ドラえもん のび太と翼の勇者たち

登録日:2017/05/27 Sat 17:07:46
更新日:2024/01/22 Mon 00:53:54
所要時間:約 15 分で読めます





ドキドキは、空にある。


21世紀最初の映画ドラえもん

監督:芝山努
脚本:岸間信明
主題歌:知念里奈 「Love you close」

『ドラえもん のび太と翼の勇者たち』とは、『映画ドラえもんシリーズ』の第22作目及び『大長編ドラえもんシリーズ』第21作目のタイトルである。
2001年3月10日より公開で上映時間は91分。
同時上映は『ドラミ&ドラえもんズ 宇宙ランド危機イッパツ!』と『がんばれ!ジャイアン!!』。

21世紀初のドラえもん映画となった。

●目次

【概要】

「鳥人」たちが住む世界「バードピア」を舞台にした作品。
パラレルワールドや環境破壊、人と動物の関係など、様々なテーマが盛り込まれている。
映画ドラえもんシリーズの中では比較的マイナー寄りではあるが、見どころが少ないわけではなく、特にグースケとドラえもんたちの友情、中盤のイカロスレースのシーンは必見。
イカロスレースの絵コンテはシンエイ動画元プロデューサーの別紙壮一氏の提案の下、芝山監督の指名で藤森雅也氏*1が手掛けている。シンエイ動画プロデューサーだった山田俊秀氏は、『自分では言いにくい提案を監督と同世代の別紙が代わりにしてくれて助かった(大意)』と超全集の寄稿にて述懐している。


【あらすじ】

グループ研究をしていたのび太達は、干ばつが続くアフリカで、水を求めて集まったフラミンゴの群れが一夜にして全ていなくなったり、タンカーから流れ出した原油が原因で苦しんでいた海鳥の群れがいつの間にか消えてしまっていたという、不思議な出来事をTVのニュースで見る。
のび太は「鳥そっくりの宇宙人の仕業」と推測すると、出木杉は世界中に残されている「鳥人伝説」の話をする。

それを聞いたのび太は鳥人に憧れを抱き、自分で翼を作り裏山で飛行練習をするが、全然飛べない。
そんな中、静香が逃げたカナリヤのピー子を追って裏山に来た。ドラえもん達はピー子を捕まえるのに協力するが、空に突然、超空間の穴が開き、中から飛行機に乗った鳥人の少年「グースケ」が飛び出し、ピー子は穴の中へ飛び込んでしまう。
その飛行機「スノーグース号」が故障してしまい途方に暮れるグースケの為に、のび太達は修理を手伝う事にする。

やがて修理は完了し、早速テスト飛行にかかろうとするグースケだが、様子を見ていたジャイアンとスネ夫が尾翼に掴まり、そのまま空の穴の中へと飛ばされてしまう。
続けてドラえもん、のび太、静香もまた、その穴の中へと飛ばされ、鳥人達の世界「バードピア」へと辿り着く。

グースケと再会し、ドラえもんの道具「バードキャップ」で鳥人になったのび太達は、カラス警備隊に捕まっていたジャイアン達を助けると、グースケの誘いで渡り鳥パトロール隊入隊テスト「イカロスレース」に出場するため練習を開始するのだった。

だがその一方で、人間を憎悪するカラス警備隊の長官「ジーグリード」が、「フェニキア」という強大なる力を蘇らせようと企んでいた…


【登場キャラクター】

【メインキャラクター】

「鳥人」を「超人」と間違え、「超人・ドラドラマン」に変身する妄想をする。
今回は珍しくカラス警備隊やダチョウタクシーから「タヌキ」ではなくちゃんと「ネコ」と呼ばれ、泣く程喜んでいた。
しかしホウ博士からは「タヌキくん」と呼ばれる。
グースケのトラウマを知った際は、自身も耳をかじられたせいでネズミが怖くなった為、同情している。

心優しいヘタレ眼鏡。
鳥人に憧れ、自作の翼で飛ぼうとするが上手くいかない。
裏山にて、その練習中に偶然グースケと出会い、スノーグース号直しを通じて彼と友情を深めていく。
また、前述の自作の翼をスノーグース号の尾翼として提供した。
イカロスレースでは真っ先にリタイヤした。

みんなのアイドル。
飼っていたカナリヤの「ピー子」を追いかけて裏山に来るが、
ピー子はグースケが出てきた穴の中に入って行方不明となってしまう。
しかし後に、バードピアにてピー子と再会する。
グースケの事は「グーちゃん」と呼んでいた。

歌好きガキ大将。
スネ夫と共にスノーグース号の墜落現場を目撃し、テストフライトの際に尾翼に掴まり、そのままバードピアへと飛ばされる。
そしてカラス警備隊に捕らえられてしまうが、ドラえもん達に救出される。
イカロスレースを最初は「タコロスレース」と間違えていた。
レースではゴールし、渡り鳥パトロール隊に入るが、ララアト山にてホウ博士が捕まっているのを目撃し、助けようとして捕まってしまう。
縄を歯で食い千切ってコンテナから脱出し、駆け付けたドラえもん達と合流した。

スネちゃま。
顔に着いた大量のソフトクリームを一舐めで全て舐めとる特技(?)を持つ。
ジャイアンと同様、バードピアへと飛ばされてしまい、カラス警備隊に捕まるが、ドラえもん達に助けられる。
刷り込み現象で、グースケの弟に親と認識される。
彼も渡り鳥パトロール隊に入るが、ララアト山にてホウ博士を助けようとして捕まる。
ジャイアンの助けで何とかコンテナから脱出し、駆け付けたドラえもん達と合流した。

優等生にしてのび太の恋敵。冒頭にのみ登場。
ホルスやカラス天狗といった、世界中に残されている「鳥人伝説」の話をした。

【ゲストキャラクター】

  • グースケ
CV:頓宮恭子

鳥人の少年。
誕生時のトラウマから、自分の翼で飛ぶことが出来ず、友人であるホウ博士と共同で作った飛行機「スノーグース号」に乗る。ジャイアンとほぼ互角の大食漢でもある。
バードウェイという超空間の穴からスノーグース号に乗って人間界へ来てしまい、のび太達を最初は警戒していたが、協力してスノーグース号を直していくうちに友情が芽生える。

スノーグース号でイカロスレースに参加し、結果はツバクロウと同着優勝となったが、「作り物の翼による飛行」「イカロスの名を辱めない為」というバビロンの判断で失格にされ*2、その悔しさから丸一日ふさぎ込んでしまう。
翌日、自分の翼で飛ぶ特訓をしていたが、のび太達からホウ博士がジーグリードに捕まった事を知らされる。

やがて、ジーグリードの目的を知ると、のび太達と共に監獄島へ行き、囚われのイカロスを見つけ、ララアト山へと向かう。鳥野博士の立体映像からバードピア誕生の真実を知り、竜の谷にて捕まっていたホウ博士たちと再会。
スノーグース号でフェニキアをトマリギの頂上へおびき寄せようとするが、火炎でスノーグース号を破壊されてしまう。

しかし、イカロスの言葉でトラウマに打ち勝ち、遂に自分の翼で飛行。バードキャップが外れ落下するのび太を救出し、フェニキアをトマリギの頂上までおびき寄せる。
事件後、来年のイカロスレースではきっと優勝してみせるとのび太に誓い、エンディングでは、パトロール隊員になった姿が描かれた。
漫画版ではこの一件をきっかけに渡り鳥パトロール隊の新隊長に任命されている。
実はイカロスの本当の息子だったのだが、自身は最後まで気付かなかった。

  • ホウ博士
CV:永井一郎

ミミズクの考古学者で、グースケの友人。
人間を警戒しない数少ない鳥人で、「鳥と人間は共に生きねばならない」と考えている。また、人間を憎むジーグリードの過去についても知っていた。

若いころからフェニキアの研究をしており、トマリギの根元から発掘した石碑から、フェニキアの秘密を突き止めるが、それを知ったジーグリードらに捕らえられてしまう。
その為イカロスレースでは姿を見せなかった。
一緒に捕らえられたジャイアンの助けで解放され、駆け付けたドラえもん達と合流した。
漫画版では等身が低くなっている。

  • ミルク

グースケの幼馴染。グースケの家の隣に住んでいる。
しっかり者で勝ち気な性格で、グースケを見下すジーグリード達やツバクロウ達に食ってかかっている。

彼女もイカロスレースに参加するが、洞窟内の蜘蛛の巣にかかってしまい、巨大グモに襲われるも、ジャイアンとスネ夫によって助けられる。
洞窟を脱出後、蜘蛛の糸が羽根に絡んでいたせいで上手く飛べず、リタイヤしてしまう。
その後はドラえもん達と共にイカロスを探しに行ったり、静香と共にひらりマントで炎から鳥人達を守ったりした。

  • グースケの母
CV:折笠愛

嵐の晩、空から落ちてきたグースケを拾い、夫婦で育ててきた。
その為グースケとの血縁は無く、厳密には義母であるが親子仲は良好。
料理が得意であり、ジャイアンも舌鼓を打つほど。

  • グースケの父
CV:島田敏

バードピアの環境長官をしている。グースケを拾い、夫婦で育ててきた。
その為グースケとの血縁は無く、厳密には義父であるが親子仲は良好。
ホウ博士と同じく、「鳥と人間は共に生きねばならない」という考えの持ち主であり、ジーグリードが提案する『最終計画』には「無謀すぎる」と反対していた。

  • グースケの弟
CV:鉄炮塚葉子

作中で卵から生まれた。
グースケとの血縁は無く、厳密には義弟である。
生まれた直後に、刷り込み現象でスネ夫に懐いた。

その後はスネ夫と行動を共にするも、別れの際にはさすがにお互いに泣いていた。
漫画版では、イカロスレースでスネ夫をサポートしたり、捕まった際に縄を食いちぎって助ける活躍をする。

  • ツバクロウ
CV:知念里奈

ツバメの少年鳥人。
スノーグース号でイカロスレースに参加するグースケをトビオと共にからかい、「最後まで飛べたら褒めてやる」と挑発する。
最終的にレースでグースケと同着優勝となるが、バビロンの判断でグースケが失格となった為、自身だけ優勝となり、渡り鳥パトロール隊に入隊する。

終盤にて、のび太達が人間だと知ってしまうものの、イカロスから「彼らがバードピアを救った」と聞かされると、彼らと握手をした。
漫画版ではデザインが異なり、結構イケメン。

  • トビオ

トンビの少年鳥人。
スノーグース号を「ヘナチョコ飛行機」と呼んだり、レースに参加するミルクを「グースケのお守役」とからかった。
ツバクロウと同様、渡り鳥パトロール隊に入隊し、終盤でのび太達が人間だと知ってしまうものの、バードピアを救ってくれた彼らと握手した。

  • バビロン

渡り鳥パトロール隊の隊長であるハヤブサの鳥人で、ジーグリードの部下。
ジーグリードの計画に反対する者達と縁のあるグースケが入隊するとジーグリード達にとって都合が悪い事が解っていた為、グースケの優勝を取り下げた。
ドラえもんが進化退化放射線源を撃つのを妨害しようとするが、スイッチを退化から進化に切り替えさせ、結果的にフェニキアを進化させる。
漫画版では大幅にデザインが異なる。

  • クロウ
CV:広瀬正志

カラス警備隊の隊長であるカラスの鳥人で、ジーグリードの部下。
ホウ博士がフェニキアの謎を解いたのを聞き、ジーグリードに伝えた。

  • ジーグリード
CV:大平透

ハゲタカの鳥人で、カラス警備隊の長官。
渡り鳥パトロール隊として人間界にいた頃、心無い人間に銃で翼を撃たれたことで飛べなくなったため、人間を憎悪している。
若いころからフェニキアの研究に生涯を捧げており、フェニキアを蘇らせて人間に復讐しようと企んでいる。

フェニキアの謎を解いたホウ博士を捕え、渡り鳥パトロール隊を連れてフェニキアの眠るララアト山へと向かう。
爆弾で雪を跳ね除け、眠っていたフェニキアを遂に覚醒させて自分に従うよう呼びかける。また、その際に人間世界を侵略して征服しようとする真の目的を発言していた。
しかし、進化退化放射線源で誤って進化し、さらに凶暴さを増したフェニキアが命令に従う訳もなく、
足場の雪を炎で溶かされて発生した雪崩に巻き込まれてしまうものの、イカロスに助けられた。事件後の動向は不明。

映画ドラえもんの中で歴代屈指の可哀想な悪役だったが、同時に歴代屈指の短絡的な悪役だったと言える。
また、部下達は彼に対し、高い忠誠心を持っていたためその点では部下に恵まれたと言えるが、その反面の鳥人の天敵であるフェニキアを覚醒させ、特に方法も無く従わせようとする無謀な作戦に特に異論も出さずに従っていたため、そういう意味では部下に恵まれなかったとも言える。

加えて、後述するバードピア創世の真実を考えると、ジーグリードの野望が成就してしまえば最悪タイムパラドックスでバードピアそのものが歴史上から消滅した可能性も高い。

  • ダチョウタクシー
CV:難波圭一

早くて安いダチョウのタクシー。
カラス警備隊に追われるドラえもん、のび太、静香が利用し、何とか追っ手から逃れる。
基本的に人間を警戒しているはずのバードピアで人間であろうとお客様として扱っている模様。

  • オオタカ
CV:八奈見乗児

バードピアの総理大臣。
イカロスレースの開会を宣言する。
中の人はのび太やジャイアンの人とともに昭和を代表する悪の一味の役で知られるが、大山版ドラえもんへの出演は意外にもこれが唯一。*3

  • イカロス
CV:津嘉山正種

伝説の鳥人。「イカロスレース」の名前の由来にもなっている。一人称は「私」。
性格は温厚かつ冷静で口調も丁寧、責任感が強く鳥たちから尊敬されている。
ただ、責任感が強すぎる故に繊細な一面も。(特に漫画では、それが顕著となっている)

かなりの巨体で力も強く、空を飛ぶスピードも早い。
かつてジーグリードが銃で撃たれた事故の責任をとり、監獄島に自ら囚われの身となっていた。*4
しかし、訪ねてきたグースケからフェニキアの事を聞かされると脱獄し、のび太達に協力する。

実はグースケの実の父であり、嵐の晩に妻・オーディアと共に家へ帰る途中、生まれたばかりのグースケと生き別れてしまっていた。
手にした槍で、復活したフェニキアと戦うも、火炎によって翼を焼かれてしまう。
しかし、彼の言葉がグースケのトラウマを克服させるきっかけとなる。
また、のび太達が人間であったことは最初から知っており、事件解決後は自由の身となった様子。

  • オーディア
イカロスの妻。
嵐の晩にイカロスと共に家へ帰る途中、生まれたばかりのグースケと生き別れてしまった。
漫画版によると、現在は故人。
CVはテロップされておらず、担当キャストは不明。

  • 鳥野守
CV:森繁久彌(特別出演)

23世紀の鳥類学者で、バードピアを創造した人物。
人間嫌いだったため、自身が最も愛する鳥類たちと共に暮らすべく、タイムマシンで人類がいない時代へ飛んだが、時空の乱れによりパラレルワールドへとたどり着いてしまう。

しかし、パラレルワールドなら人類の歴史を変える心配が無い為、ここなら鳥だけの楽園を作れると喜ぶ。そして、進化退化放射線源で鳥類を鳥人へと勝手に進化させ、バードピアを創造した。
その後、最後の仕事として、フェニキアをララアト山の氷の下へと封印した。
ドラえもん達が見つけた立体映像内にてそれらの事実を語り、「フェニキアを目覚めさせてはならぬ」と言い残す。
作中では回想と立体映像でのみの登場であり、現在ではすでに故人となっている様子。
声を演じた故・森繫氏は戦前から多くの映画やテレビに出演し、国民栄誉賞も受賞した名優であり、『もののけ姫』などで声優としても活躍していた。*5

  • フェニキア
バードピアに伝わる伝説の怪物。
巨大な竜の姿をしており、口から火炎を吐く。ショックガンや空気砲による攻撃も寄せ付けないほど防御が高い。
鳥野博士によってララアト山に封印されていたが、ジーグリードの手によって封印を解かれて復活する。

ドラえもんは進化退化放射線源を用いて退化させようとしたが、バビロンの妨害により誤って進化させてしまい、更に凶暴化。体色が緑から黄色に変化した。
飛べるようになったグースケによってトマリギの頂上までおびき寄せられ、鳥野博士のタイムマシンのショック砲で一時は気絶するも、すぐに起き上がり、タイムマシンにしがみつく。
最後はドラえもんによって、時間のカウンターをゼロにした無人のタイムマシンと共に、地球が出来る前の宇宙空間へとタイムスリップされた。


【用語】

  • バードピア
鳥人達の世界。
「バードウェイ」と呼ばれる超空間によって人間界と繋がっている。このバードウェイは鳥類の遺伝子を持つ者だけが目視・認識することが出来る。
人間界で保護した鳥たちが多く生息しており、水を求めていたフラミンゴの群れや、原油に苦しむ海鳥の群れもここで保護されていた。

人間を快く思わない者達が多く、ここへ来た人間は、見つけ次第カラス警備隊に捕獲され、処刑されるという。猫など鳥に対して有害と思われる動物もその対象*6。前述のように、実は鳥野博士によって生み出された世界だった。

  • イカロスレース
渡り鳥の監視をする「渡り鳥パトロール隊」の入隊テスト。
このレースは中央塔→森林→渓谷→滝の裏の洞窟→中央塔→トマリギの根元→スモークベルトの真下というコースを1周し、スモークベルトの真下に自分の羽根を突き刺す事でゴールとなる。
当初は自分の翼だけでなく人力飛行機による参加も認められていたが、前述の通り上層部の都合のために「自分の翼で飛んだ者だけが合格」というルールを追加されてしまう。
だが人力飛行機による参加者はグースケの他にも多数存在していた上、レース終了後に唐突に追加ルールを適用するという理不尽さ、ルール追加者が問題を起こした事実を踏まえると、事件解決後には追加ルールは撤廃されたと思われる。

  • 監獄島
イカロスが囚われている島。
重罪人がたくさん囚われている。

  • ララアト山
バードピアの北の果てにそびえる雪山。
山中にある「竜の谷」の底にフェニキアが封印されている。
また、鳥野博士の立体映像も隠されていた。
ジーグリードの爆弾によって雪が吹き飛ばされ、フェニキアの封印が解けてしまう。

  • トマリギ
バードピアで一番大きな巨木。
この木の根元からフェニキアに関する石碑が発掘されている。
頂上はスモークベルトと呼ばれる雲に覆われていて見ることが出来ない。
あまりにも高すぎて、スモークベルトの上まで届いた者はイカロスを除いて存在しないという。
その頂上には、何万年も掛けてできた大きな湖と、鳥野博士のタイムマシンが存在する。


【ひみつ道具】

おなじみ空を飛べる道具…だが、今回は後述するバードキャップがメインなため、出番が少なめ。

  • かたづけラッカー
吹きつけたものを見えなくするスプレー。
スノーグース号を一旦隠すために使用した。

  • 巣箱型キャンピングセット
巣箱を木の上に設置し、どこでもエレベーターを根元に設置することで、巣箱の中へ入ることが出来る。
中に入るとガリバートンネルの様に体が小さくなる。
作中ではグースケの人間界での仮住まいとして使用された。
漫画版では「巣箱型キャンピングカプセル」に置き換えられている。

  • コエカタマリン
飲むと声が固まりになって飛び出す薬。
終盤ではジャイアンが使用し、「ホ」「ゲ」の字に飛び乗ったのび太とドラえもんがトマリギの頂上まで飛行した。
漫画版では序盤でも、グースケを襲った犬を追っ払うのに使用された。

  • ラッカーおとし
かたづけラッカーの効果を消すスプレー。

  • カチンカチンライト
何でもカチンカチンにするライト。
作中ではのび太製の翼をスノーグース号の尾翼として使用する際、翼の補強に使用した。

  • バードキャップ新型
文字通り、「バードキャップ」の新型。
以前とは違い、背中から翼が生えるのが特徴。
作中ではドラえもんがハト(最初は間違えてペンギン(漫画ではフクロウ))、のび太がカモ(漫画ではスズメ、終盤ではハト)、静香が白鳥、ジャイアンがアホウドリ、スネ夫がキツツキを使用した。
ペンギンだと空を飛べず、フクロウ(漫画のみ)だと夜行性で眠ってしまう。

  • しずめ玉
当てたものを地面に沈めてしまう玉。
カラス警備隊の看守を机ごと沈めた。
映画では水の球を思わせる形状だが、漫画版では原作同様に粒状となっている。

  • わすれろ草
匂いを嗅ぐとなんでも忘れてしまう花。
カラス警備隊の看守からドラえもん達に関する記憶を消した。
「さよなら~元気でな~!」

包んだ物の時間を進めたり戻したりできる風呂敷。
カラス警備隊に壊されたフェニキアの石碑を元通りにした。

おなじみ翻訳&解読アイテム。
フェニキアの石碑の解読に使った。

  • テキオー灯
おなじみ、どんな環境でも適応できる光線。
雪山であるララアト山で使用した。

  • 進化退化放射線源
光をあてた物を自在に進化、退化させる事ができる。
フェニキアをアメーバまでに退化させるためにドラえもんが使おうとするが、バビロンによる邪魔が入り、誤って逆に進化させてしまう。
鳥野博士も所有しており、鳥類を鳥人へと進化させた。

  • ショックガン
おなじみ武器アイテムその1。
フェニキア戦でのび太とスネ夫が使用したが、通用しなかった。
ちなみに本作におけるドラえもんの弁によれば、これ以上の武器は持ち合わせていないとのこと。原子核破壊砲「」

  • 空気砲
おなじみ武器アイテムその2。
フェニキア戦でジャイアンが使用したが、通用しなかった。

  • ヒラリマント
おなじみ武器アイテムその3。
静香とミルクが使用し、炎から鳥人達を守った。

おなじみ小さくなる道具。
フェニキアを小さくするためにドラえもんが使おうとし、背後から近づくも勘付かれ、失敗に終わる。

  • モーゼステッキ
モーゼの十戒のように、水を切り開く棒。
トマリギの湖に「スリバチモード」で使用し、雨を降らせることで火事を消し止めた。

漫画版に登場。
おなじみ医療アイテム。

  • たずね人ステッキ
漫画版に登場。
探している人の所へ倒れてくれる棒。
的中率は70%である為、あまり信用はできない。
イカロス探しに使用した。


【余談】

ドラえもん のび太の創世日記』以来6年ぶりに出木杉が長編映画に登場するが*7、同時に白川澄子が演じる出木杉が登場する最後の映画となった。

本作の公開に合わせてドラバルくんに続く2代目熱気球『バルえもん』が制作され、自然環境保全キャンペーンにて使用された。今回はポスタービジュアルに描かれた翼を生やしたドラえもんを模して造られており、コロコロコミック担当だった斎藤満氏は、空を飛ぶドラえもんはインパクトが絶大でどのフライトでも注目の的だったと、超全集の寄稿にて証言している。

本作から『のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~』まで、主題歌を歌った歌手が映画でも声優として出演することが定番となり、同曲を歌った知念里奈は、ツバクロウ役で声優に初挑戦した。同年2月16日放送の『早春 ドラえもん スペシャル』にて、知念氏のインタビューが放送され、ツバクロウの人物像やレコーディング時の感想を語っていた。

前売りプレゼントとして『特製ピンバッジ』*8、入場者プレゼントとして『はねドラくん』*9が配布された。

地上波では2002年1月5日に初放送された。










追記・修正は、自作の翼で飛行練習をしてからお願いします。

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最終更新:2024年01月22日 00:53

*1 テレビ版オープニングアニメーション作画監督(6代目)を担当。監督としての後の代表作は『終末のイゼッタ』『怪物事変』など

*2 実際は後述の通り、グースケにパトロール隊に入隊されるとバビロンらにとって都合が悪いためである。そもそも人力飛行機による参加者はグースケの他にも多数存在している

*3 日テレ版ドラえもんにも出演経験がある。

*4 漫画版だと急くあまりジーグリードのルート変更提案も拒否して危険ルートを進行したのが起因となっている。

*5 超全集においても、ゲスト声優の中で特に著名な俳優として紹介されている。

*6 そのためドラえもんも追いかけられた。

*7のび太の結婚前夜」は中編なので除く。

*8 翼の生えたドラえもんを模った金色に輝くピンバッジ。

*9 紐を引っ張るとパタパタと羽を動かすドラえもんのおもちゃ、全5色。