ターミネーター:新起動/ジェニシス

登録日:2017/06/17 (土) 09:37:49
更新日:2023/07/16 Sun 17:37:14
所要時間:約 5 分で読めます





――新たな使命、新たな脅威、そして新たな運命――


未来を取り戻せ。

I've been waiting for you



『ターミネーター:新起動/ジェニシス(TERMINATOR:GENISYS)』は2015年に公開された映画。

●目次

【概要】

知る人ぞ知る名作シリーズ、『ターミネーター』の第5作目にしてリブート作品。

シリーズ最高傑作と名高い『ターミネーター2』以降、
3』、『4』と続編映画が制作されていったものの、2ほどの高い評価を得る事が出来ず、
更には『4』の興行収入が振るわなかったことによる制作会社の倒産などもあり、一時期ターミネーターシリーズはその歩みを止めてしまっていた。

そんな中で公開された本作は『4』から実に6年ぶりの新作となる。
監督は『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』のアラン・テイラー。
初代や『2』のオマージュシーンをふんだんに盛り込んだ上で、多数の新規要素も取り入れており、
シリーズの生みの親であるジェームズ・キャメロン自身も「楽しめること請け合いだ」「最新作は私にとっての3作目」といった好意的なコメントを述べている。

ただ、その筋の批評家からの評価が芳しくなかったり、ストーリーや既存キャラクターを新たに演じたキャスト陣、新設定についても賛否が分かれている。
特に宣伝面では、本来ならばどんでん返しとして扱われるべき核心が予告編などで堂々とネタバレされてしまい、これに関しては多くの批判が殺到した。
この展開が公開まで伏せられていたら、映画に対する見方が多少は違っていたかもしれないという意見は少なくない。

アメリカ国内でも興行収入が低いなど順風満帆というわけでもなかったらしく、一時期は『4』と同じで続編制作がまた立ち消えになったなどと言われていた時期もあった。
現状の制作側のコメントによれば「2016年の撮影が中止になっただけで、再調整のうえで撮影の予定はある」……とのこと。

……ハズだったのだが、最終的に本作から続く続編は中止され、『2』の直接的な続編としてジェームズ・キャメロンが製作総指揮を務める『ターミネーター:ニュー・フェイト』が2019年11月に公開された。
なお、サラ・コナー役のエミリア・クラークは仮に続編が実現したとしても出演を辞退する意向を早い段階で示しており、2018年には本作の製作現場で何らかの大きなトラブルがあった事を示唆するコメントを残している。

『ニュー・フェイト』の製作に当たり、キャメロンは本作への高評価の真意が、長年の友人であるシュワルツェネッガーに対する感謝と気遣いの意味であったと明かし、公開当時のコメントを撤回した。
また、『ニュー・フェイト』の監督であるティム・ミラーもシリーズファンである事を公言しているが、本作に関しては「良い点を見つけられなかった」と率直に話している。



【あらすじ】

スカイネットとの機械戦争が繰り広げられる未来の世界。
タイムスリップによる人類軍リーダー、ジョン・コナー抹殺の企みを知った人類軍。
その阻止の為に過去へと送り込まれることになったカイル・リース。

しかしタイムスリップの最中、カイルは何者かに襲われるジョンの姿や
自分が体験したことの平和な世界の光景、「ジェニシスがスカイネットだ」という謎のメッセージなどを垣間見る。

更に跳躍した1984年の世界で待っていたのは見たことも無い新型ターミネーターT-1000。
自分の存在含めた暗黒の未来のことを既に知っているサラ・コナー。
そして彼女の守護者と名乗る謎のターミネーターであった……



【登場人物】

  • ターミネーター(守護者)(演:アーノルド・シュワルツェネッガー/吹替:玄田哲章
通称ガーディアン。みんな大好きシュワちゃん演じるT-800
サラのことを守るようプログラミングされた上で、幼少期の彼女の下へと送り込まれた。
以来、守護者としてサラを守る傍らで、戦い方や未来の知識を与えていた。
そういった経緯もあってサラには「オジサン」と呼ばれ強く慕われている。
1984年世界における2体の老若シュワちゃんT-800の対決は往年のファンにとっても衝撃的なシーンだったであろう。

シュワルツェネッガーが年齢を重ねた事に合わせてか、今作では骨格を覆う生体組織が時間と共に老化していくという新設定が追加。
サラが人間らしく教育中ということもあり、歴代シリーズと比較しても人間味が増している。
「古いがポンコツではない」というセリフや時間にルーズという欠点も合わさり最早萌えキャラ。


  • カイル・リース(演:ジェイ・コートニー/吹替:細谷佳正
初代からお馴染み、サラを守る未来人でジョンの父親。
ただ、本作では予期せぬ過去と未来の改変もあり当初は何かと振り回されがちな描写が目立っていた。
中盤以降は彼もまた覚悟を決め、改変された未来を救うためにサラや守護者と共に奔走する。
暗黒の未来世界でスカイネット率いるターミネーターの軍勢と戦い続けていたこともあってか、
当初は守護者に対しても敵愾心剥き出しであったが、やがては純粋にサラを守ろうとする彼のことを認めるようになっていく。
別の世界ではブーメラン使いのクズだったりする。


  • サラ・コナー(演:エミリア・クラーク/吹替:藤村歩
こちらもご存知、人類軍の英雄ジョン・コナーの実母。
わけもわからぬまま巻き込まれたただの女子大生だった初代、絶望の未来の回避の為に擦り切れていた『2』とも違い、
少女らしさが多少残りながらも逞しい女戦士へと成長を遂げている。
ただ、時折未来を知ってしまっているが故の使命感に捕らわれてしまっているような言動も垣間見える。
命の恩人である守護者に絶対的な信頼を寄せており、そのことでカイルと意見が対立することも。


  • ジョン・コナー(T-3000)(演:ジェイソン・クラーク/吹替:小山力也
人類軍の英雄。幼少期のカイルの危機を救っており、彼にとっては単なるリーダー以上の存在。
ストーリー序盤、タイムスリップ開始直後に背後から何者かに襲撃されてしまう。
後に意外な場面でカイルとサラの前に姿を現し、感動の再会と母親との対面を果たすも、
スカイネットの策略により、最新型のターミネーターと化していたという最悪の事実が明らかになってしまう。
宣伝面における最大の被害者。


  • オブライエン(演:J・K・シモンズ/吹替:立川三貴)
1984年の世界においてカイルとサラにターミネーターの襲撃から命を救ってもらった新米警官。
2017年の世界では変わり者の年配刑事として有名。2人のことはしっかり覚えていた上に、彼らがタイムトラベラーであるということも見抜いていた。
世界の破滅を止めに来たというサラの言葉も即決で信用し、彼らのサポートに徹するなど
どっかの腕の骨が折れた医者とは真逆のリアクションである。


  • T-800(演:ブレット・アザー ※顔はCGにより若い頃のシュワちゃん/吹替:玄田哲章
守護者ではなくスカイネットが送り込んだサラ抹殺のためのターミネーター。
外見はCG技術によって初代の若シュワちゃんそのものである。そして例によってすっぽんぽん。
初代と同じくチンピラに絡んでいたところ、守護者の襲撃とサラの狙撃によって機能停止するも、後にT-1000の手引きによって再起動。
ホラーそのものだった骨格剥き出しエンドスケルトン姿も披露してファンを唸らせた。


  • T-1000(演:イ・ビョンホン/吹替:阪口周平)
ターミネーター2において猛威を振るった液体金属タイプのターミネーター。
本作では東洋風の警官の外見をしており、存在するはずの無い1984年の時代においてカイルと対決した。
あくまでもストーリーの主軸は2017年の世界とジェニシス関連ということもあり、本作ではあっさり撃退されてしまうものの、
それが幼少期からサラと守護者がガチガチに対策を練った上でのことや、投擲や修復、発信機といった新機能のお披露目もあり、
描写が短いだけで当時からの脅威は変わらず健在である。


人類軍の生き残りを壊滅させ、ジョンを最新型のT-3000へと変貌させた張本人。
そもそもストーリー序盤で破壊したと思われたスカイネットは機械端末の一部に過ぎなかったとのこと。
色んな意味で迂闊で残念すぎた従来シリーズとは違い、時代の改変すらも先読みして準備を整えているなど、
今までと違ってやり口が非常に用意周到である。




当初の『ターミネーター4』と同じく本作もまた三部作構成が予定されていたため、それを見越しての大量の伏線も残されている。
(守護者やT-1000の送り主、T-3000が語った削除された時間軸、エンディング途中に挟まれたアレの存在)

世界中のファンが待ち望んでいたターミネーターサーガの今後の展望にぜひとも期待したいところではあったが…
続編映画でなくとも、構想していたプロットの公表など、何かしらの形で本作の続編が世に出てくることを願いたいところである。




こうして終わった。
スカイネットは消え、人生の選択肢は増えたが、
疑問は残った。
その答えを俺たちは探していく。
だがこれだけは確かだ。

未来は決まっていない。


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最終更新:2023年07月16日 17:37