伏井出ケイ/ストルム星人

登録日:2017/08/29 Tue 02:03:16
更新日:2023/04/14 Fri 18:54:32
所要時間:約 16 分で読めます






人との出逢いは、宇宙が司る壮大な計画の一部ですから…



伏井出ケイ(ふくいでケイ)とは、『ウルトラマンジード』に登場するキャラクターである。

演:渡辺邦斗


人気のSF作家・エッセイストで、現在はテレビ・新聞・ラジオ等、媒体を問わず幅広く活躍している。
代表作は
  • 『コズモクロニクル』(デビュー作)
  • 『銀河戦艦エルシェード』
  • 『星空のアンビエント』
  • 『時空破壊』

などがある。
また、彼の熱狂的なファン「フクイデスト」も数多く存在する。

ウルトラマンに助けられたこともあり、彼の言葉が人々がジードの誤解を解く一助となった。


あのときウルトラマンが来てくれなかったら…
彼こそヒーローです。ありがとう!本当にありがとう!


フクイデストは追記・修正お願いします。











ライハ「ふざけるな!」
リク「あいつ…ぶっ飛ばしてくる!」





リトルスターの宿主を保護したか…ククッ。
この状況、利用させてもらおう…



これでエンドマークだ!




その正体はウルトラマンベリアルの配下であるヒューマノイド型宇宙人、ストルム星人。
人気のSF作家というのは表向きの話で、裏では怪獣カプセルを使い、ベリアル融合獣にフュージョンライズする危険な人物である。
ダダから「ベリアル第一の側近」と呼ばれるなどベリアル配下としてそれなりに知名度のある人物だったようで、ベリアルの回想でもダークネスファイブと共に瓦礫の上で並び立って存在していた。*1


■人物像

作家として活動している間は紳士的な雰囲気を出しているが、本性は狡猾にして冷酷、そして非常に好戦的な性格。
その一方で自らの講演会にリクやレイトを招待し、ウルトラマンゼロを罠に嵌め、抹殺するなど用意周到な作戦を展開する。
序盤で堂々とその姿を無防備な状態で露にし、ライザーや怪獣カプセルの存在を見せながら、地球人としての社会的地位を盾にして自身への危害を未然に防ぐ用心深さも併せ持つ。
また、彼の邪魔をしたダダを瞬間移動と衝撃波で粉砕するなど身体能力も高い。

かつてクライシス・インパクトを引き起こし、行方不明になったと思われたベリアルに従っており、ベリアルからエネルギーを与えられているような描写もある。
また、6年前にライハの両親らが亡くなったという怪獣災害の元凶でもあり、後にケイが自ら行ったフュージョンライズの実験だったことが語られた。

怪獣を呼び寄せる謎の物質リトルスターを狙って破壊活動を行っており、
彼の発言から、それによって起動するウルトラカプセルが彼の目的に関係していることがうかがえる。

怪獣を倒し、それによってリトルスターの宿主からウルトラカプセルを(結果的に)譲渡されるウルトラマンジードとは立場上敵対関係にあるはずだが、
ジードに怪獣を倒され、ウルトラカプセルを回収されても、敗北したとしても特に気分を害することもなく、むしろわざとジードに勝たせているかのような描写もあり、
『自ら一人前に仕立て上げたジードをベリアルに乗っ取らせるつもりではないか』という考察もファンの間で囁かれていた。

一方、ジードと協力関係にあり、自身の主であるベリアルの宿敵でもあるウルトラマンゼロは強く敵視しているようで、
など徹底的に追い詰めるべく執着を向ける。

また、『コズモクロニクル』はゼロとベリアルの戦いをベリアルに有利なように捏造したものである
……その割に本来敵役であるはずの「輝きの騎士ゾーラ(=ゼロ)」が読者の間で人気が高いらしい。まあもともとこっちが主役だもんね。

後述の通り、リクの誕生からマグニフィセントに覚醒するまでのリクのベリアル融合獣との戦いは全て彼が描いたマッチポンプに等しい展開だったのだが、

ウルトラマンジード!ベリアル様に似たその姿を私に殴らせるとは不愉快だったぞ!お前は作られた模造品だ!

ベリアル様の恩寵を受けるのはお前ではない!私だ!私の方が優れている!

と吐露したように、ジードを生み出すことを自ら提案した一方でベリアルから息子と呼ばれるジードを快く思っていないなど、
狂信に等しい歪んだ忠誠心と自身が作った人造人間であるリクへの露骨な侮蔑と嫉妬を抱える。

彼の母星・ストルム星は何者かの手により滅んでおり、力を求める中でベリアルと出会ったことが語られている*2


■能力

ストルム星人固有の能力として、超光速思念体通信と呼ばれる能力を持つ。
これは通信装置の類を一切使わず、地球から宇宙の果てにいるベリアルとタイムラグを一切起こすことなく会話できるという非常に便利なもの。
ただし、外部から通信先を傍受される恐れがあるなど考えなしに常時使えるほど便利な代物ではなく、AIBにベリアルの潜む場所を特定される原因ともなっている。

そして最大の特性がストルム器官という位相反転器官。
これは光を闇に、熱いものを冷たく、というよう周囲の位相エネルギーを反転させ吸収することができる器官で、
応用することで自身の攻撃の無効化やバリアの発生、ウルトラカプセルの力を使ったりするといったことができる。この影響か、第22話「奪還」ではライハを圧倒した。
またジードやゼロと戦いでは、受けたエネルギーを反転させて溜め込んでいた。
しかし、ストルム器官を抜き取られると数日で息絶えてしまうという致命的な弱点もある。
また万能の力な訳でもなく、ストルム器官が過負荷を受ければ損傷・機能不全を起こしてしまう。

また「カレラン分子」と呼ばれる粒子を散布することができる。
この粒子は粒子を取り込んだ生命体の内部に宇宙を循環する幼年期放射と呼ばれるエネルギーを引き寄せて捕まえることで、
空気と一緒に生物の体内にとどまり「リトルスター」に変化する性質を持つ。
すなわち劇中でのリトルスター騒動の元凶というべき宇宙人であった。

ベリアル融合獣への変身能力は彼自身の能力ではなく、ベリアルの力を借りることによって行使している。
ライザーとカプセルはウルトラ族用に作られたアイテムでウルトラ族しか使えないため、
ベリアルの力を借りて一時的にベリアルに変身することで使用を可能にしている。

その他瞬間移動や衝撃波を生み出す力をもつが、
一方で身体能力まで超人の域という訳では無く、劇中ではライハの剣技に追い詰められることもある。とはいえ地球人よりは強いようで、ライハでさえ第9話「誓いの剣」では劣勢に立たされ、第22話「奪還」ではあの(オカンとか最強とか言われている)ライハの隙を突いてあと一歩でライハにとどめを刺すところだった。(流石に彼女も悪寒が走っただろう。オカンだけに。


■主な活躍

第1話『秘密基地へようこそ』~第6話『僕が僕であること』
リク達やゼロとは特に大きな交流はなし。

裏でスカルゴモラやサンダーキラーにフュージョンライズしたり、
ダークロプスゼロを召喚し、リトルスターの宿主にジードの勝利を祈らせてリクが持つウルトラカプセルを起動させる。

視聴者の中にはその正体はベリアルの人間態ではないかという予想もあったようだが、第6話ラストにてベリアルに力を与えられ、ベリアルの指示で活動していると判明した。


第7話『サクリファイス』~第8話『運命を越えて行け』
ここで、リクやゼロとケイの直接対決が始まる。

ケイの特別講演会が開かれ、リクやレイトが招待されることとなる。
その目的はウルトラマンゼロを抹殺すること。
また、ゼロも『コズモクロニクル』の内容やケイの様子から宇宙人ではないかと思うようになる。
講演会が進行する中、ケイは講演会の参加者をモデルに輝きの騎士ゾーラに変身する作品の登場人物を作ることに。
そこで選ばれたゼロ(レイト)とケイの対決が始まる。


ケイ「うーんなるほど。あなたには奥さんとお子さんがいますね。普段はとてもやさしいお父さんだ。
では新しい登場人物は普通のお父さんにしましょう。彼は何がきっかけで『輝きの騎士』になるのか。……何かアイデアはありませんか?
いきなり聞かれても困りますよね。ではこうしましょう。私はあなたの敵役です。そしてあなたをこう脅す。
動くな。動けばこの建物ごと集まった人間を吹き飛ばす。お前の妻と、子供も一緒だ。跡形もなく…焼き尽くす」

ゼロ(レイト)「お前はどうなる」

「迫真の演技いいですねぇ!もちろん、私は無事です」

「目的はなんだ!」

「目的は……お前だ。お前の中にはゾーラの魂が宿っている。その魂を、肉体ごと滅ぼしてやる……!」


「さあ……新しい騎士の、誕生です」

「やめろぉおおおおおお!!」

\ギャラクトロン!/



そして虚実入り混じった巧みな話術と撮影用カメラ、新作用のアイテムという虚言を利用してリクやゼロらの身動きを封じ、
自身に一切の手出しをさせることなくまんまとギャラクトロンを公衆の面前で堂々と召喚。
会場の人を扇動して避難させた後、このままではジードが死ぬと言ってゼロを脅し、熱線で消滅させた。

そして、ジードはギャラクトロンが機能停止したことで一時退却となった。

しかしその後、ゼロはレイトの思いに応え復活。

いいですねぇ……! こんなに楽しめるゲーム、いまだかつてなかった……!!

ジードとゼロのダブルウルトラマンの姿に臆せず心が躍ったのかケイはもう一体のギャラクトロンを召還、二人を追い詰めていく。

しかしヒカリの介入によりゼロはゼロビヨンドに変化。
ギャラクトロン2体もジード(アクロスマッシャー)とゼロビヨンドに倒されてしまった。
思わぬイレギュラーに一度は歯噛みするケイだが、すぐ平静さを取り戻して

ふっ…面白い。

と言い残して去っていった。


第9話『誓いの剣』
レイトの娘、マユが発症したリトルスターを狙ってタイラントが出現*3
それと同時に、自身もスカルゴモラにフュージョンライズし、ライハにとって6年前の怪獣災害で家族を失った因縁の地、光瀬山麓に現れる。
ジードに倒された後、家族の仇討ちを狙うライハに見つかって戦って追いつめるも、逆転され、逆に追い詰められた。しかし、突然降り注いだ光と謎の声によってライハが刀を降ろしたため、退却した。

その時に張ったバリアなどからゼロの情報により、正体がストルム星人と判明した。


第11話『ジードアイデンティティ』~第12話『僕の名前
自分の正体に気づいた者がいるとベリアルに忠告され、新作の執筆を中止し、
作戦の最終段階に入ることに決める。

ライハを狙撃手として雇ったバド星人に狙わせ、リクと対峙。彼の出自を話し、カプセルを渡すよう要求する。

19年前にリクを天文台に置いて、ライザーを用意した人物はケイだった。ベリアルの肉体を復活させることができるウルトラカプセルの起動を促すため、
ベリアルの遺伝子をもとに実験室でウルトラマンになりえる生命体を作った。リクはすべてケイの掌の上で転がされていただけであったのだ。

それを知ったリクは当然ながらケイに反発するが、一蹴。だが、バド星人は背後からペガの不意打ちを食らって狙撃に失敗。
ケイはカプセルを強奪するため、ペダニウムゼットンにフュージョンライズ、ジードと対決する。

ジードを模造品と断じて罵倒し、さらにはその存在と決意が人々を不幸にしていると挑発、
必殺光線の全力のぶつかり合いの末、互いに変身解除。
リクは倒れ、ライハの介入でトドメは差し損ねたが、ゼロカプセル以外のカプセルの奪取には成功。

カプセルを手にベリアルとコンタクトをとったものの、ベリアルには


拠点を悟られた失敗、十分な数のカプセルを集められなかった失敗。万死に値する


と言われてしまう*4
そしてベリアルの命令でストルム星人の位相反転器官によって、自らの体に撃ち込んだ6個のウルトラカプセルで邪悪な力を解放。
再びペダニウムゼットンにフュージョンライズするも、欠片とはいえウルトラ戦士6人分の力を制御できるはずもなく、暴走するのだった。
おまけに大量のウルトラカプセルを体内に取り込んだ結果、膨大な過剰エネルギーにより神経系・脳の一部が焼き切れ自己修復する羽目になった。
修復後は、精神が負荷を受けて言動もおかしくなる。そして上裸に。全裸でした。(田口監督談)

ベリアル様ァ! あのような子供に、何が出来ましょう!?
作られた道具がァ創造主に刃向かうというのかぁ!?
跪け!! 地を舐めろ額を擦り付けて許しを請え!!終わる時が来たのだぁ!!
貴様の首をベリアル様への手土産とするゥ!

リクが錘のリトルスターを受けて手に入れたウルトラの父カプセルとゼロカプセルで
マグニフィセントにフュージョンライズし、再び戦いになるも、


「僕には仲間がいる!帰る場所も!僕は僕の人生を生きてる!誰にも価値がないなんて言わせない!」

「貴様が価値あると信じているすべてのものはクズだ!薄っぺらいお前のような存在にはお似合いだがな!」

「……かわいそうな人だ!」

「なんだと……」

「あなたには何もない!空っぽだ…」


と、錘と交流し、自分のアイデンティティーを持ったリクには精神攻撃は通じず、逆に哀れみの眼差しを向けられ、
マグニフィセントの必殺技・ビッグバスタウェイで倒される。

何とかベリアルのもとへ戻ったケイだったがついに倒れてしまう。


ベリアル様…ベリアル様ぁ…私の体に、何が起こっているのでしょうか…?


ジードとの戦いに敗れたダメージ以上に、自身の肉体に起こった異変に困惑するケイだが、
「案ずるな」と優しい言葉をかけられて安堵と共に気を失う。


今は眠れ。体内に宿った悪夢を育てるためにな…


ケイの意識が消えるのを確認したベリアルは、意味深な言葉を発する。
その不気味な言葉は、ケイの耳に届かなかった……



第16話『世界の終わりがはじまる日』~第17話『キングの奇跡!変えるぜ!運命!!』
落ちぶれ果てたホームレスのようなボロボロの服装という誰が見ても可哀想にしか見えない姿で再登場。
ジードに敗れるまでの、裏でマッチポンプを敷いていた策士や売れっ子小説家としての小奇麗な姿は見る影もない。
服装のみならず心身ともに満身創痍な状態であり、路地裏で横たわりながらベリアルの降臨を見つめていた。

ベリアルが倒されると体にさらなる異変が起こったようだが……?


第18話『夢を継ぐ者』
ベリアルを失ったことで記憶喪失になってしまい、編集者を殺害した容疑で指名手配も受けている。
フクイデスト全滅!先生は容疑者だった!

AIBやゼロ、リクに追われ、同胞の仇を討とうとするダダにも狙われていたが、ノンフィクションライターの石刈アリエに匿われる。
しかし、ダダが搭乗したレギオノイド ダダ・カスタマイズがゼロを時間切れに追い込むと、


ダダ「伏井出ケイ。ストルム星人ごときに宇宙の覇権は握らせん。ベリアルの後は我らがもらい受ける!」

アリエ「ストルム星人?何のこと?」

ケイ「分からない…分からない…」

「散っていった我が同胞の仇だ。怯えて死ね!」


レギオノイドの爆撃を受けるケイ。


そうだ…私は失ったのだ。ベリアル様を…空っぽの器、虚ろな私を満たす方を。あの方はもういない…いない!

どうしたの?

私は……私がその後を継いで見せる!


記憶を取り戻したケイはザイゴーグを召喚する。


朝倉リク!ベリアル様の紡ぐ悪夢は私が継承した…誰一人安心して眠らせるものかぁ!


レギオノイドとダダを倒すと、自身もサンダーキラーにフュージョンライズ。
ジードを2対1で苦しめたが、ロイヤルメガマスターとなったジードにはかなわず、
ザイゴーグはランススパーク、自身はストリウムフラッシャーで倒された。


「キングの力は貴様が継いだかぁ!」

「継いだのは力じゃない!夢だ!」


ケイの正体を知ったアリエはいい本が書けると踏んで、隠れ家の提供と情報収集を申し出た。
ケイはアリエを殺そうとするも、倒れ、抱きかかえられるのだった。

また、今回のサブタイの影絵はケイと背後のベリアルが笑っているものになっている。
ケイの笑い方に変態臭を感じる。


第19話『奪われた星雲荘

ずっと昔、僕には静かな世界があった。
でも……ある日、街が炎に包まれた。
すべてを失った僕は、暗闇のなかで気がついた。
自分の力で運命が変えられないことを。
そして……闇の支配者にすべてを委ねた。


リク達の住む星雲荘を急襲する。
そして、リク達を緊急避難させたレムの記憶を消すと、星雲荘の施設でストルム器官の修復をした。

レムがなんとか避難し人間態になったと知ると、
ユートムを使って洗脳し、メカゴモラに搭乗させる。

レムは第19話冒頭で語った小説の一部や自身に授けられた名前がストルム語で「呪縛」という意味を持つこと、
いずれも「全てマスターから与えられた」と心の中のもう一人のケイに従順な自分から唆されるも


僕は、暗闇の中で気がついた。
ひとりじゃないことに。
僕には仲間がいたから。
そしてわかった、運命は変えられる。自分の力で。


と自我を取り戻し、星雲荘からケイを追い出した。

しかし、ケイは


本当の悪夢はこれからだ…


とまたも意味深な言葉を発したのだった。

星雲荘のプロテクトは解除され、ストルム星人の能力がリク達に知られてしまった上、
ケイの利用はできないようになったようだ。

ケイが星雲荘を襲う間、アリエは谷丸商事の商品の取材と称し、レイトを変身させないように足止めしていた。


第20話『午前10時の怪鳥』
レキューム人からAIBがエンペラ星人カプセルとダークルギエルカプセルを保管しているという情報を得る。
ギエロン星獣はケイがロイヤルメガマスターのデータ収集のために召喚していたようだ。


第21話『ペガ、家出する』
ペダニウムゼットンにフュージョンライズして地中から出現、リトルスターを発症したグビラを襲う。
それを止めるため現れたジード・ロイヤルメガマスターをも前回解析した通りに完全に見切って圧倒。
しかし、グビラに背後からリトルスターの能力による潮吹きで痺れさせられ、
その隙をついたバーチカルスパークで倒された。

次なる狙いはAIBが保管するダークルギエルとエンペラ星人のカプセルのようで…


第22話『奪還』
AIBにエンペラ星人とダークルギエルの怪獣カプセルを渡すよう、
アリエを人質、リクをカプセルの引き渡し役として取引をしかける。


なぜお前を指名したと思う?
この物語に決着を着けるのはこの私か、ベリアル様の子であるお前のどちらかだ。
ベリアル様に選ばれしものがこの物語にエンドマークを打つ。
ベリアル様の意思を継ぐ者、それはお前じゃない。私だ。
この物語の決着の鍵は私の手の中にある。


不意打ちで現れたレイト(ゼロ)に邪魔をされ、アリエを救出される。廃工場でゼナと戦ったことにより一瞬右手を痛めた。絶体絶命に見えたが、参戦してきたライハを相手に剣での攻撃を全てよけるという回復っぷり。蹴りを食らって今度こそピンチかと思いきや…
ライハ「(剣を向けて)もうやめなさい!」
ケイ「(薄笑いを浮かべて)ははぁ~?」
(袋を投げつける)
ライハ「ううっ⁉
(斬りかかろうとする右腕を掴んで)
ケイ「(手のひらを向けて)うるさい虫けらめ…
ライハ「…(剣を落とされてかなり怯えた表情で)」
(※筆者の実力不足で画像を貼れません。誰か画像をお願い致します。)
とまあライハに対して完封勝ちするという戦績を見せつけた。この後ゼナがキックで乱入して後述の展開になったが、もしゼナが来なかったらライハの命は無かっただろう。
その後、キングギャラクトロンにフュージョンライズ。
ジードとゼロのコンビと互角の戦いをする。

モアとアリエが乗る車を襲い、ロイヤルメガマスター、ゼロビヨンドをなお苦しめるが、最後は87フラッシャーとツインギガブレイクを受けて敗北した。

カプセルの奪還は失敗したかと思われたが、アリエがカプセルを盗み、ケイに渡してしまう。


私、役に立つでしょ

想定していたよりもずっとな

そろそろ認めたらどう?これはあなただけの物語じゃない。私たちの物語。
私たち二人がこの手で世界を終わらせる。その瞬間を見るのが待ちきれない

しかし、ケイはアリエを殺害してしまう。
皆が伏井出ケイの手の中で踊らされていたのだった。


第23話『ストルムの光』

それは、想像を絶する恐怖と、絶望だ……。
ストルムは美しい星だった。豊かな自然と、祖先が築き上た文明……。
だが、すべては破壊された……野蛮な者たちの暴力によって。
弱いものが強いものに侵食される……それがこの宇宙の真理だ!!
私は失望した……弱いストルム星人である自分に。
力が欲しい……もっと強い力が!
その時出会ったのだ……ベリアル様に。あのお方の圧倒的な強さに!

かつて母星が滅ぼされたこと、その時遭遇したベリアルにすべてを捧げようと決意したという事実が判明。
30年に1度だけ沖縄で観測できるストルム星から降り注ぐ光を浴びて完全な強化を果たすため、沖縄の中城城跡に向かう。

「なぜ、お前だったのだ……?あのお方は、なぜお前を……?
お前など必要なかったのだ。たとえウルトラマンの遺伝子がなくとも、あのお方の理想も夢も、この私が……」

「それを止めるために僕がここにいる。
それが……ウルトラマンとして生まれた僕の使命だ!!」

ケイと決着をつけるため単身で向かったリクに本当のエンドマークを決めるためにペダニウムゼットンにフュージョンライズして戦う。

ジードを圧倒し、ロイヤルメガマスターが登場するとエンペラ星人とダークルギエルのカプセルで超巨大化。
しかし、ロイヤルエンドを受けて敗北してしまった。

戦いを終えたケイやリクたちの前に現れたのはなんと石刈アリエ。


「私の息子に勝てるとでも思ったのか?」


アリエ(Allie)の正体はベリアル(Belial)だったのだ。
ストルム器官を抜き取り、飲み込む。


「私は常にお前とともにいたのだよ」

「ベリアル様……」

「不思議に思わなかったか?私が姿を消してからもお前はフュージョンライズすることができた」

「私がお前に力を与えていたのだよ、ずっと。
だがここまでだ。ストルム器官を失ったお前は数日で息絶える。お前の使命は終わった…フハハハハ!」


ベリアルが宇宙へと飛び立つとケイは、


あなたは…ついに私を選んでくださったのですね……ハハハハハーッ!
見たかぁ!ベリアル様は復活した!お前たちはおしまいだぁ!
これからベリアル様はこの宇宙を征服する!新しいベリアル様の世界が始まるのだぁ!

と、主の復活を盛大に喜び声を上げた。

「利用されていただけじゃない!」とライハに言われるも、
「ベリアル様と一つになれて、これ以上の喜びはない」とAIBから逃れて海へ落ちていった。

第12話でベリアルが言っていた「体内に眠った悪夢」とはエネルギーの溜まったストルム器官だった模様。

また、この回のサブタイの影絵もケイになっている。


第24話『キボウノカケラ』~最終話『GEEDの証
崖から落ちた後、星山市に戻って伊賀栗家に侵入、
ルミナとマユを人質として、ベリアル・アトロシアスと戦うゼロに首を差し出すよう要求する。
ビヨンドツインエッジを捨てさせたが、ライハが駆け付けると窓から逃走した。
ストルム器官を抜かれているため、苦しみながらもライハと戦いを繰り広げるも戦いは一時仕切り直しとなる。


ハァ……ハァ……律義だな。昨日の続きを望むかぁ…

光栄に思いなさい。……私が看取ってあげる

ハァ……エンドマークを打つのはお前じゃない……私だァアアアアアアッ!!

ハァアアアアアアアアアッ!!!


その後ベリアルとジードの最終決戦の裏で再びライハと相まみえるも既に肉体は限界を迎えボロボロの状態。
それでもなお執念だけでライハに食い下がるが、ついに死の時が…


ベリアル様……私は……あなたのお役に立てたでしょうか……?
ベリアル様……

ええ……あなたはベリアルの役に立った……だから……安心して消えなさい

ベリアル様……私はあなたのお傍に……


その肉体はカレラン分子の光となって霧散し、ライハに看取られながら消えていったのであった。
そして、ベリアルが取り込んだストルム器官は、この後に意外な役割を果たすことになる。


■使用アイテム

ライザー
リクやレイトが使用するものと同様のライザー。
怪獣カプセルをリードしてベリアル融合獣にフュージョンライズしたり、怪獣を召喚できる。
どうやらウルトラカプセル同様にこちらも光の国から盗み出したものの様子。

怪獣カプセル
怪獣の力が込められたカプセル。
第16話にて、光の国から盗み出したカプセルをもとにレイオニクスの能力を利用してベリアルがケイに作らせたことが判明。

ウルトラカプセル
リクから奪ったウルトラマン、ベリアル、セブン、レオ、ヒカリ、コスモスのカプセルをベリアルの命令で自らの体に撃ち込んだ。


作家モードの時によく持っている杖。戦いの際に振り回して使うこともある。
ライハとチャンバラしたりAIBエージェントを一撃でノックアウトしたりと明らかに普通の杖ではない。多分武器として特注した物だと推測される。


■ウルトラマンベリアルとの関係

ケイに力を与えた存在で、ケイからは神と呼ばれ崇められている。
過去の描写だけを見れば、ケイはウルトラマンであるベリアルに救われたともとれる。

ベリアルからはストルム星人と種族名で呼ばれており、
過去のベリアルの部下たち、ダークゴーネやアイアロンダークネスファイブらと比べて、
扱いが軽い様子である(ダークネスファイブは個人名で呼ばれていた)。

ケイは
  • 6年前の怪獣災害でリトルスターを無駄にする
  • ウルトラマンゼロの抹殺に失敗
  • AIBにベリアルの潜伏先を気付かれる
  • 十分な数のウルトラカプセルをゲットできなかった
  • 感情に任せてリクを殺害しようとする
など失敗やミスが目立っており、ベリアルも肉体が不完全で余裕がないのが理由であろうか。
結局第11話にて、ケイは命をもって罪を償うことになる。
ケイが敗れた後、何か彼に何か仕掛けたようだが……

ベリアルの狙いはケイが持つストルム器官だった。
そして、アリエに憑依してケイに陰から力を送り、ベリアル融合獣へのフュージョンライズを可能にしていた。

最終盤、ストルム器官を奪われて余命僅かとなっても変わらずベリアルに忠誠を誓って行動したが、
当のベリアルはケイのことを気にかけている様子はまるでなく、彼が自身とゼロとの戦いに介入し、自身に有利な状況を作り出しても、
未だ自分に忠誠を誓うケイを「愚かな奴」と嘲笑っていることから、あくまでベリアルが注目していたのはストルム器官だけで、
ケイ本人についてはまったく興味がなく、ストルム器官を奪った時点で用済みだったと考えて間違いないだろう。


■その他関連人物

◇朝倉リク/ウルトラマンジード
『ウルトラマンジード』の主人公でベリアルの息子であり宿命のライバル。
彼からは人気小説家として顔を知られていて、サインを求められたこともあったが、第7話の講演会での事件を経て敵として認識される。
実際にはケイがベリアルの遺伝子を元に作った人工生命。演者からは伏井出ケイは母親と言われている
ケイは今までリクの「ヒーローごっこ」に付き合っていただけであり存在そのものを露骨に見下している。
……が、同時にベリアルから特別視されている事実に嫉妬と憎悪を向けているという複雑な心境に収まっている。

◇ウルトラマンゼロ
「気の合わない相手」として抹殺を試みる。
第7話にて一度は抹殺を成功したが、第8話においてレイトの思いに応え復活されてしまった。
ゼロビヨンドへのパワーアップが可能になったが、それも想定内なのか…?

鳥羽ライハ
彼女の家族の命を奪った全ての元凶として君臨。
6年前の怪獣災害でスカルゴモラから元に戻る瞬間を目撃されており、復讐の対象として見られている。
第7話においてその正体を知り切りかかろうとするが、講演会の記録カメラの存在からゼロに止められる。
第9話では6年前の怪獣災害を引き起こされ両親を殺された恨みからケイを襲うも、謎の光を浴びた時に制止する声を聞き刀を降ろしていた。
第11話では人質として扱ったり、第22話では戦って追い詰めた際に「うるさい虫けらめ…」と発言したりするなど敵として特に意識していない様子。
上述したようにケイはベリアルに助けられたようなもののため、彼女とは「ウルトラマンに助けてもらった」という意味合いでは表裏一体の関係性である。

◇AIB
ケイの居住地・小説家になる前の経歴が全く不明のため、怪獣事件との関係を疑い監視対象にする。
しかしケイやベリアルに気付かれ、捕まえることも困難とされたため諜報を専念し、ウルトラマンゼロに調査を依頼することに。

◇大隅丈治
伏井出ケイ担当の雑誌編集者。
第11話にて(おそらく)AIBから頼まれ、盗聴器を付けてケイとカフェで次回作の小説について打ち合わせをしていたが、
ケイに気付かれた後行方不明になり、後日遺体で発見された。

◇石刈アリエ
取材のために伏井出ケイを追っていたノンフィクションライター。
ケイが起こした編集者不審死事件を本にしたいと思っており、記憶喪失になったケイを自身の仕事場に匿う。
ケイの正体を知ってなおケイに協力を申し出る。第二の蛭川か?
最初は単なる好奇心からケイを支援していたようだが、
ケイを匿い、取材をしているうちに彼に心酔してしまったようで、第22話では世界の終わりを望む発言をしている。
しかし、彼女自身ケイに殺害されるという結末を予測していなかったに違いない……

と思いきや、その正体はウルトラマンベリアル

ジードに敗北したケイからストルム器官を奪い取り、去っていった。

ベリアルが復活したのが第16・17話で、初登場の第18話にてすでにライターとして活動していたことや、
ベリアルが巨大化する際に、体が分離する描写から、憑依されていた(初代マンやジャックと同じ)と推測できる。
結果的に、彼女はケイとベリアルの両者にいいように利用されてしまったと言える。……より不憫な結末である。

◇久米ハルヲ
フクイデスト。銀河マーケットの店長。
◇伊賀栗ルミナ
フクイデスト。伊賀栗レイトの妻。
抽選が外れて行けなかった講演会にケイ本人から招待される。
ルミナと娘のマユは第24話にてケイにゼロを脅迫するための人質として襲われる。

◇ダークネスファイブ
ベリアルの部下たちで、彼にとって明確に「仲間」と言える存在*5
時系列的にゼロファイトの後(クライシス・インパクトを起こす前)となるシーンで彼らと共にベリアルの前に居並んでおり、
超全集によればオメガ・アーマゲドンにも一緒に参加したらしいので一応彼らとの面識はあるらしい。


■余談

  • 渡辺氏は、『ウルトラマンオーブ』のジャグラス ジャグラーのオーディションで落選したのち、今回起用された。
    『ウルトラマンジード』放送中は自身のブログに収録現場のエピソードや他の出演者との写真などを載せていたが、
    その中には、作品を見てくれている3歳の甥っ子さんにDXジードライザーをプレゼントするも、
    遊び方の見本を見せようと「スカルゴモラ」のフュージョンライズをしようとして甥っ子さんに全力で止められるといったお茶目なエピソードも綴られている。

  • 渡辺邦斗氏の変身バンクは濱田龍臣氏に負けず劣らずの華麗なものとなっている。伏井出ケイの性格を動きで表現するため、カプセルをライザーに挿すときメリハリのある動きを心掛けたとのこと。

  • 伏井出ケイの独特な世界観を表す言葉にフクイデワールドというものがあり、本編において、ケイの作品のポップ広告や帯で使用されていたものが元ネタ。
    公式配信でも「DXジードライザーで伏井出ごっこ! 君もフクイデワールドへ!」とネタにされている。
    前作の「ジャグジャグする/してきた」とほぼ同じ使われ方。一部の人は「ケイケイする/してきた」として、引き続き使っているが。
    また、第12話でリクに言われて以降*6、ニコニコ動画の配信ではかわいそうな人とも呼ばれている。
    アリエ殺害時はその外道行為から呼び方が変わりそうだったものの陛下の女装アリエの正体が判明したことで(本物のアリエへの行動は別にして)再び「かわいそうな人」に評価が戻ってしまった。

  • 伏井出ケイの由来はSF作家のフィリップ・K・ディック、
    ストルム星人の由来はアーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』に登場する国連事務総長ストルムグレン*7
    また、ファンに固有の呼び方がある点で、村上春樹を意識しているとも思われる。

  • 俳優がドラマにレギュラー出演した場合、登場シーンを全て撮り終えた頃に花束を渡されるのが恒例だが、渡辺邦斗氏への花束贈呈役はなんとベリアル陛下というサプライズがあった。
    ベリアルが偉そうな態度で乱暴に花束を渡しつつ労うという奇妙な絵面にスタッフ一同は大爆笑していたらしい。その後は他の出演者、一部のスタッフ、そしてベリアル陛下と一緒に記念撮影を行なっている。


追記・修正は伏井出先生のためにエンドマークを打ってきたフクイデストがお願いします。

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最終更新:2023年04月14日 18:54

*1 時系列としては、ベリアルがダークネスファイブと共にプラズマギャラクシーで暴れていた「大怪獣ラッシュ」の頃らしい。

*2 ベリアルがストルム星を滅ぼした元凶なのかどうかは明言されていない。少なくともジード本編中のベリアルはストルム星人の能力自体を欲していたため、洗脳能力も持っているベリアルがわざわざストルム星を滅ぼすとも思えないとはいえるが。

*3 超全集によるとケイが召喚したとされる。

*4 カプセルが十分に集まる前に独断専行したうえ、カプセルを一つ奪えなかったのでベリアルが怒るのも当然と言える。

*5 ウルトラ戦士を苦しめた強豪宇宙人の同族が集まるダークネスファイブと弱いストルム星人の間に信頼関係と呼べるものがあったかは不明だが。

*6 第23話では、ライハからも言われてしまった。

*7 ちなみに、『幼年期の終わり』は『ジード』の企画段階での元ネタでもある。他にもカレラン分子、幼年期放射なども元ネタ。