アナライザー(宇宙戦艦ヤマト)

登録日:2017/07/27 (木曜日) 09:58:20
更新日:2024/01/15 Mon 21:17:58
所要時間:約 3 分で読めます





ワタシハ天才、ナニヲヤラセテモ役ニ立ツ

アナライザーとは、宇宙戦艦ヤマトシリーズに登場した架空のロボットである。
シリーズのすべてに登場し、『さらば』を除けば『復活篇』まで生存し続けたヤマトの最古参メンバーだ。

【概要】

アナライザーの名前が示す通り、分析任務を主に担当するロボットであり、その性能は極めて高い。
未知のものに遭遇した際に、クルーがヤマトの分析機器よりも先にアナライザーに分析を依頼することもあることから、その信頼の高さがうかがえる。

外見は赤を基調とし、タルのような寸動な胴体に手足がつき、頭部はメーター(いわゆるレイジメーター)が複数ついたドーム型をしている。
足は底部がキャタピラになっており、これを使って特徴的な音を響かせながら平行移動する。
また、しゃべるときや分析中は独特な電子音がする。

いかにもメカメカしくレトロなデザインだが、製造年は2199年製の最新型であり、登録番号は「2188917910503号」
製作者は不明だが、当人いわく「コウシナイトロボットラシクナイト製作者ガヌカシヨリマシタンネン」な人だそうな。

分析用のため武装はないが怪力を誇り、宇宙戦車を持ち上げて放り投げるほどのパワーを持つ。
また、暴走したときは止めようとするヤマトクルーをフルボッコにしてしまった。

体は頭、胴体、足の3つに分離して飛行でき、特に頭だけ飛ばして周囲を探索することが多い。
腕は伸縮して、さらに指先はレーザーメスになっており、コスモナイトの壁や基地の壁などもたやすく切り抜いてしまう。
ボディも頑丈で、コスモガンの直撃や、人間を黒焦げにする電撃トラップにもびくともせず、としての役割を果たすこともある。
もっともその割にはちょっとしたショックでバラバラになって行動不能になり、肝心なときに役立たずになることも。

だが、一番の特徴はその性格だろう。
「雪サーン♪」
一言でいえば『エロボット』である。
ヤマトの紅一点である森雪に対して好意を抱いており、それだけならともかく事あるごとに彼女のスカートをめくりたがる悪癖を持っている。
口調も軽く、古代のような班長クラスは一応サンづけして呼ぶが、他の男性メンバーは野郎付けで呼んだり新参メンバーにはタメ口をきいたりもする。
また、暴れていた豚を佐渡先生ごと蹴り飛ばして手術室に放り込む、分析に失敗したら次の任務でやたらやる気を出す、など仕事に対しても面倒そうだったらぞんざいに扱ったり、分析ロボットとしてのプライドにこだわったりとやたらと人間臭い。
そして、原理は不明だが酒をぶっかけられると酔っぱらってしまうという訳の分からない機能までついており、
「つまらんとこだけは精巧にできてる」と、真田をあきれさせた。

しかし、その能力の高さは疑う余地はなく、アナライザーがいなければヤマトは詰んでいた場面は数多くあった。
クルーからも人間同様に信頼されており、佐渡先生とは飲み仲間、真田からは片腕、斎藤とも仲がよかった。
平時は医務室で佐渡先生やミーくんといっしょにおり、戦闘時は負傷者を医務室に運ぶ役をしている。
白兵戦でも出撃率は高く、能力をフル活用して活躍している。

そして、シリアスな場面でもアナライザーがしゃべれば場が和むこともあり、視聴者にとっても一種の清涼剤であったことは確かだろう。
シリーズの皆勤賞であり、ヤマトのマスコットキャラクターと言っても過言ではない。

【活躍】


1話目から登場、当初はクレジットは「ロボット」で、アナライザーの名前は後付けされたものと思われる。
2話目でさっそく雪のスカートをめくる、さらに病院の職場放棄をして悪びれず、強引に古代たちについてきたあげくに、沖田に自分を売り込んでヤマトに乗り込む権利を獲得するなど、いきなりロボットらしくない行動を連発して視聴者を驚かせた。
浮遊大陸では大気の分析で初活躍。タイタンでは森雪に迫った宇宙戦車を持ち上げてひっくり返し、感心する古代に「森サンノタメナラ」と返して、逆に唖然とさせた。
冥王星基地攻略では能力をフル活用し、さらに電撃トラップを自分が受けているうちに足元から古代たちを進ませるという離れ業を見せた。
もし沖田がアナライザーの乗船を許可しなかったらヤマトはこの時点で完全に終わっていた。
デスラー機雷の解体の際は、直前に佐渡から酒を飲まされていたせいでヒックヒックと酔っぱらいながら「タダイマー」と、酔っ払いそのものな
態度で格納庫にやってきて「アナライザー! たるんどるぞ貴様!」と、真田に怒られてしまった。
コントロール機雷の解体の際もヒックヒックと酔っぱらい続け、「大丈夫かな」と、あの真田を心配させるが、「ワタシハ人間ノ十万倍モ正確、
信頼シロ」と、自信たっぷりに言い返し、実際に解体を見事に成功させた。

白眉はビーメラ星でのエピソードだろう。
この話ではアナライザーは「自分は人間だ」とまで言うほど調子に乗っており、森雪に結婚を申し込もうとまでする。
ビーメラ星の探索では森雪ともども原住民に捕まって命の危機に瀕するが、雪に人間はロボットと違って死ぬのよと怒られたときに、

「人間は神様から与えられた命、ロボットは人間に与えてもらった命、同じ命に違いはないはずです」

と、言い返すアナライザーの姿に雪も認識を改める。
そして、ヤマトに帰り、改めて自分がロボットであり人間とは違うことを確認したアナライザーは「でもやはり私はあなたが好きです。
ロボットが人間を愛してはいけないということはないはずです」と、雪に告げる。雪もそれを受け入れ、シリーズを通してふたりは変わらない信頼関係を結んでいくことになる。

謎のメッセージの解読や、多弾頭砲の組み立てなどに活躍する。
しかし最終決戦で佐渡先生の助手をしているときに医務室への被弾で佐渡先生やミーくんともども死亡した。
小説版では古代が都市帝国から脱出した際に救命艇で救助活動を行っている中で被弾して戦死する。
いずれにしろ、佐渡先生ともどもムードメーカーの死がこの物語の流れをよく表現していると言えるだろう。

  • ヤマト2
コメディリリーフとしての役割が増え、雪にキスされて舞い上がったり、ズッコケたりとリアクションも豊富。
宇宙蛍を分析ロボットのくせに無警戒に艦内に持ち込んでヤマトをピンチにしてしまう失態をしてしまい、さらには自分も宇宙蛍に
食いつかれて狂ってしまい、踊りまわりながらヤマトクルーをフルボッコにしてしまうという赤っ恥まで演じてしまった。
さすがにこれには責任を感じたのか、その後の空洞惑星では張り切って分析作業を行うが、やっぱりデスラーの罠を看破できなかった。
島が行方不明になった後はヤマトの操舵代理を務める。

  • 新たなる
入院中の相原が看護師にデレデレしていたことをみんなの前でバラしたり、
英雄の丘での談笑中にまたまた雪のスカートめくりをする悪行を披露。
ヤマト発進後はパンツ一枚で走らされる北野と坂本を冷やかす乗組員たちを宥めていた。

  • 永遠に
いくらそっくりとはいえ、雪とサーシャを間違えるという分析ロボットにしてはあるまじきミスをする。まあ美人に弱いだけだろうが。
デザリアム星ではアナライザーの送った映像データが敵の正体をあばくきっかけになった。

  • ヤマトⅢ
宇宙気流にヤマトが引き込まれ、機関が故障してしまった際に無理やりボディを機関部に接続させられて故障個所を探らされると散々な目に会ってしまう。
惑星ファンタムではヤマトの分析機器がスーパーサイコエネルギーに騙される中で、唯一危険性に気づいて上陸を阻止しようと暴れるが、具体的な内容を言えなかったために受け入れられなかった。
その後、ファンタムの異常性に気づいた古代や真田たちがアナライザーの協力を得ようとするが、アナライザーはふて寝して
「ボクノイウコトヲ聞カナカッタ真田サンナンカ顔モ見タクナイ」
と、完全にへそを曲げてしまっていた。
が、雪にお願いされると態度を豹変させて顔を赤くしながら千鳥足で医務室を出ようとするが、ドアの隣の壁に全身を
ぶっつけて「アターッ!」と悲鳴をあげた様には、さすがの佐渡先生も呆れ果てていた。

ハイパー放射ミサイルの命中のショックで壊れてしまう。
しかし、クルーが全滅しているのにひとりでに動き出すヤマトの姿を機能停止直前に目撃し
「ヤマトニモ、命ガアルノカ……」
と、つぶやく様はアナライザーだからこその深さを持つシーンだろう。

佐渡の経営するフィールドパークで古代美雪といっしょに働いている。
ヤマトには乗り込まなかったが、最後は佐渡といっしょに地球に残った。

【ゲーム版】

原作同様に分析やコメディリリーフとして活躍する。
特にPS版「さらば」において、新種の宇宙放射線病でクルー全員が倒れてしまったときに、唯一無事だったアナライザーが皆を運んだ際の
「雪サンハ、ベッド。佐渡先生ト、ミークンは、布団。後ノヤロードモハ、廊下」
は、大ピンチのシーンのはずなのに爆笑必至である。
その後は自動制御も駆使してか「火器管制」「操舵」「艦の修理」の三つを一人で引き受け、他のクルーが意識を取り戻すまでヤマトを持ちこたえさせた。
クルーから口々にお礼を言われ得意げになるアナライザーだったが、その後の会話で雪が意識を失っている隙にセクハラを働いていたことが判明しお礼は取り消しに。
艦長代理で雪の婚約者でもある古代に追い回されるオチがついた。

PS2版でも相変わらず。
サーシアが過労で体調を崩してしまった際はレーダー予備要員の仕事をほっぽりだしてサーシアの傍におり、戦闘後は代わりにレーダーを引き受けた太田に追い回された。
「こらっ、待てー。解体してやる。」
また白兵戦イベント「侵入者」では敵のガスによってクルーのほとんどが昏倒させられてしまうが、ここではガスが効かないはずのアナライザーも動きを止められており、
「女子トイレの前で発見される」「椎名*1に化けた敵に声をかけられたところを油断して機能停止させられる」
という、らしいといえばらしいがあんまりな姿も。
また真田が敵の分析のためにアナライザーの頭部だけでいいから持ってくるよう頼んでいるが、それでも成人男性が肩に担がなければならないほどの重さがあるようだ。


2199

「AU09」という正式名称がついた。ヤマトに押し入った旧作とは違い、当初からヤマトのサブコンピュータという設定である。
また、旧作とは違い、セクハラはほぼしない。当初は機械的であったが、ガミロイドのオルタとの交流を経て人間性を確立していく。

2202

今回もヤマトに同乗。
都市帝国での決戦において、佐渡先生をかばって残骸を受けて大破。
危険を顧みず自分に駆け寄る佐渡先生に、『佐渡先生……ありがとう……』の言葉を残して機能停止した。
特攻前の退艦時に、佐渡先生がその頭部をもって退艦する場面が描かれているが、果たして修復されるのか、新型が配備されるのかは不明。
佐渡先生は「こいつはただの機械じゃない! 替えは効かんのじゃ!」と言ってるところからして、修復は不可能かもしれないが……。

なお、今作にはこのアナライザーの他にも同型機として、黒いアナライザーと白いアナライザーも登場している。いずれも銀河に搭乗している。
これらは、元々無人艦制御のためのAIであり、随時フィードバックを受けて性能を上げているという。
銀河の黒アナライザーは、G計画遂行に固執したため、銀河艦長の藤堂(司令長官の娘)に破壊される。その後、銀河が月面修復の任を行うにあたり、新たに白アナライザーが搭乗した。

スーパーロボット大戦V

『2199』が参戦した本作でもヤマトの掛け合い要員として登場。精神コマンドは設定されていない。
スパロボで表現するのは難しいためか、残念ながらオルタとのエピソードはかなり省略されてしまっている。
一方で、今作のヒロインが誕生する切っ掛けを作ったといっても過言ではない見せ場がある。


【その他】

広島県の呉市海事博物館(通称大和ミュージアム)には、宇宙戦艦ヤマトのコーナーが設けられており、入り口では
等身大のアナライザーが入館者が出迎えてくれる。

「コスモウォリアー零」の作中にはアナライザーと似た姿の「バトライザー」が登場する。
役割はアナライザーに近いが、クルーの半数が機械化人であるため影が薄め。

放映当時のことを知らない人の中には『STAR WARS』R2-D2の影響と誤解している人もいるが、こちらが先。
(かといってこちらがR2-D2の元ネタというわけでもなくR2-D2は映画『サイレント・ランニング』のロボット(ヒューイ、デューイ、ルーイ)であると明言されている)


雪サーン、追記・修正オイテカナイデー

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最終更新:2024年01月15日 21:17

*1 PS2版オリジナルの女性キャラクター。