戦国魔神ゴーショーグン

登録日:2017/07/17 Mon 19:32:29
更新日:2023/12/05 Tue 18:57:21
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戦国魔神ゴーショーグン



『戦国魔神ゴーショーグン』とは1981年に放送された葦プロダクション製作のロボットアニメ。全26話。
進化する謎のエネルギー『ビムラー』を巡る争奪戦と主人公の少年・真田ケン太の成長を追っていく物語。
メカ同士の戦いは少しあっさり目だが敵味方共に個性的な面々が揃っており、彼らが織り成す軽快なノリや掛け合いが特長。
だがシリアスな場面も入り交じっており、真吾達がジョークを交えながら戦う理由もちゃんと存在し、真吾達がケン太と視聴者に教えてくれる。
ロボットものだが操縦者や取り巻く人物、そして彼らが織りなす群像劇に力が注がれている作風といえる。
時間経過が意外と早く最終回の時点で第1話から3年経過している。

なお、葦プロ制作つながりで『宇宙戦士バルディオス』のマリン・レイガンとエラ・クインシュタイン博士が2回こっそりと登場している。
明日を救えたのだろうか

後に劇場版も2個製作された。
1作目はTV版を編集した内容だが途中に挿入されるドクーガのCMが見所。
2作目『時の異邦人(エトランゼ)』は主役メカが出ずゴーショーグンでやる必要があるのかないのかで意見が分かれる。

ゲームスーパーロボット大戦シリーズ』でもお馴染み。
ただしほとんどの場合はゴーショーグン組とドクーガ組のいるだけ参戦だが、『第2次α』では大きくスポットを当ててもらっている。
NEO』のいるだけ参戦でありながらも非常に強力なゴーショーグンにも注目。
一方、宇宙適性B(宇宙スペースナンバーワンなのに)、トロンベより優先される専用BGMなどがよくネタにされている。
ちなみに地形適応の問題は機体は宇Aなのにパイロットであるグッドサンダーチームが宇Bとなっているだけで、ウィンキーソフト製(それもガチで影響を受けるのはニュータイプ至上主義の『F』くらい)以外には見られないのであまりネタにしてやるのはやめてさしあげろ。

「戦国」とタイトルについているが戦国時代要素は皆無。
どうも早期のうちに没となったらしく、一部キャラの苗字とグッドサンダー(九度山)に名残がある程度に留まった。



◆あらすじ

時は2001年…地球は新しい世紀を向かえ人類は今まさに大きく宇宙へ羽ばたこうとしていた。だがその地球で至るところで権力闘争や局地戦争が続いていく。
そこには世界を牛耳ろうとする巨大な悪の組織・ドクーガの暗躍があった。
エネルギー研究の権威である真田博士の研究を手にしようとするも、博士は悪用される事を恐れドクーガの手先もろとも自爆して機密を守った。

その後博士の死を悲しむ息子・ケン太の前に博士の親友・サバラスが現れ、ドクーガに襲われながらもケン太は彼に真田博士の研究所の地下秘密基地に連れられた。
これから旅に出るとサバラスに告げられたケン太の前に現れたのは北条真吾、キリー・ギャグレー、レミー島田という名前の3人の若者達。
今ここにドクーガとの戦いの旅が始まる…



◆登場人物


○グッドサンダーチーム
  • 真田ケン太(CV:松岡洋子)
この物語の主人公。当時のロボットアニメにおいて基本非戦闘員な主人公は斬新だったと言える。
明るく好奇心旺盛で行動力がある少年でゴーショーグンのパイロットになる事に憧れている。
序盤はワガママな行動もありコックピットを勝手に改造していたりしていた。
真田博士やOVAの教育のせいか年に似合わず博識で、子供を作る方法についても知っていたりレミーの水着姿に前屈みになったりする事も。
天性のメカニックセンスを持ち、この世のメカに悪いものはいないと信じている。
それ故にメカ同士の争いや破壊には深い悲しみを感じ、負傷した真吾の代わりにゴーショーグンで戦った時には苦悩する事になる。
スパロボでは出番が少ない事もあって一部のプレイヤーからはケン太ではなく真吾が主人公と間違われる事も。

  • 北条真吾(CV:鈴置洋孝)
キングアロー、ゴーショーグンのパイロット。
熱血漢な性格でケン太の兄貴分的存在。ケン太に操縦訓練させる等、彼を旅の中で一人前の人間として育てる事が必要と考えている。
グッドサンダーチームに入ったきっかけは、真吾が国連平和部隊の破壊工作員の頃に組織ニューネロスによるドイツで起きた爆弾テロ。
この事件で婚約者のリリー・レーンを亡くした時にサバラスにスカウトされ、ニューネロスの上部組織であるドクーガに復讐を誓っている。
最終回の後日談では周囲の期待の目が辛くなって酒に溺れており、アル中になった上で風呂場で骨折する等悲惨なオチになっている。
スパロボでもこの後日談がしっかり言及されており、真吾の後日談はスパロボ救済の対象外である*1
その後を描いた小説では無事酒を断って戦線復帰している。

スパロボにおいてはゴーショーグンが宇宙適性Bとネタにされる元凶。
ゴーショーグン自体は宇宙適性Aなのだが真吾の宇宙適性がBなので機体の適性もBになってしまう。
アニメでは真吾もゴーショーグンも宇宙で活動した事があるがキリー、レミーはジャックナイト、クイーンローズの操縦を宇宙でもしているが真吾だけはキングアローの宇宙での操縦をケン太に任せている。宇宙Bの設定は間違ってはいない。
そもそも、真吾が宇宙Bだったのは旧シリーズくらいだというのにいまだに言われ続ける可哀想な人。

ジャックナイトのパイロット。名前の由来は霧隠才蔵。
ニューヨークのスラム・ブロンクス出身でありギャング集団・スワン一家の一員で『ブロンクスの狼』と呼ばれ恐れられていた。
本編から約2年前、懲役200年の刑で刑務所に収監されたが脱走し警察に追われていた所をサバラスにスカウトされた。
この頃からナイフが得意武器。
当初は子供嫌いでケン太とも仲が悪かったが紆余曲折を経て真吾同様良き兄貴分に。スパロボでは子供嫌いの性格は鳴りを潜めている。
3歳の時に見た化け猫映画の影響でが苦手。こっそり自伝を書いており戦いが終わった後に発行するが…。この結末もスパロボ救済対象外…と思いきや、
第4次』では『EX』『第4次』の戦いを書いた自伝が売れに売れて印税がっぽりということになっている。真吾はマジ泣いてもいい
その『第4次』ではまさかまさかの精神コマンド「魂」まで覚えるゴーショーグンの要でもあった。こいつ『第4次』だと異様に優遇されてるな…

クイーンローズ、トライスリーのパイロットであり、明るく気さくだがどこかつかみどころがない大人の女性。
真吾とキリーからのアプローチ(?)はだいたい軽くあしらっているが、ケン太からは本気で想いを寄せられた時は断りながらも真摯に受け止めた。
そんな彼女だが諜報員の頃、任務が失敗して逃亡した際に恋人のフランシスを犠牲にしてしまい(実は生きていたが)、獄中で自殺しようとした過去がある。
その時にサバラスが現れ、彼にグッドサンダーチームへ勧誘される。
『時の異邦人』では実質主人公。
彼女が次回予告を務めた時のナレーション「シーユーアゲイン!」は、小山氏がモモの声を務めた『魔法のプリンセス ミンキーモモ』(通称空モモ)のミンキナーサ登場回でもきっちり使われている。

  • サバラス(CV:小林修)
真田博士の親友でグッドサンダーの司令官。名前の通り見た目が富野由悠季テリー・サバラス。でも声はユル・ブリンナー。
外見からして堅物そうな人物で冷徹な命令を下すが情には厚い人物で保護者としてケン太はもちろん、グッドサンダーチームを暖かく見守る。
最終回の次回予告は彼のそんな性格が現れているとも言える。
謎多き人物でネオネロスとは何か因縁がある模様。

  • OVA(オバ)(CV:間嶋里美)
ケン太の教育ロボットであり本作一の萌えキャラ。耳っぽい部分を動かす仕草が可愛い。
勉強嫌いなケン太に手を焼かれる事が多く、彼からはよく『オバさん』と呼ばれれてからかわれている。
途中ケン太の教育に自信を無くし、作られてまだ3年であるが故に自分には歴史がないと悩む人間臭い面も。
教育ロボゆえ戦闘時にはほぼ活躍しないが、その気になればドクーガのロボット兵数対相手に大立ち回りを見せる事もあった。
終盤にコロッケを料理する悦びに目覚める。エプロン似合いすぎ
スパロボではこのコロッケがSP回復アイテムに採用された。
また、「母親」繋がりである人物の正体に自軍の誰よりも真っ先に気づくという活躍を見せたり。

  • ファザー(CV:藤本譲)
グッドサンダーのメインコンピューター。某超弩級戦艦におけるコイツみたいなもの。
グッドサンダーの瞬間移動やゴーショーグンへの武器転送が主な役割だが謎のエネルギーであるビムラーの鍵を握っている。


○ドクーガ
  • レオナルド・メディチ・ブンドル(CV:塩沢兼人)
ドクーガの情報局長でやたら美しさにこだわるナルシスト。若干感性がズレてる気もする。
情報ネットワークはほぼ全世界に張り巡らしており、グッドサンダーの発見は基本的に彼の役目。
レミーとは対面する機会が多く彼女によく言い寄っており、最後の最後にもいつの間にか彼女の横に現れた。
ケルナグールやカットナルといがみ合うこともあるが実情としては喧嘩するほど仲がいい関係。

戦闘に赴く時は必ずと言っていい程クラシック音楽を流し、スパロボにおいても専用BGMとして採用されている。
優先順位がトロンベの人より上。しかしラスボスには負けるので三竦み状態(次回作ではラスボスにも勝つ)。
ちなみに『F』で専用BGMとして設定されているのは「ワルキューレの騎行」だが、
実はこの曲、映画『地獄の黙示録』の虐殺シーンに使用されたという理由で原作ではブンドルが嫌っている曲だったりする。

原作の後日談小説では、外見こそクリソツだがその人間性は180度正反対な弟が登場している。

  • ヤッター・ラ・ケルナグール(CV:長堀芳夫(後の郷里大輔))
なんか顔色が悪いドクーガの司令。力押しの戦術が得意。
名前の通り腹を立てては八つ当たりし、特にロボットのケルーナが餌食となっている。
実は大手ファーストフードチェーンの社長でケルナグールフライドチキン、ケルドナルドバーガーなどを経営。
愛妻家でもあり妻はかなりの美人で妻と共にCMに出ている。
CM最後の『類似品にご注意下さい』の画面と共に現れる会社ロゴを見ると思わず「お前が言うな」と言いたくなる。
ブンドルやカットナルといがみ合うこともあるが実情としては(ry

  • スーグニ・カットナル(CV:木原正二郎)
肩にカラスが乗っていて眼帯を付けているドクーガの将軍。ドクーガの幹部はロクな名前の奴がいないのか
眼帯はどうやら子供の頃からで母はかなりの美人。
この人も名前の通りな性格で精神安定剤を常備している。酒は飲めない。
精神安定剤の名前は『カットナライザー』でスパロボでOVAのコロッケと共にSP回復アイテムとしてまさかの登場をしている。
ただし、使うと気力が-50もされるネタアイテムでもある。
なお、『第3次α』では(ある程度原作通りとはいえ)政治家に本格的に転身して自部隊を擁護する立場になるというまさかの活躍を見せた。
ブンドルやケルナグールといがみ合うことも(ry

  • ゼニガスキー・ジッタース(CV:寺島幹夫)
ドクーガの科学者。兵器開発主任。
35身合体ゴッドネロスの生みの親。

  • ネオネロス(CV:藤本譲)
本拠地をスイスに構えるドクーガを統べる皇帝。
最終回まで常に影に隠れていた。
見た目は人だがその正体は宇宙から飛来した悪の意識体。



◆メカニック

○キングアロー/ジャックナイト/クイーンローズ
真吾、キリー、レミーが搭乗する戦闘機。ドクーガの小型戦闘機相手なら戦うことができる。
キングアローにはシートが2つ備わっている。

○トライスリー
上記の3機が合体した形態でメインパイロットはレミー。
ミサイルビームが装備されているがドクーガメカによく苦戦する。故に終盤では出番がなかった。
スパロボでは分離形態もきっちりユニット化されてた時代から参戦しているのに、1回もユニット化したことがなく(マップ上のアイコンになったことや、カードゲーム『スクランブルギャザー』に出た事はある)、毎回最初からゴーショーグンになっていることをネタにされる始末。



ゴーショーグン、合身Go!!

○ゴーショーグン
グッドサンダーから人型のまま射出し、胸にキングアロー、右足にジャックナイト、左足にクイーンローズを格納(合身)する事で操縦可能になる巨大ロボ。
この時のBGMは次回予告にも使われており、決めポーズは左腕を突き出す→右腕突き出しつつ画面右端から光ドゴーン
動力源は未知のエネルギー・ビムラーでメインパイロットは真吾。
一応3人揃わなくても戦闘可能だがパワーダウンし、真吾一人だと転送武器が使えなくなる。
ゴーショーグン本体の武器は目、胸、腰から放たれるビーム類がメイン。
グッドサンダーから転送される武器は近接戦闘用の『ゴーサーベル』、投擲も可能な矛『ゴースティック』、巨大銃『スペースバズーカ』。
必殺技は背中から扇状に放たれる光線『ゴーフラッシャー』。終盤には命中させた相手メカに自我を与える『ゴーフラッシャースペシャル』に強化された。
その特性故か、スパロボでのゴーフラッシャースペシャル登場は原作再現が行われた『第2次α』と意外に遅めであった*2

○グッドサンダー
グッドサンダーチームの移動要塞。瞬間移動能力を搭載しており、ドクーガからの逃げる手段としてよく瞬間移動装置が運用される。
ただし瞬間移動できる距離は限られており、再び使用するには数日の期間が必要と微妙に不便。
しかし物語が進むにつれビムラーが進化するとそういった制約が無くなった。
グッドサンダーチーム以外の生物が艦に乗っていると瞬間移動装置が働かない(人間5人が限界)。OVAはロボットなので例外。
この特性が完全に仇になってスパロボではスポット参戦しかしたことがないという悪い意味で破格の扱い。(一応、システムの違うスパクロに出た事がある)
ちなみに娯楽用として雀卓が備わっている。

○ジェッターエース
主にケン太が乗るエアバイク。火炎放射機能付き。
真吾やレミーも使用した事がある。

○スナイパー
骸骨の顔をしたドクーガの白兵戦用メカ。
小型戦闘機の操縦も可能。

○ドクーガメカ
大抵多数の小型戦闘機と幹部の艦と共に現れるドクーガの主戦力。
特にネタにされやすいのが劇場版のCMに登場した35身合体ゴッドネロス、ゴーショーグンのバッタモン『ゴーナグール』あたり。
21世紀になってからはRX-78-2『ドスハード』。
「もしや、ガンダ……」
「やめて、コウ!お願いだから、それだけは言わないで!」


◆その後

本編ラストで宇宙に旅立っていったケン太と意思を得たメカ達。グッドサンダーチームとドクーガの6人はそれぞれの人生を歩んでいたが、
ケン太に助けを求められ宇宙に旅立ち、再びゴーショーグンに乗って戦う。

だがその戦いの果てに6人は時空の歪みに飲み込まれ、様々な惑星・様々な時代をあてもなく放浪することになってしまう。
果たして彼等は地球の元の時代に帰ることができるのか……。

……という展開の小説シリーズが、首藤剛志氏の筆によりアニメージュ文庫から刊行されていた(最初の1巻目はTVシリーズ、通算5巻目はOVA『時の異邦人』のノベライズ)。
だが90年代初頭を最後に刊行はストップ。首藤氏は2000年代になってからも何らかの形で完結させる意思は持っていたようだが、
2010年に氏が急逝したことで最終章『鏡の国のゴーショーグン』は幻となってしまった……

ちなみに本作が参戦したゲーム『第3次スーパーロボット大戦α~終焉の銀河へ~』では、とある場面でこの小説シリーズの事を想起させるネタが挟まれている。



そして―――     

果てしない時のどこかで

彼等の旅は続いている 




◆余談

漫画家・長谷川裕一によれば、一時期(1990年代?)葦プロダクションのロボットアニメを復活させる企画の候補として挙がっていたが、実現しなかった(『オタクの遺伝子』より)。


※推奨BGM:トリプル・ドライブ

OVA「こら、ケン太君!またアニヲタWikiをこっそり見て!」
ケン太「追記・修正したい項目があったんだよ~。少しぐらいならいいでしょOVAさ~ん」
OVA「いいえダメです!罰としてこれから1時間英語の勉強です!」
ケン太「ちぇー」
OVA「という訳で追記・修正は今この項目を見て下さる皆さんにお願いしますね」


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最終更新:2023年12月05日 18:57

*1 『第4次』ではこの後日談が「またも」(つまり一度同じ目に遭っている)真吾の身を襲った事が明かされてゲームが終了し、『第3次α』では『第2次α』終了後から『第3次α』開始までの間にこの後日談の状況になっていたことが明かされている

*2 スパロボのゴーフラッシャースペシャルは「毎回必ず相手メカに自我を与えられるわけではない」という設定で攻撃技になっている。