煉獄杏寿郎

登録日:2017/07/01 Sat 04:00:00
更新日:2024/03/18 Mon 16:05:48
所要時間:約 13 分で読めます


タグ一覧
200億の男→300億の男→400億の男 500億の男 うるさい その身尽きてもその魂は死なず どん兵衛 まさかのテディベア化 みんな大好き もっと熱くなれよ よもやよもやだ わっしょいわっしょい アニメージュ第43回アニメグランプリ男性キャラクター部門1位 ウルトラマンタイタス グラデーションヘア スピンオフ主役 人格者 伊瀬茉莉也 兄貴 円柱 哲学 大食い 大食漢 天ぷらそば 心はどこまでも高く 心を燃やせ 日本男児 日野聡 最後の晩餐弁当 涙腺崩壊 漢の中の漢 濃すぎるキャラクター性 灰呂杵志 炎の呼吸 炎柱 無限列車 煉獄 煉獄さん 煉獄杏寿郎 熱血漢 牛鍋弁当 理想の先輩 真の漢 眼力 矢崎広 責務 赤髪 金髪 長男 顔がうるさい 飯テロ 鬼殺隊 鬼滅の刃 黄金の精神




出陣ですか?

鬼の新しい情報が入ってな。

十二鬼月でしょうか。

上弦かもしれん。

……お気をつけて。





煉獄杏寿郎の新たな任務、このあとすぐ

















俺は俺の責務を全うする!!

ここにいる者は誰も死なせない!!






煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)とは、漫画鬼滅の刃』の登場人物である。
声:日野聡伊瀬茉莉也(幼少期)
舞台:矢崎広

◆プロフィール

誕生日―5月10日
年齢―20歳(享年)
身長―177cm
体重―72kg
出身地―東京府 荏原郡 駒沢村(現・東京都世田谷区桜新町*1)
趣味―能や歌舞伎、相撲観戦
好きなもの―さつまいも味噌汁


◆概要

の称号を持つ九人の鬼殺隊最高位隊士の一人「炎柱」にして、古くから何人もの炎柱を輩出してきた剣士の名門・煉獄家の長男。
同家は先祖代々「炎の呼吸」を受け継いできた一族で、邸には歴代の炎柱が記してきた手記などの貴重な資料も遺されている。

そんな家に生まれた杏寿郎は、当然幼少期から修練に励んできた生粋の鬼殺の剣士である。少年時代は同じく柱だった父・槇寿郎から熱心な指導を受けて育った。
……しかし、ある時期を境に彼は柱及び育手、そして父親としての立場と役割を放棄、酒に溺れるようになってしまう。
そのため、以来杏寿郎は家に受け継がれてきた炎の呼吸の指南書三冊のみを頼りに一人鍛錬を続け、その果てに柱まで上り詰めたのだ。
まさに血筋だけに依らない才能と努力の男と言える。

なお煉獄家は上述の通り、一族の生業として鬼殺を継承している。
それがなんだと思うかもしれないが、基本的に鬼殺隊隊員は他の生き方が選べないほどの憎悪と悲しみを原動力にその道を選んでいる者がほとんど。
つまり、ある意味では煉獄家の者であろうとも、正義感と使命以外に危険極まりない鬼殺を続ける理由は無く、人を想う熱い心をもっていつ終わるとも知れない戦いに身を投じてきた、そんな家系なのだ。

それだけに、直系であるにもかかわらず才能に恵まれなかった者のどうしようもない悔恨の念は、察するに余りある……。


◆外見

金髪の先が焔色に染まった髪、そして見開いているもののどこを見ているのか定かではない*2梟のような眼差しが特徴的な青年。
さらに羽織から日輪刀に至るまであらゆる装備にを模した意匠が施されており、まさしく燃え盛る炎が人の形を成したかのような男


◆性格

二人称は目下の同性には「〜少年」*3、それ以外の大抵の相手には「君」。
両親に対しては「父上」「母上」と呼びかけ、弟のことは呼び捨てにしている。

明るく快活な好漢。器も大きく、スピンオフ作品では初対面の子供に髪の色を笑われても腹を立てずに「ご先祖様が海老を食べ過ぎたからだ!」とユーモアのある返答をしている。
語気が強いのも特徴で、喋っている時だけでなく頭の中で考えている言葉にまでほとんど常に「」が付いているほど。
また、常に自信に満ちた笑みを浮かべており、悪鬼と相対した際にも彼らに対する憎しみや怨みを露わにすることはない。
ただし、相容れない存在や親しい者を侮辱する相手に対しては一転、穏やかな表情と語気のまま激しい怒りを見せる

一方で規律にはとかく厳しい一面も持つ。
鬼殺隊本部での炭治郎禰豆子の処分に関する会議で他の柱たちと共に初登場した際、を連れているという重大な隊律違反を犯した炭治郎を「鬼もろとも斬首する!」と最初に言い出したのは杏寿郎だった。
何故なら彼は人命を深く重んじているから。「殺された人間は戻らない」「人を喰らわない鬼など有り得ない」という事実を元にお館様の提案する兄妹の容認に反対していたのだ。
だが、禰豆子が人を襲わないことが証明されると一転、炭治郎の決意の言葉を心の中で称賛しており、良くも悪くも真っ直ぐな思考をしている。
遺恨や禍根を残さないさっぱりとした性格でもあり、後に炭治郎らと再会した際には彼らを継子として鍛えようとする面倒見の良さを見せ、加えて後述の活躍により、読者からは「煉獄の兄貴」と親しまれるようになった。
鬼殺隊の中でも特に模範的な人格者であり、他の柱からの好感度も高い様子。

何より、誰もが老い衰え、そして死んでいく……そんな儚さも含めて人間という存在を愛しており、鬼の脅威からそんな人々を守るために日輪刀を振るうことに強い誇りを持つ。
この価値観の根幹にあるのは、亡き母の遺した「強く生まれた者は弱者を助ける責務がある」という言葉で、この一言は幼少期から杏寿郎の心の支えであり続けてきた。


◆戦闘能力

罪なき人に牙を剥こうものならば この煉獄の赫き炎刀が お前を骨まで焼き尽くす!!

本人の気質や呼吸の性質から正面から鬼を斬滅する正統派の剣士。腕力は柱の中で3位。
鍛え抜かれた心身から繰り出される凄まじい剣術の威力は、数トンはあるだろう列車の横転の衝撃を打ち消すほど。
「幾多の柱を葬ってきた」と豪語する猗窩座からも「至高の領域に近い」と称賛されており、同じ柱からも一目置かれるなどその実力は柱でも上位だった模様。

また、そのリーダーシップと判断力から小隊指揮能力や指導能力も高い。
剣の才や実力があるからといって、即ち前述の能力もまた優れているとは必ずしも言えないわけだが、その点、初めて共闘する隊士にも迅速かつ適切な指示と檄を飛ばすという杏寿郎の優れた手腕は、単純な個人戦闘能力では測れない力である。
更に同門ではない上(初対面の際は一対一で話すどころではなかったので)、ようやく会話らしい会話を交わしたばかりの炭治郎の呼吸の流派を把握し、その場で止血法を指導し成功させる離れ業も見せた。

使用する日輪刀は炎を模した鍔を付けており、赤い刀身に揺らめく炎のような刃紋が浮かぶもの。
なお、鍔は後に千寿郎から炭治郎に託され、彼の日輪刀に装着された。


◆流派

炎の呼吸は「全集中の呼吸」における基本の五呼吸の一つで、刀身は赤色に染まる。
全体的に足場をしっかり踏みしめる技が多いため、伝統的な剣術と併せて下半身に力を入れる強靭な足腰が重要とされる。
ちなみに「炎の呼吸を火の呼吸と呼んではならない」という謂れがあるらしいが、詳細は不明。



◆家族及び血縁者(推定される者も含む)

一族の男子は共通して「○寿郎」という名前を付けられるようだ。

  • 槇寿郎(しんじゅろう)
声:小山力也
父親。
元炎柱で、かつては息子たちにも熱心に剣術の稽古を付けていた。
また、伊黒小芭内が鬼殺隊に入る前、監禁されていた牢から脱走し鬼に追われていた彼を救ったのも槇寿郎である。

しかし、自分の無能に打ちのめされた時に最愛の妻のが重なったことで、幼い息子たちに背を向けて酒に溺れて、かつての情熱も失い、刀も握らず、人が変わったかのごとく荒みきった怠惰な日々を過ごすようになってしまっていた。
同時に周囲への当たりも強くなり、息子から「柱に列せられた」という報告をされても、背を向けたまま向き直らずに聞いた上に祝福の言葉一つかけていないし、炭治郎が煉獄邸を訪ねた際も彼が鬼殺隊士である事を知った途端に八つ当たりを始める始末。本編開始前を描いたスピンオフでの柱合会議でも、その品行と当時の状況は当然問題視されており、その処遇を巡って議論が交わされるシーンもある。
だが、杏寿郎を侮辱するような態度を取った事で炭治郎を怒らせてしまい、最終的には頭突きを受けて気絶してしまう(炭治郎も頭突きをしてしまったのは衝動的だったとはいえ、この件に関しては流石に反省していた)。

意識を取り戻した後は、杏寿郎が炭治郎に託した自身への遺言を千寿郎から聞かされ、杏寿郎が恨み言一つ吐かず、それどころか自分の体を気遣っていたことを知る。長きにわたって自暴自棄に陥り、子供達にも辛く当たっていたにもかかわらず、それでも杏寿郎が自分の事を大切に思っていたのだとようやく気付き、遅きに失した後悔のを流した。
それからは今までの行いを反省する中で家族を見つめ直し、杏寿郎が独学で柱まで上り詰められたのは瑠火の血が強く受け継がれた影響による心の強さがあったからだと気付き、杏寿郎を誇りに思えるようになる。炭治郎にも直筆の手紙を送り、長らく絶望していた経緯を打ち明けると同時に、初対面での振る舞いの謝罪と、自分と千寿郎が前を向けるきっかけを作ってくれた事への感謝を伝えた。
最終決戦の際には宇髄天元と共に産屋敷一族の身辺警護に当たる。その後は千寿郎に連れられて炭治郎を見舞い、再会した彼に改めて礼を述べた。

酒に溺れてから鬼殺隊を離れるまでの頃は任務中にさえ飲酒するなど不良隊士だったようだが、飲酒した状態でも並の鬼ならいたぶれるほど強かった。

  • 瑠火(るか)
声:豊口めぐみ
母親。故人。
病に臥せていながらも凛々しく気品にあふれた美しい女性。
己の死期を悟ってもそれを敢然と受け入れる態度などから、俗に言う「強い」人間だったことが窺える。
また、彼女が死の前日に杏寿郎に伝えた言葉は、彼のその後の在り方に多大な影響を与えることとなった。

  • 千寿郎(せんじゅろう)
声:榎木淳弥
弟。
父や兄と瓜二つの顔立ちをしているが、どこか気弱な印象を受ける少年。
兄とは違って剣才に恵まれず、由緒正しき煉獄家の生まれでありながらいくら鍛錬を積んでも日輪刀の色が変わらない己を恥じていた。
しかし、兄の言葉と炭治郎の励ましを受け、勇気をもって剣士の道を捨て、自分にできる生き方を選ぶことを決意する。
そして、その考えのもと、ズタズタになった手記をかき集め、修復して判った内容を炭治郎へ伝えるという、地味ながらも立派な貢献を果たした。
炭治郎とは文通による個人的な交流を続けており、手紙に出てくる善逸と伊之助の愉快な話が大好きとのこと。最終決戦の際には自邸の留守を預かり、亡き兄に皆の無事と勝利を祈っていた。

  • 過去の炎柱(仮)
始まりの呼吸の剣士たちの一員で煉獄家の先祖と見られる人物。名前は不明。
厳密には先祖明言されてはいないものの、本編から実に400年ほど前の人物である彼も見事に「煉獄顔」だったため、ほぼ間違いなくそうだと思われる。やっぱり遺伝子強すぎるだろ。
当時の回想が出るたびにその分かりやすすぎる容姿でコマの隅にチラチラ映るため、一部読者の間ではコアな人気を誇る。

歴代炎柱の手記から、槇寿郎同様に日の呼吸の存在により自信を失ってしまったことが示唆されていた。
だが、それは同時に日の呼吸の使い手たる「耳飾りの剣士」と面識があったことも示しており……?

  • 桃寿郎(とうじゅろう)
千寿郎の子孫。最終話に登場し、炭治郎の子孫である炭彦と仲良く登校というか遅刻していた。


ちなみにこの一族、男衆は全員髪色も顔のパーツもそっくり。表情がだいぶ異なるので見分けるのは簡単だが、実質老け具合が違うだけの同じ顔。こんな特徴的すぎる顔立ちがほぼ完璧に受け継がれるとか、煉獄家の遺伝子はどれだけ強いんだろうか……。
また、顔かたちだけでなく髪まで同じ(ほむら)色になる理由は(当然遺伝もあるだろうが)、劇場版の特典『煉獄零巻』によれば、妊娠中の妻に7日おきに大きな火を2時間ほど見続けさせる「観篝(かんかがり)」というしきたりによるものらしい。産婦人科の先生が聞いたら憤死してしまいそうだ。
雷に打たれたり桜餅を食べ過ぎたりと、この作品には外的要因によって地毛の色から変わった者が他にもいるし、日輪刀だって全集中の呼吸の流派に応じて刀身の色が変わることがさも当たり前のことのように示されているので、原理について何の説明も無かったがとにかく作中世界では「そういうもの」なんだろう。色変わりの刀ならぬ色変わりの髪?


◆活躍



「うまい!」
「うまい!」
「うまい!」
「うまい!」

「うまい!」
「うまい!」
「うまい!」
「うまい!」

「うまい!」
「うまい!」
「うまい!」

「あの…すみません れ、煉獄さん?」

「うまい!」

「あ もうそれはすごくわかりました…」



柱合会議の後『無限列車編』にて再登場し、このエピソードの事実上の主役を務める。
炭治郎たちはヒノカミ神楽の呼吸についての情報を求めて杏寿郎の元を訪れる……が、そこには列車内で独り「うまい!」を12回連呼しつつ駅弁を11個も平らげている彼の姿があった*5
しかし、杏寿郎は「ヒノカミ神楽自体初耳だ」と言い、胡蝶しのぶから紹介を受けた最も関連がありそうな「炎の呼吸」の使い手にそんな風に断言されたことで、炭治郎は早々に調査の手がかりを失ってしまった。
なおこの時、杏寿郎は炭治郎のことを一度だけだが何故か「溝口少年」と呼び間違えている。

さて、杏寿郎が列車に乗っていたのは、短期間の間に40名以上の乗客(及び、送り込んだ数名の隊士)が行方不明になっている事件を調べるためである。
そしてこれにはやはり鬼が絡んでおり、十二鬼月の下弦の壱・魘夢が裏で糸を引いていた。
魘夢の血鬼術により、杏寿郎は炭治郎、善逸伊之助共々まとめて彼の夢に落とされてしまうも、禰豆子というイレギュラーを起点にして夢から目覚めることに成功する。
またこの時に、魘夢は「柱ならば鬼の気配で目を覚ましてしまう危険性がある」として、自らは出向かず手下の人間にトドメを任せたが、杏寿郎の身体は無意識下にもかかわらず本能のみで動き、戦闘不能に陥るまいと抗っていた(ただ同時に、彼は人間を殺すこともできないため両者は膠着状態に)。

目覚めた後は、列車と同化した魘夢を乗客二百人を守りながら倒すべく、自身は八両編成の車両の内後方五両の防衛、及び魘夢の頚の探索を担当。
前方三両の防衛を善逸・禰豆子に任せ、炭治郎と伊之助には三両の状態に注意しつつ鬼の頚を探し打倒するよう指示を出す。
そして、炭治郎が魘夢の頚を落とすまでに彼らは乗客全員を守り切り、夜明けが近い空の下、事件は終わりを迎えるのだった。


しかし……!





老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ 老いるからこそ 死ぬからこそ 堪らなく愛おしく尊いのだ

強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない この少年は弱くない侮辱するな

何度でも言おう 俺と君では価値基準が違う


俺は如何なる理由があろうとも鬼にはならない






そうか

鬼にならないなら 殺す




突如として上弦の参・猗窩座が襲来
杏寿郎は猗窩座からその力量を評価され「自分の誘いに乗って老いず死なない鬼となり“至高の領域”を目指すか、それとも若く強いまま死ぬか」の選択を提示されるも、人間を愛する彼はこの誘いを言うまでもなく一蹴。炎柱と上弦の参、両者は死闘を繰り広げていく。
当初こそほぼ互角の戦いを展開するも、杏寿郎が猗窩座の身体に刻んだ傷は瞬く間に再生してしまうのに対し、彼の攻撃は確実に杏寿郎の身体を破壊していき次第に圧倒されていく。
激闘の中、杏寿郎の左眼は潰れ、肋骨は砕け、内臓は傷つき、それはもう治らず戻らない。なぜならいくら強くとも彼は人間で、猗窩座はほぼ不死身の鬼だからだ。
しかし、杏寿郎は圧倒的劣勢にもかかわらず闘気を練り上げ、最大威力を誇る玖ノ型・煉獄に全てを懸ける。
結果、その渾身の奥義は確かに猗窩座を損傷させるも、自身も鳩尾を貫かれる致命傷を喰らってしまう……!



死ぬ…!!死んでしまうぞ!杏寿郎!

鬼になれ!鬼になると言え!

お前は選ばれし強き者なのだ!!



猗窩座が叫ぶ再三の勧誘と甘言を聞き流しながら、杏寿郎は思い出すことがあった。
少年時代、自邸の一室で、布団から上半身を起こす母に彼は正座で相対していた。傍らには微睡む千寿郎もいる。

「なぜ自分が人より強く生まれたのかわかりますか」

問われて少し考えるも「わかりません」と返した息子に、母は諭す。

「弱き人を助けるためです。
それが、強く生まれた者が果たさなければならない責務なのです」
と――。

だから、杏寿郎はその教えを胸に、致命傷を負ってなお諦めはしないのだ。自分が死ねば、背後にいる後輩たちも乗客たちもみな、目の前の鬼に喰われてしまうだろう。それだけは決してあってはならないことだからだ。
杏寿郎は最期の力を振り絞り猗窩座を拘束、命尽きる前に頚を落とさんと試みるも、差し込んできた夜明けの陽光を恐れた彼は腕を自ら切り離してその場から遁走してしまうのだった。

結果として杏寿郎は間もなく死に、日の下には出られないとはいえ猗窩座は健在。柱と上弦の戦いは結果だけ見れば上弦に軍配が上がったといえる。

……ただ、付け加えるならば。



煉獄さんは負けてない!!誰も死なせなかった!!

戦い抜いた!!守り抜いた!!

お前の負けだ!!煉獄さんの勝ちだ!!



下弦の壱と上弦の参が現れながらも、杏寿郎が守ろうとした者たちは、唯の一人も命を落とすことなく生きながらえていたのだ。

残された僅かな時間を使い、杏寿郎は炭治郎にいくらかの言葉を託す。ヒノカミ神楽の手がかり、父と弟への遺言、そして……。





竈門少年 俺は君の妹を信じる 鬼殺隊の一員として認める


汽車の中であの少女が血を流しながら人間を守るのを見た 命をかけて鬼と戦い人を守る者は誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ



胸を張って生きろ

己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと 心を燃やせ 歯を喰いしばって前を向け

君が足を止めて蹲っても時間の流れは止まってくれない 共に寄り添って悲しんではくれない

俺がここで死ぬことは気にするな 柱ならば後輩の盾となるのは当然だ 柱ならば誰であっても同じことをする 若い芽は摘ませない



竈門少年 猪頭少年 黄色い少年 もっともっと成長しろ そして…

今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ 俺は信じる 君たちを信じる




「斬首する」と言っていた相手を称え、認めたのだ。
こうして三人に伝えるべき言葉を託した後、杏寿郎は視界にある人物の姿を見る。

それは……







(母上…俺はちゃんとやれただろうか やるべきこと 果たすべきことを全うできましたか?)



(立派にできましたよ)






今際の際で再会した母からその言葉を聞いた杏寿郎は、朝日の中柔らかな笑顔を浮かべながら逝った。 *6

かくして鬼殺隊炎柱・煉獄杏寿郎は、黎明に散った。
だがその命潰えども、彼の生き様と熱は、看取った三人の若き鬼殺の剣士たちへと確かに受け継がれたのだ……不滅の、思いとなって。




◆余談

  • 担当編集高野のお気に入りキャラで、彼曰く「煉獄は俳優の小池徹平に似ている(※個人の感想です)」のだそうな。

  • 駅弁*7を11個平らげる程の大食いだが、後に恋柱の甘露寺が彼以上の大食いだったことが判明する。
    • 彼女はファンブックにてかつては煉獄の継子であったことが明かされ、本編でも垣間見せた煉獄の面倒見の良さや指導能力の高さがあらためて示されることとなった。
      また、外的要因によって髪の色が変わった経緯があったり大食いだったり長子であったりと、何かと共通点の多い師弟といえる。
  • 公式の学園パロディである『中高一貫!キメツ学園物語』では、歴史の教師として登場。授業中に生徒を投げ飛ばしたり騎馬戦を始めたりする型破りすぎる指導スタイルを見せるが、生徒たちからの人気は高いらしい。
    • 父は門下生の減った剣術道場師範、母は書道教室の先生、弟は読書好きの中学生として一家全員が登場している。

  • 好物のさつまいもを食べる際には「わっしょいわっしょい」と言うらしい。正直かなりうるさそうだ。
    • 漫画本編ではそうしたシーンが描かれなかったが、2020年10月17日に地上波で放送された再編集版『鬼滅の刃 那田蜘蛛山編』の特別予告(映画宣伝Ver.)では、善逸が持ってきた蒸したてのさつまいもを幸せそうに食べながら披露した。
      「わっしょーい!」「わっしょい!わっしょーい!!」そしてやっぱり騒々しかった。

  • 2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大により映画業界は前例のないほどの苦境に立たされていたが、同年10月より劇場公開となった『無限列車編』は公開後異例のスピードで興行収入の記録を更新した。
    鬼殺隊だけでなく映画業界ひいては日本経済を救ったとして「金柱」「円柱」「経済柱」「200億の男」など様々な呼び名で呼ばれるようになった。
    • 「○○億の男」に関しては興行収入が上がるごとにアップしていき、最終的には「400億の男」になった。

  • 『無限列車編』を映画化する際、弁当を食べながら「うまい!」を連呼する場面の声をどう表現するか、制作スタッフはかなり迷ったようで、
    「ドン!と強く大きな声で」「いやもっと抑えた感じで」「繰り返す中で徐々に上げていく形はどうでしょう」
    とスタッフ間でも意見が割れてなかなかまとまらなかったという。
    声担当の日野氏と共に試行錯誤を繰り返して数日がかりでの収録となったが、同氏は「悔いは残したくなかったので納得いくまで何度もやらせてもらえてよかった」と語っている。

  • 炭治郎を「溝口少年」と呼び間違えた理由は特に明かされていないが、ファンの間では溝口竈門神社というお社が由来ではないかとする説が有力。

  • 同じ『ジャンプ』作品で、中の人や炎に縁があるキャラクターという共通点を持つ『斉木楠雄のΨ難』の灰呂杵志を連想する人もいる。

  • 2023年には、ドイツのテディベアメーカーであるシュタイフ社とのコラボ商品として煉獄杏寿郎テディベアが発売予定。もはや何でもありだな。

項目の編集ができるようだな!感心感心!
追記・修正は神項目への第一歩だからな!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/


+ タグ編集
  • タグ:
  • わっしょいわっしょい
  • 長男
  • 心を燃やせ
  • 兄貴
  • 大食漢
  • 鬼滅の刃
  • 炎柱
  • 濃すぎるキャラクター性
  • 炎の呼吸
  • 煉獄
  • 煉獄杏寿郎
  • 心はどこまでも高く
  • 人格者
  • 涙腺崩壊
  • 日野聡
  • 伊瀬茉莉也
  • ウルトラマンタイタス
  • 無限列車
  • 円柱
  • 熱血漢
  • 金髪
  • 赤髪
  • グラデーションヘア
  • 鬼殺隊
  • 灰呂杵志
  • 200億の男→300億の男→400億の男
  • アニメージュ第43回アニメグランプリ男性キャラクター部門1位
  • うるさい
  • 顔がうるさい
  • 理想の先輩
  • 人格者
  • もっと熱くなれよ
  • 飯テロ
  • その身尽きてもその魂は死なず
  • よもやよもやだ
  • どん兵衛
  • 天ぷらそば
  • 牛鍋弁当
  • 大食い
  • 責務
  • 煉獄さん
  • みんな大好き
  • 漢の中の漢
  • 日本男児
  • 眼力
  • 真の漢
  • 矢崎広
  • 大食漢
  • まさかのテディベア化
  • 黄金の精神
  • スピンオフ主役
  • 500億の男
  • 最後の晩餐弁当
  • 哲学

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月18日 16:05

*1サザエさん』ゆかりの町でもある。

*2 炭治郎にも「どこを見ているんですか!?」と突っ込まれているシーンがある。

*3 「〜」には相手の苗字や外見的特徴を表す言葉が入る。

*4 このシーンはシルエットだけで表現されており、台詞や表情の描写も一切無いので断定はできないが、過去の炎柱(仮)は縁壱を糾弾する他の仲間をなだめているように見える。

*5 TVアニメ版『無限列車編』第一話『炎柱 煉獄杏寿郎』冒頭では、この場面と同じようにある店でかけ蕎麦を何杯も平らげている。その後、無限列車についての報告をした隊士に蕎麦を薦め、店主からも豪快な食べっぷりを褒められておまけされたかき揚げを一口食べてまた「うまい!」と喜んでいた。偶然にも『無限列車編』放送中に日清食品から出た「どん兵衛天ぷらそば」のパッケージにも抜擢。空のどんぶりを背後に「うまい!うまい!うまい!」と平らげる杏寿郎の絵図には笑いを感じずにはいられない。

*6 劇場版及びTV版『無限列車編』では、最期を見届けた杏寿郎の鎹鴉・要が目に涙を浮かべながら、その散りざまを伝令すべく飛んで行く場面が挿入されている。

*7 この時食べていた弁当は映画パンフレットによれば牛鍋弁当だそうで、ufotable cafeやJRとのコラボ企画でもこれを再現したものが販売された。TVアニメ版『無限列車編』第一話ではこれらを買い取った経緯が描かれており、その駅弁屋の店主である老婆・トミも過去に杏寿郎の父・槇寿郎に命を救われたことが明らかになっている。