やがて君になる

登録日:2017/07/24 (月) 01:31:00
更新日:2024/02/14 Wed 23:39:52
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私に好きは、訪れない


「やがて君になる」は月刊コミック電撃大王で連載されていた漫画。作者は仲谷鳰(なかたに にお)
副題はBloom Into You。
作者の商業デビュー作で、累計70万部を突破している。

女の子同士の恋愛をメインにした、いわゆる百合作品。
百合漫画で学園ものだが舞台になるのは共学校。
これに関しては「どちらも選べる状況で、あえて同性を選ぶ」形を取りたかったためとのこと。

電撃大王の公式ホームページでPVが公開されており、侑を金元寿子、燈子を寿美菜子が演じている。

舞台が共学校なので公然の関係では当然なく、当人たちの事情から秘密のカップルとも言いがたい微妙な関係を結ぶ二人。
初めての恋に戸惑いながらもはしゃいで、でも踏み込めない燈子。
自分に好意を向ける燈子を羨みながら振り回されて、少しずつ変わっていく侑。
同性での恋愛という点を除いても独特な二人の関係と、変化していく心がこの作品の見所。

2018年10月5日からTROYCA制作でTVアニメが放送された。


◆あらすじ
春から高校生になった小糸 侑。彼女は人に恋する気持ちがわからず、中学の同級生から受けた告白に答えを返せず悩んでいた。
そんな折、なりゆきで参加した生徒会で出会った先輩、七海 燈子。
誰からの告白にも心を動かされたことがないという彼女に侑は共感を覚え、相談を持ちかける。
燈子の助言で気持ちに整理をつけ告白を断った侑。燈子に礼を述べる侑だが、燈子から思わぬ言葉を告げられる。

「私、君のこと好きになりそう」

━━好きを知らない少女が出会う、一筋縄ではいかない恋愛。


◆登場人物

◇小糸 侑
CV:金元寿子(PV)/高田憂希(アニメ)
主人公。
中学の卒業式で同級生から告白されたが、それでも人を好きになるということがわからず悩んでおり、当たり前のように恋について話す友人たちに疎外感のようなものを感じていた。
燈子に出会い、自分と同じだと感じていたが唐突に燈子から告白やアプローチを受ける。
初めは困惑しながらも「特別」を知った燈子を羨み、自分はそうはなれないとも感じていたが、
燈子が好意を向けてくれるのに自分はそれを特別に感じられないことに悩み、変わりたいと願うようになる。

やや優柔不断で流されやすいところがあり、中学では友人に誘われたからという理由でソフトボール部に入っていた。
その上で、環境に応じてきっちり努力はする性質であり、部活ではレギュラーだった。
性格ゆえか燈子にはいろいろな場面で振り回されているが、なんだかんだでしっかり付き合っている。
言うときは言う面もあり、時には燈子をからかったり強気に出たりもする。
+ ...
燈子の姉の件を知った直後は、それまで通りに燈子を好きにも嫌いにもならずにいようとしたが、
やがて燈子に自分自身を嫌いでいて欲しくないと願うようになる。
本人がそれを望んでいなくても、
だって、自分が   ものを嫌いだなんて言って欲しくないから。

◇七海 燈子
CV:寿美菜子(PV・アニメ)
ヒロイン。
侑の一学年上の先輩。容姿端麗、成績優秀、人当たりもよく人望も篤い完璧超人。
当然のようにモテモテで、入学から2年に上がる直後までで10人以上から告白されている。
だがその全てを断っており、いわく「好きって言われてどきどきしたことがない」
このことから侑からは自分と同じタイプの人間だと思われていたが、ある理由から侑に好意を抱くようになる。
侑の前では内面がすぐに顔に出たり、ちょっとしたことではしゃいだり慌てたりするかわいらしい一面も見せる。

ただし侑への好意は「侑が自分を含めて誰も特別に思わない」からこそのものという屈折したもの。
つまり「相手が自分を好きじゃないから自分は相手を好きでいられる」という一見意味のわからないもの。
自分勝手に振り回して甘えているという自覚はあるものの、それでも受け入れてくれる侑に思いを強めていく。
+ そんな彼女の内面とは
実は「完璧な燈子」は努力の末に演じているもの。もともとは平凡で引っ込み思案な子供だった。
燈子には姉がいた。誰からも慕われる立派な姉が燈子は好きだった。
しかし彼女は交通事故に遭い、唐突に亡くなってしまった。
それが悲しくて、許せなくて、だから自分が姉の代わりになろうと決めた。
その通りに成長した燈子を、周囲は「特別」に見るようになった。
それが本来の自分にとってどんなに息苦しくても、そうやって生きると決めたのだ。
「特別」じゃない自分になんて価値は無いのだから。

侑に対する好意はこれが原因であり、誰も特別に思わない侑の前なら素の自分でいられるので心地よく、
でも素の自分に価値はないから、私が好きな侑にはそんな自分を好きになって欲しくない、という状態。
この生き方に関しては非常に頑なで、侑から「ありのままでもいい」と言われた時にははっきりと拒絶した。


◇佐伯 沙弥香
CV:茅野愛衣
燈子の同級生であり親友。
燈子との付き合いは高校入学からだが、周囲からも「夫婦」と茶化されるほどに仲が良い。
沙弥香も燈子に劣らず成績も容姿もいいのだが、本人は燈子のサポート役を自認している。
+ ...
中学の頃に同性の先輩に告白されたことで同性愛者になった。
その先輩からはしばらく後に「気の迷いだった」ということで一方的に別れられている。
その経験からもう同性に恋はすまいと思っていたが、高校の入学式で燈子に一目惚れした。
燈子と侑の関係は知らないが、燈子が侑を露骨に気にかけているので侑を警戒している。
しかしそれを除けば侑の性格などは嫌いではないらしく、険悪になったりはしていない。

燈子の姉の事件と燈子の演技には気がついているが、侑とは異なり燈子がそう望むなら
それを受け入れて支えるというスタンスでいる。


◇槙 聖司
CV:市川太一
生徒会のメンバー。1年生。
「自分が活躍するよりサポートのほうが性に合う」とのことで志願して生徒会に参加した。
女所帯で育ったためか女子から恋愛相談を受けることが多いものの、槙本人は他人を好きになったことは無い。
槙にとっては他人の恋愛は物語であり、自分はその観客であるという認識で、自分の世界のことではないと感じているため。
侑と燈子の関係を知っている唯一の人物だが、上述の感性のため侑以外にはそれを伝えず結末まで見守りたいと思っている。


◇堂島 卓
CV:野上翔
生徒会メンバー。1年生。
燈子の前の生徒会長の後輩であり、その縁で生徒会入りした。
生徒会の中では良く言えば明るい、悪く言えば軽薄。要するにチャラい。
ノーマルかつ健全な男子高校生。そのためか現状ストーリー上では若干空気。


◇叶 こよみ
CV:小原好美
侑の友人。
本が好きな文学少女で、自作の小説も書いている。
出来栄えは侑いわく「贔屓目なしで面白い」
文化祭での生徒会の劇の脚本を任された。
洞察力によるものか、燈子の事情を知らないにもかかわらず、脚本の内容は燈子の現状を示唆するようなものになった。


◇日向 朱里
CV:寺崎裕香
侑の友人。こよみも含めて中学からの付き合い。
片思い中の相手がおり、その相手を追いかけて高校も部活も決めた(ちなみに侑たちの通う遠見東高はけっこうな進学校のようである) 
その相手からは振られたが、少なくとも表面上は落ち込む様子は見せていない。
失恋を明かしたときの会話は侑の変化のきっかけのひとつになった。


誰にも言えない、ふたりの追記・修正。

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最終更新:2024年02月14日 23:39