十二人の怒れる男

登録日:2012/10/05(金) 21:50:49
更新日:2023/07/23 Sun 09:57:45
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『十二人の怒れる男』とは、1954年製作のアメリカのテレビドラマ。
および、それのリメイクである1957年製作のアメリカ映画。これらを原作にして制作された舞台作品である。
原作者はレジナルド・ローズで、彼は実際に殺人事件の陪審員を務めたあと、約1ヶ月後に本作の構想・執筆に取りかかったという。

なお、この項目では主に1957年の映画版について説明する。


【特徴】
本作はアメリカの陪審制の長所と短所を描いたサスペンス作品で、所謂『密室劇』の金字塔として高く評価されている。
ドラマ版は高い評価をうけ、後にリメイクである映画版や舞台が作られており、
さらなる後には本国アメリカでの再リメイクはもちろんロシアやインド、さらには日本などでもリメイクされるほどに人気を博している。
特に映画版はアカデミー賞やゴールデングローブ賞での多くの賞でノミネートされたほか、
ベルリン国際映画祭にて金熊賞(『千と千尋の神隠し』などが受賞した賞)を受賞するに至っている。


【あらすじ】(本家Wikipediaから抜粋)
父親殺しの罪に問われた少年の裁判で、12人の陪審員が評決に達するまで一室で議論する様子を描く。
法廷に提出された証拠や証言は被告である少年に圧倒的に不利なものであり、陪審員の大半は少年の有罪を確信していた。
全陪審員一致で有罪になると思われたところ、ただ一人、陪審員8番だけが少年の無罪を主張する。
彼は他の陪審員たちに、固定観念に囚われずに証拠の疑わしい点を一つ一つ再検証することを要求する。
陪審員8番の熱意と理路整然とした推理によって、当初は少年の有罪を信じきっていた陪審員たちの心にも徐々にある変化が訪れていく……。


【登場人物】(リメイク版でも基本的に設定は同じ)
●陪審員1番
陪審員長で皆の仕切り役。中学校の体育教師でフットボールのコーチ。

●陪審員2番
臆病な銀行員。……という割には意外と反抗するシーンも。

●陪審員3番
高圧的な会社経営者。5年前に喧嘩をして息子との確執がある。いわゆる頑固オヤジ。

●陪審員4番
株式仲介人。冷静沈着で合理的な性格。

●陪審員5番
工場労働者。スラム育ちだが話のわかる優しい男。

●陪審員6番
塗装工の労働者。空気とか言ってはいけない。

●陪審員7番
めんどくさがり屋なセールスマン。野球の試合を観戦予定で、時間ばかり気にしている。

●陪審員8番
建築士。裁判自体に疑念を抱く。陪審員随一のキレ者で、裁判での矛盾点に次々と切り込んでいく。

●陪審員9番
80前後の老人。人情深く洞察力が鋭い。8番とは違った意味でキレ者。

●陪審員10番
居丈高な自動車修理工経営者。差別意識が強い。

●陪審員11番
ユダヤ移民の時計屋。聡明で真面目な性格。

●陪審員12番
広告代理店宣伝マン。軽薄なお調子者。言動に左右されやすく自分の意見がない。

●少年
父親殺しの犯人として裁判に掛けられるスラム育ちの少年。
犯行には少年が買ったナイフが使われ、アリバイも曖昧。さらに殺害を裏付ける証人もいる。
陪審員に委ねられた判決は有罪しかないと思われたが、凶器であるナイフの使い方に疑問が出され……



【余談】
テレビドラマ版は当時、ロクな収録技術がなかったため生放送で放送されていた。(当時は生放送が普通だったため)
また、映画版の収録期間はわずか2週間であった。

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最終更新:2023年07月23日 09:57