと全て雪乃に爆破され、彼は自分が他人の力を借りて夢を叶えようとした自分の愚かさに気づいて改心。

以降は積年の恨みのある雪乃への復讐も兼ねてパンタジア南東京支店に勤務。
モナコカップや焼きたて!9などでその博識をもって名参謀として仲間を支えていくことになる。



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最終更新:2024年01月09日 20:28