天沼月人

登録日:2017/04/23 (日) 13:38:49
更新日:2024/01/08 Mon 23:32:17
所要時間:約 6 分で読めます




どうやらオレ様の出番だな


天沼月人とは、幽☆遊☆白書の登場人物の一人。

CV:亀井芳子*1


人物

蟲寄市在住の男子小学生で、仙水の仲間の1人。
11月7日生まれの11歳。B型。
見た目はごく普通の茶髪の少年で、鼻のあたりにそばかすがある。右腕にはガードのようなものを巻いている。
一人っ子で両親は共働きをしている。

性格は歳相応に生意気で自信家。
極めて高い知能指数を持つ天才少年であり、学校の成績は優秀。特に記憶力は、盟王高校始まって以来の天才と言われている海藤と同等かそれ以上である。
ゲームの腕も天才的で、ゲームで自分に勝てる者はいないと豪語している。
得意ではないクイズの問題も、クイズの出題パターンの法則を見つけ出す事で、博識である海藤に勝利していた。
御手洗と同じく他人から疎外されていたが、その理由は大きく異なり、天才であるが故に自分以外の同級生は皆バカであると見下し、あえて自分から距離を置いていた。
同級生だけではなく、親や教師なども見下していたようだが、実は寂しがり屋でもあり、内心では人間関係に思い悩んでいる。

よく行く場所は、コンビニ、ゲーセン、家の近くの野球場。そのため「ゲームとコンビニさえあれば世界が滅んでもいい」と考えている。
ゲーセンに入り浸っていた時に仙水と出会い、彼とゲームで好勝負を繰り広げた事がきっかけで彼を慕うようになる。
その後仙水に「お前の能力でつまらない世の中をひっくり返してやろう」と持ちかけられ、つまらない日々に飽き飽きしていた彼は面白半分で仙水の仲間となる。
ちなみにこの時点では天沼は後述の“遊戯者(ゲームマスター)”の能力が発現していなかったが、仙水はその能力が発現する素質を天沼に見出したうえで彼と接触している。

仙水の目的をきちんと理解しておらず、「魔界から妖怪がうじゃうじゃ出てくれば楽しいし学校もなくなる」という子供っぽい理由で仙水に協力している。
妖怪が人間界に現れれば彼自身も危ない気がするが、後述の能力で領域を広げれば「自分にゲームで勝てる奴はいないから平気」だと高を括っている。
しかし「ゲームとコンビニさえあればいい」という世界はまがりなりにも平和だから存在出来る物だという事にも全く気付いていない。
学業という点で天沼の頭が良いのは間違いない、だが自分の行為がどういう結果を引き起こすものなのかを考えようともしない。
つまり天沼月人という人物を一言で表してしまうと『今が楽しければそれで良い、想像力が欠如している賢いバカ』なのである。まだ小学生なので、そこまで深く考えず行動するのも普通といえば普通なのだが。
事実、後述の蔵馬との勝負において「自身の能力がどういう物なのか」を突き付けられた途端に激しく動揺し、落涙と後悔の中で負け知らずのゲーム対決にあっけなく敗北してしまった辺りそれを裏付けている。

小学生でありながら、抜群のドライブテクニックを持っており、作中では軽トラを運転して桑原を拉致し、華麗な走りで幽助の追跡を振り切ろうとした(ちなみに幽助が利用していたのは自転車で、脅威の脚力で天沼の運転する軽トラに追いついていた)。
恐らくレースゲームによってこのようなドライブテクニックを身につけたものと思われる。小学生(というか無免許の方)は決してマネしないように。


能力


  • 遊戯者(ゲームマスター)
天沼に発現した能力。領域はゲーム世界そのもの。
ゲーム機を媒体にする事でゲームの世界を実体化する事が出来る。
実体化されたゲーム世界ではゲームに関する者だけ入る事が出来、海藤の能力“禁句(タブー)”と同様にゲームの内容から外れた暴力行為は許されない。
現に飛影が領域内で炎を出そうとした時もうまくいかず、アニメ版で痺れを切らした飛影がモニターを切り裂いても何事もなかったようにすぐに復活していた。
“禁句”と違う点は、ゲームの登場人物として一度領域に入ると、ゲームが終了するか天沼が任意で能力を解かない限り脱出は出来ないというところ。
また、能力者の天沼自身がゲームの登場人物として領域に入れば、ゲームの決着がつかない限り領域が解かれる事はない。

天沼自身はこの能力を「テレビゲームを実物大で体験できるだけの能力」だと思い、能力でゲームをプレーする事を心から楽しんでいる。
しかし仙水はこの能力を「体力と精神力を著しく消耗する能力」として、命令以外では決して使うなと天沼に指示していた。

この能力最大の特徴は「ゲームの内容を忠実に再現する」というところ。
たとえば、ゲームオーバーで主人公が死亡する事となるゲームを具現化すると、主人公として参加している人間はゲームオーバーになった途端に死を迎えてしまう。
ゲームで主人公が死亡すればそれに該当する人間も死亡するという事はつまり…


活躍

仙水が幽助のマンションの襲撃に成功した事を合図に、“美食家(グルメ)”の能力者・巻原(戸愚呂兄)と共に行動を開始。
軽トラを運転して次元刀の能力に目覚めた桑原の前に現れ、巻原(戸愚呂兄)に彼を捕らえさせ、仙水を乗せてそのまま入魔洞窟へと向かった。
アニメ版では立体駐車場に誘い込まれた桑原の前で領域だけを広げ、巻原(戸愚呂兄)に彼を捕らえさせて軽トラに乗り込んでいた。

入魔洞窟では、「ゲームバトラーで幽助達と戦え」という仙水の指示のもと、それを媒体にしてゲーム世界を作り上げ幽助達の足止めを行う。
自分はラスボスの「ゲー魔王」としてゲームに参加し、4戦目で満を持して対戦相手の海藤の前に立ちはだかる。
4戦目は苦手ジャンルのクイズで対戦する事となったが、その際には驚異的な記憶力を武器に、博識である海藤から一勝してみせる(詳細は「ゲームバトラー」の項目を参照)。

次に登場したのは蔵馬で、彼とは「スリーセブン」というパズルゲームで戦う事となったが、対戦相手の蔵馬はなぜか深刻な面持ちだった。
そして蔵馬の口から、自身の能力に関する衝撃の事実と仙水の本当の思惑に気づき、激しい焦りを見せる事となる。

この「ゲームバトラー」というゲームは、ゲームをクリア、つまり「ゲー魔王」を倒すと、最後はゲームだけが自分の味方だったゲー魔王の魂が天に召され、街に平和が訪れる筋書きとなっている。
そして、その際には「ゲー魔王は死んだ」と画面にはっきりと表示され、エンディングを迎える事となる。

「ゲー魔王は死んだ。つまり、能力で「ゲー魔王」としてゲーム世界に入り、そこで主人公側の人間に負ける事があれば、「ゲー魔王は死んだ」と画面に表示された途端にゲー魔王役の人間・天沼は、「ゲームの内容を忠実に再現する能力」により死亡してしまうのである。

天沼は今までエンディングやプレー中にを暗示するような言葉が出るゲームの具現化は行ってなかったためこの事実に気づいていなかったが、それは仙水にそれとなく止められていたからだった(なので前述の「この能力は体力と精神力を著しく消耗する能力」というのも仙水の出任せの可能性がある)。
そのため天沼自身には今回のゲームバトラーで「命の取り合い」をしていた自覚は全くなかったが、蔵馬の言葉でその事実に気づき、そして仙水は目的のために君(天沼)を犠牲にしたと断言されると、信じていた仙水の裏切りを知って激しく動揺する。
その動揺はゲームのプレーにも支障をきたし、天沼のブロックは瞬く間にどんどん積み上がっていく。
この場面で初めて事の重大さに気づくが、自分自身がゲームの登場人物になると決着がつくまで領域を解く事が出来ないうえに、蔵馬もこの勝負で天沼に負ける気はなかった。
そして蔵馬に「君は仙水の計画を知っていた。君自身に責任がないわけではない」と言われると、目から涙が溢れ自分の過ちを深く後悔する。

こんなことになるなんて思ってなかったんだよ

オレ…オレまだ死にたくないよ

この台詞を言った直後にブロックがボーダーラインに達し、ゲー魔王・天沼は敗北。ゲームの結末どおり天沼は死亡し、彼の領域は解除された。
後に残されたのは、目に涙を浮かべた天沼の遺体と、ゲーム世界の具現化の媒体に使用したゲーム機とソフトだけだった。

やむをえなかったとはいえ、最も残酷な方法で天沼に勝利した蔵馬。
天沼の遺体を見ても冷静であるように装っていた蔵馬だったが、その表情は、目的の為ならば手段を選ばない仙水に対する激しい怒りに満ちていた*2

自身の能力によって命を落とした天沼だったが、後にコエンマの遊魂回帰の術で蘇生し、洞窟の外で幽助達の帰りを待っていた。
実はこれも仙水の計算のうちで、コエンマが自分のところに来る前に魔封環の霊力を消費するよう仕向けて、自分にとって最大の障害である魔封環を破ったのだった。

事件後は元の生活に戻っていたが、ゲームを通じて友人が増え、友人も自分と同じような悩みを抱えていると知り、以降は他人を見下すような事もなくなった。
その後は私立中学に入学し、普通の学校生活を送っている模様。


「次は別の項目で追記・修正したいな」


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 幽☆遊☆白書
  • 幽遊白書
  • 天沼月人
  • 亀井芳子
  • 小学生
  • 能力者
  • 仙水一味
  • 遊戯者
  • ゲームマスター
  • 天才
  • ゲーム
  • ゲーマー
  • ゲームバトラー
  • ゲー魔王
  • 生意気
  • 自信家
  • 概念系能力者

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月08日 23:32

*1 第93話では、EDクレジットで松本梨香と誤記されたが誤りである。

*2 その時の表情は、血気盛んな幽助にすら「かなりキテた」と言わしめるほど