散歩代行(小説)

登録日:2017/07/04 (火) 08:05:24
更新日:2023/09/08 Fri 21:23:49
所要時間:約 3 分で読めます







概要

『散歩代行』とは『因業探偵:新藤礼都の事件簿』に収録されている短編。
著者は『獣の記憶』『キャッシュ』『AΩ 超空想科学怪奇譚』『肉食屋敷』『アリス殺し』等で有名な小林泰三
Web光文社文庫にて17年1~2月の間まで掲載された。


登場人物

  • チビ
本話の主人公。この短編はチビの目線で進む。
新藤が一定時間散歩する事になった犬であり、新藤の匂いに匂い惚れしてスキンシップが過剰。
実は近隣で起きた殺人事件の犯人を唯一目撃した犬ではあるが、当然誰にも伝えていない。

  • 新藤礼都
黒髪美人の本作の主人公。30代後半あたりの性格の悪い探偵。
お金を稼ぐために西沢の依頼でペットシッターを始める事に。
犬や猫と言ったペットに興味なく、チビに舐められたりされると露骨に不快感を露わにする。
チビの排便の処理の際には「ああ! 信じられない!! 慣れるの? 金のために、こんなことに慣れるの、わたしは?」と吐き気との戦い。

  • 西沢
依頼主。何かしらの用事でチビの面倒を見られないのか散歩の代行を依頼する。
ペットシッターとしては破格のバイト代を用意しているが、これまでチビの面倒を見た人は全員直ぐ辞めてしまったらしい。

  • メリーの飼い主
新藤が散歩中で出会った青年。メスのブルドックである『メリー』の飼い主。
チビがメリーに発情して交尾しようとするのを頑なに許せず、チビの脇腹や口を蹴り飛ばした過剰な親心を持つ男性。

  • 殺人犯
西沢の近所の家で殺人を犯した後、逃走をする時に犬のチビに見られてしまった。
相当頭がおかしくなっているようで、チビが警察に言うのではないかという強迫観念から逃げる為に、身の安全のために危険を犯してチビを殺害しようと企てる。




以下ストーリーのネタバレのため注意!









プレイはおしまいよ、西沢さん。


なんだ。もう終わりか。

でも、後半は僕一人になったんだから、延長してもいいんじゃないんですか?

  • チビ/西沢
実は新藤が散歩していたチビというのは、人間である西沢だった。
西沢は犬になるのが子供の頃からの夢と語る変人であり、実は新藤と散歩したり犯人に狙われたりしたチビは、下着姿の西沢であった。
犯人が犬であるはずのチビを執拗に狙ったのも、チビが犬になり切った人間だったからである。



余談

西沢は犬になりきる時は犬の行動を完全に模倣しているため、人間の言葉は一切喋らない。
例え命を狙われたとしても。

西沢は普段から犬の真似をしながら下着姿で外を出歩いているため、近所では名物になっている。
おばさんを始めとした近所の住民と警察は悪さをしないからという理由で黙認しているというありさま。

チビを蹴飛ばしたメリーの飼い主は一見過剰に思えるが、
成人男性が自分のペットの犬と交尾しようとする場面を見たのだから、対応はしょうがないと言える。

チビが犬という前提では普通の行為に見えた山道での排便とその処理だったが、それが人間だったとなると話が違う。
つまり西沢は美人の目の前でウンコをしたげく、それを回収してもらったのだ。羞恥プレイとかそういうのを超えている。
これはミステリーではなく官能小説だったんだろうか……。


なお新藤礼都は給料が良いからという理由で今後もこの仕事を続けるらしい。



追記・修正は犬の散歩(意味深)してからお願いします。

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最終更新:2023年09月08日 21:23