パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち

登録日:2017/06/20 Tue 22:31:26
更新日:2024/01/09 Tue 16:47:19
所要時間:約 7 分で読めます





『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち(Pirates of the Caribbean:The Curse of the Black Pearl)』は2003年に製作された、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ制作の米映画。
ウォルト・ディズニーが最後に製作に携わったディズニーランドのアトラクション『カリブの海賊』の実写化作品である。
監督は『ザ・リング』のゴア・ヴァービンスキーで、プロデューサーは『トップガン』『アルマゲドン』のジェリー・ブラッカイマー。


アトラクションの映画化ではあるものの、『カリブの海賊』のストーリー自体とはほとんど関係ないオリジナルストーリーで展開。
帆船の砲撃戦、剣戟、宝探しに逃亡劇など、80年代の活劇アクションのエッセンスを詰め込んだ王道エンターテインメントとして完成されている。

そして、主人公ジャック・スパロウを演じたのはティム・バートン監督作品でお馴染みのジョニー・デップ。
今作でのコミカルで掴みどころのない、三枚目だがどこか可愛げのある役柄はまさにハマり役となり、女性を中心に多くの観客の心を掴んだ。
そのため、『カリブの海賊』以上にジャックのキャラクターが有名となり、アトラクションにも隠しキャラクターとして逆輸入されるという事態にまで発展する。




ストーリー

時は17世紀、カリブ海の港町をイギリスが統治する中で、海や港を荒らして回る海賊たちが横行していた時代。
海軍総督の娘エリザベスは、父に連れられ船で赴任先へと向かう途中、難破していた船の生存者の少年を救う。
その少年ウィルの首には、海賊の印と思われる一枚のメダルがぶら下がっていた。

それから8年、美しい淑女に成長したエリザベスは次期提督の婚約を受けたが、自由を愛し海賊に憧れる彼女は受け入れることができない。
一方、スワン家お得意の鍛冶屋になったウィルは、エリザベスに恋焦がれていたものの身分の差から想いを告げられずにいた。
そんな中、ポート・ロイヤルにおんぼろの船に乗った風変わりな男が現れる。
その男、ジャック・スパロウは人を食った態度で様々な悪事を働くことで恐れられている悪名高き海賊だった。
彼は船を盗むために海に落ちたエリザベスを助けた直後に人質に取ったが、ウィルの働きによって敢え無く逮捕される。

しかしその夜、エリザベスが持っていたメダルが海に浸かったことを機に、悪名高き海賊船『ブラック・パール号』がポート・ロイヤルを強襲。
船長バルボッサはメダルの持ち主であるエリザベスを誘拐し、事態を知ったウィルは獄中のジャックを逃がし、彼に協力を依頼する。

実はブラック・パール号はかつてジャックの船だったが、バルボッサの造反に遭い船を奪われていた。
そして彼らは、呪われたアステカの金貨を盗んだことで不死の呪いをかけられている。その呪いを解くために「ある人物」の血が必要だったのだ。

果たして、様々な思惑を抱えた海賊たちの戦いの行方は?最後に笑うのは誰だ?



登場人物


≪主要人物≫
ジャック・スパロウ
演:ジョニー・デップ/吹き替え:平田広明
船を持たず適当に奪っては港から港へと転々とする流浪の海賊。
陽気で不真面目、一見するとただのバカだが、悪知恵が回り口が達者で周囲をハメてちゃっかり漁夫の利を得る狡猾さを持つ、掴みどころのない人物。
船泥棒や窃盗、女たらしなど周囲に敵を作りまくり、海軍からも恐れられている伝説の男である。
かつてはブラック・パール号の若き船長だったが、当時の航海士バルボッサの造反によって無人島に置き去りにされ船を奪われ、(地下壕で酒を飲みながら、悠々自適に暮らしていたものの)バルボッサへの復讐の機会をうかがっていた。*1
偶然のウィルとエリザベスの出会いとアステカの金貨への物欲が、図らずもバルボッサと彼を引き合わせることとなる。

●ウィル・ターナー
演:オーランド・ブルーム/吹き替え:平川大輔
スワン家お付きの鍛冶屋の青年。
少年時代、父の消息を追うために使用人として乗っていた貿易船を襲われ難破していたところエリザベスに助けられ、以来彼女に恩義を感じ恋心を抱く。
剣を扱う者として騎士としての精神が強く、海賊を野蛮と嫌っており、当初はジャックに対していい感情を抱いていなかった。
実はかつてのブラック・パール号の船員「靴紐(ブーツ・ストラップ)のビル・ターナー」の息子であり、金貨の呪いを解く血を受け継ぐ者の正体だった。
破天荒なジャックに振り回されながら何度も裏切られるも、最後には…?

●エリザベス・スワン
演:キーラ・ナイトレイ/吹き替え:弓場沙織
ポート・ロイヤルを統治する総督の娘。
温室育ちの生粋のお嬢様だが、本人は窮屈な貴族暮らしに退屈し、自由で気ままな海賊の生き方に憧れている。
幼い頃海で助けたウィルとは身分差を気にすることない付き合いで、彼が持っていた海賊のメダルを宝物にしていた。
ブラック・パール号の船員がターナーの子孫を探していると知り、ウィルを庇って自分がターナーの娘だと名乗り人質となる。
ジャックやバルボッサといった姑息な海賊の実態を目の当たりにして憤りを見せていたが、次第に自分もアグレッシブに、より海賊らしくなっていき…?

●ヘクター・バルボッサ
演:ジェフリー・ラッシュ/吹き替え:壌晴彦
ブラック・パール号の現船長。
人前では思慮深い紳士的な態度を取るが、部下への扱いも荒く略奪、破壊が生きがいで悪知恵も働く、典型的な悪の海賊。
しかし茶目っ気も忘れないのでジャックと同等にファンの人気も高かったりする。
船長であるジャックから船を奪い取ってアステカの金貨の強奪にも成功したが、金貨の呪いで生ける屍と化し呪いを解くため、かつての船員であるビル・タナーの子孫を血眼になって探している。
好物はリンゴとカスピ海産のキャビア。元の身体に戻ったらリンゴを腹一杯食べるのが目標。


≪インターセプター号の船員≫
●ジョシャミー・ギブス
演:ケヴィン・R・マクナリー
元海軍の海賊で、ジャックの部下。
船を失って以来飲んだくれていたが、ジャックの到達とブラック・パール号奪還の計画と共に彼に強引に仲間に入れられる。


●アナマリア
演:ゾーイ・サルダナ/吹き替え:湯屋敦子
航海士の女海賊。
元は船の船長だったが、ジャックに船を奪われた挙句ボロボロにさせられ沈没されてしまい、その償いをさせるつもりで彼の下に降った。



≪ブラック・パール号の船員≫
●ピンテル
演:リー・アレンバーグ/吹き替え:佐々木梅治
●ラゲッティ
演:マッケンジー・グルック/吹き替え:高宮俊介
下っ端の小悪党凸凹コンビ。
ハゲのメタボおっさんのピンテルと、ひょろ長体型で左目に義眼を入れているラゲッティの二人組。
しょっちゅうドジをやらかしては船長にどやされるギャグメーカーである。

●ジャック(サル)
バルボッサの飼い猿。
主人に忠実で手癖が悪く、スリの天才である一人前の海賊。



≪海軍≫
●ジェームズ・ノリントン
演:ジャック・ダウェンポート/吹き替え:森田順平
海軍提督で、スワン総督の部下。
プライドが高く海賊を見下している鼻持ちならない性格の典型的な英国貴族。
昇進狙いも込めて総督の娘であるエリザベスに求婚しているが悉くあしらわられ、さらに低い身分でありながら距離の近いウィルを毛嫌いしている。
悪名高いジャック・スパロウの来訪により、彼を逮捕してさらなる昇進を狙うも脱獄された挙句エリザベスを攫われ、二人の捜索に執心することになる。

●ウェザビー・スワン
演:ジョナサン・プライス/吹き替え:村松康雄
ポート・ロイヤルを統治する総督で、エリザベスの父。押しが弱く日和見な性格。
娘を一人前の淑女として蝶よ花よと溺愛しており、腹心の部下ノリントンとの婚約にも賛成している。





用語集

◆ブラック・パール号
黒い海賊旗がトレードマークの、年代物の海賊船。
かつてはジャック・スパロウが船長だったが、当時の航海士のバルボッサの造反により船長ジャックが無人島に置き去りにされ、そのままバルボッサに乗っ取られる。
しかし、呪われたアステカの金貨を盗んでしまい、船員全員が生ける死者と化してしまう。
なお、普段は普通の人間の姿をしているが月光に照らされると真の姿であるゾンビの姿となる。
かつてはウィルの父、ビル・ターナーも乗船していたのだが、ジャックの置き去りでバルボッサに反抗したため海に沈められていた。

◆インターセプター号
海軍所有の高速帆船。
ジャックとウィルが強奪し、以後ジャックの臨時愛船となる。

◆アステカの金貨
スペインの征服者コルテスがアステカ人から虐殺の上騙し取った大量の金貨。
実はアステカ人の呪術師により盗んだ者を生ける死者へと変える呪いがかけられている。
呪いにかかると死ねなくなるばかりか、美味しい料理を食べても空腹が満たされず、いくら酒を飲んでも酔えず、
どんなに美しい女を抱いても、何も感じなくなってしまう。
呪いを解くには、盗んだ人間全員分の少量の血を染めた金貨を元の宝箱に返さなければならない。








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最終更新:2024年01月09日 16:47

*1 バルボッサによって無人島に置き去りにされた際には、自殺用に一発の銃弾しか入っていない、銃を渡された。その一発の弾丸を、バルボッサの為に取っている。