ヤマトタケル(東宝映画)

登録日:2012/01/21(土) 22:52:40
更新日:2022/03/14 Mon 22:22:24
所要時間:約 5 分で読めます





愛と夢と冒険がいっぱいの英雄伝。
この夏、劇場はRPG体験ゾーン

ヤマトタケル」は1994年7月9日に公開された東宝の特撮映画である。
副題に「超時空SFアドベンチャー」と銘打たれている。


【ストーリー】
遥か昔、大和の国に双子の王子が生まれた。しかし、弟のオウスは祈祷師の月ノ輪の言葉により宮中からは離されて暮らさざるを得なかった。

ある日オウスは不思議な洞窟で三つのを得ての戦士になるという啓示を受ける。
その後母の願いで宮中に入れたオウスだが、母が病死し、誤解から兄に襲われ逆に兄を殺してしまう。

そのことから、オウスは敵対するクマソの国の征伐を命じられる。
そしてオウス、後のヤマトタケルの冒険と戦いが幕を開けるのだった。


【概要】
本作は『ゴジラVSメカゴジラ』でゴジラシリーズが一旦終了することから、代わりの正月の子供向け看板作品を求めて製作が決定した。
が、結局は『ゴジラVSスペースゴジラ』が製作決定したため夏休み作品となった。
そのためスタッフの多くは平成VSシリーズを手がけた者で固められている。

また、設定や物語に関連は無いものの同時期に漫画やアニメでの展開をしており、メディアミックス作品としての一面もある。

本作は比較的珍しい日本神話を取り上げた邦画であり、さらに当時人気の高かったRPGの要素も取り込み、魔法ファンタジーとして作られた。

ワイヤーやVFXを利用したアクションや、川北監督渾身の特撮等見所は多いが興行成績は芳しくなく、第2作では未登場怪獣のバガン、第3作ではゴジラと戦う予定だったが結局続編は製作されずに終わった。


【登場人物】
◆オウス(ヤマトタケル)(演:高嶋政宏)
ヤマトの王子として生まれたが、双子は不吉として宮中を追い出されて成長する。
その後月ノ輪の策略によりクマソ征伐をすることになり、さらに復活した闇の神であるツクヨミを倒す冒険を始める。

不思議な勾玉を持っており、勾玉の力でバリアを張ったり目からビームを出したりする。
子孫は恐らくGフォース


◆オトタチバナ(演:沢口靖子)
オウス一行が道中で出会った女性で、最初は盗まれたを盗んだ犯人と勘違いした。
武芸も魔法もいける結構万能な戦士。

オウスとは運命で結ばれており、本作のヒロインである。
遠い子孫はG細胞を使った動物でも植物でもない別の生き物に関わるかも…

◆月ノ輪(演:麿赤児)
ヤマタノオロチの牙から生まれた祈祷師で、オウスを追放する予言をする等暗躍していく。
きっと1993年の平和を守る人とは無関係

◆クマソタケル(演:藤岡弘、)
クマソの王で、ハーレムを作っていた。オウスとの戦いでオウスにヤマトタケルと名付けた。
偶然、ショッカーに改造されたバッタ怪人にそっくり。


◆青龍(演:石橋雅史)
オウスに武術を教えた老法師で、オウスの旅に同行し旅をサポートする。
杖から出す光のロープが得意技の模様。

◆玄武(演:ベンガル)
青龍と共にオウスに武芸を教え、旅をサポートする。
槍を使って戦う。

◆スサノオ(演:目黒祐樹)
かつてツクヨミを封じ込めた戦の神。オウスはスサノオの魂を継いでおり、オウスに啓示を与える。
死にかけたオウスの前に黄泉の国の王・牛頭大王として現れ試練を与えた。

初代実写版某怪盗とは関係ない。またリアルではこの後がCREW GUYSに入ることになる。

◆ツクヨミ(演:阿部寛)
闇の神であり、ヤマタノオロチに変身する。本作のラスボスである。

初登場シーンでは岩で大事なとこを隠した誰得ヌードだった。
危機管理情報局の局長とは多分関係ない。


【怪獣・神等】
◆クマソガミ
クマソの守り神として扱われ、生け贄に若い娘が捧げられていた。
見た目は固まったマグマの巨人といった風であり、サイズも4mと東宝怪獣としては一風変わった存在。

自分の手を弓矢大剣に変化させて戦う。

ちなみに『ゴジラアイランド』ではこのクマソガミのソフビを茶色に塗り替えたドロリンという怪獣が登場しており、ゴジラガイガンと戦った。


◆カイシン
月ノ輪の術で誕生した邪悪な海の神。
海を渡って伊勢へ向かおうとしたヤマトタケルとオトタチバナを襲った。

嵐を起こし、触手に引きずり込んで相手を殺そうとする。オトタチバナが我が身を犠牲にして消滅させた。

◆ヤマタノオロチ
ツクヨミが変身した邪悪な竜。原典の神話にならって頭が8つあり、本作の怪獣でもっとも巨大である。
天変地異を巻き起こし、火炎や光線が武器。ヤマトタケルやウツノイクサガミと激闘を繰り広げる。

日本神話由来の怪獣なのに頭部のモチーフが西洋風となっており、ファンタジーを強く意識した容姿となっている。


製作された造形物は東宝特撮でも最大級であり、10m近い大きさだったとか。
資料によれば製作費3000万、製作期間3ヶ月をかけ作られた。
さらに一分の一スケールの頭部も作られアクションシーンや宣伝に使われた。

◆アマノシラトリ
アマテラス大神の遣いであり、見た目は神々しいエアームド
オウスやオトタチバナの窮地に度々現れ救っていた。

最終決戦ではその背にヤマトタケルとオトタチバナを乗せてヤマタノオロチと戦う。

◆ウツノイクサガミ
ヤマトタケルとオトタチバナが融合して生まれた全身鎧の光の巨人。
漢字表記は魔空戦神……ならぬ『宇宙戦神』。
サイズはヤマタノオロチより小さいが、圧倒的な力でヤマタノオロチを倒した。

東宝特撮映画での巨大ヒーローはジェットジャガー以来である。
また、超星艦隊セイザーXの雷神ゴードのモデルともされている。


【余談】
ED曲「RAIN」はGLAYのメジャーデビュー曲だったりする(実はさらに「JULIA」という原曲が存在しており、「RAIN」は「JURIA」をYOSHIKIが別途作詞、一部作曲したもの)。
「RAIN」はアニメ版の前期EDにも使われていた(アニメ版前期OP「真夏の扉」はGLAYの2ndシングル)が、後に発売したTVシリーズのVHS/LD版には後期の曲が収録され、前期の曲は無かったことにされた。



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最終更新:2022年03月14日 22:22