ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア

登録日:2017/05/20 (土) 14:47:14
更新日:2023/09/23 Sat 22:24:18
所要時間:約 5 分で読めます






今日この日を以て、黒と赤のサーヴァントによる聖杯大戦が開戦する。

我ら千界樹(ユグドミレニア)が、この世界の神秘と奇跡を手に入れるのだ。


Fate/Apocrypha』の登場人物。

【プロフィール】

スペル:Darnic Prestone Yggdmillennia
年齢:97歳
身長:182cm
体重:76kg
血液型:O型
誕生日:5月2日
特技:煙に巻く
好きなもの:扱いやすい脳筋
嫌いなもの:扱いにくい脳筋
イメージカラー:墨色
天敵:ヴラド三世
CV:檜山修之

【概要】

ユグドミレニア一族の長にしてトゥリファスのセカンドオーナー。
黒のランサー・ヴラド3世のマスター。
外見は20~30代の若い男性。
第三次聖杯戦争以降の並行世界を形成する原因を作った張本人。
若々しい外見に反して、Fate/Apocryphaの時点で既に百年近く生きており、長年にわたってユグドミレニア一族の頂点に君臨してきた。


【人物】

長寿の魔術師の例に漏れず魔術の腕もなかなかのものであり、魔術協会所属時は二級講師として元素変換を教えていた。
ただ、生徒たちからの評判は悪く、講師としての評価はイマイチだったとか。

しかし「政治」の分野では非常に優秀であり、派閥抗争や権力闘争の場面において抜群の手腕を発揮。
裏切り寝返りは当たり前、信じる者は勿論信じていない者まで利用する超一流の詐欺師として知られ、"八枚舌"のダーニックとまで呼ばれるようになった。

何よりも政治的手腕に長けており、協会の最高位、王冠(グランド)の階梯を得ているだけでなく、
魔術協会聖堂教会にも諜報用の手駒を多数送り込んでいる。

これらの政治手腕は『Apocrypha』における「聖杯大戦」にも、物資調達や情報収集の面で存分に活かされ、
足元を固めた上で、地形特性を最大限に活かせる最適な司令官を自身のサーヴァントとして選択・召喚し、勝ちを狙う。

そのサーヴァントであるヴラド三世には、表向き「領主」と呼び、忠実な臣下のように接する一方で、
ケイネスと同様に、内心ではサーヴァントなど所詮はマスターとの契約が絶たれれば消え去る使い魔に過ぎないと見下している。
本来の使い魔と魔術師の関係を考えれば、魔術師としては常識的な認識ではあるのだが…。


【魔術師としての能力】

「王冠の階梯は政治力で得ただけで、実際の力量はへっぽこ講師止まり」と周囲から侮られていたが、
実際のところは、それもダーニックが周囲に「わざとそう思わせていた」に過ぎない。

確かに「王冠」に見合う実力には届いていないが、魔術協会でも段違いの実力を誇り、
君主(ロード)であるケイネス等と同じ第二階梯、実質的な頂点とも評される「色位」には優に届いている。
赤の陣営のマスター達と正面から戦闘をした場合、赤の陣営のマスター達7人全員を独りで相手取っても尚勝算がある程。
その赤の陣営のマスター達は、ケイネスと役職では同等の時計塔の一級講師や、それと同格の一流の魔術師達で構成されていることを考えると、
それらを纏めて相手に出来るその力はこの聖杯大戦においては似非監督官の神父を除けば比肩する者の居ない最強のマスターである。

さらに、彼は奥の手として、他者の魂を自らの糧として取り込むという、本来は精霊種にしか許されない魔術を編み出している。
彼の、実年齢には全くそぐわない外見・肉体年齢の若さも、この魔術の賜物である。
しかし、人間が他者の魂を自らの糧として変換・取り込むのは非常に困難であり、
ダーニックのそれも、禁忌に近い呪法である上に、少しのミスで自らの死を招く、非常に繊細でハイリスクな魔術である。
故に、ダーニックは60年間に3回しかこの魔術を行使していないが、
それでも三人もの魂を取り込んだ影響で、自身の肉体と魂の適合率が6割を切っており、
これによって生じた肉体と魂の「ズレ」によって、聖杯大戦開始時点で既に自分以外の“誰か”に自らの身体を支配されつつある。


【来歴】

かつてナチスドイツの魔術師として、冬木の地にて行われた第三次聖杯戦争にマスターとして参戦した経験がある。
自らのサーヴァントを討滅された事で聖杯戦争から敗退するも、その途中で偶然にも円蔵山の地下に眠る大聖杯を発見。
第三次聖杯戦争で疲弊した御三家と日本陸軍諜報部を出し抜き、ナチスドイツと結託して、聖杯戦争の根幹である大聖杯を物理的に無茶苦茶な方法で強奪。
その後、与していたナチスドイツすら出し抜き、大聖杯をユグドミレニア一族の管理地であるトゥリファスのミレニア城塞に隠匿した。

80年前、見た目通りの年齢だった頃、権力闘争のための風説の流布によって一族の評判を貶められ、一族そのものが窮地に立たされた時期があった。
笑顔で肩を叩いて友情を誓った義兄も、恥じらいながら自分に愛を囁いた伴侶となるはずだった婚約者も、周囲の全ての人間が、こぞって彼から背を向けた。
彼と彼に続くユグドミレニアの魔術師達の未来は閉ざされ、代を重ね、魔術師としての血を濃くし、
初代が選んだ魔術系統を極めるという通常のアプローチで根源に到達するという道を放棄せざるを得なかった。

故にダーニックはまず一族を零落させぬ方法を考えねばならなかった。
それから根源へと至る道を探さねばならなかった。
他の多くの魔術師のように魔術協会を離脱し、世間に隠れ潜みつつ研究を続けるという手も無いではなかったが、ダーニックはプライドからそうする事を拒んだ。

その代りにダーニックは、浅く、そして広く一族に連なる魔術師たちを掻き集めた。
対象となったのは、単純に歴史が浅く、魔術回路が貧弱な一族。
あるいは衰退が始まり、代を重ねるごとに魔術回路が貧弱になりつつある一族。
あるいは権力闘争に敗北し、零落するしかない一族。
あるいは魔術協会からペナルティを受けた。懸賞金をその首に掛けられた魔術師といった類。
つまり魔術師協会の中心から逸れても尚、根源への到達を諦め切れない者たちである。

ダーニックは彼らにこう囁いた。
「血を遺したくはないか?」「研究成果を己のものだと声高らかに謳い上げたくないか?」「一族の名を歴史に刻み付けたくはないか?」と。
ユグドミレニア一族の魔術師たちのミドルネームは、全てが過去そうやって吸収された一族の名である。

ユグドミレニア一族の魔術師たちは、魔術刻印すら統一しておらず、かつての一族の刻印をそのまま継承し続けている。
彼らが学ぶ魔術系統も幅広く、西欧型錬金術、黒魔術、ヴィッチクラフト、占星術、カバラ、ルーン、果ては日本の陰陽道に至るまで、一族の誰かがそれを学んでいる。

とはいえ所詮は衰退した一族や歴史の浅い一族を集めた連合のようなものであり、魔術協会の貴族たちが笑って見逃すほど、彼らの魔術はたかが知れたものだった。
平均としては二流、稀に一流の魔術師が出ることもあるが、多くはそこ止まり。
数は多くとも脅威には当たらない。数が多いだけが取り柄の一族。それが時計塔の魔術師たちの認識だった。
無論、見逃されていたのはダーニックの政治手腕も大きい。

そうして半世紀もの間、魔術協会や聖堂教会の目を誤魔化しながら準備を進めて結実したのが聖杯大戦である。
その目的は大聖杯の奇跡の力によって、魔術協会からの支配を脱却し、血族を中心とした大聖杯をシンボルとする新たな協会を組織すること。
半世紀以上の月日をかけて慎重に準備を進めてきたダーニックは、魔術協会から一族を挙げて離反。
討伐に向かった魔術師50人を全滅させ、魔術協会に対し宣戦を布告する。

開戦後は持ち前の政治手腕で黒の陣営をまとめ上げ、序盤の戦いを優勢に進めていくダーニックだったが、
自陣営のセイバーの失踪と脱落、陣営の瓦解と立て続けに不測の事態に見舞われた上に、
シロウ・コトミネの計略と赤のサーヴァント達の猛攻に徐々に追い込まれていき、
遂には切り札である大聖杯を赤の陣営に強奪されたことで、完全に余裕を失ってしまった。



以下、結末の為、ネタバレ注意













さあ、コレで貴方は私、私は貴方だ。

領主(ロード)!否、吸血鬼(ヴァンパイア)

貴方の力は我らの共有財産となる!全ては聖杯のため!

我が夢、我が野望は貴方の中で根付き、永遠に生き続ける!

虚栄の空中庭園(ハンギングガーデンズ・オブ・バビロン)』での決戦において、カルナに負けかけても尚『鮮血の伝承(レジェンド・オブ・ドラキュリア)』の使用を渋るヴラド三世に業を煮やしたダーニックは、忠臣の皮を脱ぎ捨て令呪を使用。

命令は三つ。


「宝具『鮮血の伝承(レジェンド・オブ・ドラキュリア)』を使用せよ」

「大聖杯を手に入れるまで生き続けろ」

「我が存在をその魂に刻み付けろ」

令呪の全てと編み出した魔術を用いて無理矢理ヴラド三世と融合したダーニックは、『吸血鬼』という概念の具現たる吸血鬼ドラキュラへと変貌した。



……さあ、私の聖杯を返してくれ。私はあの大聖杯で、我が一族の悲願を叶えねばならないのだ。

そう、我が宿願を叶えるため、私は無限に、そして無尽蔵に生きねばならぬ。

血族を増やさなければならない。我が子を生み出さなければならない、眷属を更に増やさなければならない。

才と努力と育成環境、それらを揃えて私の後に続く者たちを生み出さなくてはならないのだ。

だから大聖杯を……

返せ、返せ、返せ、返せぇぇぇぇぇッ!!


しかし、ただでさえ何万、何十万人分にもなる英霊の魂を取り込むという無茶を敢行した上に、宝具で吸血鬼化した結果、完全に自我が吸血鬼としての本能に支配されてしまい暴走。
ルーラー・ジャンヌ・ダルクの発動した「神明採決」に加え、状況が状況だけに黒の陣営のサーヴァントたちも自発的に離反してダーニックに総攻撃を敢行する。


ああ、ああ、ああ!

私の聖杯、私の幻想(ユメ)!余の聖杯!余の希望(ユメ)が!

届かない、届かない、届かない!!


最期の悪足掻きも通用せず、吸血鬼ドラキュラと成り果てた、かつてダーニックでありヴラド三世でもあった“無銘の怪物”は、
大聖杯を目前にして、シロウ・コトミネことルーラー・天草四郎時貞の洗礼詠唱によって消滅した。


【余談】

  • アニメ版『Apocrypha』9話で第三次聖杯戦争での彼が少しだけ描かれた。
    召喚したサーヴァントはフィン・マックール(陰になってやや見えにくかったが)。




追記・修正は聖杯を強奪してからお願いします


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最終更新:2023年09月23日 22:24