3年B組一八先生

登録日:2017/08/25 Fri 19:20:00
更新日:2024/04/04 Thu 19:56:07
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『3年B組一八(インパチ)先生』とは、パクリとは、そして著作権とは何かを考えさせられる 麻雀漫画である。作者は錦ソクラ

竹書房が出版するフリーダム系麻雀誌「近代麻雀」で2012年から2020年まで連載されていた。


概要


タイトルどころか、基本設定やストーリーまで3年B組金八先生をベースにしている麻雀漫画で、中学校教師・坂本一八(さかもと いんぱち)が、周囲で起きるトラブルを麻雀で解決し、毎回必ず18,000点(インパッチ)でアガってオチを付けるというのが基本の流れ。

ストーリー上、行われる麻雀は必ず「賭け麻雀」であり、同卓した人間は生徒や教師のみならず理事長や警官などたまたま同卓した人間に至るまで漏れなく一八の債務者となる。教師生活を30年やっているのはパロディ元と同じなので、一八が受け持った生徒は借金苦で大学進学を諦めた、高校を中退せざるを得なくなった、闇社会に身を投じたなど、人生を狂わされた者が数知れない。何故こんなドクズが教師を…

初期は不定期連載だったが、後に月1連載のペースとなった。ただし、諸事情*1により「近代麻雀」2018年9月1日号掲載の57話で月1連載を終了。58話から再び不定期連載となり、「近代麻雀」2020年2月1日号掲載の61話をもって完結した。
現在、正式に読むことができるのは最終回の61話のみである。

一八のキャラデザは金八パロディでよくある初期の長髪姿ではなく、後期の短髪姿となっている*2
また、後期で恒例となった生徒がソーラン節を踊るシーンも申し訳程度に登場する。

作風


「パロディ系麻雀漫画」としては、同じ近代麻雀で連載されていた『ムダヅモ無き改革』がよく知られているが、本作は元々『金八先生』のパロディなのにさらに他の有名漫画の絵柄でパロディをし、話の内容やセリフまで似せるのが大きな特徴。
しかも、元作品の出版社や作者には無許諾──である。

漫画業界の暗部として、すでに出版されている漫画の絵をそのままコピー&ペーストする「トレパク」問題がプロ・同人問わず出てくるのは世の常だが、本作はトレパクをしているわけではない。
元ネタと見比べるとよく分かるが、縦横比や線の書き方などが原画と明らかに異なっているので、錦先生による高度な模写というのが事実である。

さらにパロディとしての芸が細かいのは、吹き出しのセリフである。各作品の吹き出しの形状や文字サイズまで徹底的にマネているのである。
小学館の雑誌で連載されている漫画には吹き出しのセリフに句読点が打たれているのは御存知のとおりであるが、本作はそこまで完コピしている。

元ネタにされる漫画も有名なものから、連載当時話題になったもの、マニアックなもの、ネットで知名度が高いものなど多岐にわたる。
ネットで調べる前にパロディ元の漫画がわかったらガッツポーズをしてもいいほど対象範囲は広い。

パロディありきの漫画なので、元ネタが理解できていないと楽しみはかなり薄れてしまう上、相当数の漫画の知識が求められる。また、ところどころに『金八先生』以外の武田鉄矢ネタも見られるので、そちらも探そう。

ちなみに、本作品がネットで反響を呼んでいることについて、竹書房は困惑している模様。

封印作品として


『ムダヅモ』もよく書籍化(+アニメ化)できたと思える漫画だが、本作は著作権的な意味で書籍化が絶望的とされている漫画であるそもそも連載にGOサインを出した近代麻雀編集部ェ…
なので、全話読みたい場合は古本屋で近代麻雀のバックナンバーを探して買うか、国立国会図書館でコピーをとるしかない。

何しろ著作権法的には完全に一発アウトな代物のため、ネットで人気を博す一方、『孤独のグルメ』原作者の久住昌之氏など、本作に対して否定的な意見を挙げる原著作者も少なからず存在していた。
著作権を侵害されたあげく、大抵ドクズな一八の噛ませ犬にされ煽られるオチがつくので、パロディに使われた方がいい顔をしないのも当然であろう。

かつて、加瀬あつし先生が『カメレオン』で下ネタ満載の『銀河鉄道999』パロディを無許諾でやった際(第322話「YAZAWA・友情物語」。週刊少年マガジン1997年7月30日号掲載)、原著作者の故・松本零士大先生が激怒し、加瀬先生に一晩中説教をして、該当の回が単行本未収録になったことがある。
それでもこの事例での作中パロディは『999』のキャラクターのコスプレレベルにとどまっており、松本先生の著作権には抵触していなかった。

しかし、本作は高度な模写能力を有する錦先生による、高精度の模写系パロディ漫画であり、手描きであっても法的には著作権の「複製権」侵害とみなされうる。
また、ギャグ化する都合上原画から改変している部分もあり、これは著作者人格権の中の「同一性保持権」の侵害に該当しうる*3

その一方で、『スプリガン』原作者のたかしげ宙先生のように本作の存在を好意的に受け止める作者もいた。
中でも『シティーハンター』原作者の北条司先生は錦先生の無駄に高い模写能力に注目し、後にスピンオフ漫画の連載を依頼している

つくづく、よくどこの出版社からも訴えられなかったものだと思う。出版社が目をつぶってくれるコミケの薄い本ならともかく、これ商業出版ですよ?

上述の『カメレオン』のケースとは異なり、本作は原著作者に無許諾のパロディでありながら、(一八の噛ませ犬になることを除けば)原作にそれなりの敬意を払っていたことが、錦先生ならびに竹書房が原著作者から訴えられなかった最大の要因と言えるだろう。

「書籍化が無理ならネットで」という判断があったのか、2019年頃からウェブ配信が始まったのだが、それによって遂にパロディ元の出版社から正式な抗議を受けた模様*4

ちなみに本作55話には上記の『カメレオン』のパロディも出てくるが、該当回には上述の松本零士先生と加瀬あつし先生が揉めた件のネタまで含まれるため、竹書房の自主的な判断で配信そのものが中止された。

最終的に本誌で金八先生以外パロディ要素なしの最終回が描かれ、ウェブ配信分も全てサイトから削除された。しかし、2022年頃までブラウザのURLに直リンを入力すると、近代麻雀=竹書房のサーバーから本作の画像を全話ダウンロードすることができた。それ以前には「24時間限定公開」なんてこともやっていたり……海賊版ソフト扱いかな?

今のところ、本作に対して武田鉄矢氏やTBSから抗議は来ていないようである。

最後に、当時「近代麻雀」編集部に在籍していた竹村響氏(現在はフリー編集者)の本作に対するコメントを記す。やっぱり他の出版社とは相当なゴタゴタがあったようです。「特級呪物」扱いも妥当と言えよう。

それは俺が退職前に封印してきた特級呪物
時が経ち封印が解けかけているのか……?
2023-07-22 12:56:31

今後、指定暴力団竹書房*5の手によって「特級呪物」の封印が解かれる可能性が…?!(ありません)

元ネタ一覧(カッコ内は掲載回)


  • 1・2・6・9・10・最終話には『金八先生』以外のパロディは出てこない。
  • 基本的に、元ネタのキャラクターの姿はそのままに(著作権侵害)、名前を無理やり麻雀にこじつけてある場合が多い。

  • 3年B組金八先生
    • 坂本一八
      主人公。愛称は「一八(いんぱ)っつぁん」。
      元ネタ同様教師であるが、ドがつくほどの外道&畜生。
      似ているのは名前と顔だけである。
    • 坂本乙女
      坂本乙女とは、
      1.偉人・坂本龍馬の姉である。
      2.ドラマ『3年B組金八先生』の登場人物で、坂本金八の長女である。
      3.漫画『3年B組一八先生』の登場人物で、坂本一八の娘である。
      一八先生の娘とあって、1,800点(コインパチ)でアガる。
+ 一方、一八先生はというと、
一方、一八先生はというと、範馬勇次郎風の表情とともに32,300点のアガリ。大人げないところも再現されていた。
    • 坂本幸作
      一八の息子、乙女の兄。18話のみの登場。

  • (すずめ)中学校3年B組の生徒たち
    錦先生は元ネタのキャラクターの登場時期にはこだわりがないらしく、様々な時期に放映されたキャラクターが混在している。
    一八を含め、主なたまり場は雀荘「麻雀Z」*6
    本項では出演頻度が多く、現在も公開されている最終話に出演した生徒キャラをまとめる。なお、加藤、茜、修一の3名のフルネームは37話の『金田一少年』回に出てくる。
    • 加藤勝
      1話から登場。本作の準主役。中学生のくせに麻雀ばかり打っている不良だが、一八の食い物にされるのが1話目からの定番パターン。
      暴走族「剛毛魅怒呂(ごけみどろ)」のメンバー(3話)でもある。ももクロが好きらしい(13話)。
      元ネタは「腐ったミカン」で有名な生徒の加藤優(1980年放映の第2シリーズに登場)だが、本作の加藤の外見は元ネタとは大きく異なる。

    • 2話に登場。メガネをかけており、受験の失敗を恐れるも、一八に雀荘に誘われた挙げ句、カモにされる。
      本作のオリキャラのような気がするが、詳細は不明。『3年B組金八先生』に詳しい方、追記をお願いします。
    • 深山明彦
      4話に登場。実家は寿司店。父親は星一徹によく似ている。
      1999年放映の第5シリーズに登場した深川明彦(演:亀梨和也)がモデル。
    • 柴崎茜
      5話から登場。2010年放映の完結編に登場した柴崎茜(演:趣里*7)がモデル。名前のひねりは無し。
      一八に恋する話も元ネタをなぞっているが(10話)、一八のえげつないアガリに泣きを見た。
      錦先生は茜というキャラを相当気に入っているらしく、事実上準レギュラー扱いである。
      余談だが、錦先生のデビュー作『侍父(サムライパパ)』の娘役の顔とよく似ている(年齢設定は大きく異なる)。
      元ネタ同様、髪型は前髪ぱっつん。ちなみに 錦先生のpixivアカウント には「前髪ぱっつんを描きます。 」と書かれているので、おそらく錦先生の好みを反映した結果と思われる。
    • 松浦
      5話にて登場。元ネタ同様、加藤とケンカを繰り広げ、一八のハンガーヌンチャクでしばかれる。
      モデルは第2シリーズに登場した松浦悟(演:故・沖田浩之)。なお、この回登場の「ハンガーヌンチャク」は『金八先生』ではなく『刑事物語』が元ネタである。
    • 委員長
      6話にて登場する女子生徒。なぜか名前は無し。
      髪を2本の三つ編みにまとめており、若干吊り目で強気そうな雰囲気。
      本作のオリキャラと思われるが、詳細不明。
    • 杉原修一
      8話から登場。本作では数少ないデブキャラとして出演頻度は結構高い。デブキャラだからか「ブヒ」が口癖。
      モデルは1995年放映の第4シリーズに登場した杉山修一だが、元ネタは本作の修一ほど太ってはいない。「ハレ晴レユカイ」が好きらしい(13話)。
    • 力也
      9話にて登場。三郎とケンカをして一八に仲裁されるが、エグい和了でダメージを受ける。
      モデルは1999年放映の第5シリーズに登場した入船力也
    • 三郎
      9話にて登場。力也のケンカ相手だが本作では影が薄い。
      モデルは1999年放映の第5シリーズに登場した田口三郎
    • 石川祐子
      12話にて登場。元ネタ同様、試験の答案を白紙で提出し、ムスカ大佐室塚先生を挑発する。
      モデルは1980年放映の第2シリーズに登場した石川祐子。名前のひねりは無し。

  • その他のキャラクター
    『金八先生』の出演人物のパロキャラであるが、本作が他の漫画のパロディ中心になるにつれて、その存在は忘れ去られていった。
    • 大森巡査
      10話で初登場。元ネタの大森巡査(演:鈴木正幸)がモデル。初期は結構な頻度で登場するが、徐々に出番が減っていく。
    • 本田先生
      雀中学の女性養護教諭。10話のみに登場。第4シリーズ以降に出演した本田知美(演:高畑淳子)がモデルだが、容姿は大きく異なる。
    • 花子先生
      42話にのみ登場する女性体育教師で、冴和了の依頼人。
      モデルは第5~7シリーズに登場した小林(旧姓:渡辺)花子(演:小西美帆)。なお、元ネタの花子先生は体育教師ではなく、家庭科担当兼バレーボール部顧問である。

  • 他作品のキャラクター
  • ゲゲゲの鬼太郎(3話ほか)
    • 一八の雀中での同僚が、『鬼太郎』シリーズをはじめとする水木しげる作品全般に登場するサラリーマン山田にそっくりである。
  • 疾風(かぜ)伝説 特攻の拓(ぶっこみのたく)(3話、23話)
    • 雀荘「Z」のマスター・岸森
      • セット麻雀(ギグ)を流れ解散させそうな風格漂う男。左耳にピアスを3個付けており、元ネタの鰐淵春樹とよく似ているが、サングラスはかけていない。
        よく一八が生徒を連れ込んで打つ他、雀中学の生徒もよくここに来る。"中坊"を"雀荘"に入れてんじゃねーゾ!?
        ドラッグに手を出した生徒のせいで"不運(ハードラック)"と"(ダンス)"ったこともある。
    • "剛毛魅怒呂(ごけみどろ)*8
      • 暴走族だが、麻雀で加藤をカモにされたことを怒る優しい連中。もちろんカモにされた。
    • 23話でも鰐淵によく似た、サングラスを着用した人物が雀荘の店員として登場。3話のマスターと同一人物かどうかは不明。
  • 巨人の星(4話)
    • 明彦の父親
      • 上述の通り、星一徹風のデザイン。著作権に抵触するかはどうか微妙なライン。
  • 天空の城ラピュタ(5話)
    • 室塚先生
      • みんな大好きムスカ大佐。一八の同僚としてレギュラーキャラとなる。これあかんやつや。
        スタジオジブリもよく訴えなかったもんだと感心する。
  • GTO(7話)
    • グレート・ティーチャー・鬼塚
      グレート・ツモスジ・鬼月(BGM:反町隆史「poison」)
      • 「切りたい牌も切れないこんな世の中じゃPoison」というセリフが出てくるが、JASRAC無許諾。まずいですよ!
  • グラップラー刃牙(8話、画風のマネだけなのでセーフ)
    • オチで一八が板垣恵介先生チックな絵になる。
  • ジョジョの奇妙な冒険(10話、23話、41話)
    • 3回ネタになっている。
    • 10話、23話はオチでの画風マネだけなのでセーフ。
    • 41話はダニエル・J・ダービーが登場する話のパロディ
  • 北斗の拳(11話、60話)
    • 11話で汚物を消毒するモヒカンスペードによく似た人、「ヒャッハッハ」と言いながら水をかぶるジード団メンバーによく似た人の3名が登場。
    • 60話では山のフドウそっくりの「符同先生」が登場。
      • この後に錦先生はコミックゼノンにて連載を開始しているので、60話に限り、原哲夫先生とコアミックスの許諾を得ている可能性も否定できなくはない(※ただしクレジット表記はなし)。
  • 笑ゥせぇるすまん(11話、画風のマネだけなのでセーフ)
    • オチで一八が藤子不二雄Ⓐ先生チックな絵になり、『北斗の拳』の悪党によく似た3人を「ドーン!」と倒す。喪黒残悔拳?
  • セクシーコマンドー外伝すごいよ!!マサルさん(12話、18話、24話など)
    • オチでの画風マネだけなのでセーフ。
  • 進撃の巨人(13話、画風のマネだけなのでセーフ)
  • 美味しんぼ(14話)
    • 牌腹雄山(はいばら ゆうざん)
      • 雀中学の理事長として登場。本物とよく似ているが、実はヅラ。
  • HUNTER×HUNTER(14話、54話)
    • 14話はオチでの画風マネだけなのでセーフ。
    • 54話は『幽☆遊☆白書』回だが、同じ冨樫義博先生の『HUNTER×HUNTER』からはゴレイヌ、団長の手刀を見逃さなかった人、ノブナガの3人が著作者に無許諾で友情出演している。
  • まんゆうき ~ばばあとあわれなげぼくたち~(15話)
    • 漫☆画太郎先生の作品全般に登場する「ばばあ」そっくりのキャラが登場する。
  • X-MEN(16話)
    • オチでの画風マネだけなのでセーフ。
  • ドカベン(17話)
    • 元ネタは「岩鬼」だがこちらは「岩騎」。葉っぱの代わりに点棒を咥えている。
  • 地雷震(18話)
  • うしおととら(18話、53話)
    • 2回登場。18話はオチで一八の顔が妖怪「さとり」風になるだけだけなのでまだセーフだが、53話は全編パロディ
    • 53話の元ネタは「第31章 ブランコをこいだ日」。元ネタの妖怪「さとり」は飛行機事故で目を怪我した「ミノル」の目を治そうと考えて多くの人間を殺し眼球を奪い続けているが、本回の「さとり」もどきは雀荘から点棒を奪い、3年B組の生徒「茜」に点棒を10万点ぐらい渡し続けていた。パロにしても一体どんな話や…
    • 潮やとらなどのパロディキャラは出てこず、一八が元ネタにおける潮とその父親・紫暮(しぐれ)の立ち位置になりきる。一八の顔は紫暮に似せて描かれている。
    • 元ネタとの比較の一部
      紫暮「人の眼球を集めて何をするかは知らぬが、光覇明宗の名のもとに、蒼月紫暮が退治する。」
      一八「点棒を集めて何をするかは知りませんが、3年B組担任教師の名のもとに、坂本一八が退治いたします。」

      「…そんなんじゃ…そんなんじゃ……ダメだよ…目をちゃんと手術しなけりゃよ…」
      一八「そんな…そんなやり方じゃだめですよ…麻雀は自分で打って振り込んだり負けたりしながらだんだん強くなるものなんですから…」

      「ミノルの目は手術で治るんだよ!そんな腐りかけた目ン玉なんて何の役にも立たねーんだ!!」
      一八「点棒の受け渡しは対局以外ではできないんですよ!!盗んだ点棒を渡されて茜がうれしいとでも思うんですか!?」
    • 元ネタで潮と「さとり」が戦う際、潮が「バカヤロォ」を連呼する名シーンもしっかり再現されているが、本作は金八パロなので「バカチンがァ!」になっている。
    • オチで茜が手を合わせて「18,000(インパッチ)でござぁます♡」と言っているコマの構図の元ネタは、「第31章 ブランコをこいだ日」の直前の「第30章 愚か者は宴に集う 其ノ八 真由子ととら」の最後で、元ネタのヒロインの一人*9の井上真由子が「とら!」と言っているシーン。『うしおととら』の単行本を持っている人は確かめてみよう!
    • 以下、細かいところだと
      • 冒頭、茜が「山の神様(「さとり」もどき)」にお参りするシーンの森は、元ネタの「第31章 ブランコをこいだ日 其ノ参 さとり」で、「さとり」が北海道の森の中で平穏に過ごしているシーンのコマ*10の背景とそっくりになっている。ただし、トレパクではなく精巧な模写なので細かい部分は若干異なる。
      • 元ネタが小学館の漫画なので、吹き出しに全て句読点が打たれている。
      • 「さとり」のセリフのフォントは全て古印体になっているが、元ネタでは1か所だけ誤って通常の太明朝になっている箇所がある(「第31章 ブランコをこいだ日 其ノ四 手術前日~当日」で「さとり」が「うわああぁ!」と言いながら鎌を振り回しているシーン)。本作ではその部分もきちんと補完し、「さとり」もどきのセリフのフォントは全て古印体となっている。
    • 余談だが、テレビアニメ版『うしおととら』の前期OPは藤田和日郎先生が大好きな筋肉少女帯が書き下ろした「混ぜるな危険」だった。偶然ではあるが、『金八先生』と『うしとら』を 無許諾で 混ぜた本回との関係を考えると、なんとも意味深なタイトルである。
  • AKIRA(19話、44話)
    • 鉄男
      • 「デコ助野郎」こと鉄雄がモデル。2回登場した。
      • 19話では同じ麻雀漫画『天牌』主人公の沖本瞬っぽい人と夢の共演(なお無許諾)
      • 44話ではドラッグつながりで『BØY』の神崎狂っぽい人と夢の共演(なお無許諾)。沖本っぽい人も再登場する。
      • 松浦の鉄男に対するセリフ「ピーキーすぎてお前にゃ無理だよ!」(19話)とは、元ネタに出てくるバイクのエンジンの話。麻雀の「ピーキー」って一体なんなんですかね…
      • 2回もネタにしているので、錦先生は『AKIRA』(というか鉄雄?)が相当お気に入りと思われる。3B生徒のうち、『金八先生』以外から持ってきたキャラで本作に2回登場したのは鉄男だけ。
  • 天牌-麻雀飛龍伝説-(19話)
    • 元ネタの主人公・沖本瞬の初期バージョンっぽい人が鉄男にドラッグを勧める。あえてあまり原作の絵柄に似せていないようにも見える。
    • 元ネタは「週刊漫画ゴラク」連載の知る人ぞ知る麻雀漫画。沖本が東大生の「伊藤芳一」を麻雀の道に誘い込むという展開があるらしい。それに引っかけて『AKIRA』と無断クロスオーバーさせたのかな?
  • 闇金ウシジマくん(20話、36話)
  • ゴルゴ13(20話、36話、51話)
    • 原著作者無許諾のパロディなので、丑嶋とゴルゴが麻雀仲間というとんでもない設定に。
    • 20話・36話のゴルゴもどきは「東剛(とうごう)」、51話のゴルゴもどきは「デューク東風(とんぷう)」、別名「ゴルゴ1326(イチサンニンロク)」なので、どうやら別人のようである。
      • 「イチサンニンロク」とは、麻雀用語で「2人の子からそれぞれ1300点ずつ、親から2600点もらえる手を和了(アガ)ったこと」。
    • 全編ゴルゴパロ回の51話では3Bの加藤と茜、そして一八の絵柄が、さいとうプロダクションのチーフアシスタントだった故・石川フミヤス先生の絵柄に寄せられている。
      • 世の中にゴルゴパロ数あれど、石川先生の絵柄の模写をやったのは錦先生が史上初ではなかろうか?錦先生の無駄に高い模写力を持ってすれば、石川画風だけではなく、同じくさいとうプロのチーフアシスタントだった故・武本サブロー先生の画風の完コピも可能かもしれない。
    • 51話のサブタイトル「1万8千点の和了」は、『ゴルゴ13』単行本64巻に収録されている「2万5千年の荒野」というエピソードが元ネタ。ちなみに話の中身は全くの別物。
    • 元ネタでは茨の冠を被ったドクロの背後に「ゴルゴ13」と書かれた物騒な絵(タイトルロゴ)が各章の冒頭に出てくるが、51話ではこれも完コピ。文字の部分が「サカモト18」になっている。
    • ゴルゴの仕事を裏から支える専属銃器職人のデイヴ・マッカートニーもよく出てくる。錦先生はどれだけゴルゴ好きやねん…
  • DEATH NOTE(21話)
    • 金末健次郎
      • この「金末健次郎」は、『DEATH NOTE』に登場したキャラではない
        『金八先生』第5シリーズに登場した兼末健次郎(かねすえ けんじろう、演:風間俊介)という生徒が元ネタで、ドラマ原作と同様に陰湿なイジメを行う。
      • ただし、絵柄が夜神月風。
    • また、『ドラえもん』のジャイアンとスネ夫を意識した「郷田」と「滑川」という2名の不良が出てくるが、これは元ネタと似ても似つかない造形になっているので著作権法的にはセーフ。
  • HELLSING(21話)
    • オチでの画風マネだけなのでセーフ。
  • ろくでなしBLUES(22話)
    • 戸田幹浩
      • 歌手の甲本ヒロト氏をモチーフとした「大場ヒロト」そっくりのキャラ。大場は甲本氏の許諾を得たキャラクターだったが、こちらは無許諾。
      • 名前は『金八先生』第5シリーズに登場した戸田幹洋が元ネタ。
    • 室塚先生がスプレー「染めQ」を使って戸田の髪を黒くしようとする。なお、染めQは頭髪染色用のスプレーではないので、絶対に真似をしてはいけない。
  • 釣りキチ三平(23話)
    • 元ネタの主人公は「三平三平(みひら さんぺい)」だが、こちらでは「三筒三筒(みづつ さんぴん)」。
    • 『特攻の拓』の鰐淵似のマスターが出た挙げ句に一八はオチでジョジョ風になるなどカオス回。
  • 幽☆遊☆白書(24話、54話)
    • 2回登場している。
    • 24話に登場するのは闇ギャンブラー・戸副露(とぶろ)
    • 54話には誰も覚えていないような雑魚キャラ・室田繁そっくりの男が登場(特に名前はつけられていない)。
      • 「人の心が読める」キャラということで、前回の『うしおととら』ネタと意図的にかぶせており、54話の1ページ目には「さとり」もどきがこっそりカメオ出演している。
  • クッキングパパ(25話)
    • 元ネタの主人公は荒岩一味(あらいわ かずみ)」だが、こちらは「怒羅岩一萬(どらいわ かずま)」。
    • 元ネタに倣って麻雀の「七対子(チートイツ)」と「インパッチ」のレシピが出てくる。
  • MASTERキートン+20世紀少年+パイナップルARMY(26話)
    • 浦沢直樹先生ネタ全部乗せというある意味ゴージャスな回。
    • 元ネタの主人公は平賀=キートン・太一だが、こちらは「平和=チーポン・利一(ひらわ・ちーぽん・りいち)」。
    • 一八のあだ名が「アイアン・ボール=鉄の睾丸(キ◯タマ)」だったことが判明。どんなあだ名や。
  • 孤独のグルメ(27話)
    • 上記の通り、27話については原作者の久住昌之氏がSNS上で不快感を示した。
    • 元ネタの主人公は「井之頭五郎(いのがしら ごろう)」だが、こちらは「雀之頭雀五郎(すずめのかしら じゃんごろう)」。
    • この話の元ネタは「孤独のグルメ」12話。原作で店主にアームロックをかけた五郎に「それ以上いけない」と言うのは洋食店の中国人アルバイトだが、本回ではなぜか一八がこのセリフを語る。
  • 大市民(27話)
    • 『孤独のグルメ』12話で中国人アルバイトにパワハラをする洋食店の主人*11が、本作ではなぜか柳沢きみお先生の『大市民』の主人公・山形鐘一郎(やまがた しょういちろう)に置き換えられている。
      『孤独のグルメ』と、知る人ぞ知る漫画『大市民』を無許諾で勝手にコラボさせたのは本作ぐらいだろう。
      • 『大市民』はいわゆるエッセイ漫画──それも『ゴーマニズム宣言』のような、現代社会に対する作者のぼやきを多分に含んだ内容であるため、そういう漫画に対して読者が紙面からなんとなく感じる「面倒くささ」を『孤独のグルメ』における横暴な店主になぞらえた可能性がある。
      • そして当然、見かねた雀五郎に「独りで静かで豊かで…」とキレられ、アームロックをかけられる……うん、久住先生も怒るわ。
        • 公にしてないだけで柳沢先生も怒ってたんじゃないか?この回が一番まずい気がする。
    • 出版年次が古い『大市民』は合法的な漫画配信サイトで全話無料配信されていることが多いので、ぜひ27話と見比べてみてね!
  • へうげもの(28話)
    • 元ネタの「古田織部(古田左介)」によく似た「振田差介(ふるたさすけ)」という一八の同僚が出てくる。
    • 一八はオチでなぜか『シグルイ』風の絵になる。
  • シグルイ(28話、45話)
    • 2回登場している。前述のとおり28話はオチでの画風マネだけだが、45話は徹底しすぎてあかんやつです。
    • 45話では『シグルイ』の2人の主人公「藤木源之助」「伊良子清玄」によく似た「打木源之助(うちき げんのすけ)」 と「暗刻清玄(あんこ せいげん)」が登場。
      • 麻雀用語の「暗刻(あんこ)」は、全く同じ牌を3枚自力で集めること。本作ではそういう話は出てこないので「伊良子」と「暗刻」を無理くりこじつけている感じ。
    • 『シグルイ』前と後で若先生の画風が変わりすぎたからか、さすがに『覚悟のススメ』『悟空道』『蛮勇引力』ネタは無し。
  • ドラゴン桜(29話)
    • 元ネタの主人公「桜木建二」にそっくりの「桜井健一」という人物が登場。
      • 名前の元ネタはおそらく「雀鬼」と呼ばれた伝説の雀士・桜井章一
    • 桜井は「五年後麻雀プロ試験合格者百人出します」を目指すらしいが生徒から「いや別に俺らプロ目指してねーし」と突っ込まれる。
    • 他に、『ドラゴン桜』に出てくる生徒「水野直美」そっくりの「水摸(みずも)」という雀中学の生徒が出てくる。ただし、29話のみの登場。
    • 『サルでも描けるまんが教室』(漫画:相原コージ・原作:竹熊健太郎)1巻の表紙とよく似た『サルでも打てる麻雀何切る 初級編』という作中作が出てくる。
  • ベルセルク(29話)
    • オチで一八が片目をつぶり、ガッツっぽい顔で18,000(インパッチ)
      • ここで唐突にベルセルクが出てきたのは、ガッツが使用する剣が「ドラゴン殺し」だから。無許諾とはいえ元ネタの組合せが巧妙すぎる。
  • ピンポン+鉄コン筋クリート(30話)
    • またもや松本大洋先生全部乗せという回。
    • 原作の名脇役「アクマ」こと佐久間学にそっくりの「三九萬並(さくま ならぶ)」が出てくる。原作でアクマが通う高校は「海王学園」だが、本作の三九萬が通う高校は「海帝(はいてい)」。
      • 麻雀用語の「海底(はいてい)」は、局の最後に行われる摸打(もうだ、ツモ+打牌)のこと。あえて「海底」にせず「海"帝"」にしたのは、元ネタの「海"王"」とかけたのだろう。
    • 『鉄コン筋クリート』ネタはオチのみ。
  • 高校鉄拳伝タフ(31話)
    • 元ネタの主人公はキー坊こと宮沢熹一(みやざわ きいち)」だが、こちらは「宮沢理一(みやざわ リーチ)」。愛称はもちろん「リー坊(=リー棒)」である。
    • 親父(おとん)もしっかり登場する。
    • 元ネタでキー坊が修めている格闘技の流派は「灘神影流(なだしんかげりゅう)」だが、こちらは「灘雀影流(なだじゃんかげりゅう)」になっている。
  • BLAME!(32話)
    • 元ネタの主人公は「霧亥(きりい)」だが、こちらは「切亥(きりい)」。麻雀で牌を切るから?
    • この回に出てくる麻雀牌の書体は「東亜重工フォント」になっている。実に芸が細かい!ちなみに、東亜重工フォントは実際に商品として販売されているが、本作は錦先生が独自に『BLAME!』の作風を真似て作成したものである。
    • 「第一種聴牌不測牌姿(だいいっしゅテンパイふそくはいし)」「重国士和了型射出立直(じゅうこくしホーラけいしゃしゅつリーチ)」の元ネタはそれぞれ「第一種臨界不測兵器」「重力子放射線射出装置」。麻雀用語に無理くり寄せたせいで元ネタの原型をとどめていない謎用語になっている。
  • ドラえもん(32話、画風のマネだけなのでセーフ)
    • オチで一八の顔がいきなりジャイアン風になる。
      • 切亥が麻雀牌を「重国士和了型射出立直」したことを受けて一八が「こら切亥、強打はマナー違反でしょうが。」という台詞を語るので、強打(きょうだ)=剛田(ごうだ)たけし=ジャイアン、という流れ?
    • 11話のⒶ先生コピーに続き、今度は藤子・F・不二雄先生の画風をコピー。繰り返すが、画風を真似ること自体は著作権侵害ではない。
  • 浦安鉄筋家族(33話)
    • 元ネタの小学校教師春巻龍(はるまき りゅう)」によく似た教師「張巻龍(はるまくり りゅう)」が出てくる。もちろん元ネタそのままのアホキャラ。
  • 喧嘩稼業+幕張(34話)
    • 「梶原柳剛流(かじわらりゅうごうりゅう)」の使い手梶原修人(かじわら しゅうと)」によく似た「梶和了緑索流(かじわらりょくそうりゅう)」の「梶和了祝儀(かじわら しゅうぎ)」が登場。
      • 元ネタの梶原はライバルとの対決に負けて左手首を斬り落とされたが、本回の「梶和了」は一八が代打ち勝負に勝ったせいで左手首を斬り落とされた。かわいそう。
    • オチの一八のポーズの元ネタは、同じ木多康昭先生の『幕張』に出てくる奈良重雄の必殺技「奈良づくし」
    • 木多康昭先生のパロディというのもかなり珍しいと思う。
  • タッチ(35話)
    • 元ネタに出てきた「代行監督」は「柏葉英二郎」だが、本回に出てくるのは顔だけそっくりの「平場点次郎(ひらば てんじろう)」。
    • 一八が賭け麻雀で点次郎の兄の点一郎を借金漬けにしたことが暴露される。
    • 小学館の漫画のため、パロに入った2ページ目から吹き出しに句読点が。
  • ヤング島耕作 主任編(36話)
    • 元ネタの主人公は「島耕作」だが、こちらは「芝棒作(しば ぼうさく)」。
      • 「しばぼう(シバ棒)」は麻雀で親が連荘・前局が流局などした場合、場に置かれる百点棒のこと。
    • 島耕作が勤めた会社は「初芝」電器産業だが、本作に登場する雀荘は「發芝」。読み方はいずれも「はつしば」。フリー雀荘で荒川の近くにあるらしい。
    • 元ネタに登場し、ネットの雑コラ素材としても人気の「亀淵雄太郎」そっくりの「亀打摸太郎(かめぶち もうたろう)も登場するほか、前述のデイヴ・マッカートニーそっくりのおじさんやゴルゴ、ウシジマくんも出てくる。
  • 金田一少年の事件簿(37話)
    • 元ネタはミステリ漫画なので長編だが、本作品は1話完結である。
      にもかかわらず、「前回のあらすじ」のようなページになりすぐに解決編に突入という、高クオリティな作品になっている。
    • 元ネタの主人公は「金田一一(きんだいち はじめ)」だが、こちらは「近麻一一(きんまいち はじめ)」。
      • かの有名な「近代麻雀」編集長の孫だそうである。誰だよ。
+ 金田一少年の決め台詞といえばコレ
金田一 近麻一少年の決め台詞といえばコレ

この何切るは必ず解いて見せる!!
純全帯么九(ジュンチャン)の名にかけて!!

もう原型がどこにも残ってないだろ…
  • 魁!!男塾(38話)
    • 雀中3年筆頭大強引雀鬼(だいごういん じゃんき)」が登場。
      雀中名物魔亜邪庵(まあじゃん)」で一八と対決する。
    • 魔亜邪庵……
      中国清代末期
      四川省の雀士達の間で盛んに行われた決闘法の一つ
      一対一で対局しアガった役に応じた数の点棒を相手に突き刺して闘う
      連荘はなく一局ごとに交互に親番を繰り返しどちらかが絶命するまで対局を続けるという
      まさに命がけの勝負であった

      余談ではあるが現代の麻雀でロンされることを「刺さる」と呼ぶのはこれが源である
      竹書房刊「麻雀の歴史と文化」*12より)
    • 雷電はいなかったが、一八は魔亜邪庵を知っていた様子。なんなんだアンタ
  • ドラゴンクエスト ダイの大冒険(39話)
  • ハチワンダイバー+エアマスター(40話)
    • 元ネタの「ジョンス・リー」そっくりの「ワンス・リー」が本回の主役。
      • なお、麻雀用語の「ワンスリー」は麻雀のポイントのことで「10-30」の意味。
    • これまた柴田ヨクサル先生全部乗せ。錦先生はどうしてここまで混ぜたがるのか。
  • バトル・ロワイアル(コミカライズ版)(40話)
    • オチで一八が嘉門米美風に和了。画風マネだけなのでセーフ。
      • この回の和了は18,000(インパッチ)ではなく1,800(コインパチ)
  • シティーハンター(CITY HUNTER)(42話)
    • 元ネタの主人公は「冴羽獠(さえば りょう)」だが、こちらは「冴和了(さえわ りょう)」。
      「おれの名前は冴和了 ポンチーハンターともよばれているがね」
      • 「和了(ホーラ・アガリ)」とは、麻雀用語で手牌を一定の形に揃えて公開すること。オチで毎回一八が「インパッチでござぁます!」とやっているアレのことでござぁます!
      • 元ネタでは新宿駅の掲示板に「XYZ」と書き込んで依頼するが、本作では堀切駅の掲示板に「240Z」と書いて依頼することになっている。堀切駅になってるのは『金八先生』のロケ地だったから。
      • 「240Z」は麻雀用語で24000点(親の倍満)のこと。さらにその由来は太古の昔、日産フェアレディZに設定されていた最上級グレードのことである。
    • ヒロインの「槇村香(まきむら かおり)」も登場。こちらは「捲村香(まくりむら かおり)」。
      • ギャンブル用語で逆転することを「まくる」という。競輪や競馬で聞いた人もいるのでは?
      • 名前以外は元ネタとほぼ同じ。振り回すハンマーに麻雀関係の文字が書かれているのが特徴。
    • 今回、一八は原作の悪役「海原神(かいばら しん)」になりきっている。
    • ネット上では、最後のコマの一八が花子先生とともに遠くを見つめているシーンを見ると「Get Wild」が聴こえてくるという人まで…(幻聴)
  • 無限の住人(43話)
    • / 万次 萬字(まんじ)
    • 浅野凜 浅野嶺(あさのりん)
      • 冒頭より一八先生と一局やり、一人負けしている。しかもしっかりお金を巻き上げられている。先生!何やってんの!
  • BØY(44話)
    • 元ネタに出てくるヤク中のチーマー「神崎狂」そっくりの「槓崎狂」が登場。読みはどちらも「かんざき きょう」。
      • 麻雀用語の「槓」は槓子(カンツ、同種の牌4枚による面子)を作ることである。
    • 元ネタに出てくるドラッグは「ヘル・ビジョン」だが、本回のドラッグの名前は「フル・ビジョン」。フルHD動画(1080p)のことか?
  • ホーリーランド (46話)
    • 主人公「神代ユウ」と、そのライバル「伊沢マサキ」によく似た「神白リュウ」「一三萬(いさま)マサキ」が出てくる。
      • 「白」は何も書かれていない麻雀牌が元ネタと思われるが、かなり苦しいこじつけ。
  • 修羅の門(47話)
    • 元ネタの主人公は「陸奥九十九(むつ つくも)」だが、こちらは「摸自九自摸(もつ くつも)」。摸自東北流(もつとんぺいりゅう)の使い手。
      • 麻雀用語の「自摸(ツモ)」をひっくり返して「摸自(もつ)」と読ませるアイデア…どういう発想で出てくるんでしょうか(呆れ)
    • 摸自東北流とは「ヒラ打ちで千年無敗を誇るという伝説の流派」らしい。一八先生の敬愛する坂本竜馬とも打ち合ったことがあると伝えられている、らしい。
      • 麻雀用語の「ヒラ打ち」は、イカサマ技を習得している打ち手が、あえてイカサマ技を使わずに打つという意味。
    • アオリ文に「摸自東北流を名乗るものが、戦える…って言うことは、「勝てる」ということ。そこに立つのは鬼か修羅か…?」とある。編集もノリノリである
    • 現実における麻雀の歴史は結構浅く、中国・清の同治年間(1862~1874年)に「陳魚門」という人が2種類のゲームを合体させて作ったという説が有力。そのため、「ヒラ打ちで千年無敗」の次のコマで3年B組の生徒に「千年前にまだ麻雀はねーだろ」と突っ込まれている。
      • その意味において複数の作品を無断でクロスオーバーさせることが多い本作は、麻雀の本質を突いているのかもしれない。
  • 風の大地(48話)
    • ゴルフ漫画。元ネタの主人公は「沖田圭介」だが、こちらは「折田北介(おりた ぺーすけ)」。もはや名前が無理すぎる。
    • ゴルフのショットの動きで麻雀を打つという謎の描写。
    • 今回も元ネタが小学館の漫画なので吹き出しに全て句読点が打たれている。
    • 竹書房の誤植で、ひげの男性キャラが「日本人オキタの勇気だ」と絶叫する場面がある(本作の名前は上記の通り「オリタ」)。どう見ても錦先生と竹書房は明らかに著作権侵害の共犯じゃないですか…
  • プロゴルファー織部金次郎(48話)
    • オチでの画風マネだけなのでセーフ。ちなみに元ネタの作品は武田鉄矢原作。
  • 岳 みんなの山(49話)
    • 浦沢直樹先生っぽい絵柄だが、元ネタの作者は石塚真一先生という別人。この例を見てもわかるように、絵柄を真似ることは著作権侵害にはならない。
    • 元ネタの主人公は「島崎三歩」だが、こちらは「島咲三麻(しまさき さんま)」。三人麻雀を名前にする奴なんかいないだろ。
    • 今回も元ネタが小学館の漫画なので吹き出しに全て句読点が打たれている。
  • スプリガン(50話)
    • 元ネタの主人公は「御神苗優(おみなえ ゆう)」だが、こちらは「御利内優(おりない ゆう)」。麻雀の勝負を「下りない」ということかな?
    • 元ネタの組織は古代の財宝を守る「スプリガン」だが、本回に出てくる組織は古代から伝わるイカサマを防ぐ「オクリカン」。元ネタは麻雀用語の「送りカン」で、リーチ後の送りカンは禁止されている。
    • 今回も元ネタが小学館の漫画なので吹き出しに全て句読点が打たれている。
  • 柔道部物語(52話)
    • 元ネタの主人公は「三五十五(さんご じゅうご)」だが、こちらは「三本五本点五(さんご てんご)」。もはやこじつけなんてレベルではない。
    • 一八や生徒まで小林まこと先生風の絵柄になっている。
  • カメレオン(55話)
    • 元ネタの主人公は「矢沢(ヤザワ)」だが、こちらは「ヤワザ」。
    • 3Bの加藤と松浦が完全に加瀬キャラになりきっている。
    • オチの一八の顔は元ネタに登場する愚連隊「松戸苦愛(マッドクラブ)」の松岡英治か?
    • カタカナをセリフに混ぜ込んだ加瀬スラングもそのまま。
      • 「よォ オメーそんなにツエーのかヨ?」
      • 「どーしたヨ?顔色がワリーみてーだケド?」
    • 手の込んだことに、加瀬あつし先生が故・松本零士大先生を激怒させて封印された『銀河鉄道999』ネタまで登場。
      • なお、某K社が本作の一連の無断パロディに激怒したため、この55話も元ネタ同様、無事永久封印されたもよう。この関係もあり、本回は近代麻雀のWebサイトで公開されなかった。
  • 蒼天航路(56話)
    • 董卓という元ネタそのままのキャラが登場。麻雀の雀卓と「卓」つながりということか?ひねりもなしにそのままはいかんでしょ!そりゃK社が激怒するわな。
    • 次の57話から最終話に至るまでK社作品のパロは一切無し。おそらく56話の掲載時点でK社から竹書房に警告文が来ていたのではないかと思われる。
    • あまり知られていないが、錦先生のデビュー作『侍父』はK社の「アフタヌーン」に掲載された。内容は『子連れ狼』をリスペクトしたような感じの漫画でした。
  • 横山光輝版三国志(56話)
    • オチでの画風マネだけなのでセーフ。
  • 今日から俺は!!(57話)
    • 「中野」と書いて「ちゅんの」と読む転校生キャラクターが登場。元ネタは「中野誠(なかの まこと)」
    • 元ネタが小学館の漫画なので、吹き出しに全て句読点が打たれている。
    • 次回(58話)から不定期連載となることが本回にて突然予告される。
      編集部の末尾コメントは「諸事情により、次回から不定期連載になります。どんな事情かは、探らないでください………。」
  • 風の谷のナウシカ(58話)
    • 不定期連載になったかと思ったら、いきなりとんでもないネタをブッ込んできました。
    • サブタイからして「風の待ちの南家(ナンチャ)」。えぇ…よくこれで宮崎駿氏がキレなかったもんだ。
      • ちなみに麻雀用語の「南家」は、親の下家(右側)のプレイヤーのこと。
    • 一八の絵柄や吹き出しまで宮崎駿風になっており著作権侵害模写芸が細かい。
    • 悪乗りした編集部のトビラのアオリ文がこれ↓
      『高度麻雀文明を崩壊させた「炎の七日間」の最終戦争から千年。学園の外には拡大する“腐海”が広がる。』
    • 元ネタのトルメキア第4皇女「クシャナ」とほぼ同じ見かけの「九西南(クシャナン)」という女性、そしてクシャナの側近「クロトワ」そっくりの人物「玄人和(くろとわ)」が出てくる。
    • 玄人和は「ウホッいいにおい…」とつぶやくシーンがあるが、それ宮崎駿じゃなくてヤマジュンじゃないですか!
    • 遠慮か何かは不明だが、ナウシカは一切出てこない。
    • 宮崎駿氏がこれを読んだら間違いなく「極めてなにか生命に対する侮辱を感じます」とコメントするに違いない。
  • るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-(59話)
    • 自摸沼薄水(つもぬま うすい)」という、琉球出身の盲目の雀士が登場する。悪徳雀荘十本場を経営しており、一八が「さっそく打ちに行きましょう!」と加藤&茜を巻き込む。
      • 元ネタの宇水の眼帯には「心眼」と書かれているが、薄水の眼帯には「満貫」と書かれている(いずれも右から左)。
    • 元ネタにおける斎藤一の役を一八が熱演しており、一八の顔も斎藤に寄せてある。
    • 元ネタで「昂(たかぶ)って」となっている箇所が「昴(すばる)ぶって」になっている。おそらく誤字ではなく意図的なものではないかと思われるが詳細は不明。
    • 元ネタの宇水は失明した後、「チョロチョロ」と流れる水の音に走っていくが、本回の薄水は「ジャラジャラ」となる麻雀牌を混ぜる音に走っていく。麻雀牌で喉の乾きは潤せないでしょ…
    • 元ネタの宇水は「ティンペー」という盾と「ローチン」という槍を使った琉球王家秘伝の技を駆使して戦うが、本回の薄水は「東(トン)」「北(ペー)」と「六筒(ローピン)」をすり替える琉球王家秘伝のイカサマ技を駆使する。
      • ちなみに琉球王朝終了が1879年、麻雀の成立が1862~1874年なので、琉球王朝秘伝の麻雀イカサマ技は実在しません。
    • 元ネタの宇水は斎藤の「牙突(がとつ)」により、上半身と下半身を真っ二つにされて絶命するが、本回の薄水は麻雀に負けるだけで命は奪われませんでした。めでたしめでたし。

余談


42話が『シティーハンター』のパロディ回だったのがきっかけで、原作者の北条司先生から錦ソクラ先生に直接お声がかかり、なんとスピンオフ漫画今日からCITY HUNTERという『シティーハンター』の転生モノの連載を「コミックゼノン」で開始するという前代未聞の事態に!絶対狙ってやっただろ…
これを受けて、ゼノンでは『終末のワルキューレ』と『一八先生』の出張コラボマンガがちゃんと許可を得て掲載された。

錦先生の著作権侵害に対して単純に怒らず、原作のイメージを保つきわめて難易度の高い罰ゲームのような仕事を錦先生に依頼した寛容な北条先生に拍手!当時の北条先生の絵柄をあれだけコピーできる錦先生もすごいですけどね。

以下、当時の「近代麻雀」編集者の竹村響氏(現在はフリー編集者)のツイート。

前職20年間でいちばんちゃんと謝った案件だ。懐かしい。でも好きな作品だった。
錦先生がシティハンターのスピンオフ始めたのには俺も吹いたな……。
2022-01-10 08:23:55


ちなみに現在の北条先生は画風が変わっており、御本人の弁によると当時の絵を描くのがかなり難しい状況だとか(出典:『劇場版シティーハンター 天使の涙』公式パンフP17)。漫画家って大変なお仕事ですね。
北条先生本人が描けなくなった1980年代の冴羽獠を完コピで描ける錦先生は、ある意味化け物レベルの才能なのかもしれない。才能は正しい方向に使いましょう。

ちなみに、錦先生は『今日から~』の仕事ぶりがゼノン編集部から気に入られたらしく、『北斗の拳』のアミバスピンオフ漫画の原作まで手掛けるようになりました。うわらば!

錦先生の本音


最終回の61話(今でもキンマ公式サイトで公開中)の一八先生のセリフが「そのまま錦先生の本音じゃね?」と言われている。以下に引用しよう。
(BGM:海援隊「贈る言葉」)

  • 「これ以上私のわがままで皆さんに迷惑をかけるわけにはいきませんので…雀中学を去ることに決めました」(P.241)
  • 「私は彼らの素晴らしさをみなさんに少しでも知ってもらいたい一心でこれまでやってきました」(P.243)
  • 「批判されることは覚悟の上だったからね…社会のルールは守らなくちゃいけません 快く思わない人がいるのなら私は潔く教壇を降りようと思います」(P.244)

錦先生の「わがまま」7年間も連載し続けた近代麻雀…だが、それがいい!

一八先生のK社関連作品がキンマWebで公開停止になったのが2019年11月上旬頃。
最終回(61話)が突然ひっそりと掲載されたのが2020年1月1日に発売された「近代麻雀」2020年2月号。
この時系列の流れを知ると、上記の錦先生のメッセージも味わい深く読めるのではないでしょうか。

(おまけ)わかりやすい知財講座


今まで散々述べ続けてきたが、本作は最終話を除き全て「特級呪物」として封印されてしまっている。
それは本作が多数の漫画家・漫画原作者の知的財産権を侵害している可能性が高いと竹書房が判断したためである。

幸いにして実際の係争には発展しなかった本作であるが、人々の知的財産権に対する認識が高まり始めた2010年代末に入ってから、ここまで派手に知的財産権侵害になりうる行為をやらかした本作の問題点は、知的財産権を考察する上できわめて稀有かつ良質の事例と思われるので、本項にて解説する。

◆序文:ハイスコアガール事件

著作権侵害で紛争になった場合、きわめて深刻な事態に発展する──ということは、2014年に発生したハイスコアガール事件」が示している。

同作は押切蓮介先生原作のゲーマーラブコメ漫画で、作中に出てくる実在のテレビゲームがストーリーの展開に重要な役割を果たしている。
しかし、掲載誌の版元であるスクウェア・エニックス(以下「スクエニ」)は自社がゲームメーカーであるにも関わらず、あろうことか作中に使用されているゲーム画面について、著作権者に許諾を全く取っていなかった*13

呆れたことに、掲載誌の編集部は無断使用にも関わらず『ハイスコアガール』単行本の末尾に「Special Thanks to…」と実在のゲーム会社の名前を御丁寧に書いており、各社に許諾を取っているかのように見せかけていた。
そのため、作者の押切先生は「編集部が各社に著作物の利用許諾をとってくれていたのだと思いこんでいた」と言う。

SNKプレイモアは、自社のゲーム画面などの著作物の無断使用に関する警告を複数回行っても何ら誠実に対応しようとしないスクエニにガチギレして、大阪府警に著作権侵害で押切先生とスクエニの刑事告発を行い、最終的に押切先生はスクエニの関係者ともども書類送検されてしまう*14

『ハイスコアガール』は単行本1~5巻が全数回収の対象となり、連載も2年以上の中断を余儀なくされてしまった末、大幅に内容を修正の上『ハイスコアガール CONTINUE』としてなんとか復刻再販することができた。
著作権侵害の発覚を受けて凍結されていた『ハイスコアガール』のアニメ化も5年以上の塩漬け期間を経て再起動し、2018年にようやく日の目を見るに至った。

商業出版を行っている以上、作品内の著作権の権利処理を行うのは著作者ではなく、出版社の責任である。
『ハイスコアガール』の件に関してはスクエニに全面的な責任がある。ずさんな編集体制で押切先生を書類送検に至らしめたという点で、スクエニの罪はきわめて大きい。

著作権侵害は刑法上「親告罪」*15となっているため、元の権利者の感情を害すると深刻な結果になる(この点は後述)。
外部から詳細を知ることは不可能だが、上記の『ハイスコアガール』事件ではスクエニとSNKプレイモアの間に以前から深刻な確執が存在していたことが影響しているようである。

著作権侵害は刑事と民事の双方で対応可能であるが、刑事告発を行った場合、関係者への影響が甚大なものになることから、通常は損害賠償請求等の民事上の請求を行うのが一般的で、刑事告発は海賊版販売などの極端に悪質な場合に限られることが多い。

本件では幸い書類送検にとどまり立件されなかったものの、大阪府警は「起訴相当」の意見を付けてスクエニ関係者と押切先生を書類送検しており、スクエニの著作権侵害の悪質性が高いと判断したということである。

◆著作権

著作権とは、ざっくり言ってしまうと「著作物=創作物の複製防止権」である。

細かく見ると
  1. 「著作者財産権」(著作物を利用する・される際に発生する金銭など)
  2. 「著作者人格権」(著作物を無断で改変されない権利)
の2種類となる。

『一八先生』に話を戻すと、本作はあまりに精密な模写によって「著作者財産権」のうちの「複製権」、麻雀を絡めた内容に変更するための改変が「著作者人格権」のいずれにも抵触してしまっている。
K社が激怒したのも、これが法的な根拠のはずである*16
多額のコストがかかる近代麻雀本誌の回収や、錦先生ならびに竹書房に対する損害賠償請求に至らなかっただけでもラッキーだったと言うべきだろう。
押切先生のように書類送検なんてされようものなら、『今日からCITY HUNTER』『異世界アミバ』の連載などまずありえなかったと思われる。

ある意味、竹書房は各出版社に土下座して本作を永久封印したことで、錦先生を守りきったのである。

◆模写ならOK説→まちがい

法的規定とは別に、日本の出版業界には「コピー(トレパク)はNG」「模写ならOK」という暗黙の慣習があるらしい。

改めて本作の1話から61話を通読すると、おそらく錦先生も「模写ならOK」と思ってどんどんパロディがエスカレートしたのではないかと推測される*17

しかし、模写でも著作権法上の「複製」に該当するため、忠実な模写は複製権侵害で一発アウトになる。

逆に言うと、模写がヘタクソなら「複製」にならないので、例えば「ドラえもんパロディなのに猫型ロボットがハローキティにしか見えない」という場合は、藤子・F・不二雄先生の著作権のうち、少なくとも「複製権」は侵害していないことになる。

◆パロディと著作権

著作権はきわめて強力な権利であり、あらゆるケースを著作権の保護対象とすると様々な問題が発生するため、日本の著作権法には、著作物を著作権者に無許諾で利用することが可能なケースを明示した「例外規定」がいくつか設けられている(著作権法は国ごとに異なるが、海外も概ね同様)。

しかしパロディについては、日本では基本的に例外規定を適用できる余地がない。

1972年にコラージュ作家のマッド・アマノ氏*18が、写真家の白川義員(しらかわ よしかず)氏の写真を無断でコラ素材として利用した結果、白川氏から著作権侵害で訴えられた。

この時、アマノ氏は「引用だからセーフ」と主張したが、最高裁判所で2回退けられ、これが日本の引用における判断基準として定着した。
(昭和55(1980)年3月29日 最高裁第三小法廷判決・昭和61(1986)年5月30日 最高裁第二小法廷判決)

詳しくは「パロディ・モンタージュ写真事件」で検索していただきたいが、要するに現行著作権法32条に基づく日本での引用の要件は
  • 「メインの著作物が主・引用先の著作物が従になっていないとダメ」
  • 「メインの著作物の地の文もしくは絵と引用先の著作物を分けないとダメ」
  • 「引用先の著作物の出典を明示しろ」
ということである。

漫画批評などであればこの形式が成立するが、パロディは地のストーリーに元ネタをこっそり自然に入れ込むことがキモであり、そうするとパロディの「引用」は日本の著作権法の下では絶対に成り立たないということになる。

では薄い本はどうなのか?という疑問が立ち上がってくるかもしれないが、あれは「出版社や著作者が黙認している」というのが正しい。

エロパロ同人の作者を著作権侵害で訴えたところで、回収できる金額は微々たるものに過ぎない。
また同人からプロになる作家も多いため、下手に同人業界と対立すると国内出版社が新人を発掘できないなどのデメリットが発生する*19
そこで、国内出版社としても同人業界にはあえて手を出さないでおこうということである。
これは、ゲームを盛り上げるためにゲーム会社がYouTubeでの実況を明示的に認めているのと類似している。

ただし、これはあくまでも国内出版社の話であり、ディズニーなどの外資系は日本の同人業界から新人を発掘する必要がないため、同人パロディを一切容認しない立場を貫いている。
「調子こいてミッキーマウスのエロ同人とかを作ると大変なことになる」と言われているのはこれが理由である*20

◆キャラクター著作権

著作権はもともと絵画などの保護を想定していたため、「原画の複製」というところに重点が置かれており、特定の原画に依存しない「キャラクター」の著作権保護が曖昧な部分があった。

昔は著作権の認識が乏しかったため、立川バスが「原画に依存しなければセーフ」理論を唱えて、あろうことか自社のバスに無断で『サザエさん』のキャラクターの絵を書き、故・長谷川町子先生との間で訴訟になり、立川バスが完全敗訴した「サザエさんバス事件」や、「2個を混ぜればセーフ」という理論を唱えたおもちゃ業者がサザエさんバカボンのパパを合体させて「サザエボン」なる魔物を生み出した事件も引き起こされた。

当然、どこかの誰かのようにいろんな漫画のキャラクターを勝手に混ぜたパロディ漫画もアウトである。

◆パロディはどのへんまでがOKなのか?

「著作権法上セーフなパロディ」は、面白さは削がれるが元ネタが存在することを「感得」できないレベルまで落とし込むということに尽きる。

これについてはケースバイケースなため一般論として語ることが難しいが、本作でもパロディ元として用いられている『特攻の拓』の作画担当だった所十三先生が、別の原作者(岩橋健一郎氏)とタッグを組んで連載しているヤンキー漫画『ドルフィン』の77話(2023年8月、マンガクロス掲載)に、たまたまちょうどよいサンプルが出ていたので紹介する。

暴走族の主人公「岩城源太郎」が通う学校の、学年主任の名前が「坂本兼八(さかもと・かねはち)」。
どう見ても金八先生から持ってきたとしか思えない名前だが、本作とは異なり、武田鉄矢氏とは似ても似つかない顔に描かれている。
兼八の顔は自動車ジャーナリストの故・三本和彦氏をモデルにしているようにも見えるが、参考にしたかどうかははっきりわからないように描かれている。これも重要なポイント。
所先生はベテラン漫画家なので、さすがは抑えるポイントを押さえたキャラ作りを行っていると感心することしきりである。

同じ金八パロで参考になる例として、『妖怪ウォッチ』アニメ版の作中パロ「3年Y組ニャンパチ先生」*21がある。
我らがジバニャンが長髪っぽいカツラ(?)と背広(上だけ)を着用し「このバカちんニャー!」と叫んで竹刀を振り回す*22というものである。

『3年B組金八先生』を元ネタにしているのは明らかだが、ジバニャン扮する「ニャンパチ先生」と武田鉄矢氏が似ても似つかないことは明らかので、肖像権・著作権のいずれも侵害しておらず、パロディとしてはOKなラインである。
『妖怪ウォッチ』アニメ版では様々なパロディが出てくるが、これまで封印回は存在しないので、いずれのパロディも内容に問題はないということである。

別の事例では、例えば秋本治先生の『こち亀』に出てくるゴルゴパロキャラの「後流悟十三(ごるご・じゅうぞう)」「ボルボ西郷」と、本作の「東剛」「ゴルゴ1326」を比較すると、どのへんまでならパロディとしてOKなのかというラインが見えてくるはずである。

逆を言えば、元キャラを「感得」できるレベルでパロディをやりたければ、原著作者の事前許諾を得る必要がある。
内容にもよるが、きちんと事前に申請すればパロディを認めてくださる原作者が多いのも事実。『カメレオン』の無断下ネタパロに激怒した故・松本零士先生も、パロディだらけの『銀魂』実写版の『999』ネタには許諾を出している。

北斗の拳』に至っては、辛口カレーやマックシェイクに難儀するサウザーやら架空のドラマ撮影日誌やら、パロディ作品が多数制作されており、長期にわたる人気を獲得する一因となっている。

原著作者との間で良好な関係が築ければ、パロディはお互いにとってメリットがあるとも言える。

本作の無断パロディに不快感を示した『孤独のグルメ』(扶桑社「週刊SPA」連載)原作者の久住昌之氏も、「週刊少年ジャンプ」2023年7月10日号(集英社)に掲載された宮崎周平先生の『僕とロボコ』142話の『孤独のグルメ』パロディには、出版社の垣根を超えて、ちゃんと利用許諾を出している。

なお、『ロボコ』は本作同様パロディ満載で、そもそも設定からして『ドラえもん』の世界観をまるごと拝借している*23
『ロボコ』は本作と異なり、各作品のパロディ元に全て利用許諾を取っているため、2023年に地上波アニメ化された後、2024年12月には映画公開が予定されている。きちんと「筋を通した」パロディは商業化が成り立つという好例である。

◆肖像権

芸能人の肖像は商品価値があるため、判例上確立された権利として「肖像権」が発生する。
かつて、国内某食品メーカーが海外の子役の映像を無断でCMに使った結果、訴えられて敗訴した(詳しくは「マーク・レスター事件」を参照)。
その後、肖像に高い経済的価値がある芸能人には「パブリシティ権」が存在するという解釈が確立した。

パロディだからといって肖像権の管理元が許してくれるとは限らず、厳しい芸能事務所だと肖像権侵害に対して法的措置をとることも少なくない。
また、パロディの利用様態によっては、芸能事務所やモデルとなった芸能人本人の感情を害する可能性も否定できない。

本作はどう見ても武田鉄矢氏の肖像権を侵害しているとしか思えない。錦先生と近代麻雀編集部は、本作を訴えない武田氏の寛容さに感謝すべきであろう。

『ムダヅモ無き改革』が単行本化できたのは、パロディに用いているキャラクターが公人である政治家で、肖像により経済的利益が発生する芸能人とは肖像権の扱いが異なってくるためである。

芸能人をモデルにした合法的なパロディを行う場合は、上記の他作品のパロディと同様に、(面白くはなくなるが)モデルとなった芸能人を読者が感得できないレベルにするか、(ある程度の経済的負担が発生したり、断られる可能性があるものの)所属事務所に事前許諾を取るかのいずれかになるということである。

ちなみに、武田鉄矢氏は、西城秀樹氏の「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」をモチーフにした「JODAN JODAN」を1979年に作った際、西城氏の当時の所属事務所と打合せながら製作したことを明らかにしている。
「JODAN JODAN」は単に「YOUNG MAN」の振り付けを真似ているだけなので、著作権法上は原著作者の許諾を得る必要は特にないが、武田氏がいかに他者の知的財産権を尊重する方であるかということが窺えるエピソードである。

◆絵柄・画風

繰り返し述べている通り、絵柄や画風は著作権法の保護対象とはならない。

とはいえ、絵柄の無断でのパクリは、トレパクでなくても著作権法とは別のレベルで問題になることが多い。

2023年4月、内閣府のポスターがイラストレーターのたなかみさき氏の絵柄をパクっているとして問題になり、該当のポスターが回収された。
たなか氏に頼まなかったのは、端的に内閣府の予算の都合と推測される。似たような絵を描ける無名のイラストレーターに頼んだほうが、費用が安く付くからである。

同様のケースに、NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる!』の「初回バージョンチコ」が挙げられる。
2017年3月24日に放映された第1回パイロット版に登場したチコちゃんの造形が、イラストレーター・奈良美智氏の描く女の子によく似ていた。
しかも、SNS上での奈良氏の発言により、NHKは奈良氏にデザインを依頼して断られていたことも判明した。

各方面から批判されて炎上した結果、2017年8月17日放送分の第2回パイロット版では「プチ整形」と称して、オオシカケンイチ氏による現在のデザインに大きく変更。
以来、初回バージョンチコは本作同様「特級呪物」扱いとなり、ネット上で誰かがキャプチャした画面などでしか確認することができない。
現在、公式に発行されている『チコちゃんに叱られる!』関連の出版物では、全てオオシカデザインの現行チコに差し替えられている。

これらのケースは著作権を侵害しているわけではないが、内閣府やNHKといった公共機関が、コストを下げるために著名な作家に直接発注しなかったことが理由であるため、厳しい批判にさらされて道義的に撤回せざるを得なくなったわけである。

一方、本作のように作中パロディで画風を1コマだけ真似るというぐらいであれば、上記のような批判対象にはならないと思われる。

原著作者の感情を害すると大変なことになるという点は、次の項にて述べる。

◆著作者の感情

法律論とは別に重要なのがこれである。

トレパク問題では、多くのケースにおいてトレパクをした側が不誠実な態度を取る*24ため、トレパクされた側が激怒し、深刻な紛争に発展することが多い。

『カメレオン』322話に松本先生が激怒したのも*25、著作権法上は問題なくても原著作者(特に業界の大物)を怒らせると大変なことになりますよという一つの事例である。

著作権に触れてはいないが事実上封印されてしまった例として、バラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげです』(フジテレビ系列、1988~1997年放映)内のミニコント『仮面ノリダー』がある。
木梨憲武氏が改造人間「仮面ノリダー」を演じるこのコントは、明らかに『仮面ライダー』のパロディである。また、パロディとはいえ原作に相当な敬意を払っており、原作にも出演した故・小林昭二氏が原作と同じ「立花藤兵衛」という役名で出演していたりもした。

しかし、『仮面ノリダー』は著作権保有者の東映に事前の断りなく製作されたため、東映(より具体的には、当時の東映特撮界のドン──現代で言うところの白倉伸一郎氏に相当する立場だった故・吉川進氏)が激怒*26。結果として現在に至るまで、『ノリダー』は東映によって映像ソフト化が禁止されたままとなっている。

一方、同じ東映作品でもフジテレビは同じ仮面ライダーのパロディである『かまへんライダー』(オレたちひょうきん族)と、『秘密戦隊ゴレンジャー」のパロディである「世紀末戦隊ゴレンジャイ』(ダウンタウンのごっつええ感じ)の2作品については事前に東映の許諾を得ており、いずれも映像ソフト化されている*27

『ノリダー』は明らかにパロディで、あくまで仮面ライダーの設定を拝借したに過ぎない。設定は「アイデア」に位置づけられ、著作権法の保護対象外である。
また、『ノリダー』では、東映が著作権を有する作品の画像等は一切使用されていない。そのため、『ノリダー』は本来、仮面ライダーの著作権は侵害していないはずである。
それでも無許諾パロディで著作権者を怒らせるとこういうことになるという、大変参考になる事例である。

その後、2013年に東映が「仮面ノリダー」の商標を取得*28。それから6年後の2019年に公開された『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』にて、木梨憲武氏が木梨猛役でサプライズ出演を果たした*29
東映側にも『ノリダー』に親しんだ世代が増えており、長年の対立を経てフジテレビと東映の歩み寄りが見られるものの、2024年現在、未だに『ノリダー』の映像ソフト化は実現していない。

パロディはいちいち事前承諾を取るのが大変だが、その面倒な手間を踏まないと原著作権者との間で話がこじれた場合にややこしくなる。
パロディ歌手の嘉門達夫氏は、替え歌を作る際に必ず原著作者の許諾をとっている。これも、原著作者と話がこじれることを防ぐことが目的である。

『ハイスコアガール』の押切先生は出版元のスクエニとSNKプレイモアの感情的な対立に巻き込まれた結果、書類送検・長期の連載中断・単行本回収・アニメ化無期延期という酷い目に遭ってしまった*30

一方、本作は、無断パロだった割には(著作権侵害とは別に)錦先生が原作に対してそれなりにリスペクトを払っている点は、はっきりと読んで見て取れる。

本作がこれだけ派手に知的財産権侵害になりうる行為をやらかしながらも、竹書房と錦先生が訴えられなかったのは明らかに奇跡としか言いようがなく、錦先生が原作へ敬意を持っていることが原著作者にも伝わり、理解されたからではないかと推測できるのである。とはいえ、当時近代麻雀の編集だった竹村響氏などの関係者が本作について、原著作者や出版社に頭を下げまくっていたことは容易に想像できますが。

本作が永久封印されてしまったのは重ね重ね残念であるが、上述の通り合法的に読む方法はいくらでもあるので、その意味で本作をぜひ御堪能いただきたい。


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最終更新:2024年04月04日 19:56

*1 要するに、元ネタ作品の出版社からのクレームである。

*2 一部の回想シーンなどで、一八が長髪姿になることがある。

*3 ただし「画風の真似」については、基本的に著作権法上の問題は発生しない。画風だけパクって商売すると不正競争防止法違反などに抵触する可能性が起こるが、本作のパロディの場合はそういった問題は想定されない。画風を真似て問題になったケースは「おまけ」を参照。

*4 竹書房の公式な声明は無いが、更新停止後、特定の出版社から出ている漫画を題材にしたエピソードが削除されたため、読者はどこから抗議を受けたのか大体の目星を付けることができた。あえてヒントを出すと「音羽方面」である。

*5 元ネタは『ポプテピピック』。ちなみに、昔の竹書房は実話雑誌やヤクザ漫画を多く出版していたが、取引銀行から「ヤクザものの出版物を出し続けるなら融資を止める」と警告され撤退したというエピソードがある。ポプテピピックのギャグは、おそらくこの話が元ネタであろう。

*6 現実世界では、18歳未満の者が雀荘に出入りすることは法律で禁止されている。

*7 水谷豊と伊藤蘭の実子。2023年後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』の主役に抜擢された。

*8 元ネタは1968年制作のホラー映画『吸血鬼ゴケミドロ』。

*9 『うしおととら』はダブルヒロイン制度を採用しており、中村麻子というもう一人のヒロインがいる。

*10 「さとり」が「考えてることは…いつもとあまり変わらない…」と語る上段2段目右側のコマ。

*11 元ネタでは洋食レストランの店主だが、本作では雀荘の店主。

*12 説明は民明書房そのものだが、「麻雀の歴史と文化」は本当に竹書房から刊行されている。

*13 この点の記述はWikipediaの『ハイスコアガール』の項目に詳しく記述されている。『桃太郎伝説』の作者のさくまあきら氏の奥様である佐久間真理子氏は2014年8月6日のTwitterで「たぶん告発受けたからだと思うけど、少し前にウチにも謝罪文来てるので、他のメーカーも軒並み無許諾だと思う。編集部は何をしてたのかしらね。」と述べている。この話にはさらに裏があり、スクエニの編集部は、カプコンなどそれなりに大きなゲームメーカーには利用許諾申請を出していたが、SNKプレイモアなど小規模なメーカーの作品はほぼ全て無許諾で利用していたというのである。また、SNKプレイモアがスクエニに著作権侵害に関する警告を開始した後も、1年以上にわたりスクエニは会社として何の対応も行なわなかった。大阪府警がスクエニ関係者の書類送検時に「起訴相当」という厳しい意見を付けたのも、こういった事情が背景にあるとみられる。

*14 このすぐ後、鬱屈を極めた押切先生の心情は「CONTINUE」誌で連載していたエッセイ漫画『ピコピコ少年SUPER』にて語られる。

*15 被害者が告訴した場合に限り、公訴を提起することができる犯罪。

*16 K社は、おそらく代理人弁護士名義で警告文を竹書房あてに内容証明郵便などで送付しているはず。

*17 特に5話のムスカと7話のGTOあたり。

*18 著名な作品では写真週刊誌の「FOCUS」(新潮社・2001年休刊)の最終ページに連載していた『狂告の時代』がある。

*19 理不尽な理由でコミケを追い出した幕張メッセが、同人業界からその後どう評価されているか?というのが一つの参考事例になるだろう。

*20 アメリカでは、1971年にミッキーマウスのエロ同人を作ったダン・オニール(Dan O'Neill)という命知らずのアングラ漫画家がいて、最終的にディズニーから200万ドル請求されたとか。1971年当時の為替レートは1ドル=360円なので、日本円に換算すると7.2億円。支払い能力がなかったため支払いは免れたそうだが、オニールのミッキーエロ同人の出版目的は「ディズニーから告訴されること」だったという。ちなみにWikipedia英語版ではオニールの肩書は「an American underground cartoonist」となっている。日本で言うなら昔の自販機本の漫画家みたいなポジション……なのか?

*21 秋田県八郎潟町の御当地ゆるキャラは同名の「ニャンパチ」であるが、そちらとは無関係。

*22 元ネタでは、竹刀を振り回す体育教師を金八が止める。

*23 『ロボコ』は小学館と同じグループの集英社の雑誌に掲載されているので、藤子プロの承諾そのものは取りやすかったという事情は存在する。基本的に『ロボコ』は承諾が取りやすいジャンプ作品のパロディが中心だが、実績が認められたためか『孤独のグルメ』のように他社ネタも増えてきている。

*24 言い方を変えると「不誠実な人間がトレパクをする」とも言える。

*25 件の322話では、雑魚キャラの坂本がメーテルのコスプレをした相沢直樹に興奮して「ボクの戦士の銃はもうコチコチだよ~」と言うシーンがある。これが一番の理由とのことだが、普通に当然だろう。

*26 Wikipediaなどを見ると、当時は仮面ライダーがどちらかというとオワコン扱いという風潮で、それを当時人気絶頂だったとんねるずが無断でギャグにしたことが吉川氏を激怒させたらしい。『仮面ライダー』の著作権者の一人でキャラクターデザインなども担当した故・石ノ森章太郎先生は自らも作中パロディなどに積極的だったため、『ノリダー』には肯定的だったとされる。

*27 『ノリダー』が映像ソフト化されない理由は対外的に公表されていない。そのため、「当時ノリダーに出演した役者とソフト化の契約を交わしていなかったためではないか」と推測する向きもあるが、東映の許諾を得た上で製作され、同時期にフジテレビで放映された『かまへんライダー』『ゴレンジャイ』は映像ソフト化されているので、『ノリダー』を映像ソフト化できない原因が、東映の判断にあることは明らかである。

*28 このことから、東映とフジテレビの間で、『ノリダー』を「『仮面ライダー』を原作とした二次的著作物」ということにする何らかの合意が取り決められたものと見られる。

*29 ただし、木梨猛は作中でノリダーの姿には変身しない。

*30 スクエニが早い段階で竹書房のように誠実な対応を取っていれば、SNKプレイモアも刑事告訴までは踏み切らなかったはずである。