ダエーバイト文明(SCP Foundation)

登録日:2017/07/14 Fri 02:20:11
更新日:2024/02/10 Sat 23:33:23
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ここでは、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場する、架空の古代文明ダエーバイトについて解説する。


ダエーバイトとはなんなのか

財団世界における、南シベリアを中心都市、一時期はユーラシア大陸を席巻していた巨大な異常文明。
特筆すべきこととしては、支配者である『ダエーワ』は人間ではない人形実体であり、また女権社会であったことが挙げられる。
ダエーワは本来的には指導者ただ一人をさすが、一般的には血族そのものを指していると見てよい。''
なおダエーワと言う言葉の由来はイランや拝火教で信じられている悪の神。基本的に呪術を用いた文明である。

ダエーバイトという名前は実はサーキックやメカニトよりも早い段階、2010年の段階で名前が登場している。
しかしこの段階ではSCP-140に登場する、一応史跡は発見されてる程度の存在でしかなかったと言えよう。

なんといってもサーキック・カルトという要注意団体が登場した頃からそのカウンターパートとしてのダエーバイトが着目されていくようになったと言える。
特に崇高なるカルキスト・イオンとクラヴィガル・ロヴァタールはダエーバイトの出身(イオンは召使、ロヴァタールはダエーワの巫女)という設定になり、
サーキックが勃興しそれによって滅ぼされる文明としての役目を得た。
サーキックとメカニトがアブラハムの宗教及びグノーシス主義とのリンクを強めた関係上、
ダエーバイトもまたアジアの習俗をアブラハムの宗教的解釈に落としこむためのデバイスにされている部分がある。

ダエーバイトにおいて人間は虐げられる存在であり、人身御供に使われたり奴隷として使われたりしていた。
この圧政が後にサーキックメカニトのような対抗勢力を産むことになる。
サーキック・カルトを率いたイオンによって、ダエーバイトは滅亡し、最後は都市国家にまで落ちぶれた挙句チンギス・ハンに征討されて滅びる。

一見サーキック・カルトやメカニトの神話の舞台装置に過ぎないように見受けられる。
しかし、ダエーバイトに関係する史書SCP-140(未完の年代記)は度々現実改変を起こしているようであり、
またSCP-2305によれば、SCP-139(あるいは白きディブの頭蓋)を燃やすことでダエーバイトが復活するらしい。
また意外なオブジェクトがダエーバイトに関与しているなど無視できない状況が続いている。

滅びている関係上、要注意団体一覧に載せられたことはない(文明を団体扱いもおかしいけど)が、タグの分類上は要注意団体となっている。

ダエーバイト文明に関係を持つオブジェクト

SCP-001 CODE NAME: Wrong - The Consensus (ロングの提言 - 総意)

001提言の一つ。かつて起きたオカルト戦争の影響から産み出され、アノマリー戦争が我々の知るイベントとなった…
つまりパラレルワールドができてしまって、この世界はそのパラレルワールドであるというとんでもない提言。
初代O5の13人は改変前の記憶を有しているのだが、改変前の世界線ではやたらダエーバイトが復活しており、
O5-11(IJAMEAの成立に伴い衰退した陰陽寮の出身者)曰く京都もダエーバイトの手に落ちたとのこと。
まあ001提言の特殊性からこれをそのまま鵜呑みにはできないのだが。

SCP-076 - ”Able” (”アベル”)

Keter界の萌えキャラにして、作品世界にとどまらずメタ的にも人型実体最強に設定されたピザ大好きアベル。
お兄ちゃんのほうがメカニトにおける主神MEKHANEの息子クァビルであると噂されるようになり2000番台での活躍が増える中
割りを食ってひたすら暴れる役目にされがちだったが、
体に刻まれた紋章がSCP-3578のものと一致するということが判明。その際にSCP-3578を執筆したMrWrong氏は
「アベルはダエーバイトの奴隷戦士であり、改造された結果人外になっちゃったというヘッドカノンで書いてる」と発言した。
あくまで現状ではMrWrong氏の裏設定的ヘッドカノンに過ぎないが、類似設定*1を執筆した他者の記事へも支持が集まっていることから、
宙ぶらりん状態だったアベルの扱いをダエーバイトに組み入れることへの好意的な意見は多い模様。

もしそうだとすればアベルの戦闘力と再生能力を付与したダエーバイトは相当ヤバイ文明だし、
そんなヤバイアベルを普通に打ち負かすクソトカゲはやっぱり塩酸につけとかなきゃ(使命感)

なお、このアベル=ダエーバイトの戦士説においては、カインとアベルの喧嘩の要因に、深紅の王なる存在が関与してくることが示されているのだが、
この深紅の王というのがSCP-231に登場している『淫王』と同等の存在のようだ(英語は両方共Scarlet King)。
…え?そこも関係してくるんですか?

SCP-140 - An Incomplete Chronicle (未完の年代記)

『ダエーワ年代記』というタイトルの、ダエーバイト文明について語る年代記。ただしこの年代記はそれ自体がやや特殊。
本の材質や書かれている内容のグロさ、そしてSCP特有の未知の要因などあらゆる理由から、
読んでいるだけでパラノイア、不安、吐き気を催すにもかかわらず、何故か読んでいる人は読むのをやめたくなくなるほど熱中してしまう。
更に人間の血液やインクなどに触れると記述が増大する。しかも単に増えるだけでなく、記述が追加されるたびに、
前の時点での敗北の記述はやり直され、既に調査済みの場所から新たな遺物が発見される
普通に初期オブジェクトとして執筆されたものであるため、彫刻シャイガイのような直接的な特異性を有しているが、
後にここまで根幹設定に関係するとは誰が予想しただろうか?

SCP-392 - A Plant Now Found in Site-103, and Formerly Found in the Households of Nobility (昔は貴族の館で、今はサイト-103で見られる植物)

中国の対ダエーバイト戦争で奪取された、ダエーバイトのワク氏族の側室の男性の顔の形をした実が生える趣味悪い植物。
しかしこれを中国人は戦争で取った敵の対象首であると偽装して上司に報告し、覚えがめでたくなって昇進したなどのことから、
「これは高貴な氏族の象徴である」と考えるようになった(まあ実際間違ってはいないのだが)。
後に隋は煬帝の頃に、遣隋使であった小野妹子を通して日本に下賜され、太平洋戦争期には国家をあげて育てられたという。

SCP-1564 - Post-Nibbanic (涅槃の後)

1.4mほどの卵型をしたベリリウム青銅製の6つのオブジェクト。表面にはダエーバイトの歴史と思われる壁画チックな絵が描かれている。
ただしこのオブジェクトそのものはどうやら古代メカニトの信仰者が変質したものらしい。つまり、物品に見えるけど意思を持っている。
このオブジェクトを一度見たことがある人たちはこの6実体とテレパシーで交流できるようになってしまう。
財団職員の一部及び現壊れた神の教会の信仰者がこのテレパシーで会話できるらしい。
現在メカニトについての研究としてGOCと共同で調査をしている模様。

SCP-1726 - The Library and the Pillar (図書館と石柱)

中国にある1200年代に建てられたとみられる建物。
何故か、シャンバラ、レムリア、ムー、そしてダエービック帝国(ダエーバイトのこと)といった架空の国々に関する記述が大量に保管されている。
…ダエーバイトが存在する時点で、シャンバラ、レムリア、ムーが架空であると誰が断定できようか?
ただし気持ち悪いスパイダーマンが時折記述を改竄するため記述の信頼性がどこまであるかは不明。

SCP-2131 - Antipope (反物質教皇)

アヴィニョン教皇ベネディクトゥス13世を自称する人間男性。何故か16時間毎に体の一部が反物質化する。
祈りを捧げることで95%の確率で防げる。うん、5%も防げないのか。ただし防いでいない時に限って反物質教皇の体が再生するため、
これによって1328年に誕生したという主張にもある程度説得力が存在する(なおそばにいる他の生物種はガンマ線バーストで死ぬ)。
教会が分裂していた14世紀、ボニファティウス9世がダエーバイトに殺害された際から祈りを捧げることでダエーバイトと戦ったと主張する。
ただし未完の年代記では11世紀までしかダエーバイトは存在しておらず、そのため反物質教皇の証言とは食い違う。
ダエーバイトと闘うことを望み、そのために生き続けているのだと闘志を燃やすも、最近は力の衰えを見せている。

しかし重要な点として、教皇を主張するくせにキリスト教的にタブーな自傷行為に及び、更にその方法がダエーバイトの儀式に合致することが挙げられる
真相やいかに。

なおAntipopeの本来的な意味は『対立教皇』。自分こそが正式な教皇であると主張したが後世からは認められなかった存在である。
日本語で反物質教皇と訳されたのは『Antimatter(反物質)』がオブジェクトに関係するからであるが、
原義はぶっちゃけダブルミーニングだったりする。
実際、アヴィニョン教皇ベネディクトゥス13世は後世では正式な教皇であると見なされておらず、
正式な教皇であると現在みられているのはボニファティウス9世。

SCP-2140 - Retroconverter (過去改変画像)

500語コンテスト出展作にしてThaumiel。長いからではなくむしろ短い上に[編集済]が多いために難解というオブジェクトだが、
簡単に言えば「見た人が財団に忠誠を誓うようになり、認識/情報/ミーム災害の影響から離れる」というもの…らしい。
『そんなにすごい画像ならバンバン使えばいいじゃん!』と思うだろうが、
その過程で過去改変を数度起こすこと(要注意団体への接触や犯罪などへの加担の歴史を消す)や、
そもそもそれを裏付ける方法がない(現時点での記録では、「見た人は全員そのクリアランスを有するに値する人間であるというプロファイルを持つ」)ということからか、
あくまでThaumielとなっている。


…で、なんでこれがダエーバイトと関係するんですかと聞かれてもぶっちゃけわかりません
だって作者のsirpudding氏がダエーバイトタグをつけているだけなんだもん。
……ただ、このSCiPのいわばプロトタイプであるSCP-2140-1-Dと呼ばれる物品が何かしらの発掘現場で発見され、機動部隊が回収に向かった際に発掘していた職員や被曝した機動部隊の内数人が要注意団体のメンバーだという事が発覚したという記述などから、ダエーバイトとの関連、そして2140や2140-1-Dの本当の特性を推察することはできる。
詳しくは当該項目で。

SCP-2406 - The Colossus (巨像)

メカニトの対サーキック兵器。
詳しい説明はぶっちゃけサーキック・カルトのページを参照して欲しいのだが、
メカニトの神職によれば、このでっかいロボットを産み出した背景には、
ダエーバイトの民すら対抗できないサーキックに対抗するためというニーズがあった模様。

SCP-2914 - The Stuff That Dreams are Made Of (脱構築キャビネット)

想起した思い出の中に登場する物質をいくつかの瓶に分けて出力するキャビネット。
また逆に瓶にいろいろ詰めてから接触すると不思議な思い出を作り出すことも可能となる。

この不思議な思い出を作り出す実験のなかで、被験者のDクラスは、
30年間アマドモグルなる存在しない地域で商人として暮らしていたという存在しない思い出を古代テルグ語で語りだし、
最後にはダエーワの襲撃で思い出がストップした。

SCP-3578 - Sebastian of Portugal and his Army (ポルトガル王セバスティアン1世と彼の軍勢)

現在は削除済み

ヨーロッパ系の若い男性に似た人型実体。体にはなぜかアベルにあるものと同じような刻印が存在する。
体には傷があるのだが、その傷からは人間の四肢や器具が飛び出していて、その人間はSCP-3578に敵対的らしく、
更に大きな穴をあけたりする。こうして体がボロボロになってもなお、食糧も水も必要とせず生存する。
どうやら体の中には異世界が広がっているらしく、異世界の住民はSCP-3578に食われたと思っているらしい(もともとは基底世界の住人だったようだ)。

さてどうやらこのSCP-3578なのだが、どうやらセバスティアン1世が行方不明になったアルカセル・キビールの戦いのあたりでうろついていたらしく、
そのためこいつがまさにセバスティアン1世やその軍を体に取り込んでしまった可能性が高い。

ちなみにMrWrong氏の裏設定によれば、これは言ってみればアベルを作る前に作られたプロトタイプ…というか失敗作であるとのこと。
刻印もアベルにやるまえに試し書きしたものと見て良いのだろう。ひでえ。

上記のとおり、現在は削除されているが、日本支部で訳文が保存されている。

SCP-6140 - The True Empire(真の帝国)

SCP-6000コンテスト参加作品。
現代世界に復活を果たさんとするダエーバイト帝国。SCP-140の記述によると
現実改変能力を有した非常に強大、かつ敵対的な国家となりうることが想像できる。
SCP-140の収容違反などの要因によって2022年3月20日に出現することが予測された。
財団は来る戦いに備え、可能な限りの人員を総動員してこの凶悪な帝国に立ち向かうべく準備を始めた。
そしてついにその時がやってきた…のだが…?



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最終更新:2024年02月10日 23:33

*1 アベルがダエーバイトの戦士であるという設定を採用したTaleが複数存在する