アリス・シンセシス・サーティ

登録日:2017/05/02 Tue 16:56:03
更新日:2024/04/11 Thu 18:28:20
所要時間:約 12 分で読めます





我、人界の騎士アリス!! 私がここにいる限り、お前たちが求める血と殺戮は、決して得られない!!


電撃文庫から刊行されているライトノベル『ソードアート・オンライン』の登場人物の一人。
《アリシゼーション》編全編を通してメインヒロインを務める。



◆概要


初登場は原作11巻『アリシゼーション・ターニング』。
後輩のロニエとティーゼを守ろうとライオスとウンベールを斬ったところ、ライオスのフラクトライトが崩壊し結果《死亡》したことで、図らずも重大な禁忌である《殺人》を犯してしまったキリトユージオを、禁忌目録違反の罪でセントラル・カセドラルに連行するために現れた。

金髪碧眼で、金色の異常なまでに目立つ鎧を身に着けた、キリト達とほぼ同年代の少女。真面目・高潔・高貴と絵に描いた優等生のような性格。
若干堅物で、若いこともあり未経験のことに対する対応力はそこまで高くない。*1
キリト達のことは当初罪人としてしか見ておらず、認識を改めて以降も基本上から目線で接している。
ユージオの幼馴染である「アリス」と容姿はよく似ているらしいが、性格が全然違うらしい。*2

ベルクーリの弟子でもあり、「小父様」と呼んで尊敬している。
逆にエルドリエの師匠でもあり、彼からは「アリス様」と呼ばれ尊崇されているが、本人は疎ましがっている。だが本心では彼のことを弟子として気にかけていた模様。

足止め役を買って出たキリトと交戦するが、カセドラルの外に放り出されてしまい、カセドラル内部に戻るまでキリトと一時的な共闘関係を結んだ。


◆戦闘能力


SAO戦闘職ヒロインの例に漏れず滅茶苦茶強い。
そのため若くして整合騎士第三位に叙せられている。

最強の整合騎士ベルクーリの手ほどきを受けたこともあって単純な剣術の能力も高く、アンダーワールドでは使い手が絶対的に少ない連撃ソードスキルを使えるキリトを(彼の目的が時間稼ぎとはいえ)単発ソードスキルのみで一方的に劣勢に追い込むほどで、GM装備で武装した創世神相手にすら互角の勝負に持ち込んでいる。

《神聖術》(魔法のようなもの)の扱いも得意で、ぶっちゃけそっちの方面に関してはからっきしなキリトを圧倒している。
応用も効き、複数の神聖術を使って肉まんを蒸したり、大規模術式で万単位の敵軍を一瞬で壊滅させたりしたことも。

これに加えてアンダーワールドで最初に作られた《破壊不能オブジェクト》*3であり、《永劫不朽》の属性を持つ金木犀の樹を元に作った細身の長剣の神器《金木犀の剣》を所持。武装の《完全支配術》も勿論使用可能で、剣が無数の花びら状の小片に分離する。

◇主な使用技

  • 《雷閃斬》
単発技。アインクラッド流《バーチカル》と同じ技。
本家《ソードアート・オンライン》ではぶっちゃけ序盤技で、早い段階で他の技に切り替わるようなものなのだが、アリスのそれはミニオンを一撃であっさり粉砕するレベルにまで高められている。

  • 《武装完全支配術》
得意技。剣が無数の小片に分離するのだが、一枚一枚が相当な切れ味で、全てを合わせると恐ろしい破壊力を得られる。
小片を飛ばすのである程度遠距離であっても攻撃は届き、複数の対象に攻撃することも可能。また纏まらせる事で盾としても使用可能と恐ろしく万能。千本桜とかいうな多分こっちが先だ
ただし素材が素材なので、火属性の攻撃には弱い。

  • 《神聖術》
様々な属性の術を同時にいくつも行使できる、卓越した神聖術師でもある。
術を単純に使用するだけでなく、一面だけ少し薄くした鏡の中に光素を集め、その後薄い一面を突き破るように光素を作動させることで、大規模砲撃のような術式を発動させたことも。その発動方式といい無理矢理再現した桜色の核兵器である。


※以下、《アリシーゼーション》前章のネタバレ注意























◆真実


共闘関係を結んだキリトとアリスだが、一向にカセドラル内部に戻れる機会がない。
そのためカセドラルの外周付近で休憩することになったが、その際、キリトがうっかり「セルカ」という言葉を発してしまったことで様子が一変。


お前、今、何と言いました


とんでもない事をしてしまったキリトは、迷った末にアリスに真実を語った。
その内容とは、
  • 最高司祭アドミニストレータは罪人や統一大会優勝者を《シンセサイズの秘儀》という「記憶を封じて全く別の人格を植え付ける」という術式を施し《整合騎士》にした*4こと。
  • そして、自分の正体はルーリッドの村に住んでいたユージオの幼馴染「アリス・ツーベルク」だということ。
どちらも容易に信じられる話ではなかった(特に後者はもしかしたら人違いの可能性もある)が、キリトの口から聞いた「セルカ」という言葉に関してだけは違った。


……思い出せない。顔も、声も。でも……この名前を呼ぶのは初めてじゃない。私の口が、喉が……心が覚えている


記憶をなくしていたが、「セルカ」という言葉を発した記憶はあった。つまり彼女は正真正銘、「アリス・ツーベルク」本人だったということである。

こうして自分の真実を知り、一時精神喪失しかけたが立ち直り、自分の意思で公理教会に反逆。キリトに完全に協力する。攻略されたともいう
なおこの時右目の封印を破ったため、隻眼になっている。*5

その後はキリトと交戦した末に自分を取り戻したユージオを仲間に加え、アドミニストレーターとの決戦に参加。
重傷を負いながらもキリトとアドミニストレーターの死闘のすべてを見届けたのち辛うじて生還、カセドラルで精神喪失したキリトを連れてルーリッドの村に帰還する。

なおこの決戦時に「アリス・ツーベルク」としての記憶が封じられたライトキューブのデータも消滅したため、彼女が「アリス・ツーベルク」に戻ることはできなくなった。


◆後章《アンダーワールド大戦編》での活躍


ルーリッドの村に戻って半年。
アリスは村の人々の肉体労働の代行で生計を立てつつ、廃人と化したキリトの世話をしていた。完全に旦那の介護をする奥さんである
辻褄を合わせるために村の人々は記憶を失ったとだけ説明した。それでも妹のセルカには以前と変わらず懐かれていた。
それにしてもルーリッドの人々は彼女の正体を知らないとはいえ20歳前後の少女に肉体労働を任せていいのだろうか、まあ男女による筋力の差とかはここではあまり関係ないのか

そんなある日、ルーリッドの村に闇の国ダークテリトリーから現れたゴブリンの部隊が襲ってくる。
不適切としか言えない衛士長の判断に盲目的に従う村人たちに業を煮やし、自分の判断に従うように告げるが、妹のセルカを除いて一向に従う様子がない。
そのため彼女はやむなく正体を明かす。


私は……私の名前はアリス。セントリア市域統括、公理協会整合騎士第三位、アリス・シンセシス・サーティ!!

これから私は、私自身が求めるもののために戦う。妹を守り、父母を守り、そしてキリトやユージオが守ろうとした人界の人々を守るために戦う


アリスはこの時、自分の中に僅かに残っていた無力感や疑いがなくなっていくのを感じた。
そして、それを自覚した瞬間、失われた右目が半年ぶりに回復する。

改めて復活した整合騎士アリスは、その力を存分に振るい、ゴブリンを一掃する。

襲撃から一週間後、アリスはキリトを連れて《東の大門》へと向かい、整合騎士たちと再会し、更にロニエとティーゼに出会う。
最初はぎこちない関係だったが、ロニエ達はキリト達がカセドラルに連行される羽目になった理由を語る。
そしてキリトの心身喪失及びユージオの死を知り、自身を責める二人に対して、彼女はこう語りかけた。


心……魂だけが、唯一確かに存在するものです。そして魂の有り様を決めるのは、自分自身なのです


この言葉とともに、アリスは元の姿に戻れるよう念じた。


……ほら、ね? 体や外見は、心の従属物にすぎないのよ


要は心意で一時的に元のアリスの姿を取り戻したわけである。
この姿になった後に、自分の過去を語り、遂に彼女たちと和解した。

《大戦》時は他の整合騎士と違い当初は戦列には直接参加しなかった。しかし当然何もしてなかった訳ではなく、戦場に散らばったリソースを集めていた。
その後十分なリソースを集め終えたことでそれを光素に変換、SLB……もとい、《反射凝集光線》を発射し、敵軍を一掃。

その後は囮部隊に志願するも、出発直後にエルドリエを敵軍の暗黒術で失ってしまう。
これに憤慨したアリスは暗黒術師団に特攻。自身の記憶解放術を以て粗方殲滅した。
この際、敵軍を引きつけるためのハッタリとして自らを《光の巫女》と名乗った。自身がその光の巫女当人であることを知らずに…
これにより、遂にガブリエルに目を付けられた。

その後、《ラース》側としてログインしたアスナと遭遇。キリトを取り合って危うく戦うことになりかけたが、ベルクーリに止められる。
アスナから《アンダーワールド》の真実を聞かされ、自身が世界の果て《ワールドエンド・オールター》に行かなければならない事を自覚。
その夜、情報交換と称してアスナと「自分がいかにキリトと一緒だったか」を自慢する会を開催する。
これにロニエやリーナも加わり、完全にキリトの昔話をする会に。*6

翌日、囮部隊としてワールドエンド・オールターに向かうも、ガブリエルが呼び寄せたアメリカ人プレイヤーの暗黒騎士に手こずっていたため、単身戦場を飛び出したところをベクタことガブリエルに攫われてしまう。
ベクタ(のアバター)はベルクーリの命と引き換えに倒され、さらにガブリエルを追ってきたシノンにより救助される。
ガブリエルが復活することを知ると、シノンに足止め役を頼む形で単身世界の果てへと向かう。

シノンの足止めも空しくガブリエルに追いつかれそうになるが、自分を取り戻したキリトが足止め役になる。
その後は一緒にやってきたアスナに付き添われる形でワールドエンド・オールターに到達。そこのコンソールで《アンダーワールド》からログアウトする形で現実世界に脱出した。

現実世界ではラースで開発された、アンダーワールドでの彼女の姿に似たロボットに自分のフラクトライトを載せる形で行動している。
*7

このロボットは非常に精巧に作られており、遠目からパッと見ただけでは普通の人間の少女にしか見えない程。
連続稼働時間は8時間で、家庭用コンセントで充電出来る。アニメで描写が描かれたが、どう見てもACアダプターでパソコンを繋いでいるようにしか見えないので結構シュール。
ロボット自体がマシン・インターフェースを兼ねているので素でオーグマーやアミュスフィアと同等の機能を備えており、またメールの送受信やらプリンターなどの周辺機器の遠隔操作等々が行える様子。
この姿になってから、現実世界に戻ってこない(これない)キリト(とアスナ)を待ち続けたが、「世界初の真正ボトムアップ人工知能」としての発表会見の途中にキリト達の帰還を察知。
会見をすっぽかしてキリト達のもとに現れ、再会を喜んだ。

それ以降は自分を宅配便の荷物に偽装してキリトの家に送ったり、ALOにアカウント*8を作って仲間たちと交流したりと、有名人になってしまったことで起こるしがらみに苦労しつつも現実世界の生活を楽しんでいる様子。
他のヒロインとの仲は良好だが、アスナとはキリトを巡って相変わらず対立しており冷戦状態。
そしてある暗号*9を受け取り、キリト・アスナとともに200年後の故郷に帰還する。


ユナイタル・リングでもメインで登場。
リアルではほとんど登場しないが、その代わりアンダーワールドとユナイタル・リング内で活躍している。
キリト達と違い通学していないので昼日中からレベル上げに勤しむことができ、戦力的には大物をソロ撃破したキリトとシノンに次ぐ三位だったりする。
こちらの世界での武器はバスタード・ソード(リーファと同じ)。ソードスキルもアンダーワールド時代と変わらず単発系を好んでいるとのこと。

200年後のアンダーワールド内では「伝説の騎士」として語り継がれて教科書にも乗る偉人と化している。聖王と聖王妃は名前を記録から抹消したためキリトとアスナは(一部の人を除き)普通の人同然の扱いをされているのとは対照的。


◆余談


その容姿、性格等も相まってファンからの人気はかなり高い。アリシゼーションの人気の半分が「アリス(とユージオ)が出るから」と言っても過言ではない。

ゲームシリーズなど外部作品への参戦を望む声は数多く上がっていたが、遂に《ホロウ・リアリゼーション》と《千年の黄昏》、スマホアプリである《コード・レジスタ》と《メモリー・デフラグ》にユージオと共に出演決定。
この発表には方々で歓喜の声が上がり、そして《アリシゼーション》編アニメ化を望む声が一段と高まることに。

そして「電撃文庫 秋の祭典2017」で遂に《アリシゼーション》編のアニメ制作が発表され、2018年10月より放送開始予定。

なおゲーム参戦に当たって声優に選ばれたのは茅野愛衣氏。
キリト役の松岡禎丞とまともに会話できる数少ない女性声優として有名であり、ユージオ役が島﨑信長氏であったこともあって、「色々な意味でベストチョイス」との声も多く上がっている。


追記、修正は光の巫女を名乗ってからお願いします。


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最終更新:2024年04月11日 18:28

*1 とはいえ元来の傍若無人……天真爛漫さは残っているようで、時折「大きい箱に入ってさも自分が《荷物》であるように偽装し、荷物としてカセドラルの外に遊びに行く」など、どこぞの黒髪の剣士でもやらなそうな方法を取る事もある。

*2 ユージオの知るアリスは活発で悪戯好きだが、思いやりのある少女だった。

*3 異常なまでに耐久が高く自己再生能力があるオブジェクトのことをこう呼ぶ。そのため実際は全く破壊できない訳ではない。というより、破壊できなかったら金木犀の剣は作れていない。

*4 整合騎士は「天界から召喚されており、過去の記憶がないのは地上での生活に不都合なので記憶を引き継がずに召喚しているから」と教えられている

*5 この時知る由もなかったが、これがきっかけでアリスは真正ボトムアップAI《A.L.I.C.E.》に進化しており、それが《大戦編》で彼女がガブリエルに狙われる原因となっている。

*6 なお当のキリトも自分を取り戻した後にこれを思い出しており、「自らの悪行がバラされた」と相当焦っていた。

*7 アニメ版の描写を見る限り、宅配されてきた際は差出人なしで桐原和人宛に電気製品と書かれている。しかし、ログアウトしてロボットの体で1人で梱包宅配できるはずはなく、梱包と宅配依頼した者は明かされておらず疑問を残してしまっている。また、現実では通常は持ち込みの際に差出人が匿名希望し、住所ミスや捏造などで配達不可ならば差出人に返されることで、ゴミなどを送られる宅配テロを防ぐため、怪しさが多い。そもそも、宅配や郵便では通常、爆発性や発火性のあるもの、毒薬や劇物、生きた病原体など漏れると危険な類は配送禁止なため、『電気製品』だと万が一の時限爆弾などを考慮して開封チェックされてしまうため、やはり梱包からの宅配依頼およびドライバーに荷物手配担当した何者かが手を引いていなくては裸のアリスが発覚しかねない。その宅配されてきたロボットの体のアリスも、アニメ版だと状況を見る限りは和人が開封し2人きりだが、ロボットの体は服を着ておらず完全に全裸の金髪碧眼美少女の箱詰めとなっており、和人に梱包材で敷き詰められた箱から出すように頼んだが、他の女性を呼んでおらず次の描写では制服姿で充電中となっており、着替えシーンはカットされてしまっている。ただ、アリスが裸の件で和人に言及していないあたり、本当に全裸のまま和人が着せたら和人もバツが悪く抱えるはずであり、和人は玄関の脇の部屋にでも箱を移してからアリスに服を用意し、目を背けながらアリスを引き上げて部屋を出て、アリスが1人で着替えた可能性が高い。

*8 種族はケットシー。理由は「竜に乗りたい」から。

*9 原作とアニメで異なるが、実はちゃんと理由があったりする。