パワーレンジャー・ニンジャスティール

登録日:2017/07/12 Wed 03:23:10
更新日:2023/10/03 Tue 11:29:26
所要時間:約 10 分で読めます





アメリカ合衆国の特撮テレビドラマ『パワーレンジャーシリーズ』の第19作目に当たる。
手裏剣戦隊ニンニンジャー』がベースになっている。

【概要】

前作『パワーレンジャー・ダイノチャージ』と同じく、基本的に戦闘シーンが流用中心なのは同じだが新撮の比率が増えており、原作にある和風要素がオミットされ、むしろ宇宙関連の要素が増えている。
だが、パワレンのニンジャはエイリアンレンジャーや『ニンジャストーム』など宇宙に密接なお約束があるので、いわば伝統に準じた改変なので問題は無い。
……真面目な話をすると、『特命戦隊ゴーバスターズ』や『烈車戦隊トッキュウジャー』が飛ばされたことで、同じく和風な『パワーレンジャー・サムライ』とのスパンが短くなってしまい、差別化が必須だったという事情がある。

本作を以ってライセンスがハズブロに売却されたため、サバン・ブランドの作品は一区切りとなった。


【登場人物】

【パワーレンジャー】

  • ブロディ・ロメロ / ニンジャスティール・レッドレンジャー(アカニンジャー
本作の主人公。
かつてガルバナックスに父を殺された挙句自身もアブダクトされ、10年間宇宙で奴隷として働かされたというマッポーな暮らしをしていた少年。
しかし心までは折れておらず、船が地球に接近した隙を突き、ニンジャネクサスプリズムを奪取して脱出。
そこでプリズムに認められてニンジャパワースターを入手したブロディは、多くの仲間の協力を得て、
父の仇打ちに挑むべく、ガルバナックスが寄越す宇宙人達と激闘を繰り広げることになる。

外界とは隔絶された場所で育ったため、間近で見ていた殺し合いには慣れている反面、
感性が誘拐された8歳の時から止まっている部分があり、時折空気の読めない言動を見せる。
ただし、考えるよりまず行動する部分は伊賀崎天晴のそれと一致する。

  • カルヴァン・マクスウェル / ニンジャスティール・イエローレンジャー(キニンジャー
高校の工学科に所属する少年。主に自動車の扱いを専門としている。学生という点では松尾凪に準じている。
二輪車は苦手だったが、劇中で克服している。
パワーレンジャーでは非常に珍しい男性イエローである。

  • プレストン・ティエン / ニンジャスティール・ブルーレンジャー(アオニンジャー
魔法に強い憧れを抱き、手品師となった青年。原作の加藤クラウド八雲と異なり、魔法使いではない。
パワースターを入手して異能に目覚めた事に喜ぶが、宇宙人との戦いを経てむやみに見せびらかすことは止めている。

演じているピーター・スダルソ氏は『ダイノチャージ』に出演したヨシ・スダルソ氏の実弟。
パワーモーフィコン2016でキャストが発表された際、兄弟で号泣して喜んでいたシーンが印象に残っている(兄のヨシ氏もパワーモーフィコンで発表されるまで弟がオーディションに受かっていたことを知らなかったらしい)。

  • サラ・トンプソン / ニンジャスティール・ピンクレンジャー(モモニンジャー
エンジニアを夢見る少女。発明の才能があり、反重力ホバーボードなど様々な発明品を開発している。
その意味ではある意味原作の百地霞を忠実に反映したキャラと言える。
逃亡直後のブロディが最初に出会った少女であり、彼が地球で暮らせるように手筈を整えている。

  • ヘイリー・フォスター / ニンジャスティール・ホワイトレンジャー(シロニンジャー
カルヴァンとともに工学科に通う少女。イエローと同じく学生という点では伊賀崎風花と同じだが、風花と違ってレッドの妹ではなくなっている。こちらも乗り物工学を専門としている。
コーディという愛犬を飼っている。

  • リヴァイ・ウェストン / ニンジャスティール・ゴールドレンジャー(スターニンジャー
カントリーミュージシャンの青年。
原典のキンジ・タキガワが妖怪ハンターだったのと異なり、専用武器のロックストーム・ギターブラスター(ギターソードガン)がギターなためかこの設定になった模様。
かなり知名度が高いらしく、サイン会に多数のファンが訪れていた。
パワースター入手後にオーディアスに捕らわれてモルモットにされていたが、アストロゾード襲撃のドサクサに紛れて脱出。
他のレンジャーと合流して仲間となる。


【ゲストキャラクター】

  • ウェスリー・コリンズ / タイムフォースレッドレンジャー
  • ジェマ / レンジャーオペレーターシリーズシルバー
  • コーダ / ダイノチャージブルーレンジャー

  • トミー・オリバー
  • ロッキー・デサントス / 2代目MMレッドレンジャー
  • キャサリン・ヒラード / 初代ピンクターボレンジャー
  • セオドア・ジェイ・ジャービス・ジョンソン / ブルースペースレンジャー
  • トレント・フェルナンデス / ダイノサンダーホワイトレンジャー
  • アントニオ / サムライゴールドレンジャー
  • ジア・モラン /イエローメガフォースレンジャー


【その他キャラクター】


  • レッドボット
ブロディの奴隷仲間だったロボット。
機械ではあるが優しい心を持ち、感情豊か。ミックと共にブロディの逃亡計画に協力して自由の身になる。
誘拐された身であるブロディにとって、心を許せる数少ない存在だった。
なお、雑用役として作られた機体のため、戦闘力は無い。

外見はシノビマルを顔だけ差し替えたもの。原作には該当する存在はいないが、
「感情豊かなサポートロボット」という立場から、アルファ5、もしくは『ゴーバス』のバディロイドを意識したキャラと推測できる。

  • ミック・ケーニック
ブロディの奴隷仲間だった宇宙人。無機物に変身する能力を持つ。
皮肉屋な性格だが、なんやかんやでお人好しで面倒見がよく、ブロディの逃亡計画に協力した。
脱出後、鋳造技術を活かしてサマーコーヴ高等学校に就職し、そこでニンジャスティールを加工しながらブロディ達をサポートしている。
演者はパワーレンジャー・S.P.D.のブームを演じるなど、パワレンではおなじみのケルソン・ヘンダーソン氏。

  • ダン・ロメロ / 先代ニンジャスティール・レッドレンジャー
ブロディとエイデンの父親。ニンジャマスターの地位にいる凄腕のニンジャだった。
ニンジャネクサススターを入手したためガルバナックスに狙われ敗北するも、散り際にネクサススターを破壊する。
自身はその際の爆発に巻き込まれ、忽然と姿を消した。
ブロディとは親子の関係ではあるが、その立ち位置は原作における伊賀崎好天のそれと一致する。

  • エイデン・ロメロ
ブロディの兄。
ガルバナックス来襲の際には屋内におり、父が戦っている隙をついて辛うじて逃亡に成功する。
その後の行方は不明だが、廃墟となった隠れ家にブロディにだけ伝わるようなニンジャスティールの隠し場所のヒントを残していた。

消去法から考えて、原作における伊賀崎旋風に相当するキャラと予想され、
劇中におけるオーディアスの「地球のスパイ~」という台詞や、何かの目を逃れるかのようにニンジャスティールを隠していたこと、
さらにこれまでのパワレンシリーズで「生き別れの姉妹」が洗脳されるわ改造されるわロクな目にあっていないジンクスがあることから、
同等の扱いをされているエイデンも、向こうのファンから「敵対フラグ!」とヘンな方向に期待されていたが…

  • ヴィクター&モンティ
本作のバルク&スカル枠。

  • 宇宙保安官スカイファイヤー(磁雷矢
宇宙の治安を守る忍者のような姿をした刑事。
正義感の溢れる真っ直ぐな性格であるが、その正義感を利用されてオーディアスに騙されてしまいパワーレンジャーと戦ってしまう事になるが、
ブロディが戦いに巻き込まれそうになった老婆を助けた事で誤解が解けてレンジャー達と和解して仲間となる。
その後共闘して戦った後、任務のために再び宇宙へと帰って行った。

原典は『世界忍者戦ジライヤ』の主人公・山地闘破/磁雷矢。
偶然か必然か不明だが、メタルヒーローの先輩である宇宙刑事の肩書きを後輩のジライヤが背負った事になる。
なお、メタルヒーローのスーツが海外輸出されるのは『VRトルーパーズ』のメタルダースピルバンシャイダー、『ビートルボーグ』シリーズのビーファイタービーファイターカブトに続いて三度目である。



【ギャラクシーウォリアーズ・ゲームショー】

本作の敵。通称『GW』。宇宙人同士が殺し合って宇宙最強を決する、宇宙で最も人気なエンターテイメント。
『ウォリアードームシップ』という船を本拠地としている。
一定の勝ち星を得て伝説のアイテムであるニンジャネクサスプリズムに認めらた強者だけがチャンピオン・ガルバナックスへの挑戦権を得る
………という建前で、ネクサスプリズムに干渉できないガルバナックスが、パワースターを取りだせそうな強者を集めるための方便のような団体。
ブロディの逃亡後も、「伝説のアイテムに選ばれたパワーレンジャーを倒せばチャンピオンへの挑戦権ry」という建前で戦いが続けられているが、
これもパワーレンジャーを倒して伝説のアイテムを奪取するのに、事情を知らない挑戦者をうまく尖兵として利用しているだけである。
よーするに、経営者サイドが私情で参加者達を利用している事を、エンターテイメントの体裁で隠しつつ動かしているというブラック感溢れる組織。
しかも、戦いの様子を『試合』として放映する事で、仮に挑戦者がレンジャーに負けてもちゃっかり収益を入手する一面も。
(コスモいわく、パワーレンジャーの戦いぶりはかなり好評らしい)



  • ガルバナックス(牙鬼幻月)
GWの終身チャンピオンとして君臨しており、『最強』の称号に強いこだわりを持つ。愛称は「チャンプ」。
ニンジャネクサススターを狙ったのも、宇宙支配を目指すのも、全ては自分こそが『最強』と証明するための手段にすぎない。
ダンの命を奪った張本人であり、ブロディにとって最大の敵ではあるが、ガルバナックス当人はブロディに対して、
「親を失ったお前の面倒を見てやった恩人である俺を裏切りやがって!」と激怒している。
(当たり前だがブロディからは「父を殺しておいてよくも!」とキレ返されている)
一方、ファンを落胆させる事を気にしたり、エントリーした挑戦者をきちんと査定する律儀な面もある。

パワースターをブロディに奪取されたことで彼らを標的と定めて、挑戦者を地球に送り込んでいる。

原典と異なり封印されてはいない。

ガルバナックスの側近。ガルバナックスを圧していたダンに対して、ブロディを人質にして敗北の要因を作った男。
加えて、ダンの敗北後にブロディをアブダクトしており、彼にとってはガルバナックスと並ぶ復讐の対象である。
戦闘力は高いが、ブロデイに武器をスられるなど間抜けな一面も持つ。
ブロディ逃亡後は、挑戦者達の要請に応じて彼らを援護する、サポートキャラ的な立ち位置に就いている。
故に、自分から打って出たのはリヴァイがウォリアードームシップに現れた後の一度きりである。

原典と異なり、卑怯な手段も辞さないスタンダードな悪役となっている。
一方、パワースターが強いだけで変身者は雑魚と見下していたブロディに対し、実際に戦ってから強者と認めるなど、原作の蛾眉雷蔵が持つような武士道が全く無いわけではない。


ガルバナックスのアドバイザー。パワースターの入手に行き詰ったガルバナックスに
「自分のスパイが材料のニンジャスティールが地球にあることを突き止めた」、「新しいパワースターを作ればいい」と話し、
地球行きを提案するが、それを盗み聞きしたブロディが逃亡計画を作る原因となった。

ガルバナックスに協力的な半面、リヴァイ及びパワースターを手中に収めたことを隠すなど不可解な行動をとっており……。

原典と異なり性別は女性。

  • コスモ・ロイヤル
GWの司会者。軽快なトークで試合を盛り上げる。
「バズカム」と呼ばれるカメラのついた生命体を多数使役する。
お調子者だが、挑戦者に危害を加えられそうになっても実況の場を離れないなど、プロ意識は高い。

スーツは『トッキュウジャー』のネロ男爵を改造したものが使用されている。PVの時点で僅かだが姿を見せており、日本のファンを驚愕させた。
また、中の人はリプコンとの兼役であり、真反対なキャラを見事に演じ分けている。


  • バドンナ(有明の方)
スレッジに囚われた賞金首の一人だったが、
オーディアスの手引きで自由の身となり、彼女に味方する。


  • ブラックス(牙鬼萬月)
ガルバナックス亡きGWの優勝候補としてエントリーする。


  • タイナモン(晦正影)
ブラックスの付き人であり、ブラックスと同時期(第2シーズン中盤)の参戦と、かなり遅い登場であった。



【その他の敵キャラクター】

  • スレッジ一味
前作の敵組織。
最終回でパワーレンジャーが時間改変を起こしたため、スレッジの地球侵攻が消失しているが、
それが起きる以前の事象のスレッジ達はブラックホールを通じてニンジャスティールの世界に遭難していた。


  • ロード・ドレイボン(弓張重三)
ニンジャスティールの宇宙とは別の次元から来た侵略者。




【用語】


  • ニンジャネクサススター
原作における『終わりの手裏剣』だが、本作では持ち主に宇宙最強の力を授けるという伝説のアイテムという設定。
ニンジャスティールを纏って宇宙から飛来したものダンが見つけて所持していたが、ガルバナックスに奪われかけたため、
ダンの手で破壊・封印される。しかし、その破片はまるで意思を持つかのように、6つのニンジャパワースターへと変化した。

伝説のアイテムという点では前作のエナジェムと似ているが資格者でなければ十全の力を発揮できないあちらとことなり、
パワースターは持ち主を選ばない、方向性の無いパワーの塊のようなものである。
事実、劇中では一度ガルバナックスがレッドレンジャーへと変身しかけていた。


  • ニンジャスティール
ニンジャネクサススター及びニンジャパワースターを構成する鉱物。
結晶のような見た目だが熱する事で硬質化する性質を持っている。
そして、その後でネクサスプリズムに投げ込む事で様々な能力を持つパワースターへと変化する。
一応GWの狙いの1つだが、彼らの本命はネクサススターから分離したオリジナルのパワースターであり、
原材料のニンジャスティールやレプリカに近い人工パワースターの入手は二の次になっている。


  • ニンジャネクサスプリズム
ガルバナックスにネクサススターを奪われかけたダンが自身の封印術によって作りだした結晶体。
ネクサススターが変化したパワースターを内部に封印しており、まるでダンの意志が宿っているかのように、
邪悪な意思を持つ者がパワースターに触れれば即座に電撃を浴びせる性質を持っている。
ガルバナックスの力を以ってしても破壊できない強度を持ち、無理にパワースターを取りだすことが不可能なため、
ガルバナックスはゲームの体裁でネクサスプリズムからパワースターを取りだせる強者を探していた。


  • サマーコーヴ高等学校
ブロディとリヴァイ以外の4名が在籍している学校。
工学科が主要学科であり、多くの機材が揃っているため、密かにパワースターの鋳造に使われている。



【本作の世界観に関して】

特別編にて歴代パワーレンジャーが客演した際に、本作における世界観が明らかとなり
本作はMMPR~ジャングルフューリー、サムライ~スーパーメガフォースから地続きの世界観という設定となっている。
そのため、ニンジャスティールの面々はトミーの事やタイムフォースの活躍は知っているが、別の世界の設定であるRPMやダイノチャージレンジャーの事は知らず、RPMシルバーやダイノチャージブルーを見て首を傾げる描写がある。



追記・修正・NInja Spin !!

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最終更新:2023年10月03日 11:29