ゴジラ×メガギラス G消滅作戦

登録日:2011/06/10(金) 00:50:28
更新日:2023/11/16 Thu 06:59:13
所要時間:約 4 分で読めます






ゴジラが消える――

地球最大の死闘(デスバトル)



ゴジラ
×
メガギラス
G消滅作戦




「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」は2000年12月16日に公開されたゴジラシリーズ24作目の作品。20世紀最後の作品。
観客動員数135万人



【ストーリー】

1954年にゴジラが出現、被害を受けた東京から大阪に首都が移された。その後ゴジラは1966年に東海村原発を襲う。
結果原発はゴジラに狙われるとした政府は原発を凍結、代替発電にプラズマエネルギーを開発する。

しかし、1996年に大阪のプラズマエネルギー研究施設にゴジラが襲来、プラズマエネルギーも凍結された。

1996年の襲来で上官を亡くした辻森は、その後対ゴジラ部隊Gグラスパーの隊長に就任する。
防衛庁ではゴジラ対策のために小型ブラックホール兵器ディメンジョンタイド(以下DT)の開発を進めていた。

辻森がスカウトしたマイクロマシンの天才工藤により、DTは実用化可能なサイズに小型化され山奥の廃校を標的に実験が行われる。
成功に終わるが、その際に時空が乱れ卵が出現、たまたま紛れ込んだ小学生の淳が拾う。
その後東京に引っ越した淳は排水溝に卵を捨てるが、その卵から古代生物メガヌロンが誕生した。


【概要】

本作でも前作に引き続き設定のリセットが行われ、ゴジラは1954年に出現したものが現在まで生存している他、
首都が大阪、原子力発電は凍結され新エネルギーの開発が行われている等、大胆な改変もされている。

監督には本作が初監督となる手塚昌明氏、音楽には初ゴジラとなる大島ミチル氏が担当となった。
特殊技術は前作に引き続き鈴木健二氏が担当。
また、田中美里が主演となり、初の女性主役のゴジラ作品となった。

比較的リアルな世界の構築、ゴジラの秘密に迫るシナリオが特徴だった前作とは異なり、
本作は荒唐無稽な感もするぐらいに独特な空想世界を作っており、またゴジラも一貫して倒すべき敵として描かれている。

そんな世界観を象徴するような、首都大阪、ブラックホール兵器の登場や渋谷水没の画、ゴジラにしがみつく辻森等は本作ならではの特徴といえるだろう。

なお、BLっぽいとか言われる「タイトルの『×』と書いて『たい』と読む」スタイルは以後、手塚ゴジラのためのタイトル表記として使われていく。


【登場人物】

◆辻森桐子(演:田中美里)
本作の主人公でGグラスパーの隊長。5年前ゴジラが襲来した際に、上官を殺されており、上官の意志を受け継ぎ、ゴジラ打倒に熱い意志を燃やす。
「あッ!ゴメンッ!」
実は彼女が上官命令を無視してゴジラに攻撃を仕掛けたのが大体の上官の死に繋がっている。
なんという逆恨み
作中前半はまだ想定通り動くか不明なDTを開発陣の意見を押し切って使用するなどの失態も犯すが自ら危険な役目を買って出る勇敢さは折り紙付き。

◆工藤元(演:谷原章介)
秋葉原にあるジャンク屋の店員。マイクロマシン技術に関して天才的な技量を誇るエンジニアで、DTを小型化するために辻森にスカウトされる。
大学院時代は吉沢の教え子であったが、研究室の末席を汚していたと自ら称し、実際かなり軽薄な性格の持ち主。
しかし、DTを予定通り小型化しながら、片手間に自作の発信機付き信号弾やSGSの小型版を製作するなど、まぎれもない天才である。
辻森には好意があった模様。
「頼むぜ、桐子ちゃ~ん」

◆早坂淳(演:鈴木浩之)
長野に住む昆虫好きの少年。東京に引っ越す直前にDTの極秘実験を偶然目撃してしまう。
その夜、実験跡地から飛んできたメガニューラを追いかけ、メガヌロンの卵を拾う。
そのまま東京に持ってきてしまうも、気味の悪い卵の処理に困り果て、排水溝に捨てたことから、事態は思わぬ方向へ。
つまり今回の事件の最大の元凶の1人である。本人は非常に後悔している様なので、もう二度と排水溝に変なものは捨てないだろう。

◆新倉誠(演:勝村政信)
Gグラスパーの広報官。窓口として、外部との接触を取り仕切る。

◆美馬和男(演:池内万作)
Gグラスパーのオペレーター。元潜水艦のソナー担当。情報収集のプロ。
因みに演者の両親はかつてホラー映画に関わった事がある。また本作と同じく柏原寛司が脚本を手掛けた「名探偵コナン 紺碧の棺」では彼と同姓同名の人物が登場する。

◆細野精一(演:山口馬木也)
Gグラスパーのパイロット。グリフォンを操り、最前線に立つ。

◆奥村知治(演:山下徹大(現:加山徹))
Gグラスパークルー。同じ「対G特殊部隊」出身者である桐子の理解者。
祖父はかつて初代モスラに顔を見せたり超人機を開発したり、父は主演映画で吉沢似の女性と友達以上恋人未満な関係だったかもしれない。

◆吉沢佳乃(演:星由里子)
特G対科学班第一研究室責任者の物理学者。工藤の恩師でもあり、ゴジラ襲来時にクリーンエネルギーファクトリーで部下を亡くしている。

◆杉浦基彦(演:伊武雅刀)
特G対本部長。ゴジラ殲滅に並々ならぬ情熱を燃やしておりGグラスパーにも期待をかけているが、その理由は……
自分で変身しろとか言ってはいけない。

◆水道局員(演:極楽とんぼ(加藤浩次・山本圭壱))
ゲスト出演者。「とんぼ」繋がりのキャスティングである。
メガヌロンの繁殖活動により地下水脈が決壊し、下水道管で逆流を起こしていたためその対応に当たっていた。
すぐ真上にビル壁にへばりついていたメガヌロンがいたが、奇跡的に襲われずに済む。
物語後半ではお台場から逃げる避難民の中にも登場。


【登場怪獣】

ゴジラ
今回は1954年に出現した個体が、そのまま生き続けているという設定。前作とスーツは大体同じで熱線も赤である。
本作では背びれも武器に使用し、メガギラスと戦う。
尚、本作のプラズマエネルギーはゴジラを呼び寄せる以外のデメリットは少なくとも描写されてはおらず(杉浦はもとより辻森や工藤もゴジラさえ倒せば研究を再開できると考えている)、核への警鐘といった面は希薄。

メガギラス
メガヌロンの中で特に巨大な個体がメガニューラからエネルギーをもらい怪獣化した。
高速移動が得意で、羽根から出す高周波とハサミ尻尾を使った格闘戦が得意。お台場でゴジラと戦った。

タイトルに入った最後の新怪獣で、東宝の昆虫怪獣はメガギラスが現状では最後である。
立体的な空中からの攻撃と肉弾戦主体の戦法で、歴代昆虫型怪獣との差別化を果たしている。

メガヌロン
古代のトンボに近い昆虫の幼中。劇中では人を襲い栄養を得ていた。コイツらの食事シーンは結構トラウマ
まさかのメガヌロン復活に驚いたファンは多いとか。

◆メガニューラ
メガヌロンの成虫。ゴジラからエネルギーを吸い、メガギラスになる巨大なメガヌロンにエネルギーを与えていた。


【登場兵器】

◆ディメンションタイド
対G兵器。超マイクロ加速器で人工的にブラックホールを生成する。人工衛星に搭載して宇宙から攻撃する。
メガギラスはこの作戦の障害として立ちはだかる形の珍しい作劇となっている。強いて言えば『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』に近いか。

◆グリフォン
Gグラスパーが所有する小型高速飛行戦闘機。空中での停止や、瞬間的な音速への到達が可能。内部は3人乗りとなっており、攻撃は光子砲を使用する。また、現場でのゴジラ捜索用として小型ボートやSGS*1を搭載する。



上官をゴジラに殺された女性自衛官は追記・修正をお願いします。


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最終更新:2023年11月16日 06:59

*1 特G対が開発したゴジラ用自動捜索ロボット。