魔法少女リリカルなのは Reflection

登録日:2017/08/09 (水) 06:20:17
更新日:2023/10/10 Tue 04:02:58
所要時間:約 12 分で読めます





守ると決めた。悲しみをもう繰り返さないために。

守ると決めた。大切な人の笑顔のために。

救うと決めた。たとえ全てを賭けてでも。






『魔法少女リリカルなのは Reflection』は2017年7月23日から上映されているアニメ映画。
2004年から続くアニメシリーズ『魔法少女リリカルなのはシリーズ』に属する作品であり、シリーズの劇場版としては3作目に当たる。
タイトルにある『Reflection(リフレクション)』とは、英語で「映像」「反射」「鏡に映る影」といった意味。
実はタイトルに表記されていないので分かり辛いが、本作は2部作品の前編に当たる。後編のタイトルは本作の公開初日に『魔法少女リリカルなのは Detonation』であることが告知された。

主題歌『Destiny's Prelude』 歌:水樹奈々

挿入歌『Invisible Heat』 歌:水樹奈々
   『真夏のHoney Days』 歌:高町なのは(CV:田村ゆかり

概要


2013年の告知から4年の間を空けて放映されたシリーズ劇場版第3作。
前作となる劇場版から考えれば5年の間が空いたことになる。
タイトルは告知の時点までは『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 3rd Reflection』とされていたが、
過去二作の劇場版と違って本作はTVシリーズのリメイクではないことから差別化のために「The MOVIE 3rd」の部分は取られたという。
時系列的には前作『2nd』から約2年後とのこと。

リメイク作品ではない完全新作とされているが、一部の設定と登場人物は、
2011年にPSPで発売されたゲーム『魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE THE GEARS OF DESTINY(略してなのはGOD)』から持ってきている。
ただしシリーズキャラクター勢揃いなお祭りゲー部分は削られ、緊迫した状況であってもどこか明るく希望の持てた雰囲気とは打って変わってほぼシリアス一色の物語となっている。
ストーリーの軸こそ『GOD』と似ているが、新キャラクターと新設定の追加もあって展開はほぼ別物と言って良い。
TVシリーズとはパラレルな世界だが、TVシリーズの第2期~第3期の空いた数年間の人間関係を補間するエピソードもある。

防護服&デバイスのデザインは『魔法戦記リリカルなのはForce』のメカデザインを担当した黒銀氏が担当。
全キャラ『2nd』のデザインから金属パーツ増加などの細部が変更されているが、新武装含めてシリーズの中ではかなり大きなアレンジが加えられたキャラもいる。

過去2作の劇場版は空中戦に力が入っていたことが特徴だが、本作では地上に近い戦闘も展開され、TVシリーズを含めてもあまり見られなかったアクションが多い。
リリカルなのは十八番の熱く激しい戦闘シーンは勿論のこと、声優さんから七割くらい戦ってると評されるほどに戦闘密度が高く、
『機動外殻』と呼ばれる巨大機械兵器の登場もあってあのキャラにこんな戦い方が!と驚かされる場面も。

また、シリーズで初めて実在の地名が登場する。


登場人物


主要人物はシリーズお馴染みのメンツ。
そこに一部『GOD』のキャラクター、加えて本作の鍵を握る新キャラクター「イリス」が登場する。
その他、物語に関わるわけではないものの、無印~ASで設定上にしか存在しなかったキャラクターが一部声付きで登場してファンを驚かせた。

主要人物


CV:田村ゆかり
ごくごく普通の小学5年生。
本人は小学生兼魔導師の二重生活をエンジョイしているが、一部の友人からは見守られつつも内心心配されている。そりゃそうだ。
他の二人もそうだが、魔導師としての実力はデバイスに頼らずとも単独で戦闘が可能なほどに向上し、後の教導隊らしい高いテスター適正も見せている。
本作では過去の事件を経て至ったなのはのヒーロー性がピックアップされており、かつての事件の結末が彼女にとってどういった影響を与えたのかが語られる。
相棒のレイジングハートは『ViVid』で見せた待機状態での単独飛行を披露しており、後の『お願い』も含めて主人と自己の強化に余念がない。
母親の桃子さんも久しぶりの登場。ただ中の人が変わっている。

CV:水樹奈々
前々作『1st』の中心人物で、今はなのはの親友の一人。
本編開始半年前にハラオウン家に正式に養子になったが、それゆえに家族との距離の取り方に悩む複雑な時期。
友人と家族に恵まれたことで表情が目に見えて豊かになっており、過去の事件を経て身につけた彼女の優しさが、敵味方の両方に影響を与えることになる。

CV:植田佳奈
前作『2nd』の中心人物で、今はなのはの親友の一人。
麻痺していた脚は完治し、なのは達と朝のランニングまで出来るほどに。
キリエとイリスからある目的のために夜天の書を狙われ、本人としては専門外の慣れない単独戦闘を強いられることになり……。
かつてのリインフォースを思わせる魔法発動シーンが印象的であり、はやてと夜天の書の力の一端が見られる。

フローリアン姉妹


CV:戸松遥
キリエの姉。愛称はアミタ。ある目的で家から飛び出したキリエを追って半日遅れで地球に到着する。
『GOD』で見られた「アイアムお姉ちゃんッ!」なテンションはナリを潜め、強い責任感を持つ優しくも厳しい姉というシリアス要素を抜き出したキャラクターになっている。
エルトリア独自のエネルギー干渉術「フォーミュラ」と、「ヴァリアントアームズ」と呼ばれる形状変化武装を駆使して戦う。
可変する武装を駆使する戦闘スタイルはゲームと同じだが、本作では武装がさらに変幻自在なため、攻撃バリエーションが増えている。
負傷した際の描写や治療を受けた際にこれといった言及が無かったことから、本作ではキリエ共々ギアーズではなく生身の人間の模様。ついでに腹ペコ属性が判明した。

CV:佐藤聡美
アミタの妹。イリスと共に夜天の書と永遠結晶を狙って地球に転移する。
『GOD』よりもかなり切羽詰まった状況であるため特徴だったノリの軽さはなく、
しかも姉へのコンプレックスが焦りもあって悪い方向へ加速してしまい、姉妹間の溝は『GOD』と比べてもかなり深刻。
戦闘スタイルはアミタと同様だが、「ヴァリアントシステム」の機能を使い地球の工業機械を拝借して急造した『機動外殻』を従えている。
その他にもアミタすら知らないある切り札を持っている。
ちなみにアミタ共々、地球での服装は『INNOCENT』で着ていた学生服。イリス曰く「この国のガールズスタイル」とのこと。

ヴォルケンリッター


CV:清水香里
ヴォルケンリッターの烈火の将。管理局航空隊に所属している。
現在は新型武装のテストを行っており、作中では増援のために試作機を実戦に持ち出すことに。
機械兵器だろうが隕石だろうがお構いなしの腕を見せつける。

CV:真田アサミ
ヴォルケンリッターの鉄槌の騎士。武装隊所属で、なのはと組むことが多いとか。
ベルカ式には珍しい万能タイプ故か、射撃武装のテストも行っている。
愛機も勿論使用し、大型兵器である機動外殻の相手はまさに適材と言える。

CV:柚木涼香
ヴォルケンリッターの湖の騎士。管理局医療部所属。
戦闘時はいつも通り後方での参謀役。
彼女の戦闘はある意味ゲーム性能の完全再現である。つまり……。

CV:一条和矢
ヴォルケンリッターの盾の守護獣。今回はけものコンビということかアルフと組む。
相変わらず熱い叫びに定評があるザッフィー。
ちなみに戦闘中のある台詞は声優さんのアドリブだとか。
中の人が舞台挨拶時唯一の男性ということは内緒

CV:ゆかな
『2nd』で安らかに消滅したリインフォース・アインスの後継機。
まだ生まれてさほど経っていないためか、『StrikerS』の頃よりもさらに幼い印象。寝坊してるし。
何気にはやてとユニゾンしてからの戦闘シーンはシリーズで初めてだったりする。『StrikerS』では杖を振りかざしただけだったからね。

時空管理局


CV:久川綾
時空管理局の局員。クロノの母で、『2nd』を通してフェイトの義母になった。
前作までは時空管理局の艦船アースラの艦長にして提督だったが、娘との時間を作るためか現在は総務部所属。
ママさんグループでお喋りしたり、ある場面では真っ先に娘のところに駆けつけたりと、母としての姿が描かれる。

CV:高橋美佳子
時空管理局・東京臨時支部の支局長。リンディの実子でフェイトの義兄。
前作までは執務官だったが出世したらしい。
東京臨時支部は、日本で何故か次元を震わす大きな事件が集中していることから観測所として設置されたのだという。
成長しているので声は杉田さん……と思いきや声変わりが完全でないのかまだ高橋さん声。

CV:水橋かおり
若くして無限書庫の司書を務める少年。なのはの魔法の師でもある。
得意の結界でなのはをサポート。

CV:松岡由貴
東京臨時支部の現場まとめ役。前作では艦船アースラのオペレーターだった。

  • アルフ
CV:桑谷夏子
フェイトの使い魔。本作では子犬形態ではなく少女形態がデフォルト。
何気にザフィーラとの掛け合いは久しぶりであり、彼のことは親し気にザッフィーと呼ぶ。
臨時で捜査官を請け負うこともある。

  • マリエル・アテンザ
CV:阪田佳代
管理局技術部のデバイスマイスター。
なのは達のデバイスの整備や改修を担当している縁の下の力持ち。
今回も寝不足にならなければ良いのだが……。

  • シャリオ・フィニーノ
CV:伊藤静
『StrikerS』から登場したゲスト。管理局の新人局員。
まだ体は年相応に小さく、3期から考えるとなのはたちとはこの頃から付き合いがあったのだろうか。

日本


CV:釘宮理恵
なのはの親友の一人。夏休みのレポートの題材に会社でオープン予定の遊園地を提供する太っ腹。
すずかと一緒になのはが進む道を祝福しているが、何だかんだで友人として思うところがある様子。
なんと本作では父のデビッド・バニングス(CV:高橋大輔)と、母のジョディ・バニングス(CV:大井麻里衣)が初登場している。
デビッドは無印の頃からなのはの父である士郎の友人とされていたが、妻含めてまさかのサプライズ出演であった。

CV:清水愛
なのはの親友の一人。なのは達と一緒にプレオープン中の遊園地の見学に向かう。
『2nd』ラストにあったようにアリサ共々なのはとフェイトが魔導師であることを明かされており、八神家の魔法練習スペースに立ち入ることもある。
本作では父の月村俊(CV:高坂宙)、母の月村春菜(CV:佐野尚美)が登場。月村重工/月村建設の経営者家族で、既に魔法のことも説明されている様子。
とらハ時空と違って両親共に健在とは言われていたが、元気な姿を拝める日がこようとは……。父の方は危うく死にかけたけど。
なお両親は登場にあたりとらハの頃とは名前が変更されている。

惑星エルトリア


  • グランツ・フローリアン
CV:なし
アミタとキリエの父親。
娘たちには優しい父親として慕われ、妻を含めた一家全員で母星を救うべく日夜研究を続けていた。
しかし病魔に侵されてしまい現在は意識不明。
かなり衰弱した状態であり、星を出ても回復の可能性はかなり低く、余命すら少ないという。

  • エレノア・フローリアン
CV:伊藤かな恵
グランツの妻。『INNOCENT』で存在は仄めかされていたものの、直接登場したのは本作が初。
容姿も性格もアミタに似ており、娘に対しても丁寧語を話す。
グランツが昏睡状態になってしまったことから、療養のために家族と一緒にコロニーへの移住を考えていた。

CV:日笠陽子
本作のオリジナルキャラクター。
エルトリアにある廃教会にて発見された遺跡版に宿る人工知能。遺跡版が本体なため実体はなく、見えている姿はホログラム映像である。
キリエにとっては幼い頃からの友人であり、互いに強い信頼で結ばれている。
惑星エルトリアの再生と父の回復というキリエの願いを叶えるため、キリエと共にはやての持つ夜天の書、そして水族館にある永遠結晶を狙う。

不明


CV:植田佳奈
夜天の書のページから呼び起こされた「王の魂」が具現化した姿。
姿と魔力資質ははやてを基にしている。
傲慢な態度や根は臣下思いなところなどは『GOD』と同じだが、テンションが抑え目なためどちらかと言えば『BOA』の時代に近い。

CV:田村ゆかり
夜天の書のページから呼び起こされた「魂」が具現化した姿。
なのはの姿と魔力資質を基にしている。杖の他に『INNOCENT』の一部カードで装備していた巨大な篭手が加わるなど、『GOD』と比較して武装が最も変わったキャラの一人。
戦いに独特の矜持を持ち、戦闘を通してなのはに興味を持つ。

CV:水樹奈々
夜天の書のページから呼び起こされた「魂」が具現化した姿。
フェイトの姿と魔力資質を基にしている。本作では『GOD』の1.5倍くらい子供っぽく奔放。
それでも相変わらずぶれない安定の愛すべきバカであり、正直かなり美味しい役どころでもある。

CV:阿澄佳奈
『GOD』にも登場した物語の最重要人物。見た目は幼い金髪の少女。
「魄翼」のデザインが不定形の巨大な翼から楯にも見える6枚の機械的な翼へと大幅に変更された。
その凶悪な能力はゲーム版以上に危険かつ容赦がなく、まさに近づくことすら叶わない。


用語

  • 惑星エルトリア
地球とは別次元にある惑星。
現在は資源枯渇や環境汚染によって荒廃が進み、殆どの住民は外宇宙や星系内のコロニーに移住している。
過酷な環境ゆえか、少ない資源を最大限に活用するための機械運用システム「ヴァリアントシステム」、
独自のエネルギー干渉術「フォーミュラ」など、管理局が認識していない技術が開発されている。
































※以下には後編に繋がる本作における重大な設定が書かれています※
※ネタバレ注意※


























  • フォーミュラ
エルトリアで開発された術式で、アミタとキリエが使用する。
無機物の形状を自在に変化させるヴァリアントシステムと合わせて使われる。
使われた魔法を短時間で解析・分解する機能もあり、作中では射撃魔法を無力化し硬いことに定評あるなのはのバインドもあっさり解除している。
原理はおそらく異なるが後の時代の魔導殺しに近い特性を持つ。

  • カレドヴルフ社
管理局と提携して新型武装の開発を行っている民間企業。
魔法戦記リリカルなのはForce』に登場した魔導端末メーカーがまさかの登場。
パラレル世界とはいえ時系列的には10年以上も先取りした武装がゲスト出演している。先の時代のことを考えれば中々先見性のある企業の様だ。
今作では試作中の武装という扱いで『Force』で使われた「ストライクカノン」が登場。
とはいえ型番や機能、デザインもやや違うため、辻褄を合わせるなら『Force』で使われた機体のさらに試作機といったところだろうか。
他にもカレドヴルフ社製のオリジナル武装が多数登場している。

  • フォートレス他
カレドヴルフ社製の各種物理攻撃兵器。
上述のようにエルトリア組は魔導殺しに似た機構を持ち魔法はあまり有効でないため、実験段階だったが対抗策として急遽実践投入された。
作中ではフォートレス系専用装備をなのは、はやてが使用。
ヴィータ、シグナムはデバイスに電磁カートリッジを組み込んで強化し、フェイトはバルディッシュの改修完了まで汎用装備で戦うことになった。

  • フォーミュラモード
作中終盤でなのはが披露した形態。
終盤にて、アミタの技術協力によってレイジングハートとフォートレスをヴァリアントシステムで改修、術者のなのはにもナノマシンを注入し、ミッドチルダ式魔導とエルトリア式フォーミュラを両立させている。
ユーリに正面から対抗できる数少ないの戦力となったが、勿論そんな無茶なシステムに制限がないはずはなく活動限界時間が非常に短い。

余談

  • 劇場版第2弾の翌年に行われたイベントにて本作の存在が告知されたのだが、それ以降に殆ど音沙汰が無かったためにファンの間では企画倒れになったのでは? などの憶測が飛んでいた。
    (そして4年後に放送された同シリーズのスピンオフアニメ『ViVid Strike!』の第一話にて初めて本作の放映が告知され、不安を積もらせていたファンは胸を撫で下ろすことになった。)
  • 本作上映記念に『1st』『2nd』が4DX化され、それぞれ2週間限定で上映された。後に4DX版も上映されるのだろうか?
  • 月刊コンプエース2018年2月号よりオリジナルサイドストーリー「魔法少女リリカルなのは Reflection THE COMICS」が連載開始。
    作者は「魔法少女リリカルなのはViVid」の藤真拓哉先生、コンテ構成に「魔法少女リリカルなのはINNOCENT」の川上修一先生が担当。)
  • 田村ゆかりが2016年をもってキングレコードを離れたことに伴い、今作からはキャラクターソング扱いでの参加となる。




追記・修正はテーマパークで永遠結晶を見学してからお願いします。

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最終更新:2023年10月10日 04:02