新マスタールール(遊戯王OCG)

登録日:2017/05/09 (火) 00:14:30
更新日:2024/02/19 Mon 03:06:37
所要時間:約 7 分で読めます




新マスタールールとは、遊戯王OCGにおいて2017年3月25日に「マスタールール3」から移行した新ルール。
2020年3月31日まで施行され、 現在はルール変更により廃止された。

●目次

概要

勘違いしている人が多いが名前は「マスタールール4」ではない
これは新エキスパートルール同様に派生ルールではなく別ルールになっているためである。

原作アニメが新たなシリーズに移行するごとに、ルール変更されてきた遊戯王OCG。
遊戯王ARC-Vが終了し、遊戯王VRAINSとなるにあたって、新マスタールールでは新たな召喚法、リンク召喚が追加された。

が、この新マスタールールでは、新召喚法の追加や、一部の呼称・ルール・裁定の変更以外に、
多くの既存デッキにも影響する大幅なルール変更がされ大混乱を巻き起こす事となる。

なお、本ルール施行から3年後の 2020年4月1日に「マスタールール(2020年4月1日改訂版)」が施行され、再び大幅なルール変更がなされた
下記の解説は2024年現在のOCG環境では過去の物となっている事を理解した上で読んでほしい。


フィールドの位置変更


新ルールでのフィールドの位置を図示すると、以下のようになる。
(メインデッキ・エクストラデッキ・墓地・フィールドゾーンは省略)

  • 相手プレイヤー
EX EX
  • 自分


モ:メインモンスターゾーン
EX:エクストラモンスターゾーン(原則各プレイヤーどちらか1つ使用)
魔:通常の魔法・罠ゾーン
P:ペンデュラムゾーンとしても使用できる魔法・罠ゾーン



主な変更点


リンク召喚・リンクモンスターの追加

新しい召喚法の追加。
リンク召喚の詳細はリンク召喚(遊戯王OCG)の項目で。
今までのシンクロ召喚やエクシーズ召喚のような既存ルールに対しての単純な追加要素ならば、それ以外のデッキを使うのに問題はなかったのだが……。



サイバース族の追加

サイキック族、幻神獣族、創造神族、幻竜族に続く、新たな種族。
アニメで主人公勢が使うこともあり、今のところ、リンク召喚に関する効果を持つモンスターが多い。
勿論、DNA改造手術等の効果で種族を宣言する時は選ぶことが可能ある。



モンスターゾーンの分化

今までのモンスターカードゾーンが、メインモンスターゾーンと、エクストラモンスターゾーンに分けられる。
名前通り、メインデッキに入るモンスターがメインモンスターゾーンに召喚され、
エクストラデッキにあるモンスターがエクストラモンスターゾーンに召喚されることとなる。

メインモンスターゾーンは今までと同じ5つだが、エクストラモンスターゾーンは2つ。
エクストラモンスターゾーンは、原則として各プレイヤーが左右どちらか1つだけを使う。
これだけならば、モンスターゾーンが実質6つに増えたと見ることもできるが……?

なお、エクストラモンスターゾーンに召喚されたモンスターが、
墓地や除外ゾーンに送られてフィールドを離れた後に再び召喚・戻ってきた場合には、メインモンスターゾーンに召喚・帰還される。
コントロール奪取された場合やそこから戻った場合も、メインモンスターゾーンへと移動する。

これはエクストラモンスターゾーンが完全にエクストラデッキから出すモンスターのためのゾーンのため。
エクストラデッキから出す場合はエクストラモンスターゾーン、それ以外はメインモンスターゾーンと覚えよう。


リンクモンスターとリンクマーカー

ただ、そのままでは無理だが、この制限を回避するのに必要なのがリンクモンスター
リンクモンスターは融合・シンクロ・エクシーズモンスターと同じく、エクストラデッキから特殊召喚されるモンスターである。
リンクモンスターはこんなカードである。

《ミセス・レディエント》
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
 
リンク2/地属性/サイバース族/攻1400
地属性モンスター2体
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドの地属性モンスターの攻撃力・守備力は500アップし、
風属性モンスターの攻撃力・守備力は400ダウンする。
(2):このカードが戦闘・効果で破壊された場合、
自分の墓地の地属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。

カードに上下左右斜めの8方向を向いた矢印(三角形)があるのがお分かりいただけるだろうか。
このうち、赤くなっている矢印をリンクマーカーと呼ぶ。
このリンクマーカーが指しているメインモンスターゾーンには、エクストラデッキからモンスターを特殊召喚できるのだ。

フィールド上での動きを確認してみよう。

EX

あなたは右側のエクストラモンスターゾーンに、リンクモンスター《リンク・スパイダー》をリンク召喚した。
《リンク・スパイダー》
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
 
リンク2/光属性/サイバース族/攻1000
通常モンスター1体
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
手札からレベル4以下の通常モンスター1体をこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。
《リンク・スパイダー》は下向きのリンクマーカー1つを持つリンクモンスターだ。
するとあなたのフィールドは、こうなる。

EX
EX

おわかりいただけただろうか。
《リンク・スパイダー》のリンクマーカーが向いているメインモンスターゾーンは、
エクストラモンスターゾーンと同様エクストラデッキからモンスターを特殊召喚できるようになったのだ。
この「リンクモンスターに指されている場所」を「リンク先」と呼ぶ。

では、《リンク・スパイダー》のリンク先となり、新たにエクストラデッキからモンスターを出せるようになった所に、更にリンクモンスターを置いてみよう。
左右2つのリンクマーカーを持つリンクモンスター《ハニーボット》をリンク召喚だ。
《ハニーボット》
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
 
◣ ▼ ◢
リンク2/光属性/サイバース族/攻1900
サイバース族モンスター2体
(1):このカードのリンク先のモンスターは効果の対象にならず、戦闘では破壊されない。

EX
EX <> EX

これでエクストラデッキからモンスターが出せるモンスターゾーンは4つに増加した。
では増えたリンク先にさらにモンスターを展開だ!

…と、こんな風にリンクを繋げていく事で、エクストラデッキからモンスターを出せるゾーンをどんどん広げていくことができるのである。

従来はごく一部のカード効果にしか関係なく、あまり重要視されていなかったカードの位置が、これからは非常に重要となる。
なお、リンクモンスターとの兼ね合いで《闇の訪れ》はエラッタされ、
このカードのみで可能だった 裏側攻撃表示はルールから消滅した


エクストラリンク

通常、エクストラモンスターゾーンは各プレイヤー1つしか使えない。
しかし、複数のリンクモンスター同士で互いにリンク状態となる相互リンクを、
メインモンスターゾーンを経由し、もう1つのエクストラモンスターゾーンにつなげて到達すると、
1人のプレイヤーが両方のエクストラモンスターゾーンを使用することができる。
理屈の上では右斜め下と左斜め下のマーカーを持つリンクモンスター2体と、左右の斜め上に2つのマーカーを持つリンクモンスター1体の合計3体(素材にしてモンスター4体分)が最小で達成可能。
しかし現状は左右の斜め上に2つのマーカーを持つリンクモンスターが存在しない*1ため凹の字を描くような形でリンクモンスターを5体並べる必要がある。

当然、その場合エクストラモンスターゾーンを使用していない方のプレイヤーは、1枚もエクストラデッキから特殊召喚できず、
相手のエクストラモンスターゾーンのリンクモンスターを除去しない限り封印されてしまう。

遊戯王OCGの環境では、相手の行動を制限することによる妨害の影響度が大きいが、
リンクモンスターの展開に長けたデッキでは、どのデッキでも相手のエクストラデッキ封じの手段を手に入れたことを意味する。
無論、リンクモンスターもエクストラデッキからの特殊召喚が必要になるので、逆に相手に先にされてしまうと、自分も動けず封殺されてしまう危険性も大きいのだが。
斜め上向きのリンクマーカーを持ったリンクモンスターは現在、効果でエクストラリンクができないようになっていることもあり、
最低でも5体のリンクモンスターが必要になり、かなりの展開力をつぎ込まなければ成立しないが……。

とは言えモンスターを複数出して狙ったところでエクストラデッキからの特殊召喚しか制限できない状況なので、
展開制限目的であれば特殊召喚そのものを封じる「結界像」や「虚無空間」等で事足りる事もあるだろう。
しかし、展開力に長けていれば特定のカードを入れたり引く必要すらなく、ルールを利用して行動の制圧ができるのは大量のリンクモンスターを展開するデッキの強みになっていることには変わりはない。
全ての特殊召喚が封じられるわけではないが、エクストラデッキからの特殊召喚ギミックを推し進めてきた遊戯王においては影響を受けないデッキの方が少ないのである。
つまり、デメリットはかなり少ないにも拘らずメリットは凄まじく大きい。

そして更なるリンク素材を呼ぶ効果を持つリンクモンスターが増えすぎた結果、安定して実行できるデッキがそこそこ出てきてしまい上記の心配が現実になってしまっていた。
エクストラデッキが使えない上に占領しているモンスターを退かそうにも、追加で妨害を構えられてそれすらできずに先攻制圧に屈するという状況も珍しくはない。


ペンデュラムゾーンの統合

今まで通常の魔法・罠ゾーンとは別のカードゾーンだったペンデュラムゾーンは、魔法・罠ゾーンと統合。
左右端の場所のみがペンデュラムゾーンとして使用可能となる。

これはペンデュラムカード以外がペンデュラムゾーンに使えなくなったのではなくその逆で、
左右端は通常の魔法・罠カードも発動・セットできるが、ペンデュラムゾーンとしても使えるのがここのみとなる。
揺れる眼差しなどペンデュラムゾーンに影響するカードでも、通常の魔法・罠カードがある分にはペンデュラムゾーンとしては扱われない。

ペンデュラム召喚するのに2つのペンデュラムゾーンを使う場合、それだけで魔法・罠ゾーンが2つ圧迫されてしまい、
ペンデュラム召喚デッキはただでさえエクストラデッキからのペンデュラム召喚制限に苦しむところに、さらに追い打ちをかけられる形となっている。

また、《魔導師の力》などのフィールドの魔法・罠カードの数を参照するカードにも影響がある。


その他

本ルールからはエクストラデッキとエクストラモンスターゾーンの表記がそれぞれ「EXデッキ」「EXモンスターゾーン」と記載される。
S(シンクロ)・X(エクシーズ)・P(ペンデュラム)と同様に短縮される形となった。



既存デッキへの影響

このように、従来のルール移行と比べ、エクストラデッキからの召喚制限が全プレイヤーに追加されている分、
既存デッキにも影響し、新しい召喚法なんて知らなくても問題ない…というわけにはいかなくなっている。

リンクモンスターを採用してリンク先を広げる動きを取る、
墓地や除外を経由してメインモンスターゾーンに移して制限を回避する、
そもそもエクストラデッキに頼らないデッキを使う、といった対策が必要となる。



影響を受けるデッキ

既存のままの動きでは、2枚目以降のエクストラデッキからの特殊召喚に制限がかかるので、
それを前提としたデッキは戦法の見直しか、消費を重ねてリンクモンスターを用意する必要がある。

特に、フィールドに複数のエクストラデッキのモンスターを並べる必要のある、
アクセルシンクロモンスターやFNo.0 未来皇ホープなどは召喚にこぎつけるまでのハードルが高くなってしまった。
特にリミットオーバーアクセルシンクロは再現がより困難になってしまった。

また、エクストラデッキのモンスターで、かつエクストラデッキから他のモンスターを特殊召喚する効果を持つ、
バハムート・シャークアルティマヤ・ツィオルキンといったカードも、リンクモンスターなしには機能不全に。
特にゴヨウ・ディフェンダーに至っては、発動条件の都合でリンクモンスターを併用することができない為、
効果を使うには相当の工夫が求められる。

一方、使うエクストラモンスターゾーンが基本1つのみで、
それを素材に別のエクストラデッキのモンスターに変化させていくタイプのレッド・デーモンデッキや、
エクシーズ素材に重ねる十二獣などは、主軸の動き自体はそれほど大きな被害を受けていない。
しかし、特にランク4に言えることなのだが状況によって幅広い選択肢から使い分けられる事が大きな強みの1つであったため、エクストラモンスターゾーンに下手に1体何か出したらそいつが退いてくれないと何もできなくなるためかなりの弱体化を受ける事になる。
エクシーズはエクシーズに重ねられるもの以外であれば融合・シンクロ・リンクと違い次のエクシーズ召喚の素材にならないのも原因の1つ。
9期では大暴れしていたのが嘘の様にエクシーズ召喚メインのデッキは衰退した。*2

また根本的にエクストラデッキを利用しない儀式召喚アドバンス召喚を主体とするデッキはほぼ影響を受けない為、
ある意味これらの召喚方法は相対的に地位が向上したとも言える。

また影響を一応受けたものの、それ以上に曲がりなりにもモンスターゾーンが一個増えたこととリンクモンスターの存在により、
すぐに新たな展開ルートが考案され、相変わらず大満足をしようと頑張っているデッキ
リンクモンスターを取り入れたアクセルシンクロ等も考案されているので、
プレイヤーのデッキ構築の腕が試される形となる。
また、シンクロ召喚・エクシーズ召喚はリンク召喚の並べるギミックを一部利用して使う事ができる為、間接的に強化されている部分もある。
エクシーズ召喚においては性質上それまで墓地に任意で送りにくかったエクシーズモンスターやそのモンスターの下に重ねられているエクシーズ素材をエクシーズモンスターごとリンク素材として今までより緩い条件で墓地へ送ることが可能になり墓地利用が潤滑にでき、強化されたと言える。


ペンデュラムデッキ

これらとは別方向で苦しくなっているのが、ペンデュラム召喚デッキ。
前述の通り、エクストラデッキからのペンデュラム召喚も制限を受けるため、
イグナイト】のような、
9期に猛威を奮ったエクストラデッキのモンスターを肥やしながらアドバンテージを取り、
貯め込んだペンデュラムモンスターをペンデュラム召喚で大量に並べる方針は困難になってしまった。

リンクモンスターで数を増やそうにも、他のデッキが展開途中で制限に当たるのと違い、
始動の時点でいきなりぶち当たることが多く、リンク召喚すらも困難だったり、
よしんばできたとしても、ペンデュラムスケールに加えてリンクモンスターまで追加で維持しなければならず、
除去された場合の立て直しはかなり難しい。

手札からペンデュラム召喚する分には何の制限もないため手札に貯め込んだモンスターを一気に吐き出したり、上級モンスターを特殊召喚する手段として運用する分には使用法は変わっていない。
リンクモンスターが乏しかったころの魔術師デッキでは、使い勝手がルール変更前と変わらない霞の谷の巨神鳥を採用し制圧を狙っていくタイプも存在した。

エクストラデッキから手札に戻す効果などで手札からのペンデュラム召喚を狙う、
エクシーズや手札コストなどでエクストラデッキではなく墓地に送り、蘇生を狙うなど、回避する方策もあるが、
特に大幅な路線変更が必須となるデッキが多く、こちらも各プレイヤーのデッキ構築の腕が試される。

ルールでの被害は大きいがリンク召喚とペンデュラムモンスター自体の相性は良い。
ペンデュラムモンスターをリンク素材にするとエクストラデッキに送られ、そこからペンデュラム召喚を行うとリンク素材にしたリンクモンスターが先ほど出したリンクモンスターのマーカーの先に帰って来る。

とはいえ9期後半のペンデュラム召喚は大量展開の準備から崩された時のリカバリーもかなり簡単になっており、非常に凶悪なものであったためこれはこれでバランスが取れたという声もある。

しかし、時が流れて新規のリンクモンスターが次々に登場したことにより、ペンデュラムデッキも徐々に復活。
イグナイトなどは以前が可愛く思えるほどの大爆発を起こし、魔術師に至っては環境トップへ躍り出るなど、新たな戦い方が構築されつつある。
ただ、アモルファージについては未だに救済がなく、カテゴリとして事実上死んだも同然の状態が続いているが……。


低速化?

そもそも、最近の遊戯王OCGの環境は高速化が激しい事で知られる。
特に環境で勝ち抜いていくためには、先攻で妨害カードを複数用意して相手を封殺する布陣と、
それを除去によってかいくぐり突破するというやり取りが必須となる。
逆に、それらができないデッキとでは速度・パワーが大きく異なり、格差が激しくなっている。

その一端が、運の絡むドローに関わらず確実にデッキから特定のカードを引っ張りだせるカードの存在であり、
素材を並べた時点で簡単に出せるエクストラデッキのモンスターは最たるもの。
高速化の大きな要因となっている以上、その抑止として仕方ないとも取れる。

ただ、リンクモンスターで展開する分には制限があまりなく、エクストラデッキに頼らないデッキにも影響はあまりない。
今後リンクモンスターの種類が増え、環境が再び高速化する事が懸念されている。

実際、リンクモンスターの種類が乏しかったルール導入直後はリンクマーカーを増やした大量展開目的よりも単体の効果や打点を活かした活躍が多く、エクストラデッキに頼らない【真竜】を中心にエクストラからの大量展開をそれほど行わないデッキが環境の中心となっていた。
この頃はある程度そういった意味では機能していたと言えるかもしれない。
しかし、それらのデッキが規制されリンクモンスターが増えてきた頃にはリンクモンスターを高速展開して制圧する【SPYRAL】が環境を席巻。
その後もトーチゴーレムを始めとするトークンを特殊召喚するモンスターが悪用されたり、ハリファイバーによってシンクロモンスターが出張したり、リンク召喚が環境の中心に。
LINK VRAINS PACK辺りからリンクモンスターが次のリンク召喚のための素材を呼ぶモンスターが急激に増え大量展開が容易になったのも一因と思われる。
リンク召喚自体がシンクロ・エクシーズと比べて緩い召喚方法であり、シンクロの様に特定のカードを必要とせず、エクシーズと違い素材が即座に墓地へ送られるとソリティア向けの性質を持っていた為、性能を自重せずにインフレすると当然の結果としてこうなるという声もあった。

結果だけ見るとエクストラデッキから大量展開するデッキが主流という状況は変わらなかった
むしろ以前にも増して1ターンキル、又は返すのが非常に困難な場を作る(通称:制圧)コンボが開発される事態が発生している。
それもこれも従来の召喚方法の救済も兼ねた展開能力を持ったモンスター・展開補助のための魔法やペンデュラムをどんどん増やしていった事が影響しているのだが。
先攻ワンターンキルに関しては厳しい規制が入っていたが、展開補助カードは従来の召喚方法やファンデッキへの希望となっていたため、
ハリファイバーのように新マスタールール施行中は規制されなかったケースもある(後に禁止カード化)。


余談

上述したように既存のほとんどのデッキが大なり小なり影響を受ける余りに大きなルール変更ではあったが、
このルールの情報が初めて流出した所、EXデッキのカードの価値が大幅に下落するのではと騒動になった。

遊戯王OCGユーザーだけでなく、シングルを取り扱うカードショップにまで混乱を与え、
中には一時的に遊戯王OCGの買い取りを中止するショップも現れる程であった。

ついにはYahooニュースや(普段OCGの話題を取り上げない)まとめサイト等でも掲載されるほどの騒ぎになった。
しかも、情報が流れたのが公式発表前だったため、KONAMI側からは何も告知ができず、これらの騒動・混乱に拍車を掛けてしまった。

ただし、すぐにこの騒動も沈静化し、影響を受けたデッキも新たな展開ルートが考案されたり、カードショップも買い取りを再開している。
公式発表前という点が響いた騒動だったと言えよう。

それまでのレギュレーション判明は非公式なVジャンプのフラゲが先行し、Vジャンプ発売後に公式HPを更新する形だったが
再び上記のようなことになることを恐れてか、2017年7月以降のリミットレギュレーションは
Vジャンプニュース更新という形でtwitterから公式がVジャンプ発売前に発表する形へと変わっている。

また、このルールによって、カードの配置にもこだわる必要が出てきた。
結果、以前から存在していたがいまいち使い勝手がよろしくなかった爆導索やポジションチェンジ*3といった、配置に関与するカードに注目が集まった。
公式大会でも本来のルールとは異なる配置をしている人は、ルール違反として反則負けになる可能性もあるので注意すること。

リンクモンスターの登場に伴い、ルールから裏側攻撃表示が削除された。
もっとも、《闇の訪れ》を使ったとき以外では起こらない表示形式であり、大した影響はない。
《闇の訪れ》が唯一の個性を奪われてしまった事を憐れむ声がある。


2020年4月1日よりルール変更

2020年4月1日から改訂された「マスタールール(2020年4月1日改訂版)」が施行された
このルールでは、新マスタールールをベースに、融合・シンクロ・エクシーズモンスターがEXモンスターゾーンやリンクマーカーに関係なくメインモンスターゾーンに出せるようになる。*4
リンクモンスター、ペンデュラムモンスターのルールは本ルールを概ね引き継いでいる。

このルール変更により「リンク召喚への露骨な優遇」「先攻のやったもん勝ち」「ルールレベルでの疑似虚無空間」と言われる事が多かったエクストラリンクは、リンク召喚及びエクストラからのペンデュラム召喚のメタ程度の扱いになり大幅に弱体化した。
特定の召喚方法を防ぐ行為なので十分効果はあるが、影響が少なくなったのでデッキ構築なども考えるとむやみに狙うものでもなくなった。

約3年も続いたことで、慣れてしまったプレイヤーも多かったと思われるが、結果的に従来のルールを取り戻す結果になった。
ペンデュラムモンスターのルールが据え置きな事を憂う声はあるものの、このルール変更は概ね好評を持って迎えられている。
新マスタールールを受け入れられずに引退したプレイヤーも復帰してみてはどうだろうか?

一方で、新マスタールール施行中は強力なEXモンスターの追加、緩和が目立ったため、そういったカードが暴れてしまうのではないかという懸念の声も少なくない。
コナミも警戒したのか施行前の2020年4月1日改訂では禁止からの緩和と規制強化含めて過去最多の21枚が制限カードに移動された。*5
いつも通り環境で暴れていた【オルフェゴール】【ドラグーンビート】などのデッキパーツの規制の他に、《ABC-ドラゴン・バスター》《TG ハイパー・ライブラリアン》《氷結界の龍 トリシューラ》などの新マスタールールのリンクマーカーによる展開の縛りで許されていたと思われるカードの規制も目立つ*6

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最終更新:2024年02月19日 03:06

*1 いるにはいるのだが自身のリンク先に自分のモンスターを出せないデメリットを持っている為にエクストラリンクには使えない。

*2 これは販売戦略やインフレの影響もあるのだが。

*3 1ターンに1度、モンスターを横のモンスターゾーンにずらすことができる。リンク先に特殊召喚したモンスターを移動させることで、さらにそのリンク先にEXモンスターを召喚したりが可能。あるいは、逆にモンスターをリンク先に移動させることで相互リンクやリンク先のモンスターに影響する効果を発動という手もある。

*4 他には墓地へ送られた時に発動するモンスター効果の裁定などが変更されている。

*5 禁止カードは3枚、準制限カードと無制限カードはそれぞれ5枚。

*6 《TG ハイパー・ライブラリアン》以外は2023年1月現在無制限カードに緩和されている。