コゼニー・メグンダル

登録日:2017/07/01 (土) 14:00:30
更新日:2024/02/21 Wed 15:50:34
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微笑みの絶えない帝都‥‥その理想のためならば。

このコゼニー・メグンダル。いつでもお役に立つ所存なのですよ。


コゼニー・メグンダルとは『大逆転裁判シリーズ』の登場人物である。


倫敦の名士で、かなりの資産を有している大富豪。年齢は48歳。
ダイヤをモチーフにしたシルクハットを被り、高級そうなスーツに身を包む英国紳士。指には大粒の宝石がついた指輪をはめている。
体格は小柄で、ズボンの裾で隠れているが実は踵部分が底上げされたシークレットブーツを着用している。

物腰は柔らかく、どのような相手にも丁寧に接する紳士的な人物。たまに朗らかな笑顔も見せる。
「若者に機会を与えよ」と常々思っているらしく、未来ある若者が蔑ろにされる事をとても嫌っている。
また、自分が英国人である事を誰よりも誇りに思っており、どんな時にも「誇り高き大英帝国の騎士道精神」を忘れる事はない。
頭の回転も早く話術にも長けている。ある場面では、新米弁護士の成歩堂龍ノ介より先に証人が嘘をついている事を見抜いた事で立場的に優位に立ち、「ボクより弁護士に向いているかも」と感心させていた。

不気味なほどに気前がよく、事ある毎に龍ノ介等にチップとして1000ギニーを渡そうとする。
倫敦では慈善家として知られていて、最近も政府に5000ポンドほど寄付していた。
倫敦にあるハイドパークの隣には、彼が寄贈したというメグンダル公園があり、春には愛らしい花が咲き誇り鳥達のさえずりも聞こえるという事で今では市民の憩いの場となっている。ちなみにメグンダル公園の他にもメグンダル図書館等も寄贈しているらしい。
ちなみに、「まさかの時」のためだけに、倫敦が2、3個買えるほどの財産を保有しているという。それだけの資産が必要となる「まさかの時」って一体‥‥

巷では慈善家として知られているが、本職は極めて悪質な高利貸し
弱い者に法外な金利で貸付を行い、金が返せなければその者の全てを奪い去るという血も涙もない所業を繰り返し、巨万の富を築き上げていた。
彼の悪質な取立てには金を借りる側の人間も不満を募らせており、彼から金を借りていない市民でさえ、その所業を知った途端に嫌悪感を抱くほどである。
また、倫敦で発生する幾つもの犯罪の裏で暗躍しているとも噂されており、莫大な財産を駆使して真実を“自分に都合のいいように”ねじ曲げるとさえ言われている。
龍ノ介と会った際には物腰柔らかく彼らに接していたが、自分の思い通りにならない事になると「この薄汚い若造野郎が!」等と暴言を吐くようになる。恐らくこれが彼がひた隠しにしている本性なのであろう。
まあ、自分を弁護する弁護士が自分を追い詰めるようなことをしたら、そら、誰だって怒る。過去シリーズでも弁護士に怒って暴言を吐いた人たちはいるし。

名前の由来は、関西弁で「小銭を恵んだる」。やたらと龍ノ介にチップ(小銭)を渡そうとする彼にはピッタリの名前である。


作中での活躍

※ネタバレ注意
  • 『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』
第3話「疾走する密室の冒險」にて、事件の被告人として登場。
乗合馬車で殺人事件に遭遇し、乗客を刺殺した容疑で逮捕され裁判にかけられる事になる。
被害者の三度焼きのモルターは、彼に多額の借金をしていたレンガ職人で、事件のあった夜はその借金の返済日であった。
モルターが1シリングも所持していなかった事から、警察は「借金返済のトラブルが原因で今回の事件が起きた」と考え、一緒に乗っていたメグンダルを逮捕した。
動機が十分だったうえに目撃者の証言もあり、更には担当検事が《死神》と恐れられていたバロック・バンジークスであったため、彼の弁護を引き受けようとする弁護士は誰一人現れなかった。
このまま弁護士不在のままで裁判に望む事となるかと思われたその時、ハート・ヴォルテックス首席判事の指示で彼の弁護を行う事となった龍ノ介が現れる。
最初は龍ノ介にあまり信用されていなかったが、「ワタシを見捨てないでくれ」と頼むと、龍ノ介は彼の弁護を快諾。龍ノ介は彼の無実を信じて法廷で弁護を行う事となった。
審理の途中でバンジークスによって悪質な高利貸しである事をばらされ、陪審員の心証を悪くしてしまうが、龍ノ介が最終弁論の権利を駆使した事で何とかすぐに有罪にならずに済む。だがいくら審理が進んでも彼の無罪を立証する証拠はおろか真犯人の存在すらも浮上しなかった。

そんな時、突如煙幕騒ぎが発生し、審理は一時中断する。
煙幕騒ぎの張本人はジーナ・レストレードという少女であったが、審理の再開後にジーナはメグンダルの無実を立証する証人として現れ、事件当時の状況を証言する。
そして彼女の証言を裏付けるかのように、現場の乗合馬車から血痕が発見されると、これが決定的な証拠となりメグンダルの無罪が証明される事となった。

だがこの血痕は警察が捜査をした時には“存在しなかった”ものであり、現場を調べていたバンジークスは「これは被告人が捏造した証拠である」と異議を申し立てる。
しかし、この血痕が偽物であると立証する事は出来なかったので、この疑惑の証拠はそのまま受理される事となり、審理の続行は不可能となってしまう。
そんな状況の中でも、亜双義一真の意思を継いで弁護士となった龍ノ介は、メグンダルの無罪判決を受けるより真実を追求する事を選び、審理の続行を要求する。
それに対しメグンダルは「ワタシを裏切る気か!」と声を荒げた。
結局龍ノ介の要求は聞き入れられず、証拠不十分という形でメグンダルの望み通り無罪判決が下される事となった。

ちなみに、ジーナは逃走を試み、メグンダルは早々に確保指示が出た上で捏造が行われており、係官にも捏造に協力したものがいたことがうかがえる。

無罪判決を受けた途端、裁判が自分の思惑通りの結末を迎えた事で、両手を叩きながら法廷中に響き渡るほどの大きな声で高笑いをし、無罪判決を喜んだ。
その直後、バンジークスに「これで“終わった”などと思わない事だ」と意味深な忠告をされる。だがメグンダルはこの言葉を「ただの負け惜しみ」として捉え、そのまま大法廷を後にした。
審理の終了後は龍ノ介に心ばかりのお礼にとチップを渡し、「お会い出来て楽しかった」と言って龍ノ介達と別れた。


その後は警察の現場検証に付き合うために、法廷に持ち込まれていた乗合馬車に乗る事となるのだが、乗った瞬間に馬車に何者かが放火。
馬車は瞬く間に炎に包まれ、乗っていたメグンダルはその炎の餌食となり焼死してしまった
奇しくも《死神》の伝説どおり、バンジークスの裁判で無罪判決を受けた直後に非業の死を遂げてしまう事となったが、後の調べで警察に馬車の現場検証をする予定はなかった事が判明。
そしてこの出来事は、これから起きる大英帝国を揺るがしかねない大事件へと繋がる序章に過ぎなかった。


※以下さらなるネタバレにつき注意。














実は第3話で発生した乗合馬車殺人事件の真犯人であり、彼がその事件で行った行動が第5話の事件を引き起こす原因となる。

一連の事件の裏で、あるルートから入手した“大英帝国の機密情報”を他国に売りつけようと画策。
三度焼きのモルターことモルター・ミルバートンに依頼して機密情報を暗号化させ、その暗号を自鳴琴の円盤上に落とさせる。
後は事件当日に乗合馬車の中でその円盤を受け取るだけであったが、取引中になにかあったらしく、その末にモルターを殺害する事となってしまう。
モルターを殺した理由は本人が死亡したこともあって解明されていない謎となっている。
モルターを殺害した後は御者に金を握らせて、円盤と殺人の証拠であるコートを近くの質屋に預けさせる。
そして馬車の中に潜んでいたジーナを見つけると、彼女を脅迫して「ほとぼりが冷めた頃に円盤とコートを引き取りに行け」と指示し、近々行われるであろう乗合馬車の裁判でも嘘の証言をするよう強要する。
つまり、乗合馬車の裁判におけるジーナの証言は、全くの出鱈目だったのである。また、裁判中に突如出現した不審な血痕も、彼が部下に命じてでっち上げた嘘の証拠であった。
裁判で無罪になった後は、ジーナから円盤を受け取り、それを他国に売りつける算段であったが、それをする前に乗合馬車の業火に焼かれて死亡する事となった。

この事実を知った龍ノ介は、知る術が無かったとはいえ殺人者を無罪にしてしまったと深く後悔。後に開かれた質屋主人殺人事件の裁判でもこの事実が明るみとなった事で、龍ノ介と被告人のジーナの立場が不利になってしまう事に‥‥

なお、彼の焼殺を企てたのは第5話の真犯人で、その人物は第3話の被害者・モルターの息子であった。
しかもその手口は、街のゴロツキを金で雇って彼らに行わせるという、メグンダルが生前行っていた手口と酷似したものだった。

過去作にも弁護士を騙して無罪になろうと企てた真犯人やら別の事件の真犯人であるにもかかわらずまとめて無罪になってしまった大泥棒は登場しているが、
その事件自体の真犯人であるにもかかわらず無罪判決を受けたというキャラは、『逆転裁判シリーズ』を通して彼が初である。
‥‥まあ無罪判決を受けた直後に、有罪判決よりも酷い報いを受ける事となったので、結果的に自分の犯した罪からは逃れる事は出来なかったわけではあるが。

だが、わざわざジーナに円盤を引き取りに行くように言っていたことから実は死を予感していたのではないか?という考察もある。
というか本当に彼は死んだのか?という疑問の声も多い。
というのも死体が焼かれた状態なので時代的にも本当に焼かれたのはメグンダルだったのか確認するのは難しく、もしかしたら、替え玉ではないか?とも。
そういう話がでているのはモルター殺害の理由が不明であるのと彼の怪しくうさんくさいながらも魅力あふれる言動金を惜しまぬ気前の良さ、さらにありとあらゆる手を駆使する悪党ぶりからこれで終わるのはもったいないと感じる人が多いからである。

2017年に続編『大逆転裁判2』が発売され、彼を弁護した龍ノ介は半年間弁護士資格の停止処分を受けていたことが判明。
そして当の、メグンダルは…?



余談だが弁護料として払おうとした1000ギニーは日本円にして約5000万円くらいであり、明治時代における5000万円は現代の50億円位の価値ぐらいなので、まさに大金である。
???「弁護するだけでそんなに貰えるなら、誰が検事なぞするものか!」



メグンダル「まさか。
      こんな愉快な追記・修正をしてくれるとは。

      ‥‥お駄賃だよ。とっておきたまえ」


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最終更新:2024年02月21日 15:50