ホウオウソルジャー/鳳ツルギ

登録日:2017/07/27 Thu 20:19:34
更新日:2024/02/16 Fri 20:53:48
所要時間:なんてこった!約 14 分で読めるとはな




※推奨BGM:「炸裂ギャラクシー!!」


俺様は鳳ツルギ。

お前らが救世主?なんてこった!甘過ぎる!

キュウレンジャー、犠牲もなく宇宙を救えると思うなよ。


Space.23 俺様の盾になれ!

宇宙は俺様が取り戻す!









真の救世主とは俺様、鳳ツルギのことだ!



ホウオウソルジャー/(おおとり)ツルギは、スーパー戦隊シリーズ第41作『宇宙戦隊キュウレンジャー』の登場人物。
初登場はSpace.21(第21話)「さらばスコルピオ! アルゴ船、復活の時!」。
キュウレンジャーの追加戦士に該当するキャラクターにして、
タイムファイヤー姫シンケンレッド/志葉薫から続く『もう一人の赤の戦士』である。
Space.22以降はOPにも参加。ラストカットではシシレッド/ラッキーと並び立つ形で画面中央に立っている。

演:南圭介



覚えておけ。俺様が目を覚ました、すなわち伝説が始まるということだ!

【概要】

サソリ座星系のカロー・スコルピオとの決着を経て、チキュウに襲来してきた多数のビッグモライマーズ艦隊を迎え撃つためにラッキー、チャンプ、小太郎、そしてスティンガーはアルゴ船の復活を決意する。
ホ、トモ、そしてリュウコツの三つのキュータマが一つとなり、アルゴ船キュータマに変化、これを使いアルゴ船内に入る四名。
船内の奥には冷凍睡眠カプセルが安置されており、スイッチを押すことでコールドスリープが解除、中には一人の男が。
目覚めるや否や、剣を振りかざし襲い掛かる謎の男。四人はスターチェンジしこれを迎え撃つが、四人が「ジャークマターを倒す究極の救世主」だと名乗ると男は「なんてこった!」とようやく剣を納めて言う。

アルゴ船の復活、すなわち俺様の復活を意味する。
すなわち、俺様こそが打倒ジャークマター最大のカギとなるということだ!

冷凍睡眠から目覚めた際には黒いローブを纏い、顔が覆い隠れてしまうほど髪が伸びていたが、初変身時にはホウオウキュータマの燃える炎でローブごと伸びた髪を焼き払い、こざっぱりした風貌になる。
Space.21ラストではどこからかっぱらってきたのか臙脂色のロングコートを羽織っている。

【人物像】

性格は一言でいうと俺様野郎で、一人称もこれまた『俺様』
Space.22ではオリオン号の作戦ルームで彼を探そうと思案するキュウレンジャー一同を尻目にブリッジ外で遊泳し中に入れるよう頼んだり、作戦ルーム内でメンバーからの質問攻めに対しても「俺様が復活した。すなわち、俺様は伝説だ!」とあっさり切り返したり、自身のことを知りたければ歴史を読めと突き放したり、と結構いい加減。
Space.23ではメディアツヨインダベー率いるジャークマター放送局に乗り込んで、ドン・アルマゲをおびき寄せる為の放送ジャックを敢行する豪胆さを見せている。

よく『伝説』を口にしては事ある度に「すなわち」を多用、ありえない出来事に対しては「なんてこった!」と驚いてしまう癖を持っている。

そんな彼の輝かしい伝説は…

・チキュウ人初の外宇宙探検に挑戦
・宇宙で初めてキュータマを見つけた男
・宇宙を一つにまとめ上げた初代宇宙連邦大統領
・不死身の男
そして……
・ジャークマターのショーグンであるドン・アルマゲを倒した

というものである。
しかし、今ではそれを知る者は存在せず、キュウレンジャーとなった小太郎はおろか、チキュウの一般市民ですら彼の名を全く知らなかった。


なんてこったぁ~!!


それもそのはず、ツルギの伝説が知られてないのはジャークマターが歴史を改竄・捏造したせいであり、ジャークマター内部において、彼の名はブラックリスト筆頭として記されている。
かつては自身の姓名を冠した科学研究所を持つほどの天才科学者*1でもあるが、今ではその研究所も所有者不在で蔦が生い茂っている。なんてこった!

森の惑星キールの妖精エリスの話によると、かつてツルギはホウオウキュータマの力で永遠の命を得て不死身となり、類い稀なるリーダーシップでバラバラだった宇宙を一つにまとめ上げたとのこと。
だが、それを良しとしないジャークマターと交戦、アルゴ船を駆り88の星座系の戦士と共にドン・アルマゲに立ち向かったという。
ドン・アルマゲの力は強力で、ツルギと共に戦った戦士達も彼の盾となり、ある者は二度と戦えぬ体となり、ある者は命を落としていき、ツルギが永遠の命と引き換えにしなけれな倒せないほどだった。


【俺様の盾になれ】

オリオン号の作戦ルームでかつて倒したはずのドン・アルマゲが今も健在だという事実を知らされたツルギは、後は自分に任せるように言う。
一緒に戦わないのか、と困惑するキュウレンジャー一同に対してツルギは言う。

一緒に戦う? 冗談を言え。
俺様が復活した。すなわち、お前らの救世主としての役目は終わったということだ!

今までご苦労だったな、もう闘う必要はない。
お前らの功績は、俺様を復活させたことで十~分伝説に値する!

そのあまりにも不遜な態度に納得出来なかったのか、ラッキーは「お前を復活させる為じゃなく宇宙を救う為に戦ってきた」と反論する。そこでショウ・ロンポーは秘書であるラプター283と料理人であるスパーダを強引に監視役として同行させるが、ジャークマター大学の講師であるダイカーン・マナビルに苦戦する両者を足手まといと冷ややかに評価。
モライマーズによるプラネジューム爆発の危機に対しても動じず、住民の命よりも自身の歴史を塗り替える奴を放っておけないと目をくれないそのいけ好かなさにラッキーらから快く思われなかった。
更にはフクショーグン・テッチュウ襲来時にも周囲の被害を顧みない戦い方、「小さなことに捉われてちゃ宇宙は救えない」という、多くの命を救う為には少数の犠牲はやむなしという非情ともとれる振る舞い方にはラッキーも激怒するほどだった。

その一方で観察眼にも秀でており、ラプターが大昔に自身が設計・開発した非戦闘用アンドロイドの新型であることを見抜いて*2応急修理を行い「二度と戦うな」と忠告、スパーダにも「シェフに戦闘は不向きだ」とクギを刺す。
他のメンバーに対しても「運任せの男、お嬢ちゃん、無感情、挙句の果てに子どもと犬までいる。よく今まで戦ってこれたもんだ」と辛辣な評価を下しながら、「これまでは良かったかもしれない。だが……ドン・アルマゲは別格だ。甘いんだよ!」と、これからのジャークマターとの戦いが一筋縄ではいかないものだと警告する。
それでも「キュータマに選ばれた戦士として歩んで来た歴史は変わらない」と意地と根性を見せマナビルに立ち向かうラプターとスパーダに対し、アルゴ船の真の姿を見せることで彼なりに敬意を表した。

ラッキーはこれからも宇宙を救う自分達の戦いは変わらないと強く決意、その強さを認めながらもツルギの振る舞いへの反感を消せなかった。
ツルギもまた、ドン・アルマゲがなぜ生きているのかを確かめるため、一人別の道を往く。

後に、ラプターとスパーダの前でかつての自身の過去を語り、「ドン・アルマゲと戦うのは俺様だけで十分だ」と彼らに戦いから身を引くように言う。
その姿は300年前、88の戦士を率いたツルギは、決戦の最中に多くの仲間を失い、作戦参謀兼朋友でもあったカラス座系の戦士・クエルボさえも自身の盾となりその身を散らした事を今でも引きずっていることの表れでもあった。
彼の振る舞い方に対して、ショウ指令は「言ってることとやってることが違うように見える」と彼の本心を鋭く見抜いている。いつものいい加減さとは大違いである。

Space.24ではフクショーグン・テッチュウお抱えのダイカーン・血染めのギャブラーに仲間を捕らえられたラッキーがその攻撃から庇った際、クエルボの面影を見たツルギは不死身でなくなったその身を痩せ我慢だと気付かされる。

あんたが『盾になれ』って言うんならなってやる。

……だが覚えとけ!!
俺は『戦う盾』だ!!
あんたの前にいる敵は……俺が全部ブッ倒してやる!!

同じ救世主が、『盾』となりながら戦う…考えてもいないことを言い放つ破天荒なラッキーの姿を評価しながら、ショウ指令は「一緒に戦ってみるのも悪くない……そう思わないかい?」と共闘を促す。

今の救世主と昔の救世主が力を合わせる。
俺達で、新しい伝説を作るんだ!

まあ、ボクちんは自称救世主だけどね♪

なんてこった。新しい伝説か……
いいぜ。一緒に戦ってやるよ! 俺達で宇宙を救うぞ!

こうして、ツルギとラッキーは一致団結。
互いが盾になると言い張りながらも絶妙なコンビネーションを見せ、ダブルスターインパクトでギャブラーを撃破し仲間を救い出すことに成功した。

かくして、宇宙を救い、新たな伝説を創り出すために『伝説の救世主』たるツルギは『究極の救世主』キュウレンジャーと共に道を往くことになる。

ちなみに、バンダイ公式youtubeから配信されている「変身講座・君も一緒にスターチェンジ!」スペシャルエピソード冒頭では、
Space.24ラストでも「カッコいいじゃねえか! こいつは伝説になるぜ!」と気に入ったキュウレンジャーライセンスの話題で持ちきりになっている。
そんな彼の認識番号はNo.12。その際、No.11の小太郎を先輩呼ばわりしている。






ホウオウキュータマ!

カモン・ザ・チェンジ!

スターチェンジ!!


スペースバスター、ホウオウソルジャー!!


刮目せよ。今、伝説が始まる!


【ホウオウソルジャー】


スーツアクター:藤田洋平

テーマソング:「伝説のホウオウソルジャー」1番(歌:石原慎一)


ツルギがホウオウキュータマでスターチェンジした真紅の戦士。
ゴーグル部分は羽を広げた鳳凰漢字の「天」を組み合わせたような形状となっており、フェイスガードには赤いクリアパーツ、マスク右側にはインカムのようなパーツが施された、キュータマを彷彿とさせる。
赤いカラーリングのキュースーツ、というのはシシレッドと似ているが、濃紺を基調としたボディに施されたモールドや腰から伸びたラインなど、他のキュウレンジャーとは異なる独自の形状をしている。

同じ鳥系星座モチーフのワシピンクのように飛行能力こそ持たないが、赤い炎を纏い不死鳥が羽ばたくかのごとく瞬時に高速移動し、襲い来るモアイダー部隊を破壊しながらモライマーズからモライマーズに飛び移る、マーダッコを単独で一方的に撃破するなど、破格の戦闘能力を見せている。


【専用武器・必殺技】

ホウオウブレード&ホウオウシールド
ホウオウソルジャーの変身アイテム兼専用武器。
燃える鳳凰のオーラがツルギの左腕に宿り、長剣と盾を形成。その凄まじさは初登場時にローブと伸びたツルギの髪を焼き払うほど。
ホウオウキュータマをセットしホウオウブレードを引き抜くことでホウオウキュータマが回転し、スターチェンジが発動する。
変身待機音はテクノサウンドチックだが、変身サウンドはロックサウンドチック。
変身後はこれを用いた攻防一体の戦法が得意で、ホウオウシールドで敵の攻撃を弾き返し、ホウオウブレードで鳳凰のごとく華麗かつ豪快に敵を切り裂く。
その切れ味は自身の倍の巨体を持つモライマーズやビッグモライマーズすら難なく断ち切るほど凄まじいもの。

なお、後述する専用のキュウボイジャー召喚・合体・必殺技発動にもブレードをシールドに収めては引き抜くまどろっこしい動作を用いる。


フェニックスエンド
ホウオウソルジャーの必殺剣。
引き抜いた状態のホウオウブレードを再びホウオウシールドに収めることで『ギャラクシー!!』の音声が鳴り響き、ホウオウキュータマが回転。
そして引き抜くことで灼熱の炎が刀身に宿り、グリップ部に施されたトリガーを引くことでホウオウキュータマが高速回転し、鳳凰に似た火炎攻撃でダイカーンを斬り倒す。



【アルゴ船】

チキュウを救うと言われる幻のアルゴ座を形作った黄金の船で、かつてツルギが88の星座系の戦士を率いてジャークマターと戦う際に使われた。
ドン・アルマゲを倒した後、ツルギと共に戦った戦士オライオンがその復活を見越し、傷ついた彼を冷凍睡眠カプセルに就かせた後、トモ・ホ・リュウコツの三つのキュータマに分かれたと言われている。

トモキュータマ:チキュウのある街を襲撃したデスワームの体内に存在
ホキュータマ:海の惑星ベラのご神体として崇められる
リュウコツキュータマ:惑星キールでアルゴ船を求める救世主が現れるまでエリスがオライオンに託される
上記の通り、それぞれ異なる星に保管されており、この3つのキュータマからアルゴ船キュータマが形成され、使用するとアルゴ船が実体化する。

この形態のまま飛行・戦闘も可能。
Space.22では強引にオリオン号にランデブーし、ホウオウソルジャーとなったツルギがブリッジの窓を叩いて
彼の話題でもちきりのショウ達を尻目に「志村、後ろー!!」なお約束の場面をやってのける行為も見せた。



そして……



お前たち、アルゴ船の力について聞いてたな?
お前達の貢献の褒美に、アルゴ船の本当の力を見せてやる!


カモン・ザ・ゴー!!


【ホウオウボイジャー】

ホウオウソルジャー専用の鳳凰座型キュウボイジャー
アルゴ船が分離・変化したキュウボイジャーの1つで、竜骨座に該当する星座のイメージがこの形態となる。
ホウオウソルジャーを乗せたキュータマ型コックピットと合体することで起動する。

「君も一緒にスターチェンジ!」スペシャルエピソードによると、300年前の人類の英知が詰まっており、ツルギの為に労を惜しまず開発したスタッフの貢献は彼の中で人類の1ページとして記されているらしい。

トモ座のイメージから変化した自走発射台型のホウオウベースにドッキングした後、「イグニッション・シークエンススタート!」の号令と共にどこからともなく入り込んだ岩山が割れ、キュータマ型ランプで構成された滑走路が展開される。
「ホウオウ~ボイジャー! 3・2・1・GO!!」の音声と共に離陸し、大気圏突破を経てチキュウの衛星上を飛び回る、ホ座のイメージが変化した宇宙ステーション型のホウオウステーションとドッキングすることで、3号ロボ・ギガントホウオーが完成。
ホウオウステーションのミラーパネルから分離した二振りの長剣「ギガントブレード」を武器とし、必殺の火炎剣「ギガントホウオーブレイジング」、ステーションとボイジャーに分離、ステーションで敵を捕縛してボイジャーで突撃する荒技「ギガントファイヤーブレイク」でジャークマターを蹴散らす。

今、伝説が始まる……!


【余談】


ツルギ役の南圭介氏は、2004年のデビューから13年になるが、スーパー戦隊シリーズ出演は自身の「叶わぬ恋というか忘れられない相手というか」と*311年前の『轟轟戦隊ボウケンジャー』にて、ボウケンシルバー/高丘映士役のオーディションに落ちた経験を持つ。
8年前の『炎神戦隊ゴーオンジャー』のゲスト出演を経て、念願のレンジャー入りを果たしたことになる。
偶然にも、ツルギも映士と同じ俺様キャラの追加戦士。奇妙な巡り合わせとも言える。
そして、その出合氏とは後にVシネクスト『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』で共演を果たすこととなった(ちなみに出合氏は映士ではなく、大統領補佐官ロイ役で出演)。
また2008年には、偶然にもショウ・ロンポー役の神谷浩史氏の冠ラジオ番組『神谷浩史・小野大輔のDear Girl〜Stories〜』にゲスト出演したこともあった。


なんてこった……また一つ、俺様の伝説が追記・修正されちまったぜ……!


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最終更新:2024年02月16日 20:53

*1 「君も一緒にスターチェンジ!」スペシャルエピソードでは、コグマボイジャーが加わった際の合体パターンも瞬時に計算しており、小太郎を感嘆させている。

*2 この場面の前に、壁ドンしながらコンクリートに耳を当ててラプターの駆動音の不調を確かめるが、ラプター本人はこれにドギマギし彼女の保護者と称するスパーダからはキスされたと誤解され、激しく動揺する羽目になった。

*3 シネマトゥデイ6月30日付のインタビューにて。