ファイアーエムブレム(FE)

登録日:2017/06/21 Wed 21:44:51
更新日:2023/09/05 Tue 14:48:48
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このファイアーエムブレムはアカネイア王家の代理として、世界を救う者に与える覇者の証。

これがあれば、あなたにも貴重な財宝が入っている宝箱を開けることができます。

苦しい戦いですが、この世界が再び光をとり戻す日までどうかがんばってください。




出典:ゲームの画像まとめブログ、http://blog.livedoor.jp/evidevi-gazou/archives/25372228.html、16年3月7日、
ファイアーエムブレム 覚醒、インテリジェントシステムズ、任天堂、2012年4月19日、
(C)2012 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS



『ファイアーエムブレム』とは『ファイアーエムブレムシリーズ』に登場する重要アイテム。
基本的にタイトルになるほどの重要さなのだが、名前だけの存在だったり偶に出てこない作品もある等、重要性は作品によってまちまち。


原点となる暗黒竜と光の剣・紋章の謎では人間達から炎の紋章、あるいは覇者の証と呼ばれているアイテム。
アカネイア王家に伝わる家宝であり、アカネイア王家に認められた人物に貸し出される紋章である。
これを持つ者は各地にある宝箱を開け、貴重な財宝を使用することが許されるという、いわば許可証のような存在である。
これはかつて大陸を統一し、今も強い権力を持つアカネイア王家の威光あってのもの。……貰った時はアカネイアは追い込まれているけど。
ようは宝箱を開ける鍵という効果であり、マルスが蛮族王と呼ばれる所以。


一方で、「炎の紋章を掲げて乱世を平定した者は、真に愛される者と結ばれなくなる」という悲しいジンクスが存在している。
これは「アルテミスの定め」と呼ばれ、名前の由来となったアルテミス姫は、アリティアの建国王であるアンリと恋仲になるも、
あくまで平民である彼と結ばれる事を拒む貴族の猛反対を受け、解放軍のリーダーであったカルタス伯と結婚、子を産んだ直後に亡くなったとされている。
アンリは生涯妻を娶らなかった為、アンリ亡き後のアリティアは弟のマルセレスと、その一族によって治められることとなった。
本編においても、アカネイア王女ニーナは敵国グルニアの黒騎士カミュと恋に落ちてしまい、
アカネイアとグルニアの戦の末にカミュは行方不明、ニーナはオレルアン王弟のハーディンと結ばれることとなる。
が、ニーナとハーディンは結婚した後もすれ違いを続け、これがのちに「英雄戦争」と語られるさらなる混迷へと陥ることとなる。


実はこの炎の紋章はいまでこそ形がかなり変わってしまったが、本来は地竜族をドルーアに封じる要である『封印の盾』と呼ばれるものだった。
かつて理性を失った地竜族が人間を襲った時、人間を味方した竜族の王・神竜ナーガが地竜族を封印するために作った盾がファイアーエムブレムなのだ。
ただ盾そのものが力を持っているのではなく、盾にはめ込まれた神竜族の秘宝である光のオーブ、星のオーブ、大地のオーブ、命のオーブ、闇のオーブが強力な力を持つ。
5つ揃って絶大な封印の力となるが、逆に一つでも欠けると封印の力は喪失してしまう。
そのためチェイニーは盾の事を「宝玉をはめ込むための台座」と言っている。
また地竜族の封印が役目なのだが、ようは竜族の力を抑えるという能力のため、幼いがゆえに退化の現象に逆らえないチキは封印の盾の効果で理性を保つ事が出来る。


ではそんなドルーアに地竜を封じておく重要な盾をどうしてマムクートではなく人間のアカネイア王家が持っているのかというと……。
元々『封印の盾』は三種の武器と一緒にラーマン神殿に保管されていた。
しかしある日ラーマン神殿に忍び込んだ盗賊が三種の武器と一緒に盾を盗んでしまった。
その盗賊ははめられていたオーブを売り飛ばして大金を得て、そのお金で傭兵を雇い、三種の武器を持たせて大陸を統一した。
初代アカネイア王になった盗賊は自分に幸運をよんだ盾を王家の紋章にした、それこそがアカネイアの炎の紋章『ファイアーエムブレム』なのだ。
サブタイトルの『紋章の謎』とはこの誕生の経緯を指している。


以上を踏まえて、改めて「アルテミスの定め」に焦点を戻すと、実はアカネイア王家に対する因果応報である、という見方が可能になる。
無事シーダと結ばれることになるマルスがこの限りでないのは、マルセレス以下マルスを含む今のアリティア王家の一族がこの件と一切関係ない為、とも言える。
尤もシーダをロストしてしまえば、マルスも「アルテミスの定め」に屈したことを戦後ニーナから宣告されてしまう訳だが……。
『紋章の謎』において、ボア司祭が亡くなる前に「アカネイア王家は呪われているのかも知れん……」と発言するが、まさにその通りである。
ボア司祭は当然のように「紋章は初代王が神より賜ったもの」として認識していたため、真実を知っている可能性は低いが。


本編ではばらばらに各地にあったオーブをマルスが集め封印の盾を完成し、蘇ろうとしていた数百……数千の地竜族をドルーアに封じ込めた。
ガトーが言うには封印の盾がある限り地竜族は蘇らないとの事。


ちなみに新・紋章では良い子のCERO Aを維持するためか上記の盗まれたという事実以外の初代アカネイア王関連の話が全カットされた。紋章の謎ぉ……。
そのためなんで封印の盾からオーブがはずされ各地に散ったのか、
オーブがなければたんなる盾なのにアカネイア王家の秘宝になり、王家の紋章となったのかさっぱり分からなくなっている。
新・紋章の謎ってそういう意味なの……?
なお、盗まれた事実については『何者かが…』とぼかされている。そこぼかしちゃダメなとこだよ!!


新・紋章の謎では最大HPを除く全てのステータスを+2するという凄まじい効果を持つようになる。
流石神竜族の秘宝だけの事はある……『神聖魔法ナーガ』? 聖戦士の武器? なんのこと?



外伝Echoes

登場しない。
なんとシリーズ二作目にして早くもタイトルのファイアーエムブレムが消えたのだ。
本作にはアンナさんもいないし、いろんな意味で外伝なのである。

Echoesでは勲章(実績)の一つに『炎の紋章』がある。



ヴェルトマー公爵家の家紋が『炎の紋章』と呼ばれている事がEDで判明する。
ヴェルトマー家……というかアルヴィスは物語の根幹に関わる超重要人物ではあるが、敵役である。
そもそも家紋が劇中で意味を持ってくるわけでもなく、とりあえず取ってつけただけという感。



登場しない。
『聖戦』と舞台を同じくしており、本作のエピソードにヴェルトマー家は全然関係ないので、当然である。



ベルン王国の至宝である赤い宝玉。
かつて人竜戦役の時に英雄ハルトムートが魔竜を封じた伝説の竜封じの剣を目覚めさせるもの。
柄に埋め込むことで紋章の力が流れ込み、その封印が解かれる。

本来は封印の神殿と呼ばれるベルンの王族のみが知る秘密の地に安置されていたが、
ベルン王女ギネヴィアの手によって封印の神殿より持ち出され、
後にギネヴィアより最後の神将器を解き放つカギとしてロイに託される。

伝説では炎の紋章とは世界を統べる力を持ち、
すべてを焼き尽くしては新しいものを生み出すと言われている。

また、ベルン王家の正統な後継者の証であるともされているため、
『烈火の剣』においてはファイアーエムブレムを巡るベルン王家の宮廷劇が繰り広げられ、
エリウッドらは王妃ヘレーネの助力を得るためにそこに関与することとなる。


  • 封印の剣
性能:威力:18 命中:95 射程:1~2 必殺率:10 重さ:8 耐久:20
特殊効果:装備中の守備・魔防+5、使うことでHPを回復、マムクート魔竜に特効。
その実態は竜を滅ぼす神将器に対して、魔竜を倒すために生み出されたものであり、
使い手の心で聖剣とも魔剣ともなりうる究極の剣。登場人物も含めて誤解しがちだが、神将器とは別枠。
所有者の意思に応じて炎を吹き出したり使用者の傷を癒すなどその力は万能。
漫画でも使い手の意志が剣に力を与える設定は反映され、
少年のロイが巨人のようなゼフィールを相手につばぜり合いを制した。
ハルトムートは剣のその力を使って魔竜に永き眠りを与えたという。



魔王フォデスを封じた5つの聖石……その中でも魔王の魂を封じたグラド帝国の聖石はとくに強い力を持ち、ファイアーエムブレムと呼ばれている。
皇子リオンはこれを用いてグラドを救おうとしたが…。

『聖戦の系譜』からここまでわりと長い間、ファイアーエムブレムは主人公ではなく敵方の国に伝わるものとしての登場が続いたのであった。
これ以降はまた主人公サイドに戻っていくことになる。



洪水で世界中を沈めたという邪神を封じていたメダリオン。
このメダリオンは蒼い光を放つ事から蒼炎……炎の紋章『ファイアーエムブレム』と呼ばれている。
持ち主の負の気を増幅させる効果があり、正の気が強くない一般人が持つと暴走してしまう危険性がある。

専らメダリオンと呼ばれるので名称的には取ってつけた感の強いファイアーエムブレムだが、
蒼炎では序盤から主人公アイクの妹であるミストの手元にあり、両作の大筋に深く関わってくるため、
ストーリー上の存在感では屈指と言えるファイアーエムブレムである。


覚醒

暗黒竜・紋章のものと同一のファイアーエムブレム……つまり封印の盾そのもの。
マルスの時代から2000年経過したため、本編では『炎の台座』と呼ばれていた。どうも盾の台座という役割と炎の紋章がごちゃ混ぜになったようだ。
マルスの時代から生きているチキは炎の紋章と呼ぶが、炎の台座と認識しているクロムは混乱していた。
またはめ込まれているオーブにもそれぞれ【白炎】、【黒炎】、【緋炎】、【蒼炎】、【碧炎】という名称がついている。

本編の1000年前に初代聖王はファルシオンとファイアーエムブレムの力で邪竜ギムレーを封じたという。
しかしその力を人の手に余ると判断した初代聖王は蒼炎をチキに託し、それ以外のオーブは後に生まれた他の国々へと受け継がれた。
その結果イーリス聖王国には『炎の台座』と『白炎』だけ受け継がれ、完成後の炎の台座は『聖王の証』となった。
炎の台座を使えば「どんな願いも叶う」という伝承がいつしか生まれ、炎の台座を巡り多くの戦争が起きた事もある。

本編における炎の台座の役割は封剣ファルシオンに覚醒の儀を行い神剣へと覚醒させる事。
……それだけ。装備も出来ないのでステータスに変化がある訳でもない。
しかもファルシオンを覚醒させても、神竜ナーガもファルシオンでも完全にギムレーは倒せないという。
クロムがギムレーを封印する場合はともかく、ルフレが止めを刺すルートの場合ファイアーエムブレムの存在意義と、オーブ集めの中盤が……。
まぁ炎の台座が完成していないとナーガが呼び出せず、呼び出せないとギムレーの背中に転移できないため、意味があるにはあるのだが……。

なお前述したとおり炎の台座こと封印の盾は地竜を封印しているため、本編の1000年前にオーブを外したのだから、
クロムの時代の前後に地竜が復活しても可笑しくはないのだが、本編ではその辺にチキも触れていないので詳細は不明である。

ちなみにクロムはマスターロードにクラスチェンジするとファイアーエムブレムを盾として装備している。
が、装備品ではないためギムレーの力を半減するとかはしてくれない。

PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』ではプロローグでカムーズに盗まれるという色々と洒落にならない事態が発生。
奪還には成功したものの、クロムとルキナが時空を越える冒険に出るきっかけを作ることとなった。


if

主人公カムイの専用武器『夜刀神』のこと。
正確に言えば夜刀神に風神弓雷神刀ブリュンヒルデジークフリートの力を得た夜刀神が変化した、
『夜刀神・終夜』のことを指しており、こいつの別名が炎の紋章『ファイアーエムブレム』なのである。

元々太古の時代12体の神祖竜は野心に溢れ縄張り争いに人間を使っていた。
現在では虹の賢者と呼ばれる野心に溢れていた頃の神祖竜が他の竜を殺すべく生み出したのが夜刀神と4つの神器である。
そのため夜刀神には『竜鱗』の効果を軽減する力が秘められている。


  • 夜刀神
性能:威力:8 命中:85 射程:1 必殺率:0 回避:0 必殺回避:0
装備中速さ+1、守備・魔防-1。
世界の救世主となるものだけが装備する事が出来るという。そのためカムイ専用武器。
他の者が触った場合、オフェリア曰く「いやあ……ちょっと触んないでくださいよ」という感じの意思が伝わるらしい。

  • 夜刀神・終夜(ファイアーエムブレム)
性能:威力:16 命中:85 射程:1 必殺率:10 回避:10 必殺回避:10
所持中力・速さ・守備・魔防+4、装備中速さ+1、守備・魔防-1。
他に『竜鱗』の効果を軽減する力を持つ。
ちなみに見た目がチェーンソーに似ており、エリーゼいわく「ちょっと痛そう」



本作におけるファイアーエムブレムは物体ではなく、『ファイアーエムブレム~光の戯曲~』という演劇の一つとして登場。
これはあのファイアーエムブレムのテーマのアレンジ曲であり、この歌曲を以てマルスとアンリの伝説を演じきる事で完成する。
つまり象徴の一つであるシリーズテーマ曲こそがファイアーエムブレム(炎の台座)、というギミックになっている。

なお『ファイアーエムブレム~光の戯曲~』は本来ナーガを降臨させるものらしいが、本編ではチキを神竜に覚醒させた。

余談だが、本作の主人公である蒼井樹は鍵開けというスキルを修得する。
これは鍵のかかった宝箱を開けられるようになるスキルで、もしかしたら初代エムブレムの効果になぞらえたのかもしれない。


無双

アイトリス王家に、覚醒の「炎の台座」と酷似した「炎の盾」が伝わっている。
主人公であるシオンとリアンは王城陥落に際してこの炎の盾を託されるが、
5つのオーブを揃え完全な状態にするためには異界の英雄の力を借りる必要があるという……
というのが本作前半のあらすじとなっている。



同じオールスターでも無双とは異なり、本編ストーリーには第4部までの時点で全く登場していない。
一方でスキルとしては登場している。
いずれも伝承マルス専用スキルであり、つまり紋章の謎仕様のファイアーエムブレムである。

  • 炎の紋章
奥義スキル。伝承マルス専用。
速さの30%をダメージに加算。戦闘後、自分と全味方の攻撃、速さ、守備、魔防+4(その戦闘で自分のHPがになっても効果は発動)

  • 封印の盾
Bスキル。伝承マルス専用。
敵が竜の時、自分は絶対追撃、敵は追撃不可かつ反撃不可。

この他、マスターロードの姿になった総選挙クロムが盾としてファイアーエムブレムを装備している。
しかし同じくイラストでファイアーエムブレムを盾としている伝承マルスは、前述のようにちゃんとスキルに反映されているのに、
総選挙クロムは覚醒同様にスキルに反映されていない。イラストに描かれているだけである。


風花雪月・無双 風花雪月

物語の舞台、フォドラに伝わる紋章のうち主人公エーデルガルトが宿す女神の紋章として『炎の紋章』が登場する。
ただし作中で『ファイアーエムブレム』と呼ばれることはなく、英語版でも『''Crest of Flames''』であり、
『ファイアーエムブレム』という単語とは明らかに区別されている。

伝承によれば女神ソティスが邪神の襲来の際に解放王ネメシスに与えた力だという。
しかしネメシスは力に溺れ神に反逆し、配下のフォドラ十傑と仲間割れしつつ大陸を統一しようとした。
そこで女神が遣わした聖者セイロスによってネメシスは討たれ、炎の紋章の系譜は絶えた……と思われていた。

その正体は盗賊であったネメシスが女神ソティスの眠る聖墓を暴いて得たソティスの血から得た力。
更にはその骨を加工して天帝の剣が、心臓から紋章石が作られた。
ネメシスはその力で女神の眷属を虐殺、その遺体からほかの紋章や現在『英雄の遺産』と呼ばれる武器が作られた。
ネメシス討伐を主導した聖者セイロスは女神の眷属の生き残りであり、ソティスの遺体を奪還するための戦いだったのである。

主人公はソティスの紋章石を体内に埋め込まれて生まれた。エーデルガルトは非道な人体実験の末に宿している。
エーデルガルトの方は実験を行った闇に蠢く者たちがネメシスを封印して保管していたため、おそらくネメシスから紋章の力を移植されたものと思われる。


  • 炎の紋章
20%の確率で与えたダメージの30%回復、6%の確率で威力上昇・敵の反撃不可。
無双では強攻撃の命中時、最大30%の確率で自身のHP回復。
これに限らず紋章効果はどれもランダム発動であまり当てにはできないので、いいところで出たらラッキーくらいの扱いになりがちである。



この世界においては、歴代作品の英雄を「紋章士(エムブレム)」と呼んでいる。*1
紋章士はそれぞれ『始まりの紋章士』『聖戦の紋章士』などの二つ名を持っている。

『烈火の紋章士』リンや『蒼炎の紋章士』アイクをはじめ、ライナロックや封印の剣といった火属性の武器を操るセリカやロイ、
星炎(かがや)け」や「燃起(もえあ)がれ」といった呪文で顕現されるマルスやルキナなど、『ファイアーエムブレム』っぽい存在はたくさん登場するが……?



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最終更新:2023年09月05日 14:48

*1 漢字の通り「もんしょうし」とも読む。