SCP-005

登録日:2017/05/17(水) 15:14:32
更新日:2023/06/01 Thu 19:36:09
所要時間:約 4 分で読めます




SCP-005は、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト (SCiP) のひとつである。
オブジェクトクラスは「Safe」。
項目名は「Skeleton Key (合い鍵)」。


概要

コイツが何かというと、異常な特性を持った金属製の鍵である。
華美な装飾と形状から、1920年代に使われていた大量生産品と同じものだと考えられている。

その特性は、機械式・デジタル式を問わず、ありとありゆる施錠を比較的容易に解除できるというものである。
財団がなぜこれを持っているのかというと、民間人がとある警備厳重な施設(恐らく財団のサイト)に侵入しようとしてこれを使用していたのが発見されたからである。

収容後の実験において、このオブジェクトにはそれ以外の特異性はなく、差し迫ったリスクは存在しないことが判明した。
しかし、SCiPには変わりないため、収容エリアから持ち出す場合はレベル4職員1名以上の許可が必要になる。

また、財団施設内でセキュリティパスを紛失した場合に限り、レベル4職員の監視を受けることでSCP-005を文字通りの合鍵として使用することが許可されている。
自動販売機の修理、ロッカーの解錠、自宅の鍵の代わりに使用することは許可されず、構内から持ち出した者は処分されることになっている。以前に誰かやらかしたらしい。

付録A

この鍵はほとんどすべての鍵を比較的容易に開けることが出来るが、ボランティアによる実験の結果、施錠機構そのものが偽装・隠蔽されていた場合は、5割の確率で解錠に失敗することが判明している。
このことから、SCP-005は鍵の存在を認識しているのではないか、と仮定されているが、認知能力を妨害するような特異性はやはり見つかっていない。そもそも実験に使われた鍵は厳重な隠蔽偽装が施されていただけで、特異なものは用いられていないので、使用者が「この鍵を開ける」と認識していないと確実な解錠は出来ないのだと思われる。












え? これだけ?

SCP-005についての説明は以上だが、各国支部や本部の1000番台以降の報告書を読んでいる諸君ならば違和感を覚えるだろう。
短いのはともかく、内容がちょいちょい現在の水準にそぐわない。
異常特性からして「どんな鍵でも開けられる」というだけであり、発見経緯についても[編集済]や黒塗りでなく「とある」とぼかす形。

さらに収容違反に対する措置が「終了」ではなく「処分」。
トドメに実験に参加したのがボランティア≒民間人。収容したオブジェクトの実験に使用するのは、たいていの場合オブジェクトの一部となった人間か、Dクラス職員である。予期しない特異性の発現による被害や収容違反のリスクを防止するためにそういう措置をするのに、なんでボランティアなのか?


005のナンバーを見ればわかるだろうが、このオブジェクトの記事はWikiの成立初期に書かれたものである(元記事の筆者は既に退会)。そのためSCP財団のテンプレートが固まり切っていない、いわば模索の時期の記事であるためにこんなことになっているのだ。
実際特別収容プロトコル=取り扱い方からして、

SCP-005には、どのような観点から見ても、差し迫ったリスクは存在しません。たとえそうであっても、独特な機能を持っていることから、使用を制限するために、特殊な取り扱いが必要となります。収容エリアから持ち出すには、レベル4スタッフ(最低1名)の認可が必要です。

こんな具合である。
SCP-173を始め初期の記事を読むときは、こんな具合で当時の様子を思い浮かべてみるのも楽しみ方の一つだろう。



仲間たち

これだけだとアニヲタの記事にするにはちょっと寂しいので、財団に存在する「鍵」のオブジェクトを集めてみた。

オブジェクトクラスはKeter。
自身に関する情報を媒介に殺人的ミームを拡散する認識災害ベクターであり、さらに一定の条件が揃うとこれまた殺人的効果を含む感染型空間を残すという超問題児。
元はある機動部隊がどこかの遺跡から持ち帰ったもので、ミームに感染した一人の博士が辛うじて達成した収容が現在も維持されている。

  • SCP-860「青い鍵」
オブジェクトクラスはSafe。
ブレードに刻まれた座標に存在している、あらゆる錠前を開けたり閉めたりできる。
コイツで開けた扉の向こうは青い霧に包まれた小道に繋がっており、そこでは数々の異常現象が起きたり、報告書に書けないような何かが現れたりする。ただ、使わなければ何も起きないのでSafeになっている。

  • SCP-1016「血を流す鍵」
オブジェクトクラスはSafe。
コイツで施錠された扉を開け、かつその向こうに哺乳類か高等動物がいた場合、「カギ穴に差し込んで回す」事象にその生物を巻き込んで殺す物騒な一品。常に血で汚れている。

結論:財団世界の鍵はロクなもんじゃねえ。



追記・修正は鍵をなくした人からお願いします。

CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-005 - Skeleton Key
アカウント削除のため原著者不明
http://www.scp-wiki.net/scp-005
http://ja.scp-wiki.net/scp-005

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最終更新:2023年06月01日 19:36