SCP-131

登録日:2017/05/20 Sat 23:12:17
更新日:2024/02/19 Mon 17:19:47
所要時間:約 6 分で読めます




SCP-131とは、SCP財団本部が収容しているSCiP(SCPオブジェクト)である。
項目名は"アイポッド"(The"Eye Pods")。
アイポッドと言ってもAppleの音楽プレーヤーではない、あれは「iPod」だ。

項目名に関してであるが、基本的に各SCiPの項目名は「第四の壁の向こう側の住人たる我々"現実世界の住民"からの愛称」という設定だが、
こいつの「アイポッド」という名称はSCP世界の財団職員から付けられた非公式の愛称である。

概要

SCP財団本部が収容しているSCiP。
SCiPといやあ、基本どいつもこいつも危険物だらけだが、
こいつの場合は珍しく正真正銘の人畜無害なSCiP。
(個人の感想にもよるが)「外見が可愛い」という理由でマスコット的存在となりつつもある。

特別収容プロトコル

SCP-131のオブジェクトクラスはSafe。
SCiPの「Safe」なんて、オブジェクトクラスの項目見たほうが早いが大概は「核兵器」とか「瓶詰め毒薬」とか評されるように、
飽くまで「収容方法が確立されているからSafeなだけであり、野放しにしたら何をしでかすかわからない奴ら」なわけで、全然セーフティじゃない奴らだらけなのだが、
こいつは正真正銘の「セーフティ」なSafe。
で、こいつの収容プロトコルはどうなっているのかというと。

特別収容プロトコル: SCP-131-AとSCP-131-Bに対して特別な収容手続き(プロトコル)は取られていません。制限区画に入ろうとしたり施設から出ようとしない限りサイト-19内を自由に移動させて構いません。SCP-131と触れ合うのは構いませんが、それらが職員に対する愛着を持ってしまうことを防ぐために最低限の接触を推奨します。常に1時間ごとに居場所を確認します。もし居場所が確認できない場合はレベル1封鎖処置が行われます。悪用、虐待が確認された場合は厳重に処罰します。

この通り。
特別なプロトコルは存在しないどころか「サイト-19内を気ままにうろついている」状態、あえて言うなら「一時間おきに居場所を確認すること」くらいか。
しかも虐待したら処罰だってさ。

説明

では、こいつの説明。
SCP-131とはしずく型の謎の生物。謎生物という点ではある意味SCPらしいっていえばSCPらしい。
現在までに2匹が収容されており、それぞれSCP-131-A、SCP-131-Bとして扱われている。

SCP-131は某所のトウモロコシ畑で発見された後、とある手段により財団のサイト-19に移送。
敵対組織(要注意団体)との通信を行っていないことが確認された後、Safeクラスに格下げさせサイト-19に収容された。

高さは1フィート(約30cm)で、中央に青くて丸い大きな目がついている。体色はAがオレンジ色、Bが黄色。
形状的には要するにドラクエのスライムを一つ目にして暖色系にしたと思えば大体あっている。
SCP-131の身体の下部にはタイヤのような器官が存在しており、これを使って走行する。生物にはありえない「タイヤ」を持つため、実は純粋な生物ではなく生体機械なのではとも推測されているようだ。
その移動速度は結構速く、わずか数秒で200フィート(約60m)を移動できる。在来線電車(20m)3両分の距離を僅か数秒で走り抜けてしまうのである。
さらに垂直な壁すら登ることができるという。
ただそのかわりブレーキはないようで、サイト内を爆走して数件の大事故を起こしたことがあるようだ(しかも内容的にも笑えないものだったらしい)。
垂直な壁すら登る能力があるため、換気ダクトの中で迷子になってしまうこともあったらしい。
うーん、なんというアホの子。可愛い。

SCP-131はこんなよくわからない見た目にも関わらず、猫のような知性と好奇心を有しているようだ。
好奇心に任せて勤務中の職員をじーっと観察していたり、SafeクラスのSCiPを観察していたりする。
瞼はないようであり一切まばたきをしない。実験においては18時間もビデオ記録をしていたのに一切まばたきをしなかったということもあるとか。
一切まばたきをしない…これで「閃いた」と思った貴方は正しい、がその話は後ほど。

SCP-131は愛情を持って接すると快く反応し、そして懐く。
懐くと犬やカワウソのようにどこまでもついていく。可愛い。
先述の通り好奇心は強いものの、その一方で危険を察知することもでき、EuclidやKeterクラスのオブジェクトなどもきちんと「危険」と認識しているようだ。
で、懐いた相手がこういった危険なSCiPなどの「危険物」にうっかり近寄ってしまうと、足元をウロウロして警告するように騒ぎ立てる。やっぱり可愛い。
但しこの「人懐こすぎる」「可愛すぎる」というのが問題である。
…財団職員っていうのはSCiPという危険物と最前線で対峙する身分である。
その危険な職務に就いている財団職員がSCP-131を気にかけることで注意散漫になったらどうなる?
最悪、収容違反→K-クラスシナリオのコンボだ。
そのため、愛着を持ってしまわないように職員はSCP-131との接触を最小限にすることが推奨されている。
別にミーム汚染とか認識災害とかがあるわけではない、ただ単に「可愛すぎるのが問題だから」関わりを持つのは最小限にせよということである。
で、懐いた相手から長時間放置プレイを食らうと、やがて関心を失いいつも通りの行動に戻る。

SCP-131は別に世話を必要とせず、それどころか食事や排泄すら不要らしい。
但し、唯一視覚による刺激は必要とされている(確定ではないためさらなる研究待ち)。
そりゃ好奇心の塊みたいなSCiPだし、何か面白いものを見せることは必要なのだろう。

さて、こいつは先述の通り「一切まばたきをしない」。
これって何かに使えるんじゃないかな?と思ったあなたは正しい。
というわけで、補遺を。

補遺

いつも通りあの「目をそらしたら絶対殺すマン」ことSCP-173の収容コンテナの清掃に行ったスタッフ。
その時こんなことが起こった。

補遺131-1: ████/██/██、SCP-131はSCP-173のコンテナ清掃スタッフを追っていました。SCP-131がスタッフに対していつも通りに警告を出しそれが無視されると、任務についていたそのスタッフと他の2名のスタッフよりも先にコンテナの中へ急いで入って行きました。一旦中に入ると、スタッフはSCP-131がSCP-173の前に座って(見つめ続けないとSCP-173が動くことを知っているかのように)じっと見つめていることに気づきました。スタッフはSCP-131を無視して通常通りの手続きに従い、2週間毎の清掃作業を行いました。スタッフが退出するときもSCP-131はSCP-173から決して目を離さず、ゆっくりと後退して退出していきました。現在SCP-131-AとSCP-131-BをSCP-173(またはSCP-689のような同様に監視が必要なSCP)の"監視役"として利用することが考慮されています。

そう、SCP-131が173を「見つめ続ける」ことで完封してしまったのだ。
しかもこいつは瞼がないからまばたきしない。
おまけに他のSCiPの特性をそこそこ理解しているような行動まで取っている。

…もうわかったね、こいつは173のような「監視が必要なSCiP」の見張り役として使えるかも知れないのだ。
可愛い顔して中々できる子…なのかもしれない。


追記・修正は監視が必要なオブジェクトを完封してからお願いします。



CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-131 - The"Eye Pods"
by Lt Masipag
http://www.scp-wiki.net/scp-131
http://ja.scp-wiki.net/scp-131

この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。
この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • SCP
  • SCiP
  • SCP Foundation
  • SCPオブジェクト
  • Safe
  • Eye Pod
  • アイポッド
  • iPod←ではない
  • 単眼
  • Safe
  • 癒し系SCP
  • SCP-131
  • SCP財団
  • アホの子
  • Lt Masipag

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月19日 17:19