インガ・ブリンク

登録日:2017/08/02(水) 01:31:04
更新日:2023/10/24 Tue 07:36:13
所要時間:約 10 分で読めます




妙な助っ人を頼んだみたいだけど、ムダなことよ。



インガ・ブリンクとは、『仮面ライダーフォーゼ』に登場する人物である。
初登場は『仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!』。



概要

アリシア連邦の破壊工作員。
全身を黒い革スーツに包んだ東洋風の女性で、はち切れんばかりのナイスバディを有している美女。
波打つ栗色の髪とやや鋭い目つきが特徴(これに関しては後述)。
演者は『キューティーハニー THE LIVE』で主演を張った俳優でグラビアアイドルの原幹恵女史(Gカップ)
彼女はこの後も映画『破裏拳ポリマー』やVシネマ『スペース・スクワッド』などの坂本浩一監督*1作品にも頻繁に出演し、
ありえないほどキレのよいアクションを見せている。

ちなみに演じた時、原女史はアクションのやりすぎで全身青痣だらけになり、同僚から「DV受けてるの!?」と本気で心配されたらしい。




外見からして峰不二子じみた胡散臭さがにじみ出ているが、その性格は実直にして冷徹。
相棒のブラックナイトと共に我望理事長や仮面ライダー部の前に立ちはだかり、様々な犯罪行為を重ねる。
運動神経は抜群に優れており、バイク運転技術はそんじょそこらのライダーに匹敵するほどで、
ハカイダーのように狙撃しながらの運転という離れ業も見せる。
主にサブマシンガンを愛用しているが、勿論拳銃も得意で百発百中の腕前を誇る。
極めつけは、平成二期でも最強クラスの徒手空拳術を持つ朔田流星とも渡り合うほどの格闘術である。
細腕で流星と掴みあうほどの怪力を有し、財団Xの兵士どもを次々と薙ぎ倒すその姿はまさに鬼神が如し。
実は流星と同じ星心大輪拳の使い手であり、一度は流星を退けている。



インガの父・ブリンク博士(演:西田健)はアリシア連邦のお抱え科学者であった。
しかし、彼は一国を滅ぼすほど強力な巨大衛星兵器『XVⅡ』(全長2㎞!!)や、凶悪な宇宙鉄人を作り出し、挙句その宇宙鉄人に殺されてしまった。
OSTO(歌星博士の所属していた団体)の意思を継ぐ「OSTO Legacy」はXVⅡの復活を妨害すべく仮面ライダー部にともに宇宙に向かうよう依頼するのだが、
インガはブラックナイトを引き連れそれを徹底して妨害しようとする。

彼女の名の由来は『宇宙鉄人キョーダイン』に登場する悪役・ガブリンクィーンのアナグラムである。
相棒のブラックナイトもガブリン一味の作った強豪ロボット(キカイダーで言う所のハカイダー)がモデル。
その名に恥じず、彼女たちは作中でOSTO Legacyの宇宙出発を阻止するためにあらゆる妨害工作を行った。

手始めに我望と財団Xの取引現場を襲撃したインガは、ブラックナイトと共にいち早く離脱。
時を同じくしてOST Legacy本部に向かう仮面ライダー部の乗ったワゴン車をバイクで襲撃し、ガン・カタで流星らを追い詰めた。
しかしブラックナイトの戦闘力がフォーゼに追いつかないと知ったインガはひとまず撤退、仮面ライダー部が宇宙に向かうその時を襲撃する作戦に切り替える。
そして迎えたXデー(どうでもいいが仮面ライダー部はかなり長い間訓練を受けているが、出席日数とか大丈夫だったのか)、
インガは蒲生から奪ったホロスコープスのスイッチを使い、複製したホロスコープスの12人を召喚する。
なりふり構わぬ彼女の妨害に意を決した弦太朗と流星は仮面ライダーに変身し、これを迎撃。
更に援軍として駆け付けた仮面ライダーウィザードによりホロスコープス・ダミーは壊滅したのだが、
彼女とブラックナイトはその期に乗じて宇宙船『エクソダスⅡ』に乗り込んでおり、ライダー部に襲いかかる…。





ブラックナイト

全身を黒い装甲で覆った戦闘ロボット。身長235cm、体重221kg。
車を破壊するほどの腕力に加え、胸に仕込まれた五連装機関砲は戦闘ヘリすら瞬時に撃墜する。
体中にロケットブースターを仕込んでいるため機械とは思えないほど軽快な動きが可能であり、空を飛ぶことも可能。
全身の装甲はすさまじく頑健で、銃弾程度では軽く弾き返し、ライダーロケットドリルキックを受けて柱にめり込んでもすぐさま戦線復帰したほど。

実は宇宙鉄人のプロトタイプであり、インガの助手として常に付き従っている「騎士」。
自我も有しているが言葉を話す機能はない。



ホロスコープスのダミー

インガが奪い取ったスイッチから出現した12体の上級ゾディアーツ。
スイッチャーが推したものとは異なり全身がコズミックエナジーの塊であり、本体は無い。勿論爆発しても大惨事を巻き起こすことはない。
あくまで本物のホロスコープスの複製品の為戦闘力は通常個体より劣り、知能も著しく低い。
なお、映画は38話と39話の間に起ったエピソードなので、一部のゾディアーツはTVに先駆けて登場している。
後に映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』(時系列は『MOVIE大戦アルティメイタム』の少し前)でも
財団Xのメンバー、最上魁星が同様のスイッチで蟹・獅子・乙女・蠍のダミーを作った(パンフではスイッチャーの存在が言及されている)。

蟹がやられたのを見て獅子組に加わった。「この距離ならバリアは張れない!」方式の火炎でジンギスカンにされた。

TVに先駆けて登場した。DC版ではゴルフ攻撃を見せる。エレキステイツのジャイアントフットで踏み砕かれバーベキューにされた。

TVに先駆けて登場。最後の方でサジタリウスと合流したのはある意味原作再現かもしれない。

真っ先にフォーゼのハンマー・クラッシュ・チェーンソーのコンボを受けてぶっ飛ばされ、地面に叩き付けられ焼きガニにされた。

牛、蟹、水瓶を連れてフォーゼを襲撃。頑健ボディは健在で、フォーゼの蹴りを大胸筋バリアで弾き返したほど。
原作同様に超スピードでの近接攻撃を仕掛けてくる。
こいつだけ最強フォームのコズミックステイツを出すまで終始互角だったあたりに星座カース…もとい実力を感じる。

飛翔力と空間破壊弾は本物譲り。メテオストームと壮絶な空中戦を繰り広げる。

作中では見せなかった乙女&蠍と組んだトリオでメテオを襲撃。最後はメテオストームパニッシャーで大爆発。

俊敏な形意拳でメテオに襲いかかるも、歴戦を積んだメテオの敵ではなくあっさり撃破される。

ラスボスがまさかの出張。これには理事長も苦笑いであろう。最後は双子・乙女・魚のトリオと共にウィザードに撃滅された。

やられた蠍に変わって音撃でメテオを強襲。しかし音速の攻撃もメテオには躱され、リミットブレイクの一撃で壁に衝突し爆散。

再生能力はどこへやら、鞭を振り回すしか能がない脳筋怪人に成り下がる。
オリジナルでは使用していない水流による攻撃を行うも、最後は水属性の怪人なのに炎で死亡。

TVに先駆けて登場。乙女と組んでメテオを追い詰めるも、最後はウィザードにより焼き魚にされた。






「追記・修正の邪魔をする者は誰であっても容赦しない………さぁ、宇宙で編集よ」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/









以下、ネタバレ注意

























はい、ここまで黙って読んでくれた全国のフォーゼファンの皆さん、申し訳ありませんでしたッッッ!!


実はインガは悪党でもなんでもなく、OSTO Legacyこそが宇宙鉄人の作った犯罪結社であった。
宇宙鉄人たちは生みの親であるブリンク博士を殺し、「下等な人類など必要ない、我等2人だけ居れば良い」という凄まじい選民思想のもとに
衛生兵器XVⅡを覚醒させて手始めに日本列島を消し飛ばそうとしたとんでもない連中だったのである。

父の意思を継いでブラックナイトと共にアリシアを脱出したインガは、宇宙鉄人たちの野望を食い止めるべく戦おうと試みた。
しかし連中はブリンク博士の研究をもとにOSTO Legacyを立ち上げ、自らの作戦遂行の邪魔となるインガとブラックナイトに全ての罪を押し付けたのだ。
即ち彼女たちの纏う黒は悪逆非道の色に非ず、父の汚名を晴らすべく被った影の黒なのである。


仮面ライダー部がXVⅡの回路を起爆し、最早一刻の猶予もない事を知ったインガはがっくりとうなだれ、事の真相を流星と友子に明かす。
OSTO Legacyの本部長・冴葉晴海(グランダイン)とその秘書・白山静(スカイダイン)は宇宙鉄人としての正体を表し、
マンマと担がされていたことを知った仮面ライダー部はなし崩し的にインガと和解するも、
宇宙鉄人の猛攻を受けブラックナイトは爆炎の中に散っていく。
ただ一人の仲間を失い落胆するインガだったが、流星は彼女の肩を抱き、仲間たちを託す。
そこにいたのは敵ではない、同じ夢と同じ価値観を持つ戦友なのだから。

XVⅡブレインから脱出したインガはライダー部員たちと合流し、宇宙鉄人たちが作り出したダスタード共を蹴散らしていく。
一行はギリギリでラビットハッチに辿り着き、フォーゼの元から弾き飛ばされたスイッチが基地に眠っていることを知る。
生身となった弦太朗と流星を宇宙鉄人から守る者はもう何もない。そこで仮面ライダー部の仲間たちが取った行動とは…。






全てが終わり、父の仇の科学の亡霊たちから解放された彼女の顔は、優しい女性のそれに代わっていた。
(元より映画前半では意図的に剣呑なメイクにされているので、それを取った結果とも言える)

ライダー部と共に月面でXVⅡの「旅立ち」を見送ったインガは地球に帰還し、かつて星心大輪拳を会得した寺を訪れる。
白いジャケットにパッツンパッツンのホットパンツという昭和の戦隊ヒロインみたいなコスチュームに身を包んだ彼女は、
新たな仲間である流星に再会の意思を伝え、去っていった。

とびっきりの笑顔と、暖かな口づけというプレゼントを託して。




(勿論この後、友子ちゃんとの関係が何となくギスったのは書くまでもないことである)










その後、『小説仮面ライダーフォーゼ~天・高・卒・業~』にて流星の台詞の中で登場。
インターポールに出向したことが語られ、彼女の口から流星がスカウトを受けていることと、弦太朗にもお声がかかっていることが告げられた。
もともとアリシアの公式諜報員なだけあって実力も戦闘経験も申し分ないため、すんなり通ったのであろう。たぶん。

後日談である『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』にて再登場を果たす。
この映画は2017年の未来を舞台に…つまり『平成ジェネレーションズFINAL』の直後なのだろうか…しており、
天高を卒業しインターポールの捜査官になった流星と合流を果たす。
超能力兵士相手に生身で獅子奮迅の立ち回りを見せ、最後は流星の変身したメテオ(生身の相手にそこまでせんでも)と共に敵兵を全員拘束した。
その後の彼女の調査により、超能力者たちがいかにして招聘されたか、そして彼らを操る黒幕が誰であるかが明かされ、
『フォーゼ』サーガの最後の敵たるヘラクレス・ゾディアーツの撃滅に繋がった。


追われ、襲われ、蔑まれ、それでも黒を纏い闘い続けた娘は、遂に世界を救う本物の英雄となったのである。









追記・修正は「幹恵さんと同い年だとしたらアルティメ時点で三十路って事じゃね?」などと突っ込まない方にお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • インガ・ブリンク
  • 仮面ライダーフォーゼ
  • みんなで宇宙キターッ!
  • MOVIE大戦アルティメイタム
  • 工作員
  • 破壊工作員
  • アリシア連邦
  • スパイ
  • ガン・カタ
  • 達人
  • ボンテージ
  • ライダースーツ
  • 巨乳
  • 爆乳
  • 原幹恵
  • 星心大輪拳
  • 格闘家
  • インターポール
  • 捜査官
  • ICPO
  • ネタバレ項目
  • お色気担当
  • クールビューティー
  • ポスト峰不二子
  • 谷間
  • 女子力(物理)
  • 若者の人間離れ
  • ネタバレ項目
  • 汚名返上
  • ガブリンクィーン
  • ブラックナイト
  • アナグラム
  • 仮面ライダー
  • メインヒロイン
  • 女戦士

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年10月24日 07:36

*1 『みんなで宇宙~』を撮った人。ライダーや戦隊だけではなく、最近はウルトラマンシリーズの監督も務めている、平成特撮になくてはならない人物。そしてムッツリスケベ。