パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

登録日:2017/06/27 (火) 22:38:14
更新日:2024/04/15 Mon 15:54:58
所要時間:約 10 分で読めます




『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト(Pirates of the Caribbean:Dead Man's Chest)』とは、2006年に公開されたウォルト・ディズニー・ピクチャーズ制作の米映画。
2003年に公開された『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』の続編。
監督のゴア・ヴァービンスキーとプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーをはじめとして主要スタッフが続役している。
なお、CGアニメによるディズニーロゴが登場したのは今作が最初。

前作の好評に応え、シリーズ化が決定した『パイレーツ・オブ・カリビアン』。
それにより、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーは第1作のその後を描いた物語を第2作、3作の二部作で公開することを決定。
撮影も本作と続編である3作目の連続撮影であり、制作費もほぼ倍増、ストーリーとしてもスケールアップした。

本作でも前作同様、帆船の航海や砲撃戦、剣戟は健在だが、前作でも大活躍したジャック・スパロウをはじめとするキャラたちが自らのエゴで戦いに参戦し、
最終的には騙し合い、裏切り合いの策略、出し抜き合戦の泥仕合になっていくことが特徴。

2部作の前編として作られているため非常に中途半端かつ続きが気になる「クリフハンガー」的に終わっている。
見たら必ず次回作『ワールド・エンド』を見たくなるに違いない。






ストーリー


恩人である海賊、ジャック・スパロウを逃がした罪で、結婚式当日にウィル・ターナーとエリザベス・スワンの若き夫婦は逮捕された。
それを差し向けた東インド貿易会社のベケット卿は、「ジャック・スパロウのコンパスを手土産に持ってくれば恩赦をする」とウィルに約束。
ウィルは未だに囚われの身のエリザベスのため、ジャックを探す旅に出る。

果たしてジャックは見つかった―――離れ小島の部族の族長(という名の生贄)として。
命かながら部族から逃げ出したジャックとウィル、それにブラック・パール号の船員たち。
早速コンパスを渡すようにジャックを説得するウィルだったが、その交換条件としてジャックは彼にあるものを盗んでほしいと頼む。
それは、海を流離う幽霊船の船長「デイヴィ・ジョーンズ」が隠しているという「死者の宝箱(デッドマンズ・チェスト)」の鍵だった。

…実はジャックはかつて、ブラック・パール号を手に入れるためにデイヴィ・ジョーンズと契約を交わし、そしてその返済として彼の船で働き続けなければならない時が来ていたのだ。
その契約から逃れるため、彼は宝箱に入っているデイヴィ・ジョーンズの心臓を手に入れようとしている。

やがてフライング・ダッチマン号に潜入したウィルは思いがけない人物と再会する。
さらに、ウィルを助けるため脱獄したエリザベス、そしてジャックと因縁深いあの男もブラック・パール号へと乗り込む。
果たして、「死者の宝箱」は誰の手に渡るのか?その先には、全く予想外の結末が待ち受けていた…。








登場人物


≪主要人物≫
ジャック・スパロウ
演:ジョニー・デップ/吹き替え:平田広明
前作で愛船ブラック・パール号を取り戻した変人海賊。
しかし目的も失いあてもなくコンパスの指す方向へと航海を続けていたが、突然自分を船長にしたデイヴィ・ジョーンズとの契約の返済期限が迫り、それから逃れるためにあらゆる策を講じ始める。
そのために部下を野蛮民族に売り、部族の族長になって生贄にされかけ、昔の恋人を頼み、(一応の)協力者を騙して危険な船に乗り込ませたりとなりふり構わず卑劣な手段を取りまくる。
ウィルとエリザベスのそれぞれの懇願も一笑するといった軽薄さを見せていたが、最終的にはそれに足をすくわれ…?

●ウィル・ターナー
演:オーランド・ブルーム/吹き替え:平川大輔
相変わらず高潔なプライドを持つ海賊の息子。
結婚式当日に逮捕され、その恩赦のためにジャックのコンパスを手に入れるべくジャック捜索の航海に出る。
早速命の危機に遭ってようやく再会できたら、今度は騙されて恐ろしい幽霊船の船員としてひたすら働かされる羽目になる。
だがそこで囚われの身の父ビルと再会。ビルの手引きで宝箱の鍵を手に入れ、船を脱走したウィルは、今度は父を救うために宝箱を我がものとすべく、ジャックと対立する。

●エリザベス・スワン
演:キーラ・ナイトレイ/吹き替え:弓場沙織
お転婆に磨きがかかった総督令嬢。
結婚式を不当な容疑で台無しにされ、未来の夫に無茶な任務を押し付けられたことに憤り、父の手引きで脱獄後ベケット卿に英国国王公認の恩赦状を書かせ、男装してウィルの後を追う。
その後ブラック・パール号の新しい船員として潜り込み、煮え切らない態度のジャックに協力を迫る。
欲しいものを指すコンパスを彼女が持つと、何故かジャックを指し困惑する。
宝箱を奪い合う男たちに辟易していたが、最後の最後で彼女もまた、「海賊」に成長し(あるいは落ちぶれ)た。


≪ブラック・パール号≫
●ジョシャミー・ギブス
演:ケヴィン・R・マクナリー/吹き替え:青森伸
ジャックの優秀な右腕。
心ここにあらずな状態で船員からも見放されかけている船長を心配する。

●ピンテル
演:リー・アレンバーグ/吹き替え:佐々木梅治
●ラゲッティ
演:マッケンジー・グルック/吹き替え:高宮俊介
バルボッサ船長時代のブラック・パール号の船員の、ハゲと義眼の二人組。
前回の騒動で逮捕されていたが、ジャック同様牢獄の犬を利用して脱獄し、小舟で大海原に出ていた。
偶然船員全員が部族に捕らえられ無人のブラック・パール号を発見し、強奪しようとしたところ皆が戻ってきたため成り行きで再び元の船員に戻った。
隙あらば漁夫の利を狙おうとして逆にエリザベスに返り討ちにされるなど、相も変わらずの小悪党ぶり。
ただし、エリザベスもコンビネーションを取りフライング・ダッチマン号の船員たちと大立ち回りを演じたりと意外な活躍も見せている。

●マーティ
演:マーティン・クレッバ
小人症の船員。小さい体でもパワフル。

●コットン
演:デヴィッド・ベイリー
喉を潰され声が出せず、ペットのオウムが代わりに喋る。

●ジャック(サル)
前船長バルボッサの飼い猿。
アステカの金貨を盗んで不死状態のまま、ブラック・パール号に居着いた。隙あらばジャックに悪戯を仕掛ける。

●ジェームズ・ノリントン
演:ジャック・ダヴェンポート/吹き替え:森田順平
前回でジャックを追っていたいけ好かない海軍提督。
ジャック追跡の航海で嵐に遭って部下を全員失い、お尋ね者を取り逃がした責を問われ、海軍をクビになってトルトゥーガの町で落ちぶれていた。
カツラが外れかけてボロボロの身なりは哀愁を漂わせずにはいられない。
トルトゥーガで船員募集していたブラック・パール号に乗船し、ジャックに復讐の機会をうかがいつつもかつての想い人であるエリザベスの前では良く振る舞おうとする。
死者の宝箱を目の前にして、海軍の復帰と地位の回復を図るべく奪還を狙うが…。



≪フライング・ダッチマン号≫
●デイヴィ・ジョーンズ
演:ビル・ナイ/吹き替え:大塚芳忠
幽霊船の船長にして、海で死にかけた水夫を次々と自分の船員として一生を縛り付ける恐るべき「深海の悪霊」。
肉体のほとんどが海の生物との融合体でできており、顎から髭のような触手を生やし、腕が蟹の手となっている。
出会った人間には、自分の死を先延ばしにする代償としてフライング・ダッチマン号で一生を終える「血の契約」を結ばせている。
かつて血の契約を結んだジャックにそのツケを支払わせるため、執拗に彼の命を狙う。
かつては偉大な海の男だったが、一人の女との恋に苦しみ、苦しみを忘れるために自分の心臓を抉り取り、宝箱の中に入れてカリブ海のどこかに隠したという。
ちなみにデイヴィ・ジョーンズの元ネタはかつて船乗りに恐れられていたという悪魔であり、また船が沈没したり船乗りが海で死亡することを「デイヴィ・ジョーンズの監獄(海底)に連れていかれた」といったとか。

●ビル・ターナー
演:ステラン・スカルスガルド/吹き替え:柴田秀勝
かつてジャックの部下だった「靴ひも(ブーツ・ストラップ)のビル」であり、ウィルの父。
バルボッサの手により海に沈められたと思われたが、アステカの金貨の呪いで死ねず海底で永遠の苦しみを味わっていたところをデイヴィ・ジョーンズに拾われ、その契約としてフライング・ダッチマン号での一生を余儀なくされてしまう。
生き別れた息子と思わぬ再会をし、彼を船から逃がすために船長に背いてまで宝箱の鍵の在り処を教えて脱出の手引きをした。
しかし、その代償として自分は二度と船から逃げ出せなくなってしまう。


≪海軍関係者≫
●カトラー・ベケット卿
演:トム・ホランダー/吹き替え:横島亘
大西洋間の貿易を牛耳る東インド貿易会社の幹部。
大英帝国の政権にまで食い込んでおり、実質海軍をも掌握している。
ジャックとは彼がまだ海賊になる前からの知り合いであり、深い恨みと忌避感を抱いている。
会社の勢力拡大を邪魔し、カリブ海を荒らす海賊を目障りに思っており、ゆくゆくは一掃を狙っている。
ウィルとエリザベスをジャック脱走の幇助として逮捕し、ウィルを利用してジャックの持つ特殊なコンパスを目当てに、彼を英国公認の海賊としてスカウトすることを狙う。

●ウェザビー・スワン
演:ジョナサン・プライス/吹き替え:村松康雄
ポート・ロイヤル総督でエリザベスの父。
突然の娘の逮捕に困惑し、娘を守るために彼女の脱獄に力を貸す。そのため、自らも犯罪者となって捕らえられてしまうが…。



≪その他≫
●ティア・ダルマ
演:ナオミ・ハリス/吹き替え:高乃麗
離れ小島に暮らすブードゥー教の女呪術師。ジャックの昔の女の一人だがすでに割り切っているようだ。
デイヴィ・ジョーンズに狙われたジャックが藁をもすがる思いで頼り、彼らにデイヴィ・ジョーンズの秘密と死者の宝箱のヒントを教える。
死者を蘇らせる禁忌の呪術にも詳しいらしい。









用語集

◆フライング・ダッチマン号
難破した船の前に現れると、水夫の間では噂されている幽霊船。
長年海の底に沈んでいたかのようにフジツボや海藻にまみれており、船員もまた、船長のデイヴィ・ジョーンズをはじめとして魚や貝といった海の生物と肉体が融合している。
ブラックパール号が追い風に強いのとは対照的に、向かい風ではブラックパール号以上の速力を誇る。
読んで字の如くの幽霊船にしか見えない外見に反して、現代の潜水艦のように海中と海上を自在に行き来する能力を持ち、大航海時代の常識を覆す海戦を実現出来る。ダッチマンに海戦を挑むのは自殺行為に他ならない。
船員たちは皆デイヴィ・ジョーンズと血の契約を結び、彼の下で働き続けなければならず、最終的には船そのものと融合してしまう。
また、船員は10年に一度しか陸に上がることはできない。

◆死者の宝箱(デッドマンズ・チェスト)
かつてデイヴィ・ジョーンズが自らの恋心を封印するために抉り取った自分の心臓を隠した宝箱。
箱の在り処は隠した本人しかわからなかったが、ジャックのコンパスの力で十字架島に眠っていると発覚。なお、箱を開ける鍵はデイヴィ・ジョーンズの首にぶら下がっている。
心臓は今や悪霊と化したデイヴィ・ジョーンズの唯一の弱点となるため、これを手にした者はフライング・ダッチマン号を思いのままに出来ると言っても過言ではない。

◆ジャックのコンパス
ジャック・スパロウ愛用のコンパス。ティア・ダルマがプレゼントした。
本来指すべき北を指さず、一見壊れているようにしか見えないが、実は所持者の「欲しいもの」のある方角を指す力がある。
欲するものがはっきりしていれば明確に方角を示す反面、持ち主自身欲しいものが定まっていないと、コンパスはまともに方角を指さなくなる。
なお、作中ジャックが手にしたコンパスの針が完全に壊れたような動きをしていたことを理由に、他人に託した。
これは、ジャックにとっての希望である筈のジョーンズの心臓の本質と、その本質故に実は心臓を手に入れたところでジャックにとって何一つ解決にならないことを知っているが故に、ジャック自身が追い詰められて半ば錯乱状態に陥っていたため。
エリザベスが持った時は何故かジャックを指していたが…?

◆クラーケン
デイヴィ・ジョーンズの忠実な僕である海の怪物。
巨大な身体に触手を持ち、無数の牙を持つ口で船を一瞬で沈め船員を丸呑みにする巨大イカ。







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最終更新:2024年04月15日 15:54