魔法少女育成計画JOKERS

登録日:2017/04/28 Fri 10:24:46
更新日:2024/02/28 Wed 07:40:26
所要時間:約 12 分で読めます




魔法少女をご存じですか?


魔法少女育成計画JOKERSとは、 このライトノベルがすごい!文庫から発売されている作: 遠藤浅蜊、絵: マルイノのライトノベルトノベル小説「魔法少女育成計画」シリーズの第4作目。
ファンからの呼称は「JOKERS」等。

概要

2014年8月に発売。
無印以来の1冊完結型で、なんとあとがきを含めて469ページというライトノベルとしてはかなりのボリュームである(通常は出版社によるだろうが300ページ前後)
カラーページも合計8ページとやけに豪華仕様。
値段もちょっぴり豪華仕様。

最大の見所は人造魔法少女とホムンクルス(悪魔)の本格登場だろう。
最低レベルですら超人的な能力を持った魔法少女を意図的に生み出す技術、その魔法少女に匹敵する破壊力のホムンクルスは知らず知らず物語に影響を与えていくことになる。

また本作から『QUEENS』にかけて毎回異なる問題が発生するものの、国を巻き込んだ1つの連続したストーリーになっている。


あらすじ

K県S市全域を見回る魔法少女プリズムチェリーは魔法少女としても人間としても平凡な自分が嫌いだった。
そんな中クラスメイトの少女も魔法少女と知り、『普通』から脱却すべく彼女が所属する風変わりな魔法少女チーム・ピュアエレメンツに加わる。

それからしばらく経った頃。
N市に住む魔法少女スノーホワイトの元に行方不明になっているリップルの端末から1通のメールが届く。
S市に魔法の国が把握していない人造魔法少女の研究所が存在する、直ちに調査を依頼したいとのことだった。
同様にメールを受け取った魔法少女もそれぞれの理由から研究所に向かう。

果たして彼女たちを待ち受ける運命とは何なのだろうか?

登場人物

学年表記は前作と同年度内であると仮定したもの。
★ピュアエレメンツ
S市の地下研究所で日々訓練し、宇宙からやってきたディスラプターなる怪物を倒すべく活動するよう吹き込まれた魔法少女たち。
魔法の国から調査を依頼されている『人造魔法少女』だが、正規な試験で魔法少女になったプリズムチェリーを除く本人たちは自らが異質な存在だと気付いていない。
プリンセスジュエルという宝石で変身、薬を飲むことで魔力を補填し、いざという時はラグジュアリーモードでパワーアップする。
魔法少女になった時、田中先生なる人物に集められたのだが……
  • プリンセス・クェイク
本名:茶藤千子 大学生
黒き大地! プリンセス・クェイク!
レオタードタイプの衣装を纏った魔法少女。
ピュアエレメンツのリーダー……と言ってもリーダーシップが素晴らしいとかではなく単に最年長だからそうなった。
大層な子供、特に幼女好きで遠目からスケッチをするのが趣味。
絵の実力は非常に高いが、流石にモノがモノなので他人には見せたがらない。
女性特有の対人関係には冷めておりピュアエレメンツも最初上手くいくか悲観的だったが、次第に魔法少女活動を楽しむようになる。
魔法:土の力を使って敵と闘うよ
土属性のハンマーによる地震並みの打撃を得意とする。
逆に打撃を受けた際の耐性も高い。

  • プリンセス・テンペスト
本名:東恩納 鳴 小学2年生
白き旋風! プリンセス・テンペスト!
ふんどしのようなスカートを履いたビキニ衣装の魔法少女。
年相応にやんちゃながら素直な性格で、朱里によく懐いている。
キューティーヒーラーシリーズなど魔法少女アニメが大好き。
変身すると低学年の幼女から中高生程度の美少女にランクアップし、この美貌で近所の男子中学生・南田翔にアタックしようと画策している。
魔法:風の力を使って敵と闘うよ
風属性のブーメランで、単に歯の切れ味だけでなく真空を活かした攻撃力も持つ。
また魔法の作用でピュアエレメンツ唯一の飛行能力持ち。

  • プリンセス・インフェルノ
本名:緋山朱里 高校1年生
赤き劫火! プリンセス・インフェルノ!
ガーターベルトと網タイツが特徴的なビキニ衣装の魔法少女。
赤く染めた髪に少々荒っぽい話し方だが、意外にも小学校時代の同級生である小雪とは友人同士だった。
割と世話焼きな性分。高校進学後も小学生の妹と一緒に子供会に参加している。
陸上部に所属していたが怪我で引退しており、魔法少女としてなら自由に走れることを喜んでいる。
魔法:火の力を使って敵と闘うよ
火属性の偃月刀を振るって闘う。
対象を高温にして発火させたり水を蒸発させられる他、魔法少女の身体にさえダメージを与えられる。

  • プリンセス・デリュージ
本名:青木奈美 中学2年生
青き奔流! プリンセス・デリュージ!
海のお姫様然とした白いビキニ衣装の魔法少女。
小学校時代に幼馴染を対象としたいじめに加わってしまったトラウマから人付き合いに内心壁を作っている。
そのため学校では本人曰く『根暗』な部分を隠して明るく社交的に振る舞うようになった。
ピュアエレメンツ内では心の底から笑えるようになっていたがそれでも偽の自分を捨てきれていない。
魔法:水の力を使って敵と闘うよ
氷属性のトライデントに触れたものは見る見るうちに凍り付いてしまう。
ピュアエレメンツで何故か1人だけ説明欄と劇中描写が異なる。

  • プリズムチェリー
本名:加賀美 桜 中学2年生
輝く曙光! プリズムチェリー!
奈美の同級生にしてピュアエレメンツの裏方担当。
外見も成績も魔法少女としても至って平凡で、魔法に関してはそもそも選抜試験で不戦勝した上、人助けにてんで役立てられていない。
また試験官からの情報で「魔法少女」という職業全体の世知辛い現状をも知って、「人間全てが主人公でも埋没していくその他大勢の主人公」(意訳)と諦観していたが、
そんな中でピュアエレメンツに自分にはない特別さを見出して加入。だが後に友達として力になろうと思うようになる。
魔法少女のコスチュームだけはすけすけスカートからパンツ丸見えの特別仕様。
魔法:鏡に映し出すものを自由に変えられるよ
鏡にイメージ通りのものを映せる。それだけ。
ピュアエレメンツ加入後は仲間と知恵を絞って、大きな鏡を持ち込んで壁紙代わりにしたり太陽光を映して攻撃に転用したりとそこそこ活躍している。
カメラのレンズなど鏡と同じ原理の道具に効くかは不明。

★人造魔法少女捜査班
  • スノーホワイト
本名:姫川小雪 高校1年生
再び『16人の魔法少女』枠として登場。
相変わらず悪い魔法少女を懲らしめて回る魔法少女狩りとして活動中。かつて最初の物語の最後に使われた「魔法の薙刀ルーラ」(ある魔法少女の形見)を装備している。
無表情に微妙にかつての持ち主の様に魔法の薙刀ルーラを振るう姿から勘違いされがちだが、ちゃんと喜怒哀楽はあるし基本非好戦的な部分は昔から変わらない。
リップルが行方不明になった要因の1つが自分だと知り落ち込んでいた。
魔法:困っている人の心の声が聞こえるよ
唯一他者の本音を読み取れることから敵味方の区別が可能。
捜査対象であるピュアエレメンツが(彼女らを唆した人物はともかく)悪さをしてるわけではないことにもすぐ気づき、逆に守ろうとするが……

  • 袋井魔梨華
本名:袋井真理子
元魔王塾生である植物モチーフの魔法少女。
あの武力派魔法少女の集まりである魔王塾を破門になるほど超好戦的で、世界各地に渡っては数々の破壊活動に明け暮れていた。
荒々しい言動とは裏腹に変身前は良識ある大人だがキレると地が出る。
魔法:頭にいろんな魔法の花を咲かせるよ
植物の種を飲み込むとそれに合わせた魔法の花が頭部に咲き、攻撃や精神バフといった様々な効果を得られる。
魔王塾出身なので攻撃技にはそれぞれ厨二かっこいい名前付き。
この魔法のためにプライベートではわざわざ実家の資産を利用して研究所を建設している。

  • スタイラー美々
魔王塾から雇われている美容師魔法少女。
平穏を求め普段は常識人を演じる一方で意外と戦闘好き。
魔梨華から度々『面白そう』な誘いを受けては毎回嫌々ながらも最後は一緒に行動している。
魔法:魔法のコーディネートで身だしなみを整えるよ
ざっくり言うと対象の姿かたちを変えてしまう。
髪型が変わるくらいなら可愛い方で、大きな羽を隠したり特殊迷彩を施したりと大胆な改造もできる。
元の姿からかけ離れるほど時間がかかるのが難点。
応用として、戦闘ではコスチュームに付属しているメイク道具を使う。

★魔法の国外交部門
  • レディ・プロウド
ニンニクの飾りを施したヴァンパイア魔法少女。
魔王パム亡き今、外交部門のナンバーワンになろうと手柄を欲している野心家。
『魔法少女は思いの強さが全て』を持論としておりどんな状況でも決して諦めない心の強さを持つ。
部下のアンブレンのほっぺが好きだがセクハラを恐れて手の甲で触る一面も。
魔法:自分の血を好きな液体に変えられるよ
自分の血さえあれば薬品や飲み物など任意の液体を作れる。
プロウドはこれを利用し、いざというときのため普段から血で作った酸を小瓶に詰めて持ち歩いている。
魔法の副産物として血の匂いに敏感。

  • アンブレン
本名:嵩山美津 小学生(スペシャルブログ嘘予告ページ及びオフィシャルファンブックより)
幼い喋り方と外見のレインコート魔法少女。
プロウドのパートナーとしてまだ子供ながらてきぱき仕事をこなす。
飽きっぽいのが玉にキズ。
魔法:なんでも受け止める魔法の傘を使うよ
コスチュームに付属している傘をかざすと物理攻撃全てを防御できる。
少々熱くなりやすいプロウドにとっては頼りになる盾。

★フリーランス魔法少女
  • フィルルゥ
若干もふもふした白い魔法少女。
以前は魔法少女の刑務所で看守を務めていた。
だが刑務所自体がプキンを汚れ仕事に使っていたことを咎められ、改革を迫られたため失業した。
研究所捜査には手柄を立てて再就職への足がかりにするためというトップクラスに悲し過ぎる動機での参加。
魔法:魔法の針と糸でなんでも縫い付けられるよ
目に見えない丈夫な魔法の糸を操れる、まさに犯罪者捕獲にはうってつけの魔法。
劇中では目に見えないことを活かしたトラップ作りも行なった。

  • ウッタカッタ
『ございますです』と奇妙な敬語で話すオーバーオール魔法少女。
つぶしの効かない魔法少女界、それも不安定なフリーランス業のベテランであり幅広いスキルと抜け目なさを持つ。
普段は魔法の国の各部門を渡り歩いている。
魔法:不思議なシャボン玉を作ることができるよ
コスチュームに付属しているストローから魔法のシャボン玉を生み出す。
強度やサイズ、破裂のタイミングはウッタカッタ自身で指定可能。
中に人が入っても全く問題ない浮力と併用してちょっとした移動手段にもできる。

  • カフリア
本名:木村 心(スペシャルブログ嘘予告ページより)
目元を隠した喪服姿の魔法少女。
上品な口調ながらベテランらしい強気な性格。
普段は揉めごとの仲裁など交渉術を使った仕事が多いが戦闘能力も結構高い。
魔法:誰が一番早く死ぬのかわかるよ
カフリアの視界内では複数人の中で最も早く死ぬ人の頭上にドクロマークが浮かぶ。
本当に『死ぬタイミングが早い奴が誰か』くらいしか分からず、死因はおろかいつ死ぬのかすら読み取れない。
タイミングの順位は未来の規定事項ではなくリアルタイムの状況に応じて変化する。
唯一役に立つとすれば「カフリアが大量のドクロマークを見た場合、その場の全員が一斉に亡くなるような事件事故がかなり近いうち起こることが分かる」程度か。

★人造少女その他
  • グリムハート
ハートの女王様のような外見をした、魔法の国の三賢人『シェヌ・オスク・バル・メル』の現身。
要は大昔の偉い魔法使いの魂を入れた器みたいな存在で、変身前が存在しない人造魔法少女。
公式的でない人造魔法少女の存在を知り目撃者もろとも抹殺すべく研究所へ潜入する。
魔法:礼儀知らずは相手にしないよ
グリムハートが礼儀知らずと見なした対象の会話や魔法は一切通用しなくなる。
この場合グリムハートからはキイキイ呻いているように聞こえ、彼女以外からは「クビヲハネヨ」としか聞こえない。
なおグリムハートは基本自分以外の全員を礼儀知らずと見なしているため完全防御状態である。

  • シャッフリン
グリムハートの部下であるトランプモチーフの人造魔法少女。
こちらはホムンクルスに近いらしい。
主人からは散々こき使われているにも関わらず、知性の低さ故か反抗するでもなく黙々従っている。
魔法:マークや数字によって能力が変わるよ
シャッフリンは合計53人から成る存在で服がトランプカード状になっている。
数字はAが最高ランクで以下K→→Q→J→13……→2の順に下がる。
スートの違いは
スペード→戦闘が得意
ハート→防御が高い
クラブ→隠密行動が得意
ダイヤ→技術面担当
ジョーカー→自我と言語能力を持つ指揮官
他が全滅しようがジョーカーさえ生きていれば魔法少女1人分の生贄で全員復活できる。

  • スタンチッカ
スノーホワイトたちの前に突如現れた謎の道化師風魔法少女。
言葉は一切話さないが大げさなボディランゲージでコミュニケーションをとり、相手の言ってることも理解できる。
名前は差し出した名刺から判明。
スノーホワイト曰く『マスターのために行動しているがスタンチッカ本人はマスターについてよく知らない』とのこと。
とりあえずスノーホワイトたちの味方らしい。
魔法:魔法の大道芸でみんなをびっくりさせるよ
左袖から竹馬やナイフ、火吹き芸用のガソリンなど多種多様な道具を取り出しアクションを交えつつ闘う。
どんな大きさでも左袖に入れさえすれば収納可能。

★その他の人物
  • ファル
スノーホワイトのマスコットキャラクター。
以前の主人キークに改造され手にした数々の能力をフル活用し、魔法少女狩りの仕事に役立っている。

+ !以下黒幕のネタバレ注意!(クリックで表示)
  • 田中先生
ピュアエレメンツを魔法少女にした老婦人。
プリズムチェリー加入と入れ違うように姿を見せなくなっていたが……?
その正体は初代ラピス・ラズリーヌ(明言されるのは後だがこの巻の時点でバレバレ。後に「オールド・ブルー」という現在の通り名が判明)。
なお『restart』の記述と『「赤」』での追想を見るに魔法少女化時点で既に老境だった様だが、本名も田中かは不明。
魔法の国上層部に対抗できる軍事力を求め、プフレと共に人造魔法少女育成計画を企てた。
が、計画が露見したためピュアエレメンツに何も言わず逃亡している。
前述のディスラプターは初代がホムンクルスを無断で持ち出し使用したもの。

  • プフレ
本名:人小路庚恵 高校2年生
魔法:猛スピードで走る魔法の車椅子を使うよ
プロローグにて何者かに仕事場である離を突如襲撃される。
魔法の国がこれに乗じて有る事無い事を暴くつもりだと考え、記憶を抜き取れる魔法少女『3代目ラピス・ラズリーヌ』に協力を求める。

  • シャドウゲール
本名:魚山護 高校2年生
魔法:機械を改造してパワーアップできるよ
離の襲撃を受け、とばっちりで謹慎状態に。
主人の仕事ぶりが潔白などとは当然考えておらず、その身を案じるが故に自分なりのできることを選ぶ。
研究所の事件が収束したのと時を同じくして、スノーホワイトに接触。
研究所の件も含むプフレの記憶の一部をいつか本人が取り戻し同じことを繰り返すのを防ぐため、最悪自らの命をも差し出す覚悟で全てを託す。
訴えが通じたのか、スノーホワイトとファルはプフレがやらかした事実を一応不問にしてくれた。

  • 7753
本名:七谷小鳥
魔法:相手の能力が分かる魔法のゴーグルを使うよ
身寄りのないリクガメ魔法少女テプセケメイと同居することになった相変わらずのお人好し。
上司の謹慎と前後して、その上司本人から書類の配達を頼まれるがその意図は全く知らされていない。
全てが終わった後、詳しい経緯は不明だが事件のショックで廃人同然になったデリュージの面倒を見ることに。だが『breakdown』開始時、ある依頼のため休暇をとったと同時期にデリュージも別な場所に移送された。

  • ピティ・フレデリカ
魔法:水晶玉に好きな相手の姿を映し出すよ
洗脳して手駒にしたリップル共々しれっと仲間の魔法少女の世話になりながら捜査を逃れている。
7753からもらった書類の指示に従い何らかの行動をとっていた。
書類の内容は明言されてないが、劇中の描写から『指定された魔法少女全員に研究所捜査依頼のメールを送る=対グリムハート&シャッフリン用の護衛を作ること』だと思われる。
また自身も洗脳されたリップル扮するスタンチッカの左腕部分として事件に関わった。
水晶玉に大道芸の道具や左手をあれこれ出し入れしていた模様。
少なくとも右腕はスタンチッカの意思で動かすことを考えると相当器用なことやってる。
その途中保護したプリズムチェリーの『仲間のために闘わなければならない』という意思を尊重し、ほぼ確実に死ぬと分かりながら再び戦場に送り込む。


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最終更新:2024年02月28日 07:40