蛭子能収

登録日:2017/08/08 Tue 20:19:34
更新日:2024/02/09 Fri 14:39:04
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蛭子能収(えびす よしかず)とは、日本の一応漫画家・タレントである。
漫画家としては「ガロ系」と呼ばれる、アンダーグラウンドな作風を特徴とする系統に属する。

1947年、熊本県牛深市(現在の天草市)で漁師の息子として生まれ、長崎県長崎市で育つ。
高校時代は美術クラブに所属しており、そこでグラフィックデザインに興味を持つ。
高校卒業後に地元の看板店に就職した後は店の同僚と漫画同人誌を制作するなどの創作活動に携わり、つげ義春ねじ式に衝撃を受け、1970年に無断で上京。

上京後、別の看板店に就職し1973年にガロでデビュー。
デビュー当初は全く売れず、ダスキンの営業マンに転職し糊口をしのいだ。
1970年台の終わりごろから「ヘタウマ」な絵柄で注目を浴び始め、ダスキンを退職して漫画家として独立。

その頃劇団週刊乾電池の柄本明に劇団のポスターを依頼されたことで知りあい、劇団の役者としても活動を始める。漫画家のはずなのに俳優活動をしているのはそのためである。
それに着目した「笑っていいとも!」が蛭子を出演させるようになり、以降、バラエティ番組やドラマ等でテレビタレントとしても活躍するようになった。
本人曰く、テレビに出るのは生活費を稼ぐためとのことだが、「漫画を描くよりもタレント活動のほうが遥かに楽して大金を稼げる」とのことで、いつしかテレビ出演のほうが本業みたいになってしまった。
90年にはドラマ「いつも誰かに恋してるッ」で宮沢りえの父親役を演じたことで、「父親にしたい芸能人」のランキングで1位に輝くという、今となっては考えられない結果を残している。

「スーパージョッキー」では本業の芸人である松村邦洋に匹敵するほどの無茶振りで体を張らされ、あらゆる場面でボロボロにされては視聴者の笑いを誘っていた。
大晦日の「笑ってはいけない」シリーズにて、サウナで蛭子の汗を採取して塩分を抽出し、それで塩大福を作って食べさせた「エリート塩」も印象に残っている視聴者も多いことだろう。

ローカル路線バス乗り継ぎの旅では、太川陽介と長くこの番組を戦い抜くタッグを結成。
太川がリーダーとしてメンバーを引っ張っていくのに対し、ヒロインともどものんきに引っ張られていた。
他の出演者がその地域の名物を使った料理を注文するのに対しカツ丼カレーライスなどの定番料理を頼み、宿も旅館ではなくビジネスホテルを好むなどマイペースっぷりを発揮していた。
本人曰く、漁師の家に生まれたがシーフードはあまり好きではないとのこと。番組内で兄と姉に出会ったこともある。
トミーテックから発売されているバスコレクションの番組タイアップバージョンのパッケージイラストもこの人が手掛けている。

大好きなものはギャンブル。競艇から麻雀、パチンコ、カジノまでオールラウンドにこなす。丁半、チンチロリンなど大衆博戯も得意だが、競馬は得意としていない。
これまでにギャンブルで負けた総額は1億円以上だが、借金はしていない。
またギャンブル好きが行き過ぎて賭け麻雀に手を出してしまい、1度現行犯逮捕されたこともある。
その際には「自分があの程度の安いレートで警察の御用になるんだったら、東尾さん(東尾修)なんか懲役ものじゃないのか」と語っていた。後に「あの時落とされて正解だった」とも語っている。
そういうわけで日本でのカジノ法案の賛成派である。

一方で大の愛妻家としても知られ、先立たれた前妻とその後に再婚した現妻がいるが、そのどちらも深く愛している。
ただし子供や孫にはあまり興味が無いらしく、漫画の中で自分の子供を殺したり、孫は5人いるが全員の名前を覚えていない。
息子は容姿や思考回路(後述)がよく似ており、たびたびネタにされる。

ギャンブル以外にも映画を見ることも好きで、ハッピーエンドでは必ず泣いてしまうほど涙腺が緩い。ただし山崎貴相手に「泣ける映画が面白い映画という訳ではない」と直に言ったことも。

倫理観

声や顔付きは良い人っぽそうなうえに、バラエティ番組でしょっちゅう酷い目に遭わされるため憐れみを誘うキャラ。
が、有吉弘行曰く「こんなクズはなかなか居ない」、ビートたけし曰く「旧日本軍みたいに残忍だなぁ」と言われるぐらい常軌を逸した倫理観の持ち主。
実際、漫画家として手掛けた作品も過激な内容のものばかりである。

以下はその一例。
  • 裁判員裁判制度について
    • 行くのが面倒だから反対
  • パリ人肉事件の犯人こと佐川一政と対談した時に
    • 好きな人を食べてはいけない
  • 死生観について
    • 俺が死んだら食べてもいいよ
    • お葬式の神妙な空気は、笑いをこらえるのが大変
    • というか、自身の親の葬式を済ませた後、似たような考えを持つ兄とそのままパチンコに出掛けてしまった
    • なお、そんな蛭子がその死を本気で哀しんだのは、先立たれた前妻のみ(ただし、この逸話はソースがいまいち不明)
  • 大竹まことに激しく突っ込まれたことに対して
    • 人殺しのくせに*1
  • 競輪に熱中する一方で競馬にのめり込まない理由について
    • 動物に興味がない・動物に癒されたことはない・人と動物は気持ちが通じ合わない・気持ちが通じ合うとすれば、それは人間の思い込み
  • 友人について
    • 誘われても断れる友達以外は必要ない。友達はすごく窮屈な存在で、オレの自由を奪うことが多い。友達なんていらないですよ。
  • 24時間テレビに出た時の一言目
    • 俺、金ないから募金しないよ
  • 漫画・絵について
    • TV番組「中居正広のミになる図書館」の企画、美デッサン大辞典にて、サモトラケのニケのデッサンをさせたところ、片隅に勝手にニケの生首らしきものを描き、スタジオを凍りつかせる
  • 水曜日のダウンタウンの「蛭子能収を超えるクズ、そうそういない説」にて
    • 挨拶をされる方が面倒だと思っているので挨拶をしない。
    • 息子の友達が自分のプリンを勝手に食べ、その子を漫画内で殺害する(現実とは違って漫画の中だったら自由に人が殺せるので)。
    • 路線バスの旅で、夜中、店が見つからず撮影も許可してくれた店で出てきたエビフライを「海老がちっちゃい」と言い店主を激怒させる。しかも店主のほうが悪いと言う。
    • 妻に先立たれた2か月後、誰でもいいやという気持ちで女子マネージャーを口説く。
    • 武井壮が坂上忍に感謝の手紙を読んでいる際、1人だけ爆笑。他の人が悲しそうな表情をしているのも演技だと思っている。
    • 番組には本人出演のはずだったが、同時間に撮影することになったネプリーグのほうに出演する。
  • 朝鮮半島の軍事境界線を見学したツアーでのこと
    • ツアー前に「絶対に不謹慎な笑い方はするな」・「まっすぐ歩け」と注意されたにもかかわらず、わざとジグザグに歩いた上にいつもの癖で笑ってしまったために警備している兵士にぶん殴られた

松岡修造らがポジティヴな名言を日めくりカレンダーにして発売し好評を得る一方、蛭子も自著や日めくりカレンダーを発表し、もはやネガティブとかそんな次元を通り越した含蓄のある言葉の数々は意外と世間の好評を得た。


主な作品

※現在は多くの作品が紙での入手が困難
  • 地獄に堕ちた教師ども
  • 私はバカになりたい
  • 私の彼は意味がない
  • なんとなくピンピン
  • 私立探偵エビスヨシカズ

作風は「暴力と狂気にまみれたシュールでグロテスクなナンセンス不条理ギャグ漫画」とされている。
ガロ系の作家からは非常に高い評価を受けており、知的なイメージを持たれていたこともあった。
ちなみに「なんとなくビンビン」はサイン本をもらった人のうち4人が交通事故に遭い、その中で2人が死亡しているといういわくつき。

主な出演番組



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最終更新:2024年02月09日 14:39

*1 以前大竹まことは大竹側に過失が一切ない交通死亡事故を起こしており、このやり取りは大竹が謹慎から復帰した直後のことだった。