SCP-1792-JP-AW

登録日:2017/04/27 Thu 11:36:27
更新日:2024/02/27 Tue 13:45:23
所要時間:約 25 分で読めます






…誰だ!? 新入りか?
…何々? SCPの報告書の解説が読みたい?
この世界が滅びるかもしれないなんて状況で呑気に報告書を見てる場合じゃないだろう!?



…いや、お前が見たいのはまさにこの状況を作り出したSCPの報告書か。
…わかった、説明してやろう。AWデータベースからアーカイブを持ってくるから、ちょっと待っててくれ。




…始めるぞ。






まず最初に、このページを見て欲しい。
「SCP-700-JP」 に関する報告書を俺たちのwikiの形式で解説したページだ。
ちょっと表記がおかしいと思うかもしれないが、まあ気にせず読んでくれ。








登録日:7E0/2/10 Mon 11:22
更新日:7E1/3/1A Sun 0C:37
所要時間:約 F 分で読めます


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SCP SCP-JP SCP Foundation 亜財団の危機 別次元の世界 現在未収容 Malchut出動案件


SCP-700-JPとは、怪奇創作サイト「SCP Foundation」の日本支部で登録されたオブジェクトの一つである。
項目名は 「D番目の特異点」
オブジェクトクラスはSafeとなっているのだが、困ったことにこのオブジェクト、 現在は財団の収容下に置かれていない。
その理由は後述するが、これ、財団にもけっこう責任があったりする。


旧来の収容プロトコル

※以下のプロトコルはSCP-700-JPがまだ財団の元にあった頃のものである。

SCP-700-JPが発生した地点は現在サイト-51██に指定されている。51というのは日本支部が担当しているサイトという意味合いだ。
SCP-700-JPは発生場所を起点とした2m×2m×2mの標準的Safeクラスオブジェクト収容コンテナを重量計に載せた形で収容され、施設全体は8時間間隔3交代制による警備が行われる。
重量計の値が増えた場合、新たな物品がSCP-700-JPから排出された可能性があるため、それらを迅速に査定し、なるべく速やかな危険性の把握・対応を行うことになっている。この「対応」とは、オブジェクトナンバーの割り当て、Anomalousアイテム指定、廃棄処分等が該当する。


概要

SCP-700-JPは北緯29度36分█秒・東経C度1B分██秒(つまりバチカンのことだ)に位置する、地上0.5 mほどに浮かぶ直径1 mほどの二次元平面状の空間異常である。
正面からSCP-700-JPを見た場合に限り、それは別の空間へ繋がるポータルのようになり、その外周は常に不規則に発光する。発見当初の記録によると、非常に狭い部屋の内側に繋がっている様に見えると報告されている。

そしてSCP-700-JPの先には、我々ヒトと非常によく似た二足歩行する生物が存在している。
さらにそれだけではなく、彼らは我々の世界にあるSCP財団と酷似する組織をも形成していることが判明した。以後、この組織を 「亜財団」 と呼ぶことにする。
亜財団とは、SCP-700-JP内部に展開される独自の物理法則に準拠しない異常な特性を有する物体の確保、収容、保護を目的として設立された機密性の高い組織であり、最高理念は異常な特性を持つ物体の研究による科学技術の進歩である、と彼らは主張している。
まあ、我々の世界の財団とやってることはそんなに変わらないようだ。

この亜財団との検証の結果、SCP-700-JPの内部は既に発見されている特異点の接続先と異なっていたため、この穴は新たに 一般的特異点-D に割り当てられた。
これが項目名の由来である。

さて、SCP-700-JPを物体が通過すると何が起こるのか?
通過した物体は、その前後で形状が不規則かつ大幅に「変異」してしまうのだ。
原因は空間差、あるいは次元の差ではないかと考えられているが、原理は残念ながら不明である。
あと光や空気が移動しただけでも変異は起こる。穴が不規則に光ってるのは多分そのせい。
ただし、ノイズに強い2進法を用いた無線暗号なら変異せずに通信可能なので、亜財団とのやりとりは無線で行なっている。

亜財団によると、SCP-700-JP内に存在する「元素」は安定して存在し、かつ公表されているもので70種類あるらしい。
試しに詳細なデータを送ってもらったところ、我々の世界の元素と一致していたのは「10番 硫黄」だけだった。なんで硫黄だけ共通するのかは不明。
また、亜財団の存在する天体は、1つの恒星の周りを、公表されている限りD個の惑星が同方向に周回している恒星系に存在しており、直径C27 kmで衛星を1つ持つ、恒星から見て3番目の惑星であることが分かっている。
こっちはたぶん我々の星とそう変わりはない。


物質相互投入実験

7D7年に財団は亜財団と連携し、SCP-700-JPを通してお互いの世界にある物品を交換する実験を何度か行なっている。
その度に物質が「変異」するため、受け取る物品はお互いによくわからない何かに化けてしまった。


  • 実験1
それぞれの財団がある星において、生物の存在に不可欠な物質の代表例を投入した。

亜財団から送られてきた物質は直方体の容器に入った液体がEAmL。毒ではなかったが別に生命に必須なものではなかった。
一方、財団側からは水1Lを一般的なプラ容器に入れて投入したのだが、亜財団によると「赤色で既存の液体を際限なく侵食する人類に対して有害な水」を受け取ったとのこと。
結局、これは次元差による変異の範囲内だと結論づけられ、これら二つの物質は現在双方の財団で収容対象に指定されている。


  • 実験2
もっとも一般的な金属を、最大限の純度・最高級の加工技術を用いて規則的な形にして投入した。

亜財団側から出てきたのは、非常に不規則な形をした未知の物質1kgだった。
なんでこんな形なのかと聞くと、「次元による変異のせい」だと片付けられた。
あと断面を解析したところ亜財団の技術レベルはけっこう低い。
対する財団は純度FF.FF %の鉄を真球にして投入…したところ、「危険な認識災害を伴う物質であり、似た形の物体を作成する無謀な努力を試みさせるもの」に化けてしまったらしい。
これらも両者で収容対象とした。


  • 実験3
今回は「人間を投入したらどうなるか」ということで、実験用の職員(つまりDクラス)をお互いに投入した。

亜財団側から出てきたのは、SCP-700-JPのポータルを通して見えるはずの人型生物とはまるで異なる、ウニのような形になった名状しがたい何かであった。これをSCP-700-JP-1と分類。
この生き物は投入から18時間後に生命活動を停止したため、亜財団側に送り返した。
亜財団側はこの変な生き物の死体について特に何も言ってこなかったので、たぶん向こうの世界ではちゃんと人型生物の死体に戻ったんじゃないだろうか。

一方で財団が送り出したD-3DEC6Dは、「非常に敵対的で自ら改変した歴史に自らを組み込み、人類に重篤な危害を及ぼす凶暴で強力な武力を持つ人型オブジェクト」になったと亜財団は主張。
やっぱりこれも次元差のせいのようだ。
亜財団はコイツを財団側に送り返したいが、自分たちの力ではすぐには無理だと言ってきたので、財団は「無理に返せとは言わない、ちゃんと収容できてるなら亜財団にあげるわ」と返答した。


…さて、ここからはより危険性の高い物品の交換実験である。これ以降の報告書を閲覧するにはレベル4以上のセキュリティクリアランスが必要になっている。


  • 実験4
それぞれの財団が収容している、敵対的で危険な生物オブジェクトの外皮を交換した。

2Aヶ月の交渉と議論猶予を設け、亜財団から極秘に投入してもらった皮は、ごくフツーのコモドオオトカゲのものだった。
亜財団によるとこの皮は「非常に敵対的であり、外皮の断片から全身を復元する事のできる非常に危険性の高いオブジェクト」のものらしいのだが、特に復活したりはしなかった。
なお亜財団はこの皮を返してくれなくて結構だと言っていたので、返還しないことにした。
ん?非常に敵対的で異常な再生力を持つ…トカゲ…これってもしかして…

一方で財団が送った某SCPの皮は、「ヒトの体液で出来た凶暴で強力な力を持つ生物」に復元したらしい。
…という返答を亜財団から得るのに 1年かかった。
「財団が投入したSCPの外皮の収容および、被害の復興に尽力していた」ために、亜財団は1年もの間我々と通信ができなかったのだ。
「次元差による変異」で、このSCPは我々の世界にいた時から危険性・特異性を大幅に強化して亜財団側の世界に出ていったのだ、と結論づけられた。
亜財団はこの凶暴になってしまった「皮」を返還できないと言ったので、我々の財団はそれを承諾した。


  • 実験5
今度はある程度危険性の低い人工物SCPを交換した。また亜財団に1年分の被害を出しちゃ申し訳ない。

亜財団側から受け取ったのは「中央に楕円形の赤色鉱石がはめ込まれた円形白色金属の上に複数の小さな透明の結晶の乗った首飾りのような円盤」だった。
この首飾りは「直接触れた生物の精神を汚染し、共通した1つの人格を作り出す人体に対して不可逆性の強い危険なもの」だと亜財団は警告していたのだが、こっちの世界ではDクラスに5回実験させても特に何も起きなかった。
亜財団はこの首飾りは即刻返還してくれと要求したため、返してあげた。

財団が送ったのは人に軽度の殺人衝動と強制の認識災害をもたらすSCP-███。もちろん人工物だ。
ところがこれが亜財団に行くと、「目視した人間に対し強い殺害衝動を引き起こし、なお且つ自身の損傷の度合いに応じて人間を未知の方法で傷つける危険性の高い若年人型オブジェクト」になってしまった。
亜財団は「人工物を送れと言ったのになんで人型SCiPが出てきたんだ!?」と怒ってきたが、改めて両財団で調査と協議をした結果、 これも次元差のせいなのでしょうがない とされた。
我々の財団は異常物品を「確保、収容、保護」する任務がある。なので本当はSCP-███を返還して欲しかったのだが、いろいろ不測の事態が起きたので、お詫びとして返還要求を取り下げた。


ここまでの実験結果を受け、亜財団はさすがに我慢の限界を迎えたらしく、「頼むからもうこれ以上は投入実験をしないでほしい」と要求してきた。
なので財団は実験を停止していいか審議を行なっていた。


………審議を行なって いた、のだが………


奪われたポータル

ここで、SCP-700-JPは収容違反を起こしてしまった。
ある要注意団体がサイト-51██を襲撃し、しかも元収容責任者と元サイト管理者がこの要注意団体と内通していたのだ。
これにより SCP-700-JPは財団の手から奪われ、要注意団体の元に渡ってしまった。
もちろん財団も2A回もの奪還作戦を行なったのだが、ことごとく失敗。

最後に潜入工作員を送り込んで報告させたところ、この要注意団体は いろんな物品を手当たり次第にポータルに放り込んでいる ことが判明。
あいつらは亜財団の世界をゴミ箱か何かだと考えているのか!?
しかも、先の実験で判明している通り、こちらの世界の物品は亜財団の世界に行くと飛躍的に危険性が上昇する。
そんなものを無差別に放り込まれては 向こうの世界がヤバい!

潜入工作員が亜財団と秘匿通信を行なったところ、亜財団は「複数の致命的現実改変と超危険なオブジェクトに襲われていて、我々じゃとうてい収容しきれない!このままだとプロトコル『胡蝶の夢』を発動せざるを得ない」と回答。
明らかに相当ヤバいことになってるよこれ。
潜入工作員はすぐにこのことをMalchut評議会に伝達。評議会は工作員に、我々の財団が持ついくつかの記憶処理技術と、再建を行うための何か危険なものの設計図を送信した。
その後、潜入工作員との通信は途絶、彼は帰ってこなかった。

おそらく彼は単身でポータルに乗り込み、亜財団の世界を救おうとしているのではないだろうか?
残念ながら、亜財団が無事に未曾有の危機に対処することができたのかは、こちらからはうかがい知れない状態だ。

…亜財団が危機に陥っているのも、元はといえば財団に責任がある。
要注意団体の襲撃を防げていれば。収容責任者とサイト管理者の離反を見抜けていれば。
これらの事件は、財団のSCPに対する管理能力の甘さに起因しているのだ。


なおこんな状態なので、現在のSCP-700-JPの収容プロトコルは「SCP-700-JPを早急に奪還しろ!」というものになっている。
ただ、奪還に使用される資材の全ては財団総資産の0.000000009%の範囲内、多くてもこの1.5倍までで抑えることになっているが。財団管理のオブジェクトは他にも山ほどあるからこれは仕方がない。
奪還の際は近隣の住宅地が問題で、集団記憶喪失だの、いろいろな災害だの、といったカバーストーリーの適用が必要になりそうだ。


報告書の最後には、Malchut評議会のお偉方から亜財団トップのO5に向けた、要注意団体によるSCP-700-JPの奪取を許したことに関する謝罪の言葉が添えられている。

もし、次に通信を行えるチャンスが巡ってきたならば、我々が真っ先に行うべきことは事の謝罪である。我々が犯した収容と警備の怠慢を彼らに報告し、心の底から謝罪することが我々の任務だと思っている。例え世界が違えど、同じ意思を貫いてきた組織であるなら我々はこの失敗を真摯に受け止めるべきだ。彼らが今どのような危機に直面しているのか見当もつかないのだから、我々は持てる力を駆使してSCP-700-JPを奪還しなければならない。財団の最高司令部を代表して記す、O5の方々、ほんとうにすまない。
ーーーMalchut-01

この謝罪文を、O5の方々、すなわち亜財団の方々に伝えられる時は、果たしてやってくるのだろうか?

頑張れ財団!亜財団の運命はあなたたちの手に委ねられているのだ!


余談

このオブジェクト、当初はSCP-001-JPの一つにすることも考えられていたらしい。
だが、「穴」を題材とした001はすでに存在していたため、通常ナンバーに振り直したとのこと。


追記・編集は特異点に物品を投げ込んでからお願いします。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-700-JP - D番目の特異点
by SenkanY
http://ja.scp-wiki.net/scp-700-jp

この項目の内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。


  • これは財団の管理の油断が如実に出た例だな -- 名無しさん (7E0-2-10 14:09:15)
  • 潜入工作員は向こうの世界でどうなったんだろ?SCP-7D0みたいに世界をやり直す神の力でも得たんかな -- 名無しさん (7E0-2-10 17:28:0B)
  • ↑こういう救世主になることが期待されてる存在に限ってしょーもないものに変異しちゃう可能性も。「神」ならぬ「紙」になっちゃうとか -- 名無しさん (7E0-2-11 00:09:23)
  • SCP-6E4を思い出す -- 名無しさん (7E0-2-11 0E:1C:20)
  • もしかしてこの要注意団体ってサイガさんと関わってたり? -- 名無しさん (7E0-2-13 01:10:32)
  • 亜財団にも2AAとか3C3っぽい存在がいるのかw -- 名無しさん (7E0-A-0F 13:30:25)
  • 亜財団の世界から見たら、このポータル自体が「SCP」を発生させる元になってる、ってことなんだろうか? -- 名無しさん (7E1-3-1A 0C:37:3A)




















緊急通達
SCP-1792-JP-██〜██の収容違反は未だ継続しています。
''この状況が継続された場合、XK-クラス:世界終焉シナリオが発生する可能性があります。''
これに備え、現在、プロトコル「胡蝶の夢」の発動が検討されています。



………………どうだ?
なんとなーく何が起こっているのか理解できたか?


実はこの「SCP-700-JPの報告書」、これ自体が由来不明のオブジェクトなんだ。SCP-1792-JP-700だ。


SCP-1792-JPって何やねん

SCP-1792-JP-AWは、怪奇創作サイト「SCP Foundation」の日本支部に登録されていたオブジェクト……のアーカイブファイルだ。
このオブジェクトーーーSCP-1792-JPは、 日本支部に実際には登録されていない。 …いや、 登録されていないことにされた
なにせ今は致命的な現実改変現象が山のように発生してるからな。
このアーカイブファイルは、俺たちが今いるアニヲタwikiから持ち出すことは不可能な状態になってしまっているのだ。言い方を変えれば、 このオブジェクトがあることになってるのはこのwiki内だけだ。
「本当の財団」にはSCP-1792-JPなんてオブジェクトは無いか、あったとしても全く違うものだ。
だから、このページで得たオブジェクトの情報を他の人と共有しようとは思わんほうが身のためだぞ。

項目名…と言っていいのかはわからんが、 「13番目の特異点」 だ。
オブジェクトクラスは…決定してる暇がない! まあ確実にKeterだろうな。


収容プロトコル!?

悪いが今は収容プロトコルなんてものは存在しねえ。だって収容されてないんだから!

SCP-1792-JPは厳重に封鎖されていたんだが、今はその封鎖はすでに破られてる。
SCP-1792-JPから出てきた物品はどれもこれもヤバイものばっかりだ。SCP-1792-JP-1〜██まで番号を振って把握してる。
このうちSCP-1792-JP-1〜5までは、それぞれ個別のオブジェクトナンバーが振り直されてそっちに管理が移った。
残りのSCP-1792-JP-6〜██は大半が絶賛収容違反中だ、 こんな酷い話があるか!
ただし、SCP-1792-JP-700だけは財団のデータベースに置かれ、財団の人間なら誰でも読める状態になっているぞ。さっき読んでもらった報告書だ。


概要

SCP-1792-JPってのは穴だ。半径1mくらいの宙に浮いたポータルだ。
場所は北緯41度54分█秒・東経12度26分██秒。要はバチカンにある。

どうもこの穴の先は異次元の世界に繋がってるらしくてな。
そしてその世界にも俺たち人間とよく似た二足歩行の人々が暮らしてるようなんだ。
さらにすごいことに、奴らは俺たちが所属してる財団とそっくりな組織まで持ってるのだ!
奴らは自分たちこそが「財団」だと名乗り、俺たちのことを「亜財団」と呼びやがる。まあ向こうから見りゃそう思うんだろうな。
「財団」のトップはMalchut評議会なるものらしい。こっちでいうO5の位置づけだな。

あいつらの文化には俺たちと大きく違うところが1箇所ある。
あいつらは 16進法 で数字を扱ってるんだ。
報告書にやたらとアルファベットが入ってたのはそのせいだ。あれは数字なんだ。
あいつらが言ってる「SCP-700-JP」は、まあわかると思うがこっちで言うSCP-1792-JPのことだ。

物体がSCP-1792-JPを通してお互いの世界を行き来すると、その物体はまるで違うものに「変異」してしまうんだ。
これはお互いの世界の「次元差」が原因だとされてるけど、ホントにそうなのかは知らねえ。
向こうの世界とこっちの世界で「元素」の種類を比べてみたことがあるが、硫黄だけ同じでそれ以外は全然違うものだった。
お互いの通信は2進法を利用した無線でなら可能だったんで、それで「財団」と連絡を取り合ってたんだ。

財団は「財団」と連携してお互いの世界の物品を交換する実験をやってたんだが、これの結果がまあヒドイもんだった。
というのも、向こうからよこされる物品がどれもこれも異常なもんばっかりでな。それも結構な厄介もんばかり。
SCP-1792-JP-1〜5はこの実験によって俺たちの世界にやってきたのさ。


  • SCP-1792-JP-1
赤色で既存の液体を際限なく侵食する人類に対して有害な水。SCP-009「赤い氷」に指定された。

  • SCP-1792-JP-2
危険な認識災害を伴う物質であり、似た形の物体を作成する無謀な努力を試みさせるもの。SCP-1137「完全な球体」のナンバーが割り当てられた。

  • SCP-1792-JP-3
非常に敵対的で自ら改変した歴史に自らを組み込み、人類に重篤な危害を及ぼす凶暴で強力な武力を持つ人型オブジェクト。
SCP-140「未完の年代記」に登場する、"ダエーワ"と呼ばれる存在のことだろう。

  • SCP-1792-JP-4
ヒトの体液で出来た凶暴で強力な力を持つ生物。のちのSCP-058-JP「血飲みの嵐」だと思われる。鎮圧に丸1年を要した。

  • SCP-1792-JP-5
目視した人間に対し強い殺害衝動を引き起こし、なお且つ自身の損傷の度合いに応じて人間を未知の方法で傷つける危険性の高い若年人型オブジェクト。SCP-053「幼女」を指す。


…まー見ての通りだ。
どれも個別のSCPナンバーを得るほどの凶悪なオブジェクトだ。

負けじとこっちからも異常なものを送りつけてやった。
クソトカゲの皮だとか、無限残機博士の本体だとかな。
だが向こうの世界では何の異常性もないただのトカゲの皮と首飾りになってたらしい。
とりあえず博士は返してもらえたけど。
どれもこれも全部「次元差」が悪いんだ!

もう異常物品が増えるのはごめんだから、俺たちは「財団」に実験をやめるよう請願した。
そこまでは良かったんだが…

どうも向こうの世界で「財団」になんかあったらしいんだ。
「財団」のサイト管理者と収容責任者から、 「我々は離反し、『████』に寝返った」 っつー連絡をよこされて。なんでも「████」はあっちの世界でいう要注意団体なんだと。

それからというもの、SCP-1792-JPは明らかにおかしくなった。
次から次へと、途方もなく危険なオブジェクトを排出し続けるようになっちまったんだ!
致命的な現実改変特性持ち、超ド級の戦闘力、ほか諸々を持つオブジェクト群だ。
おおかた例の要注意団体がいろんなゴミを不法投棄でもしてるんだろうな。
それらは大半が今も収容できてねえ、というか 俺たちの技術力じゃどうしようもねえ。
俺らの世界が滅びかけてるってのはこれが原因なんだわ。

さっきの通達にあったプロトコル「胡蝶の夢」はそいつらに対する最終手段だ。
どのみち、俺たちは現在の、今までの世界は諦めなきゃならんだろうな……。



そしてある時、財団のデータベースからSCP-1792-JPの報告書は消滅した。存在の痕跡すら残ってないし、そもそもそんなことがあったことも忘れられてるかもしれない。
幸いにして、このwikiにあったアーカイブファイルは残ってたけどな。
ところが、それと入れ替わりに、空白だった(…と思う)オブジェクトナンバー「700-JP」に突如として報告書…SCP-1792-JP-700が現れたんだ。
何がどうなって出現したのか、そもそもいつ出現したのか、全くもって不明だ。
まあ今は現実改変が多発してる、何があってもおかしくはない。


…これは俺の考えなんだが。
「財団」が俺たちの世界を救うためによこしたらしい潜入工作員が、次元差による変異によってこの報告書へと化けてしまったんじゃないかって。
なんとなーくそんな気がするんだ。


…以上で俺の話は終わりだ。
SCP-1792-JPとSCP-700-JPの関係について、わかっていただけたかな?

だが、最後にこれだけは言わせてくれ。



…………財団の明日は、他の世界の「財団」に握られているんだ。






















メタ的な注釈

このページで解説しているのはあくまでもSCP-700-JPである。
だが、SCP-700-JPの報告書は見ての通り、その視点が「本来の財団」側にない。
そこで、仮にこのオブジェクトを『「本来の財団」側から記すとどうなるか?』という形式で、この解説ページを立ち上げたのである。

1792は、16進法で書いた700を10進法に直した値である。
「財団」と「亜財団」が同一のSCPを取り扱っていることを示すために、この項目が作成された当時は使われていなかったオブジェクトナンバーを借りて解説させて頂いた。

日本支部には既にSCP-1792-JPのナンバーを振られたオブジェクトは存在するが、ここで語られているものとは全くの別物である。
開幕で「AWデータベースのアーカイブ」などというトンチキな設定が出てきたのは、あくまでアニヲタwiki独自の設定だということを示すためである。


追記・修正は16進数を10進数に直しながらお願いします。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-700-JP - 13番目の特異点
by SenkanY
http://ja.scp-wiki.net/scp-700-jp

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最終更新:2024年02月27日 13:45