ブースターSP(遊戯王OCG)

登録日:2017/08/22 (火曜日) 01:50:00
更新日:2023/07/02 Sun 17:14:28
所要時間:約 10 分で読めます




ブースターSP(スペシャル)とは遊戯王OCGのパックのシリーズの1つ。

遊戯王ARC-Vが放映されていた第9期の8月と11月に発売されており、2014年~2016年の間に合計で6つ登場した。
略号は「SP○○」と、アルファベット4文字で統一されている。


内容として、3~4つのテーマのデッキパーツが収録されている。
基本的にはアニメのキャラクターのデッキが組める、8期までのデュエリストパックに近い内容。
だが、OCGオリジナルテーマも収録されている。

既に登場しているテーマの強化が多く、アニメと連動した内容になっている。
カード自体は登場していたが本格的にデッキが組めるようになったDDや、
このパックで初めて登場又はカテゴリー化したアニメ発のテーマスピードロイド、魔界劇団など、
ブースターSPの登場でまとまったデッキが組めるようになったテーマもいくつかある。

再録カードは厳選されており、所謂「無駄再録」「枠潰し」と言われるようなものが少なめ。
そのため、デュエリストパックよりかはデッキパーツが揃いやすい。
再録については、テーマカード以外にも収録テーマと相性がいい汎用カード選ばれる傾向にある。

9期1年目に発売されたトライブ・フォースまでは、4つのテーマが収録されている以外、あまりコンセプトが定まっていなかった。
2年目に発売されたハイスピード・ライダーズ以降は「アニメに登場したテーマ2つ+OCGオリジナルテーマ」1つという収録内容になっている。

収録されているレアリティはシークレットレア、スーパーレア、ノーマルの3種類。
通常のパックでは収録されているウルトラレアと字レアはない。
また、ノーマルのカードの全てにはDUEL TERMINALのカードのようなパラレル仕様も存在し、1パックに1枚入っている。

1箱あたりの封入内容も変化しており、
トライブ・フォースまでは全60枚・1箱20パックで、シークレットレア全3種・スーパーレア全15種だった。
だが、ハイスピード・ライダーズ以降は、収録テーマが減った影響か、全45枚・1箱15パックでスーパーレアが12種に減った。

1箱あたりのレアカードの封入枚数はシークレットレアが1枚、スーパーレアが5枚という点は変更されていないので、
トライブ・フォースまでは複数積み必須になりやすいスーパーレアのカードを集めるのが大変だった。またか
なお、ノーマルのパラレル仕様のカードに関しては全てのノーマルのカードに存在する。
よって、パラレルのカードを複数枚集めるのはスーパーレアのカードの比にならないぐらい大変。
素直にシングルカードを頼った方が無難だろう。

このシリーズは9期末期まで発売されており10期からは「デッキビルドパック」シリーズが後継者とも言える立ち位置になっている。
ブースターSPとの違いとしてウルトラレア(シークレットレア仕様も存在する)が収録されている。
また収録されるカテゴリーは3つなのは変わらないが、新規のOCGオリジナルテーマ3つ(最初期は既存テーマ1つと既存のOCGテーマオリジナル1つ)の組み合わせでアニメテーマとはほぼ関係ないものとなっている。


以下これまでに発売されたパック。

●レイジング・マスターズ
略号はSPRG。
収録カテゴリーは赤馬零児の使うDD
北斗セイクリッド真澄ジェムナイト、刃のX-セイバー
目玉は、やはりWJとVJとVEで登場していたDDがまともに構築可能になったことだろう。
他のDUEL TERMINAL初のカテゴリー3つも、アニメでLDSの生徒の3人が使っていたもの。
DTのカードは、その販売形態の都合上、数を集めづらいので、それらのデッキを組みたかった人にはありがたい内容となった。
総合すると、「デュエリストパックLDS編」といった内容になっている。

60種類中44枚が再録で、スーパーレアも15種類中13種類が再録。
スーパーレアのDD関連のカードは当時はほぼ3積みする必要があった。
さらに、既に登場しているDD関連のカードも全て雑誌プロモであるため高騰し、当時のDDはやたらにお金がかかるブルジョワデッキだった。
その後、2015年末のストラクや、2016年11月のディメンションボックスでの再録で、
DDの構築費用は格段に下がり、かなり組みやすくなった。

DD関連以外は殆どが再録だが、DUEL TERMINALのテーマには1枚ずつ新規カードが用意された。

その再録については、相性のいいカードが出る度に注目される「プレアデス」や「トレミス」や「インヴォーカー」が嬉しい。
何故か上記の4テーマとは全く関係がない「ジ・アース」「Great TORNADO
「ヴァルカン」「アーマー・カッパー」「ミスト・ウォーム」「ゼンマイオー」も再録されている。
どれも再録機会が少ないカードではあるが、別段需要が高いわけでもないので、
特に必要としていないプレイヤーからはハズレ扱いされがちだった。
そのためか、次の「トライブ・フォース」からはスーパーレアの種類が減らされている。
なお、この弾の「E・HERO Great TORNADO」は、 守備力の値が間違えられているエラーカード である(2000となっているが、 2200 が正しい)。


●トライブ・フォース
略号はSPTR。
収録カテゴリーは影霊衣霊獣妖仙獣BF
今回はOCGオリジナルカテゴリーがメイン。
9期から再開された端末世界のストーリーでは、水と風属性のテーマが未登場だったが、ここに来て全属性が揃った。

儀式テーマの影霊衣2014年当時の環境でトップメタになるほどのパワーがあった。
「万華鏡」と「ブリューナクの影霊衣」は3積みする必要があったため高騰し、集めるのが大変だった。

反面、妖仙獣は、主流の構築にはスーパーレア以上のカードがあまり入らないため、比較的安く組みやすいカテゴリ。
ペンデュラムテーマという事だったが、皮肉にもあまりP召喚を使われることはなかった。

霊獣は融合モンスターを使って戦うテーマではあるが、シャドールと違い、コンタクト融合のようにフィールドの素材を除外して特殊召喚する。
どのテーマもシャドールの武器である「影依融合」によるデッキ融合を露骨に回避しやすい動きができるようになっている。

何故か唐突に再録され、新規カードもなかったBFは異質な存在である。
この後、アニメARC-Vにクロウが出るということを示していた…かもしれない。
ただ、デュエリストパック-クロウ編のような露骨にキーカードを渋った再録もなく、
BFと相性がいい「ゴッドバードアタック」なども再録しているため「こちらが真のクロウ編」と呼ばれたこともあった。

この弾からテーマ関連以外の再録カードが収録テーマと相性のいいカードになった。
「緊急テレポート」「儀式の準備」「マンジュ・ゴッド」「禁じられた聖槍」「エフェクト・ヴェーラー」などが再録されている。


●ハイスピード・ライダーズ
略号はSPHR。
コンセプトはシンクロ召喚
収録カテゴリーはSRレッド・デーモンリゾネーターPSYフレーム

また、デュエルチェイサー227が使用したゴヨウと名の付くシンクロモンスターも新規で登場している。

ジャック関連のカードはARC-Vで登場した新規カード、5D's時代で使っていたカード、
漫画版5D'sに登場し未OCG化だったカードなど、幅広い作品の中から収録されている。

WJで魔剣ダーマが登場して以降しばらくカードが出なかったスピードロイドもカテゴリー化した。
ただ、SRは、テーマデッキよりも出張パーツとしての活躍の方が目立ったテーマで、
その中でもベイマックス「ベイゴマックス」はあまりにも出張しすぎたため、後に制限カードに指定されてしまった。
シンクロテーマのカードのはずなのに殆どエクシーズ目的で使われていたし、召喚権すら使わずにレベル3モンスターを2体展開できるためお手軽かつローリスクでランク3を作れるなどあまりにも汎用性が高すぎたのが悪いのだが。
「チャンバライダー」は2回攻撃できる汎用レベル5シンクロで、手軽なワンキル要員として新たな選択肢に入るほどの性能をもっている。

PSYフレームは、相手の動きに合わせて手札誘発のPSYフレームギアを繰り出し、
相手の行動を無効化しつつシンクロするという、コントロール性の強いテーマ。
その際、バニラの「PSYフレーム・ドライバー」を特殊召喚するのが特徴になっている。
特にモンスター効果をカウンターできる「γ(ガンマ)」は多くのデッキに出張されている。
こちらもエースモンスターの「PSYフレームロード・Ω」の汎用性が高く、
ハンデス効果、除外されたカードを墓地に戻す効果、自身と他のカードを墓地からデッキに戻す効果が様々なデッキで利用されている。
先攻のハンデスソリティアの【シンクロダーク】で3枚使われたためこちらも後に制限カード指定され、大打撃を受けることになった。

テーマ外のカードでの再録カードは「サイクロン」「強制脱出装置」「強欲で謙虚な壺」「カードカー・D」の4枚と少ない。
後者2つは特殊召喚を多用するシンクロテーマと相性が悪い様に思えるが、
PSYフレームは基本的に受動的なテーマで、主に相手ターンに動くのでそのための再録と思われる。


●ウィング・レイダーズ
略号はSPWR。
コンセプトはエクシーズ召喚
収録カテゴリーは幻影騎士団RR超量

幻影騎士団は墓地効果を持つ罠カードを絡めて展開するランク3主体のデッキで、
少し前に登場した彼岸と組み環境で活躍した。
ランク3エクシーズの「ブレイクソード」はランク3版の「スクドラ」と言える性能で素材縛りもないので汎用性が高い。
罠も打点上昇+破壊耐性を持たせるものが2つもあるので意外と汎用性がある。

反面RRは汎用性の高いカードは少なく、再録された「フォース・ストリクス」ぐらい。
ただし、そちらはVEのプロモで高騰しており、他にもVJの付録だった「トリビュート・レイニアス」が再録されたので、かなり組みやすくなった。
目玉の「サテライト・キヤノン・ファルコン」は主に「ラスト・ストリクス」から呼び出され、
「アルティメット・ファルコン」の下敷きとして活躍した。

超量はスーツに身を包んだ戦士(種族は戦士族、魔法使い族、サイキック族とばらけているが)、
それぞれの色に対応したエクシーズモンスターのロボ、それらを合体した最終兵器とも言えるロボなどスーパー戦隊シリーズを意識したようなテーマ。
こちらもテーマデッキよりも出張パーツとしての活躍の方が目立ったテーマで、ブルーレイヤー、レッドレイヤーはで使われた。
特にブルーレイヤーは緊急テレポート対応で、レッドレイヤーをサーチし自身をリリースしてアドバンス召喚する動きで使われたため、
緊急テレポートが規制される間接的な原因になった。

再録カードはそれなりに高価だった「スワローズ・ネスト」など。
その一方「サイクロン」がブースターSPシリーズで3度目、リビングデッドの呼び声が2度目となっている。
ちなみにサイクロンは9期で7回、リビデは8回再録されている。


●デステニー・ソルジャーズ
略号はSPDS。
コンセプトは闇属性。
ウィング・レイダーズも殆どが闇属性で次のフュージョン・エフォーザーズも闇属性のモンスターを主体とするテーマばかりだが。
収録カテゴリーはD-HERO、魔界劇団、堕天使
堕天使はGXの頃から名前だけは存在していたが、このパックでカテゴリー化された。

D-HEROはアニメARC-Vエドが使ったカードが登場。
GXで使用したがカード化されなかった「ディバインガイ」や「ダークエンジェル」も遂にカード化された。
これまで入手が面倒だった「ディアボリックガイ」「Bloo-D」「デステニー・ドロー」の再録は嬉しいだろう。
長らく「贅沢なHERO」とされたD-HEROは、ようやくそのイメージを払拭できたといえる。

切り札のとなるのはARC-Vに登場した「ディストピアガイ」。
発動条件やや回りくどいが、フリーチェーンの破壊はなかなか侮れず、特殊召喚時のバーンもそこそこの威力を出せる。

なお、融合軸の主軸になるはずが性能がイマイチな「D-フュージョン」がスーパーレアなど、ややレアリティ設定が強気。


魔界劇団はアニメで沢渡が初めて使ってから約1年半の時を経てこのパックでOCG化された。
ペンデュラムモンスターの劇団員を魔法カードの台本でサポートしながら戦う。

堕天使の新規モンスターは墓地の堕天使魔法罠カードをコピーする効果が共有効果としてついている。
【シモッチバーン】のキーカードであるレフィキュルも堕天使の名前を持つため、【シモッチバーン】が密かにかなり強化された。
だが、レフィキュルは再録されずゲーム付属カードと言う事もあり更に高騰した。
殆ど使い物にならないエデ・アーラエを再録するぐらいならレフィキュルを入れて欲しかったものである。

テーマ外の再録カードは「闇の誘惑」「ブラック・ホール」「終焉の焔」「闇次元の開放」の4枚で、
やはり闇属性サポートが多い。


●フュージョン・エンフォーサーズ
略号はSPFE。
コンセプトは融合召喚
収録カテゴリーは捕食植物ファーニマル召喚獣


捕食植物は捕食カウンターを相手に置きそれを利用して戦う融合テーマ。
後に追加されたカードにより、捕食カウンターが関係ない融合サポートとして出張パーツとしても使われるようになった。
殆どがアニメ産のカードだが、漫画版から「キメラフレシア」が収録されている。
目玉となるのは「グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン」なのだが、実はこのパックのカードのみでは融合できない。
パッケージを飾るモンスターなのに…

ファーニマル/デストーイはクラーケンの登場により更に1ショットキルが捗るようになる。
値上がり気味だったVE収録のシザー・タイガーが再録され組みやすくなったが、
サーベルタイガーやファーニマル・ベアなどが必要になるのでこのパックだけで組めるとは言い難い。

召喚獣は召喚師アレイスターを中心としたデッキでアレイスターと神属性以外の各属性のモンスターと融合して戦う。
属性融合テーマにしては珍しく1パックで全ての属性が揃っている。
アレイスターが召喚魔術をサーチして召喚魔術が墓地で融合素材に使い除外されたアレイスターを回収し2枚で循環する、ある意味出張テーマの究極系とも言える動きをする。
現在でも出張パーツとして活躍している。

再録カードは融合関連が中心だが、
融合召喚がコンセプトなのに肝心の「融合」が再録されていないため、融合が値上がりするという珍事が起きた(「融合」として扱う「置換融合」は再録されているが、使い勝手が大きく異なる)。
HERO's STRIKE」や3度目の遊戯ストラクで再録されていたので、問題ないだろうと踏んだのだろうか。



追記・修正は全ての召喚法を使いこなしてからお願いします。


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最終更新:2023年07月02日 17:14