源頼光

登録日:2017/06/25 Sun 17:51:00
更新日:2024/03/13 Wed 12:24:16
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(みなもとの)頼光(よりみつ)は平安時代中期の武将。名前を有職読みで『らいこう』とされることも多い。

天暦2年(948年)生~治安元年(1021年)没


【史実】

源満仲の息子、清和源氏の三代目として生まれ、摂津源氏の祖となる。
ちなみに異母弟の源頼信は後の頼朝や義経など河内源氏の開祖。

諸国の国司を歴任した後、昇殿を許され従四位に任ぜられている。
また、父の方針を引き継いで藤原摂関家と密接な関係を築いた。
藤原兼家に馬30頭を贈る、藤原道長の屋敷の改築の際に調度品の一切を負担するなど、莫大な寄付を行っていた。

文武に優れた人物と言われており、弓矢で狐の目を射抜いたと伝えられている他、勅撰和歌集に彼の和歌が三首収録されている。

天下五剣の一振りとして伝えられる【童子切安綱】の他、源氏の宝刀【髭切】【膝丸】の所有者でもあった。


【伝承】

「今昔物語集」や「宇治拾遺物語」など、後世に作られた説話では武人としての側面が強調されている。
それによれば頼光四天王を率いて酒吞童子や土蜘蛛など、多くの妖怪を討伐したという。
また、能などの題材にもなっている。
これは先述の通り、史実から武技に長けている逸話があった事や、名だたる名刀を三振りも所持していた事なども理由の一つであろう。

【関連人物】

藤原家全盛の時代を作った人物。父である兼家の葬儀の際の振る舞いに関心し、側近としてつき従うようになったと言われている。

  • 源頼政
頼光からおよそ100年後の子孫。
近衛天皇に命じられて頼光より伝わる弓【雷上動】を用いて鵺を退治したという説話がある。
命じられた頼政本人は全く自信が無かったらしく、何度も断ったり神頼みしたり、討伐に成功してもまぐれ当たりと主張したそうな。
この時の功績で「獅子王」という刀を下賜された。

  • 頼光四天王
説話において頼光に仕えたと言われる渡辺綱坂田金時卜部季武碓井貞光ら4人の猛者たち。
特に渡辺綱は羅生門で茨木童子の腕を斬り落とす活躍をしている。
それ以降現在でも鬼は渡辺姓を恐れているため、渡辺さん*1は豆まきの必要がないと言う。
また、光源氏のモデルと言われる超イケメン、源融の子孫であり綱もイケメンだったとか。
坂田金時はかの有名な金太郎の後の姿である。
今昔物語集では後者3人が登場して車酔いしたり妖怪に出くわしたりと活躍(?)が書かれているが、何故か四天王筆頭の綱は登場しない。

陰陽師として有名な人物。
家がご近所さんで、頼光も度々相談事をしている。

  • 藤原保昌
血の繋がらない叔父さん。
道長四天王の一角、武人・歌人として著名な人物であるが、妖怪退治の話では大体四天王のオマケ扱い。

  • 独武者
能に登場する、保昌の郎党とも彼自身とも取れる謎の人物。
逃げた土蜘蛛を討ち取ったり、酒呑童子退治にも付いて来る。

  • 酒吞童子
京の都で盗みや人攫い、殺戮を繰り返した大江山の鬼の首魁。
確実に倒す為に頼光は四天王らと山伏に変装し、酒吞らを酔い潰してから皆殺しにした。
その際に酒吞の首を刎ねると、首が飛び上がって「鬼にもいない卑怯者」と罵りながら頭に噛み付いて来たが頼光本人は兜のおかげで助かったという。

  • 土蜘蛛
鬼の顔、虎の胴体、蜘蛛の足を持つ妖怪。
熱病に苦しむ頼光の枕元へ現れて怪しい糸を放つが、反撃に遭い逃走。
頼光等が追いかけた先で正体を現し、激闘の末に倒された。

  • 牛御前
伝承では弟。名前のせいかよく妹と誤解される。
生まれながらに鬼神の如き姿であった事から父である満仲に殺されかけるが、女官に逃がされて山中で育てられる。
その後軍勢を率いて頼光軍と激突し、遂には30mの大きさに変化したと言う。


【フィクションでの扱い】

数々の説話での活躍もあって平安時代を舞台にした作品などに出演する事がある。

ゲッターチームが敵を追跡中に迷い込んだいびつにテクノロジーの進化した平安時代…と思しき世界でにて登場する。
本作では武将として戦う女性という設定。
と言ってもケンイシカワテイストが強いのでおっぱいの付いてるイケメンといった風情だが。
名刀【童子切丸】はゲッタートマホークの欠片から作られており、ゲッター線を帯びている為に鬼に対して強力な力を発揮する。
声は朴璐美

同名の特撮シリーズのアニメ化第2弾に相当する作品。
平安時代の日本を舞台としているが文化・人物ともに厳密な時代考証は避け
結果的に「なんとなく平安っぽいテイストのガロ」どまりの世界観になっている。
主人公、雷吼(らいこう)の正体として登場。
黄金騎士・牙狼(ガロ)の称号を受け継ぐ魔戒騎士の青年だが、黄金騎士の力を欲した藤原道長の圧力に耐えられなかった
父・満仲の決断で騎士の証である剣や産みの母共々家を追い出され下野していたという設定。*2
そのため劇中で当時の武士らしい振る舞いは一切していないし
源頼光がモデルのキャラなのに酒呑童子とは戦うどころか作中に話題自体が出てこないという斜め下のキャラクター。

なお、何の因果か新ゲで頼光の声を担当していた朴璐美も魔戒法師・星明役で出演している。

こっちでも女体化。儚げな雰囲気を漂わせる、妙齢の美女。
Fateでは丑御前(牛御前)と同一人物という設定であり、類稀なる武の才覚と魔力を持つ平安最強の鬼殺し。
普段はちょっぴり泣き虫な、金時主人公に特に愛を注ぐ母性愛に満ち溢れた優しい女性だが、
一度戦闘に入ると、敵、特に鬼に対してはまったく容赦せず殲滅する冷徹な武人となる。
声は戸松遥


のび太が作った新地球の平安時代頃の世界に登場する。
紅葉狩り中に行方不明になった都一の薬師・スネ麻呂の娘の捜索に配下と共に駆り出される。
その途中、昆虫人が化けた巨大な鬼にビビッて逃げたが、その後にスネ麻呂の娘を無事保護したため、
「鬼を退治し、娘を救出した、ということにしておこう」と虚偽の功績を騙った模様。
声は稲葉実。

  • お伽草子
源光という弓の名手として知られる武家・源家の姫が、流行病に倒れた兄・頼光に代わり、男装して「頼光」と偽り、勾玉の奪還の旅に出る。
平安編のOP「漸 - ZEN」は秀逸。全く変わった東京偏は黒歴史。


  • O・TO・GIシリーズ
フロムソフトウェアの無印XBOXの和風アクションRPG『O・TO・GI』及びその続編『O・TO・GI 百鬼討伐絵巻』で主人公を務める。
本作はあくまで平安時代の日本をモチーフとした架空の幻想的な世界が舞台であり、頼光も武将ではなく巫術士という魔法戦士のような職業。
長剣を手に下げた長い黒髪が特徴の長身痩躯の青年であり、目深に被った烏帽子を模した兜に隠れて顔は確認し辛いが素顔は静謐な雰囲気を湛えた白皙の美男子である
非常に寡黙で劇中自分から話す事がないが、ナレーター(CV:花田光)と同一人物であると考えられる。
「死を操り死を作り出す」能力に長けた人物とされ、一切の生命が自然死する事のない作られた永遠である都において、必要とされる分だけの死を齎す
重要な立場ながら、畏怖される存在でもある。

ゲーム内では「ライコウ」表記・呼称しかされない。
不死身かつ穢れている妖鬼を倒し破壊によって穢れを祓うその能力で敵ごとゲーム内の大半のオブジェクトを破壊し浄化していく。
酒呑童子はライバルキャラとして登場する。また『百鬼討伐絵巻』では関連人物の項にある頼光四天王や安倍晴明も味方サイドで登場。




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最終更新:2024年03月13日 12:24

*1 おそらく実態は綱の家系の一族だけだろうが

*2 これに関しては、俗世の戦争に一切干渉できない魔戒騎士という立場に戦争そのものを生業とする武士という階級がまったく合致していないという史実の武士の性質との矛盾を回避するための苦肉の策と思われる。