金田一少年の事件簿 悪魔の殺人航海

登録日:2017/05/14 (日) 15:26:43
更新日:2022/04/02 Sat 23:28:21
所要時間:約 6 分で読めます




『金田一少年の事件簿 悪魔の殺人航海』とは、2009年9月17日にクリエイティヴ・コアから発売された、『金田一少年の事件簿』ゲームシリーズ第6弾(クロスオーバー作品を含むと第7弾)のタイトルである。
ハードはニンテンドーDS


概要


『10年目の招待状』以来9年ぶりとなる、『金田一少年』のゲーム化作品。

登場人物の各グラフィックは原作に近いタッチで描かれていて、比較的良好。
また、今回は今までのゲーム版とは違い、初めてアニメ版の声優が起用されているところも特徴。

原作と比べると謎解きが非常に簡単であり、登場人物からしっかり聞き込みをしていれば、推理の場でミスる事はまずない。
そのため、謎解き初心者でもほとんど迷う事なく真相に辿りつく事が出来る。
しかし、前回のコラボ作のような出来を期待して本作をプレイすると、クリアした後に物足りなさを感じてしまうかもしれない。
シナリオ面は原作と比べるとライトな感じで、クリアまでの時間もそれほどかからないので比較的手軽にプレイする事が出来る。

問題点としては、真犯人に繋がる伏線が少なく、ある人物を真犯人だと断定するための根拠が少々無理やりなところか。ちなみに真犯人には、ある事件を彷彿とさせるような設定付けがなされている。
良くも悪くも、オーソドックスな推理アドベンチャーといったところ。
あと、ある人物が殺害された現場に、ダイイング・メッセージとして真犯人の名前がそのまま記されてしまっている事は秘密だ!


システム



  • シナリオの流れ
本編は全部で5つの章に分かれている。
各章を進めると事件が発生し、聞き込みや調査を行う事で、解決に必要な証言や証拠を集めていく。
途中で推理を行う事で、情報のレベルが上がっていき、有効な証拠となっていく。
そして、必要な証言や証拠が揃うと「真相解明」パートに突入し、謎解きの場で的確な答えを提示していく事で真相を解明していく。
無事真相を解明するとエピローグとなり、その章の推理ランクが表示された後で次の章へ進んでいく。
以上がこのゲームの一連の流れ。

  • 真相解明
原作で言うところの解決編。
今まで入手した証言や証拠を使い、事件の真相を披露していく。
推理を披露している途中で関係者に質問をされる事があるので、その質問に対して適切な答えを提示しなければならない。
間違った答えを選ぶと「ペナルティゲージ」が減少し、このゲージが無くなるとゲームオーバーとなってしまう。
ちなみに、質問ごとにペナルティゲージが1つ用意されている。

  • IQカウンター
所謂「お助けシステム」。
調査中などで下画面に表示される「IQ」のアイコンをタッチすると発動する。
一の形になっているゲージを、右のダイヤルをグルグル回して満タンにすれば、ゲームに関するヒントを得る事が出来る。
調査中だと調べるべきポイントのヒントが得られ、選択問題だと選択肢が1つ減る。

  • 爆弾処理
物語終盤で発生。
船に仕掛けられた爆弾を制限時間内に解体するのが目的。
タッチペンでの細かい作業が要求されるので、この場面だけでもかなり難易度が高い。


あらすじ


アルバイト代に釣られ、豪華客船「ルナ号」にボーイとメイドとして乗り込む事となった一と美雪。
世界各国のセレブが乗船していたが、今回のクルーズの目的は渡海グループの遺産配分を決める会議であり、華やかさとは裏腹に、プライドと嫉妬が船内に激しく渦巻いていた。
乗客の中には、ある人物のエスコート役として明智も乗り合わせており、明智に呼ばれて来た剣持と、見送りに来ただけだった二三も特別に乗船していた。

ギスギスした雰囲気の中で船は出港するが、一が睡眠薬で眠らされている間に乗員達がいなくなり、航路が変更されるという奇妙な事件が発生。
そして翌朝、乗客の1人がタロットカード「ハングドマン」に見立てられ、何者かに殺害された。

一は乗客への聞き込みをもとに事件の真相に辿り着くが、この事件はこれからルナ号という蠱毒(こどく)の壺で巻き起こる、惨劇の序章に過ぎなかった……


登場人物



レギュラーキャラクター


ご存知主人公。
美雪の誘いで、夏休みにルナ号レストランのボーイのアルバイトをする事となり、ルナ号へ乗船。
しかしそこで事件に巻き込まれ、アルバイトどころではなくなってしまう。

ご存知ヒロイン。
ルナ号のアルバイトが高給だったので、一を誘って一緒に乗船した。
アルバイトでは、レストランのメイドとして給仕を担当。

ご存知オッサン。
一抹の不安を感じた明智に呼ばれ、特例でルナ号に乗船した。
ある場所で彼に話しかけると、彼と将棋の対局(後述)が出来る。

ご存知イヤミ警視。
休暇中だったが、春奈の母親の頼みで、エスコート役としてルナ号に乗船していた。
一と協力して、真相の解明に努める。

ご存知チビ金。
ジュリーとはメル友で、長野でペンションをやっていた頃からの幼なじみである。
その関係で、今回は特別にルナ号への乗船を許可された。


ゲストキャラクター


  • ジュリアス・グリーン
二三の幼なじみ。10歳。愛称はジュリー。
生まれつき体が弱く、車椅子生活を強いられている。
穏やかな性格で、二三とは仲がいい。タロット占いが好き。

  • アシュレイ・オハラ
グリーン家執事。64歳。
ジュリーの身の回りの世話をするために乗船。
執事の仕事の他にも、遺産相続交渉の代理人も担っている。

  • ロミ・ロッシニ
ジュリーの婚約者を自称する少女。9歳。
プライドが高く、自分よりも身分が低い人間を見下す悪い癖がある。ジュリーを巡って二三と何度も対立する。
一が名探偵だと知ると、彼にジュリーの身辺調査の依頼をした。

  • スカーレット・ロッシニ
ロミの母親。35歳。
ロミと同様にキツイ性格をしたマダム。ちなみにロッシニ家には、ロミと彼女の2人だけしかいないらしい。

  • 赤城広海(あかぎ ひろみ)
ルナ号のメイド。19歳。
専門学校生でもあり、専門学校の掲示板でルナ号のアルバイトを見つけ、それに応募してルナ号でメイドとして働く事となった。
バイトながら、接客スキルは高い。

  • 湊洋子(みなと ようこ)
厨房のチーフ。29歳。
姉御肌な性格で、一を豪快に「金田一」と呼ぶ。
この仕事に就いて5年になるが、ルナ号に乗り込むのは今回が初。

  • 錨剛造(いかり ごうぞう)
ルナ号の船長。50歳。
他の乗組員からは、あまりいい印象を持たれていない。
船の進路について、ノットともめているところを目撃される。

  • ファンネル・ミカエル
一等航海士。32歳。
仕事への意欲は低く、勤務態度も悪い。

  • ノット・チシマ
チーフエンジニア。55歳。
無口で真面目そうな人物だが、音に関しては神経質な一面を持つ。

  • 万乗目準(ばんじょうめ じゅん)
医者。38歳。
男には無愛想だが女好き。航海中も船内の女性を狙っていた。万乗目発動機の跡取りでもある。
余談だが、作中にて『金田一少年』のパロディネタをやった事のある某デュエリストと名前が酷似。
元ネタだったりするんだろうか…?

  • ンバギ
貿易業経営。40歳。
渡海グループの大株主の1人。結構気前はいい。
カタコトな日本語を話す。

  • ゼーランド春奈(- はるな)
ぜーランド海運の社長秘書。25歳。
同会社の社長令嬢でもある、清楚な雰囲気の女性。

  • パリス
弁護士。年齢不詳。
ルナ号に渡海グループ関係者を集めた人物の代理人。なぜか毎回モニターを介して皆の前に姿を見せる。
そのうえ、顔に特徴的な仮面をつけているため素顔は不明。一体何者なんだ……?


おまけ要素



  • 推理クイズ100
ルナ号の各所に隠されているクイズ。ストーリー中で手に入る。
その名のとおり、クイズは全部で100問用意されている。難易度はそれほど高くない。
各章で見つけられるクイズは異なっている。また、章の中で手に入るクイズは、その章のうちに解かないと、その章の推理ランクは上昇しないようになっている。

ある場所で剣持に話しかけると、彼と将棋の対局をする事が出来る。
駒を動かせる方向が表示されるので初心者でも手軽に対局でき、途中で中断セーブも出来るので捜査の息抜きにするには丁度いい仕様となっている。
だが、時折相手側が「二歩」になっていても、なぜか問題なく対局が進む場合がある(プレイヤー側は二歩は出来ない)。


余談



別の船での事件に登場した人物の中に、雑務係の下の名前が「洋子」、船長の下の名前が「ごうぞう」という人物がいる。


追記・修正は、IQカウンターを満タンにしてからお願いします。


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最終更新:2022年04月02日 23:28