北条鉄平

登録日:2009/10/29(木) 23:01:10
更新日:2024/03/22 Fri 07:21:32
所要時間:約 6 分で読めます




ひぐらしのなく頃にの登場人物。


声:宝亀克寿



北条兄妹の叔父。
兄妹の父の弟。

外見も内面も根っからのチンピラ。
地元では裏界隈含めてかなり有名で、その粗暴さは子供にさえ「あいつは普通じゃない」と言われている程。
特定の暴力団には所属していないが、恐喝や賭博をして生活している。
単純な腕っぷしも強いが喧嘩慣れもしているらしく、空手を嗜んでる債務者を返り討ちにした事もある。

兄夫婦の死後に貯金目当てで兄妹を引き取るが、ヒステリックな妻との折り合いが悪くなったため、
4年目の綿流し祭の前から愛人の間宮リナ(本名:律子)のもとに入り浸りのまま居着いている。

粗暴な人柄な上に、裏切り者の北条家の一族として雛見沢住民から白い目で見られているため、雛身沢にはめったに近寄らない。
しかし、リナがトラブルで園崎組に始末されると、生活の手段を失い、ほとぼり冷ましと北条家の貯金目当てに雛見沢に戻ってくる。

そして沙都子を北条家の実家に無理やり連れ帰って身のまわりの世話をさせるに留まらず彼女の心が壊れるほど虐待し、激怒した部活メンバーの暴走を招きやすいため、惨劇を呼び寄せる最悪のフラグである。
児童相談所に通報するなどして解決しようにも、過去の沙都子による虚偽通報、鉄平本人も小賢しく立ち回る、何より 沙都子本人が虐待を強く否定している …など
様々な要因が複雑に折り重なって困難を極め、
非合法的な組織の手で「消して」貰おうにも、間宮リナの殺人絡みで彼が警察にマークされる為それすらままならず、八方塞りこの上無い状況となる。
(もっとも非合法な組織が彼に対してそこまでする理由は特にないため、リナとは関係なくそういう手段がとられることは何らかの事情が発生しない限りない)

でもコイツを殺せば沙都子は救われるんだからその点はマシになるんじゃね?と思うかもしれないが、
この段階の沙都子は彼に酷使されるあまり雛見沢症候群の治療が出来なくなる上に極度のストレスから末期症状に陥っており、
彼が居なくても男性に頭を撫でられたり、果ては赤の他人の足音すら鉄平のものと強く思い込んでそのたびにパニックになるという
シャドーボクシング状態と化しているので、単純に彼を排除しただけでは何も変わらない。
それどころか、殺人を犯したキャラが殺人により生まれた心の歪みから徐々に凶行に走るようになり、これらひっくるめて最悪の事態に陥ってしまう。
そもそも悪人とは言え殺人を犯した時点でもう取り返しがつかないため、救われない。

これらの事情とそれ以外にもどう手を打っても覆らなかったために、
梨花は鉄平が帰って来る≒ゲームオーバー確定として、鉄平が帰って来た時点でその世界で生きることを諦めていた。


なお、鉄平本人はすぐ暴力や脅しに頼るが、保身のためにギリギリ温厚そうな振りをして立ち回ったり、脅すにしても万一相手が決死の抵抗をしない程度の追い詰め方を心得ているなどの狡猾さも持ち、ただの脳筋ではない。


祟殺し編では沙都子を虐待したため、圭一によってKOOLに金属バットで撲殺された。

罪滅し編では間宮リナと共謀してレナの父親を美人局にかけようとするが、
計画を知ったレナはリナを殺害、戻ってこないリナに不審を抱き竜宮家に襲撃しレナの父を恫喝していたところレナに言葉巧みにダム工事跡に誘い出され、照明を消したことによる暗闇に乗じたによる不意打ちで一刀のもとに頭を割られて死亡。
皮肉な事に、彼がレナの父に真実を語った事でリナにお熱だったレナの父は目を醒ましてちゃんと就職し、レナの生活の一応の安寧に一役買った。もし彼がレナの父と接触していなかったら騒動解決後もリナを待ち続けずっとニート状態になった可能性すらあった事を考えると地味に無視できない功績(?)である。

皆殺し編では、祟殺し編と同じく沙都子を虐待し、詩音の暴走を招きかけるが、
過去の殺人の過ちを朧気に思い出した圭一とレナが止めに入ったために殺害には至らなかった*1
圭一の奮闘で雛見沢住民が村八分をやめたことと、気力を取り戻した梨花 の説得により、
呪縛から解放されやせ我慢を止めて救出を訴えた沙都子に激怒して暴力を振るっているところを、
諸々の状況を想定していた大石の手により急行していた警察によって現行犯逮捕された。

目明し編では生存者リストの中に名前があるが、作中には全く登場しなかったため動向は全く不明。


他にも梨花曰わく、レナによって殺されたり(沙都子を虐待したため)、梨花に襲撃されるものの返り討ちにした世界もあったらしい。
目明し編でうっすらと後悔が継承されるようになって以後は詩音によって殺されるのでは?と皆殺し編で梨花が推察していたが、止めることが出来たため未確認*2
加えてCS版では圭一&レナ&詩音で共謀して殺害する話もある。
そして、そのどれもが悲惨な末路を迎えたという…


皆殺し編で無血撃退されたとはいえ物語が冗長になるからか、祭囃し編では「誰も犠牲にならない」が追及された結果、
お魎による割と唐突な*3(事実上の)北条家迫害&ダム戦争の完全終了宣言によって希望を持たせるというフォローをつけつつ、
全く登場しないという形での大団円となり、地味ながら彼も彼で救われている。

それに対してPS2版の完結編である澪尽し編では不殺縛りがなかったことと、メインキャラ全てにスポットを当てるという脚本の都合上、
村人に大胆に害をなすなど原作とは逆に不用心極まりなく、更に鷹野によって逃げられた富竹の代わりに綿流しにされて死亡*4という結末になっている。





上記のように救いようのない人間の屑であるためか、
ギャグ系の二次創作では沙都子のために献身的に働いて世話する真人間に変貌するなどギャップ萌えのネタとして使われることがある。
その際の真人間キャラ状態では「てっぺい☆」と呼ばれる。


ただし原作の皆殺し編の時点でここまでの人物となった理由が説明されている。
事の始まりとして自身はダム建設に積極的に賛成していたわけでもないのに、
賛成派の兄夫婦が鉄平以上に強烈な夫婦であったこと、村のダム反対派を一致団結させ、よりにもよって園崎お魎に直接喧嘩をふっかけた故北条家と一括りにされ、
自身は補助金など貰ってもいないのに、村八分にされて徹底的に嫌がらせを受け続ける(これは現在まで続いている)。
更に兄夫婦が亡くなったことで、遺産目当てとは言え兄夫婦の息子達である悟史と沙都子を引き取ることになった。

そして悟史は上手く立ち回れていたが、沙都子が自分も妻も酷く拒絶することも相まって、妻が次第にヒステリックになっていき沙都子に頻繁に虐待をするように。
つまり村の連中(外)も家の中も穏やかとは程遠い環境。虐待については放置している彼にも責任はあるが。
そんな妻との仲も冷めていき、その後妻が死亡して悟史も行方不明に。
鉄平も村に居たくなかったので沙都子を放置して家を出る。道徳的にはゲスだが現実的にはそれがお互いのプラスに働いていた。
しかし愛人のリナが居なくなると、生活が立ち行かなくなったので補助金や隠し財産の家探しが目的で仕方なく実家に帰宅
戻った後は村人に遭遇したくないのでなるべく外に出ないなど、沙都子に色々やらせているとはいえ窮屈な生活をしていることがうかがえる。
このことからも生活出来るのであれば、お金のこと以上に村に居たくなかったことが分かる。

なお、村の子供も親からあいつはやべー奴だと言い聞かされていた様なのだが、
村人には例外を除けば*5彼なりに愛想よく接しており、実情をあまり知らない村人からもそう言われているのも不憫である。

……このような形で彼は彼でむしろかなりの不運に見舞われており(そうなる要因やら隠された真実やらはたくさんあるが)、
元々はどうしようもないクズではなかったとフォローされている。
もっとも、恐喝や闇金稼業で生計を立てている時点で擁護の余地は殆ど無い訳だが。

実のところ、ひぐらし原作(少なくとも祭囃し編まで)で心底救いようのない悪人なのは間宮リナ程度しか居ない。
まあ彼女のヒモである現在の鉄平は色々な意味でどうしようもないのだが、
リナは結婚詐欺だけでなく、それが上手くいかなければよりにもよってヤクザの金に手をつけようとするため(こちらは鉄平は関わっておらず、鉄平視点でもリナが突如行方不明になる形となる)、
悪人であることは言うまでもないが、リナは悪人である以上に致命的に頭が悪い……。









あ・・・。今気付いた。と、言うより思い出した。

俺は祟殺し編を初めてプレイした時から違和感を覚えてたんだよ。
なぜ体格も良くて喧嘩慣れしてる鉄平がただのガリ勉少年に過ぎなかった圭一にああも易々と殴り殺されたのか?
もちろん素手と金属バットという差はあった。
でもそれは絶対的な差にはならなかったはずだ。圭一が持ってたのは拳銃でもなく日本刀でもなくただの金属バットに過ぎないんだ。
大人と子供の力の差を考えればひっくり返せない程の不利ではなかったはず。
なのになぜかあいつは・・・鉄平は満足な抵抗一つ出来ずに・・・。


出来ずに・・・? 

嘘だ・・・・!俺、覚えてるじゃないかよ・・・。

鉄平は抵抗出来なかったんじゃない・・・。しなかったんだ・・・!!

あいつは・・・金属バットで殴られて腕がひしゃげて額を割られてるにもかかわらず言い続けてたんじゃないか!!
それを!怯えさせないように微笑みながら・・・次の一言こそ心に届くと信じて。
それを口にしていたんじゃないか・・・。
















大丈夫、
「わしを、信じて」






ちなみに『ひぐらし』の役者ではない、素の北条鉄平は子供好きな素敵なおじさんで、
「子供をいじめるのは好きじゃない。沙都子と仲良く暮らす話がしたい」
と語っており、沙都子もくすぐったいと笑いながらもまんざらではなさそうである。
ちなみに沙都子との関係は仲の良い親子らしい。(本編内での悪人ぶりは何処行った…)

また、ドラマCDでは沙都子萌えのドMとしてソウルブラザーに加入する話もある。

あと、縁日ではくじ引きをやっていた。
最近の鉄平の様子


以下ひぐらしのなく頃に煌 第3話のネタバレ注意















OVAひぐらしのなく頃に煌の3話にて原付きで圭一と魅音の前に現れる鉄平の姿が確認された。
以下会話一部抜粋

鉄平「まあよう、お二人さん若い内から仲がいいのう!」
圭一+魅音「!?」
鉄平「もっとくっついてぇ道あけんかい!このダラズがぁっ☆」
ブロロロ…
圭一「あ…あぶねえな…」
魅音「なんなのよもう…」
と走り去って行った。

鉄平さん元気そうでなによりです

魅音も鉄平に警戒していなかった上に、その後に登場した沙都子は怯えてすらいなかったため前述のお魎による宣言に伴い鉄平と沙都子は互いに和解したのではないかと推測される。
(3話中に鉄平と沙都子は出くわしてはいないが)





































時は流れ令和の時代、『ひぐらしのなく頃に卒』ではなんと改心した。
上記のようなてっぺい☆やギャグ話ではなく、本編で本当に改心し、沙都子との関係も虐待目的ではなくなっている。
誰が呼んだか「SSR鉄平」
沙都子がヤンキーに絡まれたり、いじめられたりした際には必死に奔走するなど、彼女に対する態度はまるで別人。
ここまで心境が変化したきっかけは、とある理由で悪夢に悩まされたり酒の所為で病を患ったりという出来事が重なったことで
自らの人生に迷いを抱き、そこに加えてふとしたきっかけで沙都子が(血は繋がらずとも)唯一残った「家族」であることを強く意識するようになったことであり、
罪悪感や庇護欲が混ざり合った沙都子への接し方は傍から見れば娘を溺愛する父親のようですらある。

大石に対しても自分では無理そうだからいじめの相談に乗ってほしいと頼み自宅まで連れてくるが…



さっさと追記・修正せんかい!このダラズ!!


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最終更新:2024年03月22日 07:21

*1 圭一に関しては、彼も最初は殺すしかないと内心激昂していたが口に出す寸前で詩音が暴走し、それを見て落ち着く事が出来たと後に語っている。

*2 目明し編以後はそれまで嫌っていた沙都子が大切な存在になっているなど、詩音の考えがそれまでと異なっていることと目明し編などは終盤のループらしく、鉄平絡みで暴走したという記憶が梨花にはなかったため。ただし、以後に製作された作品では設定が異なっている可能性はある。

*3 前の記憶が微かにあった可能性もあるが

*4 元々計画的に無意味な上、鉄平は当時警察から逃げていたなどかなり注目されていたため、どこかから足が付く恐れも高いなどかなり不可解な行動になっている

*5 例外は皆殺し編にて訪問してきた知恵を威圧的に追い払った事である。仮に威圧したところで数の暴力や警察には負けることは理解しているし、園崎組の存在もあるため、例外は美人局を慣行したレナ父相手や、しつこく食い下がられて短気を起こした時など。