トバイアス・グレグソン(大逆転裁判)

登録日:2017/06/19 (月) 17:38:44
更新日:2023/11/24 Fri 00:43:16
所要時間:約 10 分で読めます






《倫敦警視庁》の
トバイアス・グレグソン刑事だ。



トバイアス・グレグソンとは、アーサー・コナン・ドイルの推理小説シャーロック・ホームズシリーズ』の登場人物の一人だが、
当項目ではそちらをモデルにした大逆転裁判シリーズ』の登場人物であるトバイアス・グレグソンについて解説する。



■概要

逆転裁判シリーズ』のイトノコ刑事宝月茜と同じ、所謂本作における刑事キャラ。
倫敦警視庁(スコットランドヤード)の刑事で、殺人などの凶悪事件を担当している。初登場時の年齢は44歳。
共にくたびれた色の帽子とコートという典型的な刑事の出で立ちをした人物で、立派な口髭を生やしている。ちなみに帽子に挟まれているのは捜査手帳。
フィッシュ&チップスが大好物で、事件現場や法廷にも当然のように持ち込んで事あるごとに食べている。
ついでにイライラしている時は食べるスピードが早くなる。確か過去作にもそんな刑事がいたような‥‥
日課は毎夜、所持している懐中時計のネジを回すこと。
専用曲は「大探偵の強敵たち」。

厳格かつ真面目な人物で、ハート・ヴォルテックス首席判事からの信頼は厚い。
無駄な事を嫌い捜査は冷静に行うが、その反面やや怒りっぽいところもある。
成歩堂龍ノ介と初めて会った時も「英国紳士が誰でも天気の話に食いつくと思うな!」と怒鳴っていた。ただし紳士らしく淑女には弱い様子。
彼の勤める倫敦警視庁は世界で最も優秀な首都警察組織であるため、自分が倫敦警視庁の刑事であることに誇りを持って職務に当たっている。
その分、シャーロック・ホームズが手柄を挙げる度に、倫敦警視庁は世間から「大したことない」とバカにされてしまうため、
ホームズの事は「犯罪者にとっても警視庁にとっても恐ろしい危険物」と称して毛嫌いしている。

そんな彼だが、アイリス・ワトソンがランドストマガジンで連載している通俗小説「シャーロック・ホームズの冒険」には実名で登場している。
ホームズを恨む一方でその事は自慢となっており、最初の頃は正直いい気分になっていたそうだが、ある時期から「周囲に出演を妬まれているのではないか?」と思うようになる。
最近では、近くで何かひそひそ話をされる度に自分の事を噂されているような気になってしまうらしいが、
それを聞いた龍ノ介には「いきなり有名になるとこうなってしまうものなのか」とやや冷ややかな目線を向けられていた。
ちなみに、小説内ではホームズに「ヤツは警視庁のヘボ刑事の中でもマシな部類さ」と評価(?)されている。大抵は名前が出る度に罵られるだけの役回りのようだが。
しかし、小説のホームズからの評価に応じて実際に周囲からの評価も変化するようで、高評価を得たその次の月に給料が2倍に跳ね上がった事もあるという。
加えて、小説に自分が登場する度にアイリスからは“出演料”を受け取っており、警視庁内に自分の愛好者倶楽部が出来たりするなど、評判以外にも良い思いはしている様子。
そういった事情もあって、今ではすっかりアイリスに頭が上がらなくなっており、会う度に「お嬢様」と呼んで丁寧に接している。
そしてランドストマガジンの発売日には、どのような評価をされているか確認するために震える指でページをめくっているらしい。

本作の検事キャラであるバロック・バンジークスとは彼が正式に検事になる前からの付き合いらしく、人生の先輩として幾つもの教えを授けているとか。
しかし、相手が貴族という立場にあることと、今や中央刑事裁判所が誇る最も優秀にして高名な"死神検事"になったことで、現在は常に敬語で接するなど立場は逆転している。
それでも彼のことは年下だろうと非常に尊敬しているらしく、オフィスにはバンジークス家と共に取った写真が今でも大切に飾られている。

作中で描写される各所からの評価を気にする中間管理職っぷりからは分かりにくいが、実は刑事としては非常に優秀な人物。
過去には、10年前の事件解決の糸口として被害者の司法解剖を提案、貴族院を説得してそれを実現させたという逸話がある。
当時は死体を解剖することは死者に対する冒涜だとして忌むべき行為とされていたのだが、見事これにより重要な手掛かりを発見、事件を解決へと導いた。
その事件は当時の倫敦を震撼させていたものだっただけにグレグソンの功績も大きく、またこれにより世間に司法解剖の重要性を知らしめたことから、
倫敦警視庁内では「伝説の刑事」として知られ、今でも多くの者から尊敬を集めている。



■作中での活躍

※ネタバレ注意
  • 『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』
第3話「疾走する密室の冒險」で初登場。
といっても、エピローグに流れたアニメーションに少し登場しただけであり、事件現場の乗合馬車が何者かに放火され、その消火活動を行っていた。

本格的に登場したのは第4話「我輩と霧の夜の冒險」からで、婦人刺傷事件の捜査担当者として龍ノ介の前に現れる。
ヴォルテックスの命令で被告人の弁護をする事となった龍ノ介に、捜査情報を渋々提供した。
その後は裁判の証人としても出廷し、被告人を逮捕した理由等を証言していた。

第5話「語られない物語の冒險」で登場した時は、ヴォルテックスから極秘任務を与えられ、コゼニー・メグンダルが絡んだ犯罪の証拠を集めていた。
その最中にホームズの下宿先近くにある質屋に出動する事となり、そこでメグンダルの遺品を発見したため、警察の権限を盾にそれを押収しようとする。
ちなみにメグンダルの遺品は、黒っぽいコートと自鳴琴の円盤の2点があったが、持っていこうとした際にジーナ・レストレードが睨んできたので、
簡単にポケットの中身を確認してからコートのほうだけを彼女に手渡していた。


※以下、さらなるネタバレにつき注意。















実はジーナから没収した円盤には、法務省から盗み出された極秘通信の情報がモールス信号として刻みつけられていた。
その情報はメグンダルが外国に売ろうとしていたもので、3話の裁判の終了後にメグンダルが死亡したことを受けて、彼の遺品を回収してまわっていた。
なお、情報が刻まれた円盤はもう1枚存在し、その1枚はジーナの裁判に出廷することとなったとある証人が隠し持っていた。
何としても円盤を回収する必要があったグレグソンは、審理中にその証人に取引を持ちかけられると、違法と分かっていながらもそれを了承。
事件現場の情報を持っていなかった証人に捜査情報を横流しし、その引き換えとして円盤を秘密裏に受け取る。
さらにその後は別の証人に掴みかかるふりをして円盤をその証人のポケットに隠し、裁判中に証拠として提出されるのを防ごうとした。
が、グレグソンの行動の違和感*1に気づいた龍ノ介にそれを指摘され、円盤の中の極秘情報の存在を明らかにされそうになるも、
任務の遂行を優先し、陪審員に向けては詳細を語らぬまま「自分は誇り高き大英帝国のために行動している」と宣言した。

結局は、彼が隠そうとした事実を含めて事件の全てが明らかにされ、真犯人であった証人と違法な取引をした事実も認めることとなった。
しかし全て覚悟の上での行動であり、裁判長に「そなた自身も罪に問われる事になる」と言われても、如何なる処分も受ける姿勢を見せていた。

ちなみに、彼が必死で守ろうとしていた極秘通信には「T・グレグソン」という彼らしき人物の名前が入っていたことがプロローグで判明するが、
果たしてこれが意味するものとは一体‥‥?

DLCでは、ヴォルテックスの膨大な蔵書から目当ての本を探せなかった事で一ヵ月給料がカットされて呆然としたり、
ヴォルテックスの飼ってたインコの世話をしていた時に不注意で瀕死にさせて慌てたりと、本編では見られなかったコミカルな一面を多く見せてくれる。
後にそのインコが元気になり、ヴォルテックスの鳩達と仲良くなれると、その事に大層喜んでいた。



  • 『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』
続編である「大逆転裁判2」にも勿論登場。相変わらずフィッシュ&チップスを頬張っている。
第2話「吾輩と霧の夜の回想」より登場。前作よりは態度が軟化し、日本人の弁護士相手でも「受けた借りは必ず返す」という姿勢を徹底している。
第3話「未来科学と亡霊の帰還」では前作5話の一件からしばらくの間謹慎を命じられていたことが判明するがそれも解除され、新たにジーナを部下として捜査を行っている。
ジーナの刑事らしからぬ行動を叱ることも多々あるが、何だかんだで面倒見は良いようで、自分を”ボス”と呼ぶ彼女のことを心配している。
彼女を部下にしたのはホームズに何やら弱みを握られて仕方なくのことらしいが、同時に「死神の呪いから守るため」という思惑もあるとのこと。

また、この3話で巴里(パリ)警察への異動を予定していることを語る。その際はジーナも連れていくつもりらしい。
これは、死神の裁判に被告人として二度出廷したにもかかわらず、その後日本に帰国したことで今なお生きている夏目漱石の存在から、
「死神の呪いは外国までは及ばない」と確信したため、彼女を守るべく決断したとのこと。
今作ではこうした部下思いな一面や、彼を尊敬する警察官が多く存在することなども描写され、人望のある人物という印象が強くなっている。







のだが…………











ぼ‥‥ボスが‥‥


ボスが‥‥‥‥死んじゃったの。



続く第4話「ねじれた男と最後の挨拶」。そこで彼は何者かに射殺されてしまった
サブキャラとして定着しつつあった彼が、4話という不意のタイミングで退場するこの衝撃的な展開に、多くのプレイヤーが度肝を抜かれた。*2
彼の訃報を知らせたジーナも怒りと哀しみで満ちていたことから、何だかんだで彼女も見かけ以上に彼の事を慕っていたことが窺える。
また、グレグソンの死について聞いたホームズもこれまでにないほど動揺を見せるなど、彼の死は作中でも多くの人物に衝撃を与えた。

しかもこの事件で逮捕・起訴されたのは、よりにもよって彼が信頼を寄せていたバロック・バンジークス検事。
彼の仇を討つため、バロックの無実を立証するため、そして全ての真実を明らかにするために、龍ノ介たちは調査に乗り出す。
しかし、そこには予想だにしない真実が待ち受けていた……。






グレグソン「いいか!アニヲタめ!
      よーく!覚えておけッ!

      wiki篭りが誰でも、追記・修正に
      シッポを振って食いつくと思うなッ!」


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最終更新:2023年11月24日 00:43

*1 円盤の隠蔽の方は「なんか急に怒り出したな」くらいだが、取引の方は証言台の後方でガッツリ顔を寄せ合って打ち合わせている。

*2 逆転裁判シリーズにおいて、所謂「刑事キャラ」が死亡するのは今回が初。異動の件やジーナへの態度からフラグめいたものこそ立ってはいたが…。

*3 ただし証拠が隠滅されていた1〜4件目の犯行における犯人ではなく、実際は5件目の犯行のみの犯人。

*4 ただし作中で直接描写される「死神の呪い」は彼によるものではなく、それを装った別の人物によるもの。