SCP-788-JP

登録日:2017/04/22 Sat 23:51:54
更新日:2024/03/17 Sun 07:39:32
所要時間:約 5 分で読めます




SCP-788-JPとは、怪奇創作サイト「SCP Foundation」の日本支部にて登録されたオブジェクトの一つである。
項目名は 「悪霊の縄張り」 。悪霊が出てくるとはなかなかストレートな怪奇現象である。
オブジェクトクラスはEuclidとなっている。

特別収容プロトコル


SCP-788-JPは土地のオブジェクトなので、その100m周辺は部外者の立ち入りを禁止し、侵入者を検知した場合は直ちに排除及び記憶処理を行う。
またSCP-788-JPの周囲は高さ3mのフェンスによって囲うことで隔離され、フェンスに取り付けられて18箇所の振動センサーを機能させておく。

そして、境界の外側四隅には、直径および高さ10cm程度の円錐型に形状を整えた塩を設置すること。 いわゆる盛り塩 である。
また、14日間隔でSCP-788-JPの領域内に塩300gの散布が行われる。
常時2箇所に設置された監視カメラによって状態が監視されているが、SCP-788-JPの範囲の増大が確認された場合、臨時に塩の散布を行う必要がある。

放置しているとSCP-788-JPの領域は徐々に拡大していってしまうが、塩を撒くことでそれを防止できるのだ。
…確かに悪霊を鎮めるなら清めの塩は欠かせない。いささか非科学的な気もするが、SCP相手に科学がどうこうなどと言ってられないのは周知のことだろう。

概要


SCP-788-JPは、日本のとある村に存在する直径68mの円形の更地のことである。
そしてその中央には、一人分のものとみられる人間の白骨が半分地面に埋まる形で存在している。
…これが悪霊の元となった人なんだろうか?

SCP-788-JP内部にはどういうわけか草が一切育たない。
そのため、外から見てもSCP-788-JPの境界面は簡単に識別可能となっている。
上記の収容プロトコルが実施されないと、この領域は徐々に拡大し、その際に周囲にあった草木は即座に土になって消えてしまう。
これは放っておくとヤバイことになりそうだ。

SCP-788-JPとされる領域に近づいていくと、繰り返し 地響き が発生し始める。
地響きの震源は領域の中央、すなわち白骨が存在する地点だと考えられている。
さらに近づいて領域内に入ってしまった場合、この地響きは無くなるが、その3秒後に領域の中央から 強い衝撃波 が飛んでくる。
この衝撃波によって侵入者は大抵の場合、領域外に吹き飛ばされて大怪我をしてしまう。
また、衝撃波を食らってもなお領域内に留まり続けた場合、この衝撃波の威力はどんどん強くなっていき、その上限値は不明。
…この領域には「悪霊」が住んでいて、地響きと衝撃波を用いて侵入者を追い払っている、ということらしい。

なお巨大な装甲車などを用いれば強引に衝撃波を突破して領域の中央まで行くことも可能だが、衝撃波が強くなるだけで特に何も起こらない。

収容の経緯


このSCP-788-JP、当初に発見したのは財団の日本支部の前身となった要注意団体、「蒐集院」である。

この領域は村人たちから 「悪霊の縄張り」 と呼ばれて恐れられており、基本的には村人がここに近寄ることは無かった。
しかし、当時から起こっていた領域の拡大を食い止めるために、神道に基づく一連の儀式が村人によって制定され、実施されていたのだ。
蒐集院はこの儀式をそのまま引き継いで行なっていたのだが、当該オブジェクトが財団へと委託されたのち、儀式の最初の段階を行うだけで十分だったことが判明。結果として現在の大幅に簡略化されたプロトコルが残った。
要するに、「最初に塩を領域に撒いて、それから一連の儀式を行う」という流れを、塩の部分だけ切り取ったのが今の収容プロトコルなのだ。

現在はSCP-788-JPがあった村は廃村となっており、もはやこの領域を知る一般人は存在しないとされている。
しかし村に遺されていた資料から、当時の儀式内容と被害の様子を確認することができた。
また、かつてこの領域は現在より小さく、直径5m程度の円形だったことも判明。ただし蒐集院が見つけた頃にはすでに現在の大きさまで拡大していた模様。詳しい拡大の経緯は残念ながら不明なままである。

侵入実験


財団は領域の謎を解き明かすため、この領域にDクラス職員を侵入させる実験を何度か行なっている。

  • 実験記録788-1
使用したDクラス:男性、31歳、長身

Dクラスには領域の性質を伝えず、領域内に侵入してもらった。
結果としてこのDクラスは衝撃波をモロに食らって弾き出され、打ちどころが悪かったらしくそのまま死亡してしまった。
…恐るべき悪霊がここには居る。

  • 実験記録788-2
使用したDクラス:女性、37歳、平均的体格

このDクラスには領域の性質を伝え、中に入ってもらうことにした。ところがDクラスは侵入することを拒否。
「危険だから入りたくないんじゃないか」と考えた研究者は無理やり侵入させようとしたが、領域の境界に透明な壁があって物理的に入れない事が判明した。
…さっきのDクラスは入れたのになんで今回はダメだったんだろう?

  • 実験記録788-3
使用したDクラス:男性、25歳、平均的体格

今回は録画機能を組み込んである耐衝撃強化スーツをDクラスに着用させ、実験788-1と同様に領域の性質を伝えずに侵入してもらった。
侵入は成功し、やっぱりDクラスは跳ね飛ばされて帰ってきた。

そしてこの時、このDクラスは領域の中で 「何重にも重なった、哮るような声」 を聴いたと証言。
しかし現場にいた他の職員はそんな声は聴こえなかったと言った。
だがスーツの録画を見てみると確かに声が記録されている。どうもこの声は領域の中でだけ聞こえているようだ。

…これこそが、「悪霊」の声なのではないだろうか?


このあと788-3の実験はもう2回繰り返されたが、そのたびにDクラスは跳ね飛ばされ、スーツの録画には声が入っていた。
3回もぶっ飛ばされたDクラスも死なないとはいえ災難である。

この声は人間男性のものに近かったが、およそ10人以上の声が同時に重なったものであり、ほとんどノイズのような状態であった。
どういうことなのだろうか。「悪霊」はそんなに多くの人間が集まってできているのだろうか?
現在、財団の研究チームは音声の精密な解析を進めている状態である。



…塩を撒いて鎮めないと領域が拡大したり、侵入者を衝撃波で弾き出して殺害したり。
ここにいる「悪霊」はかなり危険な存在だと思われる。
早いところ正体を暴いてやらなければならなさそうだ…。

追記・修正は悪霊を鎮められる方にお願いします。


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SCP-788-JP - 悪霊の縄張り
by akitaka
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(´・Д・)」「…しっかし、あの悪霊の正体って一体なんなんだろうな…。」

(*・ω・)ノ「博士ー!SCP-788-JPの領域で記録された声の精密な解析が終わりましたー!あの10人くらい重なった声は全部同一人物のものでした!」

(´・Д・)」「おお!なかなか早いじゃないか!どれどれさっそく聴いてみよう…」

(*・ω・)ノ「その前に!博士、SCP-788-JPに関わる事象で、なぜそうなるのか不可解だったことってありませんでしたか?」

(´・Д・)」「不可解っつったってSCiPなんて全部不可解だけども…。そうだね、『塩を撒くと鎮まる』『地響きや衝撃波で攻撃してくる』という基本的な性質と…。」

(*・ω・)ノ「もう一つ、実験788-2で使用したDクラスは侵入できなかったことですね。」

(´・Д・)」「ああそれもだ。あれって結局なんでなんだ?なんか見当ついてるのか?」

(*・ω・)ノ「はい!それは『この時のDクラスが女性だったから』です!」

(´・Д・)」「はあ?SCP-788-JP領域は女人禁制だってか?うーむ、確かに過去の被害者記録は男性ばかりだったが。」

(*・ω・)ノ「あと、かつて村人や蒐集院が行なっていた儀式は神道に基づくものだったってところもポイントですね。それと、当初の領域が直径5mの円だったことも。」

(´・Д・)」「なるほど。それも『悪霊』の正体を知るには重要なのか?というかどうしてお前はいろいろ理解してる感じなんだ?」

(*・ω・)ノ「それはもう、この音声記録を聴けば一発ですよ!悪霊の正体はもう『アレ』以外あり得ません!」

(´・Д・)」「…なんか前置き長かったなあ。よし今度こそ聴いてみよう…」



音声記録を再生しています…

…………

再生を開始します。

…………





「どすこーーーーーーーい!!!」

「どすこい!どすこい!どすこい!」

「どすこおおおおおぉぉぉぉぉぉおおおいいいい!!!!」




…………


(´・Д・)」「……………。あー、うん、 そーゆーことね。完全に理解した。





追記・修正はSUMOUを嗜む方にお願いします。


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最終更新:2024年03月17日 07:39