ワールドダウンタウン

登録日:2017/05/10 Wed 10:31:24
更新日:2023/07/13 Thu 16:14:22
所要時間:約 6 分で読めます




「それで?ハマタはどう思うんだい?」

「いや、浜田やけど」

「それで?マツモトは歌手のマッキーとアナウンサーのマッキーのどっちのマイクがウマいと思うんだい?」

「まだ独身で、未来もあるんでそんなキャラ付けやめてもらえますか?」



WORLD DOWNTOWN

『ワールドダウンタウン』は、2004年4月から9月まで毎週火曜24:35~24:58にフジテレビ系列で放送されていたニュース番組形式バラエティー。
全22回。
タイトル通りダウンタウンの冠番組ではあるが、後述の番組内設定に基づいて二人は雑に扱われたり、ベタな無茶ブリをさせられたりするのが特徴。
構成、脚本はダウンタウンの同級生でもある盟友で放送作家の高須光聖。

【概要】

海外ニュースネットワーク番組のパロディーで、基本的な番組の流れは、海外(主に発展途上国)からの非常識な面白現地レポート映像を見て、それに対してスタジオ内の出演者がコメントをしたり、ダウンタウンが雑にネタを振られることで進む。
司会のジル以下の外国人出演者の笑い声やリアクションの吹き替えは非常にウザく、
その、でベタベタな雰囲気に対して、醒めたり呆れたりするダウンタウンとの温度差にも注目である。

回を重ねる毎に番組内の悪ノリが酷くなってゆき、それに伴い出演陣のカオスな追加設定も増えていった。

視聴者には大ウケして人気番組となったが、
番組制作している現場の側からすると、とにかく下準備に手間と金と労力が掛かりすぎる上に、演出をリアルタイムでしている等、番組進行も大変で、
おまけに、ロケやセットに金を懸けざるを得なくなることから、その労力に反してダウンタウンを含む出演者やスタッフのギャラも少なくしなければならなくなる……等の理由により、惜しまれつつも半年で終了させることになってしまったとの事。*1

僅か半年にも満たない期間の放送ではあったものの、ネット界隈で使用される浜田の通称であるハマタの発祥元である等、その作り込まれた内容は現在でもカルト的な人気を誇る。

【スタジオ出演者】

※外国人キャストは基本的に口パクで、声優がリアルタイムで声を充てている。
基本的な流れはリハーサルされているが、突発的なアドリブが挟まれることも多い。

■ジル・ベッソン(声:ビビる大木)

「エーーークセレント!」
日々進行していくハゲと、ハイテンションで煩いアクションが特徴の『WDT』の仕切り役。
決め台詞は「エクセレント!」で、番組が進む内に歌に乗せたり、ネタに乗せたり、アクションを絡めたりと様々なバリエーションが披露された。
主にナタリヤに絡む下ネタ関連の話題が出た時にはバリエーション(?)として「エレクト!」等と叫ぶ。
ダウンタウンに対して無茶振りをしまくったりと、一見するとやりたい放題しているかの様に見えるが、最終的にはジルが一番の被害を率先して受けさせられることが多い。
仕事量を鑑みても番組最大の被害者と言っても過言ではない。
アメリカンジョークのノリで、ベタなノリツッコミを軽妙な調子でこなす一方、狙った物も含めて、舌が上手く回らないことも多く、ハマタからのツッコミを受けることも少なくない。
ジョージやダウンタウンの意見について「鋭い意見をありがとう」と応えることが多く、定番の返しになっている。

■ジョージアン・アフシン(声:河本邦弘)

「今、欧米が最も注目しているアジアの国がタイなんだ」
ニューヨーク在住の経済アナリスト。
通称はジョージ。
ニコラス・ケイジ似の長身のハゲ。
AHAHAHAHAHA!
当初はジルのアメリカンジョークに付き合って大笑いする程度だったのだが、回が進む内に妻子がある身でありながらニューヨーク大学の女子スチューデントのシンディーと浮気して家庭を崩壊させたり、シンディーにフラれたショックで新興宗教にハマり、番組内でも見境なく勧誘するようになったりと奇行が目立つようになり、最終回では偽物の北島ファミリー入りを果たした。
定番台詞の「今、欧米が最も○○だと思っている~」は、段々とVTRに合わせた適当な単語になっていき、回によっては失礼極まりない言い回しになることも。
ジルと共に、ダウンタウンの初期の代表ネタである「誘拐」を披露した。

■バザロバ・ナタリヤ(声:小林優子)

「私はむしろ逆で、注目して貰いたいのは彼等の目!」
「世界青少年の会」なる組織の議長を務めるスーツで短髪の女性。
当初はお堅い雰囲気ながらジョージと共にジルのアメリカンジョーク的なノリに一緒になって笑う……程度のキャラ付けだったのだが、第8回にてTVによる露出が増えたことをきっかけにセックスフレンドが30人に増えたと発言。
以降は、自信の赤裸々な性体験やノーパン、剃毛の告白等をするようになった。
それに伴い、コメントも不真面目になってゆき、定番台詞の「私はむしろ逆で……」と前置きしつつ「親父の視線に犯されたい」「歯医者の指が下の口に入るのを想像した」等と言うようになった。
隣に座るハマタのお気に入りで、それらの発言についてツッコミが入る他、行き過ぎるとハマタから逆にセクハラを受けることもある。
セクハラの反応を見たハマタ曰く「ナタリヤ(日本語の)意味わかっとるで!」
ナタリヤのエロ発言は番組内で出演者がみんなお休みした「オボンホリデー」回で公式に纏められており、MAD素材としても用いられている。

■マンスール・マンデラ(声:江原正士)

「水を差すようで悪いんですが、VTRの内容は全て学生の頃から知っていたので、個人的にはさほどビックリするようなことはありませんでした」
ジョージとナタリヤが夏のバカンスホリデーで、2週間お休みした第14、15回に出演。
全アフリカライオンズクラブセネガル支部長の、立派な身形の黒人青年。
上記の調子で、初めて見るレポート映像でも既に知っていたと豪語する。
演出段階での説明が上手くいってなかったのか、吹き替えと演技がズレることが多くダウンタウンにツッコまれた。

■サラム・マンデラ(声:小室正幸)

「お言葉を返すようですが、今のVTRの内容は全然知りませんでした。……むしろ驚きの連続です」
マンスールのただの弟で、代役に呼ばれたマンスールの後をただ付いてきて、ついでに出演。
マンスールよりも更に長身の黒人青年だが態度が抜けている。
一応は兄よりも立派になりたいと思っているようだが、番組内での行動だけでも展望は薄いことが理解できる。
嗅覚に優れ、何故かセット内に隠れている食べ物(天むす、コロッケ)を見つけることができる。
兄とは反対に、初めて見るVのことは「知らない」と強調してくる。
兄以上に演技と声が合っておらず、無表情で口が動いていないのに笑い声が響いてくるシュールさには、マツモトも「怖い」と発言。

■エディ・マーフィー(声:江原正士)

「エーハッハッハッ!イッヒッヒッヒッ!」
ハリウッドからやって来た有名俳優の似てるとも言えなくもないような偽物
ナタリヤ不在時の第19、20回に登場。
代表作『ビバリーヒルズコップ』の格好をしており、ジョークを飛ばす度にテーマ曲を流すのを要請し、それに合わせて踊るのが持ちネタ。

【ダウンタウン】

番組ゲストの日本のコメディアンで、番組内ではイ人!と、にアクセントを置かれて呼ばれている。
海外視点で、番組としてはあくまでも幾らでも替えの利くゲイ人にゲスト出演させてやっている体なので本来のタレントとしての地位や芸歴は無視され、イ人ならこれ位できて当たり前だろう?と言わんばかりに雑にネタを振られるのがお約束。*2
二人の席の立ち位置が普段と逆なのも狙った演出である。
ジル等のノリには基本的に付いていかないが、たまに乗っても、逆に「それのどこが面白いんだい?」と窘められるのもお約束。

■マサトシ・ハマタ(浜田雅功)

「浜田ですけどぉ」
番組では一貫して「ハマタ」呼びされており、それを訂正するのがお約束。
コメディアンなのに面白いことをしないヤツと設定されており、ジル等の雑な振りに乗っても乗らなくても激怒されてしまうことが多い。
特にジョージとナタリヤの薦めにより行うネタは必ずジルを怒らせてしまう結果になるのがお約束で、本人も解っていながらイヤイヤやっていた。
ジル、ジョージ、マツモト(実は坊主にしてるだけ)はハゲなのに一人だけハゲてないのを恨まれている。
隣の席のナタリヤの下ネタを気に入っていた。

■ヒトシ・マツモト(松本人志)

「うわ~絶対サブいって!」
番組では一貫して「ハマタの仲間」として紹介されている。
ハマタ以上に雑なネタ振りをやらされる事が多く、唐突に形態模写や引っかけギャグをやらされる。
番組途中からは、当時はまだ独身だったからかホモ設定にされてしまい、ジルから「歌手のマッキーとアナウンサーのマッキーのどっちが好きなんだ?」と弄られるようになり、それに合わせてゲイ☆人と呼ばれるようになった。

【主な海外レポーター】


■ロベルト・ガビシャン

フィリピン担当。
背は低いが恰幅のいい体格のオッサン。
子供の頃のあだ名はブタ。
レポーターとしては良心的な部類だが、途中から二日酔いや個人的な気分で休ませて欲しい等と言うようになった。
ガビシャンが休んだ時にはディレクターのアリジュン(声:桜井敏治)や、音声担当で人の顔に落書きする時や、寝ている人の服を切る時に出っ歯から舌が覗く音声のエニエゴ以下のフィリピン人スタッフが替わりにレポートもするが、その時の企画は一般人を巻き込んだヒドいイタズラ物が多く、そのノリが下記のガビシャンをターゲットにしたイタズラに発展した。
いびきが酷く、一緒にホテルに泊まった時に迷惑を被ったスタッフにより報復として、寝ている間に服を切り裂かれて裸にされた上に落書きをされた。
惚れ薬の回でも同じく裸にされており、本放送時こそ番組ロゴで隠されていたが、スタジオに居たダウンタウンは二度もガビシャンのチンモロをアップで見せられることになった。
フィリピンではディ◯ニーのパクりアトラクションや日本の家電、ゲーム機のパクりの他、ギネスに挑戦し続ける素人集団が登場。

■チャーリー・ウィラポン(声:大森章督)

タイ担当。
チビデブでヒゲのスケベなオッサン。
当初は人当たりの良さそうな雰囲気だったが、後に性質の悪さを存分に発揮するようになり、ハマタも不快だと発言したこともある。
レポート時は基本的に大声を上げて笑っているが、不謹慎な場面でも大笑いしているのでキレられることもある。
元から唾を吐くことが多かったが、後には演出的な物も含めて所構わず唾を吐くようになり、更に失礼さが増した。
時折、キレた時や好色な目を向けた時に素の顔を見せることがあり、それをカメラに抜かれるのもお約束。
後にチャーリーズ・カマエンジェルなるオカマのスタイリスト達を率いて素人童貞の告白を助けるという名目で笑い者にするヒドい企画をスタートさせた。

■ンボゴ・マンボゴ(声:梅津秀行)

最終回にて東南アジアから唐突に飛んだアフリカ担当レポーター。
町中に彼の顔を使った看板が出ているため、実際に現地では有名な人なのだと思われる。
レポート時にはマイクを向けた相手に顔が付きそうな位に近付けて行う。
このアフリカ編は、視聴者に「次もある」と思わせる為のギミックであったとの事。早く作れよ。

【その他、スタッフ】


■ポール(声:園部啓一/宇垣秀成)

やっぱりハゲの番組ADで、顔が出ない回でも後ろ姿が確認できる。
便利な役回りで、マツモトへのネタ振り用の道具を持ってきたり、マツモトとコンビを組まされたりする。
ガビシャンへの裸ドッキリ回では、スタジオで寝ていた所をマツモトの手で同じく服を切り裂かれパンツ(ポール・スミス)を晒され、余りの恥ずかしさに涙を流した。
第18回のオボンホリデー回では、出演者が全員不在だったために一人で司会進行も担当した。

■シンディー

ジョージの浮気相手のニューヨーク大学の女子スチューデント。
まだ10代らしい。
初登場の時はメガネの地味な感じだったが、次の回からは髪を下ろしてセクシーな感じに。
ハマタがイヤらしい目を向けていたとジョージは訴えており、ナタリヤも「他人のカキタレ(愛人)に注目するなんて!」とハマタを非難していたが、実際にハマタがシンディーの巨乳に注目した時にはアドリブだったためジョージ達の反応が遅かった。
後に、新小岩のキャバクラレディーであることが発覚し、ジョージはフられたらしい。
体臭がドリアンに似ているらしく、シンディーの匂いを求めたジョージはマツモトの食べようとしていたドリアンの果肉をベロベロと舐め回した。

■ナレーター(声:宗矢樹頼)






「やぁやぁ、アニヲタくん鋭い追記修正をありがとう……エ!エクエクエクエクエクエク……エクセレント!…エクセレント!」

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最終更新:2023年07月13日 16:14

*1 ※松本のラジオ番組『放送局』での高須の発言より。確かにやり甲斐はあるが、鬱陶しさが先に来る程だったとの事。

*2 ただし、怒りのジルがハマタの替わりに名前を出したゲイ人はケン・タカクラとトンペー・ヒダリだった。