赤坂衛

登録日:2009/07/31(金) 04:58:45
更新日:2024/03/23 Sat 09:21:27
所要時間:約 4 分で読めます




ひぐらしのなく頃に』の登場人物。
暇潰し編の主人公。

声:小野大輔
  子安武人(ドラマCD、ひデブ)


通称:ロリ坂、アカサ㌍タ
必殺技:徹甲弾
得物:己の肉体


警視庁公安部第7資料室に勤務する捜査官。
階級は警部→警視


性格は生真面目。
愛妻家であり、捜査のためにそばにいられないことを心苦く思い、任務の最中であっても可能な限り電話での連絡をするようにしている。


暇潰し編で、昭和53年に起きた建設大臣の孫誘拐事件の捜査のために、ブラックリスト入りしていた鬼ヶ淵死守同盟を調査の目的で雛見沢にやってきた。


梨花を前にするとこれから生まれる娘の理想像を重ね合わせてだらしなくなる。


入庁試験や警察学校での成績は優秀で将来有望だが、捜査官としては新米でまだまだ未熟。
まだ世間慣れもしておらず、ベテラン達を前にするとしろどもどろしてしまったりからかわれたりしていた。
大石との調査の末誘拐犯にたどり着き、乱闘の果てに何とか孫の救出には成功したが犯人については一切分からないまま終わる(その際対峙した誘拐犯の1人は後に対峙する小此木である)。
なお、梨花曰く「赤坂が生きて帰れる可能性は高くはなかった」との事で、雛見沢で殉職した世界もいくつかあったのだろうと思われる。
実際、雛見沢症候群を発症して死亡した世界もあるようだ。



また、妻・雪絵は捜査中、病院の階段で転落死した。
彼女は毎日屋上で夫の無事を祈る習慣があり、それが仇となってしまったのだ。

妻の死ですっかり意気消沈してしまい、梨花の意味深な発言も忘却してしまっていた。
昭和58年を過ぎて大石と再会した際、雛見沢大災害の事やその直前に惨殺された梨花のことを聞いて漸く彼女の真意を悟り、深い後悔と慙愧の念に泣き崩れた末、大石の一喝を受けて彼と共に事件の真相を突き止めるため、大災害を決して風化させないため、一冊の本を出版した。
「ひぐらしのなく頃に」という名の告発本を。
なお、この告発本は実際にグッズとして市販されているので、ファンの人は考察を深めるためにも是非手に取ってみてほしい。

罪滅し編ではクリア後に閲覧できるTIPSに登場(アニメ版では「解」1話の「サイカイ」)。
大災害から20数年後、封鎖が解除された雛見沢に大災害の際現地で任務にあたった元陸自の友人たちと共に訪れ、その惨状に慄いた。
暇潰し編から通算30年近く経過し、定年退職がちらつく年になっているがそれでも鍛え上げた眼光や風格は全く衰えていない。

皆殺し編では梨花の警告を受けて東京に蜻蛉返りし病院に駆けつけたため、雪絵は死ななかった。
そして昭和58年6月に雛見沢を訪れ梨花との再会を果たし彼女に大きな希望を抱かせたものの、本命の妻との温泉旅行のついで訪れたようなものであり鉄平騒動が起きた時には温泉に行っており、
綿流し祭を楽しむために再訪したと思いきや、すぐ去ってしまったため結局何の力にもならず梨花の死を防げなかったという脅威の役立たずぶりを発揮した。付いたあだ名が「温泉」。
しかも登場時には「今度は力になれる」と自信満々で梨花本人に宣言しておいてこの有様なので尚更である…。

ただ、皆殺し編の世界では梨花の警告を聞いた時点で速攻東京に戻ってしまった為その後の連続怪死事件の予言やSOSを聞いておらず、梨花に死が迫っている事はおろかその発端の連続怪死事件にもさほど関心が無かったと思われ、彼にとっては妻の恩人への挨拶くらいの気持ちだったと思われる。そんな状況でようやく得た休暇で企画した温泉旅行をフイにしてまで梨花の為に尽力する方が不自然であろう。
また、鉄平騒動に関しては「仮に自分が居たとしても大した力になれなかった(強硬的に鉄平を排除するなどは出来なかった)」と述べている。仮に彼が鉄平騒動の時に居たとしても梨花たちに申し分程度のアドバイスを送る、精々圭一の陳情団に加わるのが関の山だろう。


こんな感じで真摯に接していて梨花に恩も感じていても、ついぞ梨花の助けになることはなく*1
梨花も彼の立場と人柄から頼りになる数少ない外部の人間だと思ってはいるものの、肝心な時に役に立ってくれないとも思っていた。
何度も死を経験しているのだからそう思われるのも無理はない。




祭囃し編では、彼女の警告を聞いて妻に身辺の注意を促す電話をかける形で雛見沢に居ながら妻の死を回避し、尚且つ梨花から予言やSOSを聞くことができた。
その後忙しく働いていたこともありしばらくの間忘れていたが、「東京」関連の裏金の流れを捜査している際にリストに載っていた入江診療所の名前を見て予言を思い出す。
雛見沢での任務から5年近くを経て、一般警察とは次元の違う特殊な部署故の数々の修羅場を潜り抜け、一人前の刑事となっている。
普段の振る舞いも非常に厳格かつ堂々としたものになり、日頃から己を鍛え上げる為道場に通いつめ、後輩や同期からは強い信頼と畏怖を受けている。世渡りも上手くなり、大石たちベテランと酒を飲み交わしながら話題をリードする程になっていた。

上層部の圧力で捜査が打ち切られ余暇も出たことでかつて縁のあった大石と再会し、ひとときの歓談を楽しんでからもう一つの予言も真実なのか確かめるため、四件の事件について尋ねる。
そして四つの予言がすべて的中していたこととで予言は真実であることと、最後の予言である5年目=今年の梨花の死を確信。
大石に全てを話し、梨花が自分の助けを必要としているのかを確かめるため雛見沢を再訪。
梨花の元へ訪れ涙の再会を経て、大石と共に梨花の味方となった富竹入江から雛見沢症候群等の雛見沢に関わる陰謀の数々や「東京」の真実を教えられ、
梨花を守るために雛見沢の運命をかけた最後の戦いに参戦する。
決戦の日となる綿流しまでは梨花の不在を隠すダミーを務めた。
山狗に厳重に監視されている為初夏の暑さの中でも窓も開けられず、時折梨花の見舞いを装った入江の訪問だけが頼りな状況だったが殆ど堪えていなかったばかりかトレーニングまで欠かしていなかった。この中で、入江にいざという時の連絡法を伝授している。

綿流しの日、入江からの緊急連絡を受けて手筈通り梨花の家から飛び出し、圧倒的な脚力で監視していた山狗の隊員を引き離し、数人を返り討ちにして一時行方を眩ます。
そして山狗に変装、梨花が隠れている園崎本家を襲撃していた小隊に紛れ込み、機をうかがって梨花の絶体絶命の状況の元に駆けつける。

そしてずっとずっと伝えたかった言葉の

「梨花ちゃん、君を 助けに来た!!」

を告げ、山狗を長く険しい鍛錬の末に徹甲弾と称される程となった格闘技術*2で複数を同時に圧倒。
そして彼が新人の頃、大臣の孫誘拐事件で対峙した元軍人の小此木と因縁の対決に入り、本気の膝蹴りを腹に受けても意に介さず「軽い」と吐き捨て、小此木の矜持を「ワンボックスカーのフレームを歪ませ吹き飛ばす一撃」で一蹴し、戦意喪失させる。
この時、小此木の渾身の叫びに対して悠々と「そりゃよかったな。 給料いくらだ と返す場面は原作でも屈指の名シーンである。
そして武装した部活メンバーが囮を買って出たことと、別動隊として『散弾銃の辰』の葛西の協力もあって唯一にして最大の切り札である富竹の救助に成功したため、
山狗は敗北を悟って撤退を決め、富竹の通報で駆け付けた番犬により鎮圧され、最も打開が困難とされる「ルールY(鷹野の強い意志の元行われる惨劇)」を決定的に崩した剣となった。

この時小此木は「子供だからといって侮るな」「(武装と罠の揃った相手への)山狩りは極めて困難でこれっぽっちの人員と武装では不足」としっかり警戒こそしていたものの、
最後の方まで赤坂を警戒するあまり(判断力の高い圧倒的な武力の持主なのだから当然である)に部活メンバーらの意図通りに本拠地の病院が手薄になりすぎてしまった*3
更に部隊をかき集めてまでして山狩りを決行したのに、いくら技術士官ばかりと言えども立て籠もった部活メンバーが圧倒的戦果をたたき出していたため、
彼らが赤坂すら不在の囮だということにも、『敗北』に至ったその時までちょくちょく不安を覚えてはいたが気づくまでには至らなかった。

まさしく赤坂は難局を打開する最後の「カケラ」だったのだ。


7年ぶりの新作となった「ひぐらしのなく頃に業」では猫騙し編に登場。
終わったはずのループと惨劇に再び巻き込まれ、羽入まで失ってしまい、全てを諦める寸前まで追い込まれた梨花の前に姿を現す。
かつて最後の最後に自分を救ってくれた赤坂に梨花は希望を見出し、彼に雛見沢に残って欲しいと申し入れるものの……

+ 以下ネタバレ注意
梨花の頼みを快く聞き入れて雛見沢に残った赤坂だが、何故か唐突に雛見沢症候群L5を発症
梨花が寄生虫に侵されているという妄想(話題を振ったのは闇沙都子)に取り憑かれた挙句、彼女を襲い家に立て篭もるという凶行に及んでしまう。
必死に説得する大石の声も届くことはなく、ただ呆然と絶望の表情を浮かべる梨花に彼は耳元で囁く。

「梨花ちゃん… 君を 助けに来た……」

結局赤坂は正気に戻ることもなく、梨花の首筋に包丁を突き立てた上にガソリンをばら撒いて火を放ち、狂乱して妄言を吐き散らしながら梨花と共に焼死した。
言動から察するに、この時の赤坂の凶行に梨花への害意はほぼなく、こうすれば梨花を寄生虫から救えると信じてやっていたのだと思われる。
雛見沢症候群によって「梨花を守りたい」という気持ちが最悪の形で暴走してしまった末の惨劇だったのだ。

梨花にとって「最後の希望」だった赤坂のまさかの発症を前に、彼女がどれほどの絶望の中で焼死していったかは想像に難くない。
上述の通り赤坂が発症するカケラ自体は前例がないわけではないらしいのだが、それも妻の死や周囲への不信感といった重いストレスが根底にあったはずであり、心身共に健全な今回の赤坂が突如発症して妄想に取りつかれるのは明らかな異常事態である。
当然視聴者にとってもその衝撃は相当なもので、かつての名シーンがこの上ないくらいに悪趣味な形で再現されてしまったことやあんまりにもあんまりな顔芸*4も相まって誰もが絶望のドン底に叩き落とされることになった。
もっともこれはまだ序の口だったりするのだが……
ちなみに収録時に居た共演者曰く小野Dは発症赤坂の演技をめちゃくちゃ楽しんでやっていたらしい。

ヤングエースUPで連載中の漫画版「業」でも同シーンは再現されている。
こちらではアニメ版とは順序が異なり、さんざん予想外の発症者に殺されまくった末に最後に縋った赤坂が狂ってしまうというますますもって救いのない流れになっている。


趣味は麻雀。
交際中の雪絵にこってり搾られて足を洗ったが、麻雀を始めると性格が変わる。その時の雰囲気は大石たちベテランを本気でビビらせ、今迄彼を子ども扱いしていた情報屋の佐藤(サトさん)が一転してそれなりの敬意を払って接するようになった程。
学生時代は「馬場の衛」の異名を持つ凄腕の雀士であり、歌舞伎町などの雀荘を荒らしまわっていたそうな。
もっぱら高いレートばかりで遊んでいたようで、レートの上げすぎで雀荘の出禁を食らった事すらある。一番高い時にはデカリャンピン*5という規格外なレートで打つ時すらあった。
作中の台詞から、組んでる面子もそれ一本で豪遊できるレベルの雀士揃いと思われ、その実力はかの大石や彼に麻雀を手ほどきした「おやっさん(ダム工事の現場監督)」がイカサマを駆使して赤坂がどう打っても必ず負ける形にまで追い詰めたにも拘わらず、それすらくしゃみであっさりヤマを物理的に崩し完敗させた。



澪尽し編ではカーチェイスの際に人格が変わっていた。


この度絆4巻祭囃し編のスクリーンショットが公開されたが、変なファイティングポーズで話題になる。


原作のファイティングポーズも大概だが、こちらは絵柄からしてまぁ仕方ないと生暖かく見られているが、後者はプロのイラストレーターを起用していてこれなので「下手くそすぎワロタwww」「なんでぶりっこ走りしてんのwww」とツッコマれている。
挙げ句の果てになんとなく大陸系っぽくも見えるその顔立ちから「こいつは『赤坂(あかさか)(まもる)』じゃなくて謎の香港人『赤坂(チーバン)(ウェイ)だ」などと別人扱いされ、さらに「業」で発症赤坂がとんでもない惨劇を引き起こしてしまった件について「功夫を極め雛見沢症候群にも負けない精神力を持つ赤坂(チーバン)なら狂気に堕ちた赤坂(あかさか)から梨花ちゃまを救い出せるのでは」と7年越しの謎の再評価を受けたり、結局武力ではどうにもならない状況だと分かると手のひらを返したように無能呼ばわりされたりと、何かとネタ扱いされることが多い。








私がずっとずっと、君に告げたかった言葉を言うよ。
梨花ちゃん…この記事を追記・修正しに来た!

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最終更新:2024年03月23日 09:21

*1 前述の大臣の孫誘拐事件は梨花にとってはどうでもいい事件である。裏の事情も大体は知っているので猶更

*2 これは圭一達の後悔と同様にループによって後から事件を知った後悔の残滓が積もっていった結果とされており、本来ならばここまでの鍛錬はしていなかった模様。

*3 一応病院側にも富竹奪還に備えて倍の完全武装兵の襲撃にも耐えられるだろう守りは残していたものの、入江の案内や詩音・葛西らの奇策によって悉く破られてしまった

*4 普段は基本的に若々しく端正な顔立ちをしているのが露骨にブサイクに描かれている

*5 1000点で2000円というすさまじい高レート。資産家やプロ野球選手といった大金持ちを相手にするような次元であり、軽く一局打つだけで何十万もの大金が吹き荒れる。