登録日:2012/02/21 Tue 17:50:19
更新日:2023/02/26 Sun 20:12:26
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怪異とは『
化物語』シリーズに登場する妖怪や神にあたるものである。
都市伝説・信仰・噂などによって生まれる存在。そのため人間がいなければ存在が希薄になる。また、近くにいる人間の影響を受けて存在に変化が生じる。
怪異として実体があるもの、人に取り付くもの、結果だけがあるものなど様々な容姿がある。
怪異が起こした出来事は怪奇現象とよばれ、現実的には病気や催眠効果などというふうに処理され、科学によって完全に説明されることは怪異の死を意味する。
また、怪異はメタ的な意味で語り部になれない制限があったが、短々編で破られ、
本編においても『愚物語』で破られた。
<怪異>
怪異の王と呼ばれるほどの怪異の中でも上級の怪異。
その能力は、不死性・変身能力・物質創生能力など個体によって様々。
弱点は太陽光、ニンニク、銀の十字架、聖水、毒、呼吸器や内臓器官への直接攻撃。
定期的に吸血欲求を覚え、吸血を行うことで腹を満たす。また、同手段にて眷属を作ることも可能。
作中では
キスショット、スーサイドマスター、
ドラマツルギー、
阿良々木暦(
傷物語)が、ハーフも含めるのであればエピソードもそれにあたる。
九州の山間あたりでの民間伝承が起源の怪異。
地域によっては「おもし蟹」「重いし蟹」「重石蟹」「おもいし神」とも呼ばれる。
行き遭った人の願いを聞き入れ「思い」とともに「重さ」を引き受ける神。
間違って行き遭った場合は「存在」を奪われることもある。
作中では
戦場ヶ原ひたぎの重さを引き受けていた。
アニメでは多数の「蟹」の文字で覆われた蟹の形の外見である。
目的地にたどり着くことができずに永遠に迷い続けることとなる怪異。
牛と名がついているものの、実際には蝸牛(かたつむり)の怪異である。
「家に帰りたくない」と思う者の前にしか見えず、その者の帰路に着くための道を迷わせる。
作中では
八九寺真宵がそれにあたる。
序列階級にさえ入らないくらいの低級の悪魔。
「雨降りの悪魔」「泣き虫の悪魔」とも呼ばれる、ヨーロッパに伝わる雨合羽を着た猿の悪魔である。
土砂降りの雨の日にささいな事で家を飛び出した子供が猿の群れ(作中では快楽殺人者だと予測されている)に殺されたことが起源である。
今現在はミイラの状態となり、各地にパーツが散らばっている。願った者、主に人間と同化するのが特徴で、願いの成就と共に願った者の魂を喰らって成長していき、3つ目の願いが成就すると共に契約者の生命と肉体が奪われ完全な悪魔になってしまう。
人間の悪意によって遣わされる怪異で、忍野メメ曰く人を傷つける怪異。
「へびきり縄」「へびきり」「蛇縄(じゃなわ)」「くちなわ」とも呼ばれる。
呪われた者は目視することができない蛇に足から巻きつかれる。その際に鱗のような痣が浮き出て、その痣が顔に到達した時点で殺されてしまう。
巻きつかれた蛇切縄を他者が無理やり剥がす事は可能だが、その場合引き剥がした者に取り憑こうとする。
それをやり過ごした場合は呪いをかけた本人の元へ向かい、取り憑いて呪われた者と全く同じ手段で殺してしまう。
車に轢かれた尾のない白猫を埋葬した者に取り付き性格を豹変させる怪異。
恩を仇で返すタイプの怪異である。怪異としては低級な方らしい。
特徴としては常時エナジードレインが発動していることが挙げられる。触れた者の精も根も吸い尽くし、死にいたらしめる場合もあるため、一般市民にとっては危険とも言える怪異。
障り猫が
羽川翼の抱えていたストレスによって変化したいわゆる新種の怪異。
ストレスの塊であり、羽川翼の裏人格である。
障り猫とは違って恩を返す怪異であり宿主である
羽川翼の願望を最優先で行動する。
本来は低級怪異であるが羽川翼の圧倒的な知識によって吸血鬼に匹敵する程の怪異となった。これについて忍野メメは『新たな怪異の女王』とも評している。
外見に忠実で、語尾に「にゃ」がつき、「な行」は全て「にゃ」に変換される。
なお「つばさキャット」と「つばさファミリー」のブラック羽川は別個体である。
刺したものに高熱を伴う病を発症させる怪異。
室町時代に流行った感染病が起源とされているが、感染病は作り話である。
つまり囲い火鉢とは存在しない伝承から創られた偽物の怪異。
現実的にはプラシーボ効果として処理される。
本作では
千石撫子も被害にあったおまじないを流行らせた詐欺師
貝木泥舟に
阿良々木火憐が殴り込んだところ、この囲い火蜂を押し付けられている。
吸血鬼以上の不死性を持つ怪異。
ホトトギス、不死鳥とも呼ばれる。
ホトトギスのように人間の母体に托卵し人間に転生する。
不死性を持つため人間より自然治癒力が高く、肉体的・精神的問わず宿主の外傷を他の人間が違和感を覚えない程度に回復させる。ただ致命傷や、宿主が即死する程の傷はすぐに治癒させる。
寿命は人間と同じぐらいであり、寿命を迎えたら再び托卵し転生を繰り返す。
しでの鳥自体は自分が怪異であることを自覚していない。
作中では
阿良々木月火がそれにあたる。
100年程経った器物が怪異となった存在。
また、反魂の術によって人間の死体を怪異として蘇らせることでも創ることができる。
作中では
斧乃木余接がそれにあたる。
黄色と黒の縞々で絵に描いたような虎の姿の怪異。
嫉妬の感情を切り離した羽川翼が生んだ新種の怪異。
嫉妬をエネルギーとして「火」の「虎」となり羽川翼の嫉妬の対象の(一時的であっても)滞在している建造物を燃やし尽くす。
「苛政は虎よりも猛し」という故事と、「火車」という怪異がベースになっていると推測されている。
ちなみに、一人称は「我輩」。
作中では主にゾンビと呼称される。
吸血鬼が眷属作りに失敗し、不完全の状態で暴走し生まれた怪異。
自我も意思もなく本能のままに行動する。
日光と米が弱点。
人の悩みを聞き入れ解決する相談屋をしつつ人の不幸話を蒐集する怪異。
本当の目的は散らばった悪魔(レイニーデヴィル)のミイラのパーツを蒐集することであり、悪魔のパーツを体に宿してしまった者の近辺に現れる。
作中では沼地蝋花がそれにあたる。
北白蛇神社で祀られている神であり白い蛇である。
傾物語で消費されたエネルギーで瀕死状態になり、
千石撫子に同胞の蛇を惨殺された償いに自分の神体を探すように命ずる。
その正体は、神に祈った撫子の妄想である。後に神体を得て神として復活する。
貝木泥舟が作った偽物の低級怪異。
撫子から神札を引き剥がすために使われた、体表が炎のように燃えた巨大な蛞蝓の怪異。斧乃木余接は自身を退治する為に貝木が創った人造の怪異と推測している。
臥煙遠江が無意識に創り出した怪異。遠江の自制心を反映した裏側であり、遠江にとって楽しくはあるが必要ではないものを消し去っていた。裏の願いを叶えている点からレイニー・デヴィルに創り変えられるが、生死郎と忍野忍を通して、阿良々木暦の自己批判精神そのものな裏側、忍野扇として再誕している。また、遠江の娘である神原駿河も忍野扇を生み出す可能性が示唆されており、事実彼女の前にも扇は現れている。
<外伝作品の怪異>
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ネタバレがあるため収納します |
前髪で目元を隠していた頃の撫子を模倣して撫子が描いた一番目の式神。
「人見知りゆえの人払い」、「自意識ゆえの被害者意識」という人の心に干渉するという怪異としての特性を持っている。式神として生まれた他の撫子と比べると基本臆病。
上半身裸でブルマを穿いているおと撫子のコピーのような式神。
自我がなかなかに乏しく単純な命令しか受け付けることができないものの、おと撫子と同様に「人見知りゆえの人払い」といった怪異としての特性を使える。
また、もう一つ他の式神と違う点として斧乃木余接ではなく忍野扇が名付けているといった点が挙げられる。
スクール水着を着用しているおと撫子を模倣したかのような式神。
他の撫子とは違い、撫子本人が名付けている。
暦にアプローチをかけていた時期の撫子を模倣して撫子が描いた二番目の式神。
前髪をカチューシャで留めて目を出し、キャミソールを着用している。
人の心を支配する怪異としての特性を持ち合わせ、作中では自分の本体の撫子が通っていた学校に赴き、なんの違和感もなくクラスに溶け込むどころか話題の中心になっていたというエピソードを持っている。
夢に向かい頑張る撫子の姿をダサいと考えて反感を抱いていた。
調伏後は神撫子の仕掛けた罠から撫子を庇い消滅。
教室で逆ギレした時の撫子を模倣して撫子が描いた三番目の式神。
月火に前髪を切られた後を模倣して描いたため、当時と同じように前髪はぱっつんになっている。
肉体のリミッターを解除しているため、常人以上の身体能力を持つ。
働きたくないという理由で撫子に反抗していたが、調伏後におと撫子を道具のように扱う神撫子に反感を覚え撫子に協力した。
名称の由来についてアニメ版『囮物語』の副音声からの逆輸入であることが語られている。
現在の撫子を模倣して逆撫子が描いた式神。
ルマ撫子やクール撫子同様、なかなか自我に乏しい。
式神である神撫子が同じく式神であるルマ撫子を従え、大量に生み出していたことをヒントとし、逆撫子が描いて起動させた式神。
蛇神と化していた時期の撫子を模倣して撫子が描いた四番目の式神。
オリジナルの蛇神には力は及ばないが、それでも髪から毒牙を形成し攻撃する能力を使う事ができ、余接をバラバラにするだけの戦闘力を持っている。
吸血鬼やしでの鳥と同じく不死に分類される怪異。
全ての水分質の液体に身体が反応し、その液体が触れた箇所が魚となるという性質を持っている。
作中では瀕死の重傷を負った女子高校生、周防全歌が人魚の肉を食べたことで半魚人となっていた。
泥でできた人形に魂を練り込み作られた怪異。
基本弱点となるものはなく、衝撃を受けたとしても砕けた破片を泥遊びの要領でくっつけ、形を整えればまた活動できるのだという。
しかし天候だけは気を使わなければならないらしく、少量なら問題ないものの、多量の雨を浴びると身体が泥になって溶けたり、晴天の日には適度に水を摂取しなければ身体がひび割れて崩れたりといったことが起こる模様。
作中では中学生の時に病死した少女、北間臨(きたじまのぞみ)がこれに当てはまる。
満月の夜に狼の身体へと変身する怪異。
高い身体能力に、優れた嗅覚を持っている。
作中に登場した再崎みとめは人狼の末裔であり、満月の夜でなくとも『丸いものを見るだけで狼に変身する』能力を持っている。逆に満月の夜に狼に変身するのを自制するといったこともできる。
曲直瀬大学の准教授家住羽衣(いえすみはごろも)が虐待していた子供を模した人形。
力が非常に強く、布を操る力を持っている。
暦が家住准教授の家を調査したときは鳴りを潜めていたが、二度目の調査をした際に暦を攻撃。
暦が動きを封じられている間にどこかへと飛んでいってしまった。
どこへ飛んでいったかはわからずじまい。
嫉妬に近い感情から生まれた怪異。
自分と顔を合わせた上で自分が持っていない物を持つという条件下でのみ相手に謝罪を強いる。
強制力が強い上、一度呪縛を受けてしまうと自分の行いに疑問を持つことなく対象に謝罪を続けてしまう。
死物語は未読ですので少々お待ち下さい。できればですが既読者の方が追記してくれれば助かります。
___追記・修正をしてくれる人 蕩れ。
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<怪異ではないもの>
阿良々木暦が便宜上つけた名であり正式名称は不明。
怪異ではなく、ブラックホールのような「黒いなにか」である。
人、怪異、有機物、無機物関係なく全てを呑み込み、存在を完全に消し去る。
その行動原理は世界が定めた形や道から外れた者、怪異としての存在を偽って存在している怪異の存在を消すということにある。全盛期の
キスショットでも対処ができず、逃げることしかできなかった世界の修正機能。
物質だけでなく阿良々木暦と忍野忍のリンクなどの概念すら消してしまう程の力を持っている。
追記・修正は怪異に行き遭ってからお願いします。
- 語り部になれないって猫物語のブラック羽川と苛虎の語りパートがあったのは例外なんか? -- 名無しさん (2015-12-20 09:39:04)
最終更新:2023年02月26日 20:12