神谷実

登録日:2017/04/19 (水) 17:21:33
更新日:2024/01/25 Thu 10:05:44
所要時間:約 5 分で読めます






医師という能力でありながら俺がやっているのは殺人だ。
俺が思うにそれぞれの能力はその人間の好みや性格・環境に深く関係しているね

神谷実とは、幽☆遊☆白書の登場人物の一人。

CV:荒川太朗


概要

蟲寄市にある大凶病院に勤務する外科医で、仙水の仲間の1人。
8月20日生まれの29歳。AB型。
メガネをかけた真面目そうな容姿の男性。初登場時はモブっぽい顔だった。
現在は1人暮らしだが、裏設定にて病院長を勤める父親がいる事が明らかとなっている。

人物

優れた外科医であり、普段の生活時には温和で優しい性格を演じているが、本性は極めて残忍。
普段から自分を含めた人間全てに殺意を抱いており、無関係の人間の命を奪う事に抵抗を感じる事はない。
本性を露にした際には狂気じみた話し方に変貌し、感情が高ぶると「けきゃーっ!!」「素手で解剖してやるぜあーーっ!!」など奇声を発していたが、脳内薬物を制御してハイになっていたらしいので、あれが本来の彼の性格かはハッキリしない。

いつも人を切り刻む夢を見ているらしく、それの蓄積により人間全てに対し嫌悪感を抱くようになる。
学生時代には傷害事件を起こした事もあるが、その事件は病院長である父親の権力で彼の意図せぬ形で揉み消されてしまい、今でもその事がコンプレックスとなっている。
これがきっかけで父親に殺意を抱くようになるが、今のところ父親の命を奪うまでには至っていない。
医師になった事がきっかけで、人間への嫌悪が憎悪に変わり、これらの事が要因となって魔界トンネルの事件で“医師(ドクター)”という殺傷能力が高い能力が覚醒した。

この世界に失望感を抱き、自分の死に方を決めかねて今まで生きてきたが、「病気」や「時間」によって殺される事は嫌っている。
しかし、この世の全ての人間を殺してくれるなら、「妖怪」にだったら殺されてもいいとの考えを持っており、魔界トンネルを開けて妖怪を人間界へ呼び込もうとしている仙水の考えに賛同して一味に加わった。

本来は優秀な医者であるからか分析力に優れており、個々に発現する能力はそれぞれの人間の生い立ちや性格、好みが深く関係しているとの仮説を立て、裏設定でそれが事実であると明言された。


能力医師(ドクター)

神谷に発現した能力。領域の範囲は半径100mほど。

領域内に自分の念で作ったウイルスをばら撒き、範囲内にいる人間を致死性のある病気に感染させる。
また素手でメスのように人間を切り裂く事も出来る。
およそ医術に類する行為は一通り行えるらしく、本人の知識と相まって作中に出てきた能力では群を抜いて応用範囲が広いのが特徴。

メス化した手は切り裂く他にも、縫合手術や整形手術、治療行為も可能。
この能力に目覚めた神谷は、同時に肉体の機能を高める方法を覚え、脳内の興奮物質を自在に操作して痛みを感じない身体となった。
このおかげで並の人間以上の体力と身体能力を手に入れ、幽助の強烈な攻撃を受け続けても気絶する事はなかった。
何より現役医師である神谷本人との親和性が極めて高く、非常に強力な能力と言える。

ちなみに能力の特性を考えるに沈静物質なども操れると推測される。
仮に抗体までも操れるとしたら花粉症の人にとっては非常にうらやましい限りだろう。


  • メス
指先に気を込める事で、人間の皮膚をいとも簡単に切り裂く。
その切れ味は本物のメス以上であり、アニメ版では壁や天井など広範囲に大きな傷をつけていた。

  • 殺人ウイルス
自分の念で作った羽虫のような亜生物を領域内に大量にばら撒き、その虫が範囲内にいる相手に致死性ウィルスを感染させて死に至らしめる。
見た目は蟲寄市に現れた魔回虫そっくりで、口の部分が注射器状になっている。
このウイルスは魔回虫同様、霊力のない者には全く見えず大量に放たれるが、見える者であれば簡単に潰すことができる。
行動をある程度コントロールできるようで、標的以外は襲わないようにすることも可能。
病気の詳しい症状は不明だが、感染するとすぐに発症し、発症後すぐに並の人間では起き上がることもできなくなる程の症状が表れる。
なお、患者から他の人間には感染しない*1
精神力が弱いものほど病気の進行が速く、やがて死亡する事となる。能力者は普通の人間よりもウイルスに対してほんの少し抵抗力がある模様。
一度ウイルスに感染すれば、能力を解除するか神谷が死なない限り症状は回復しない。

  • 麻痺
対象の人物に触れて神経を壊して筋肉を初めとした身体機能を麻痺させる。
作中ではほぼ一瞬の間に指を数回当てただけで、能力者の城戸を全身麻痺させていた。

  • 結合手術
指先に気を込めることで、切断された身体の部分を繋ぎ合わせる。
通常の外科手術ではそれなりに時間がかかるが、この能力だと一瞬で済む上に接合後はすぐに切断前と遜色なく動かせる。
作中では屋外でくっつけているが、衛生面が気になるところではある*2

  • 脳内物質調整
脳内の神経伝達物質を制御して身体能力を飛躍的に高めると同時に痛みを感じない体にする。
ただし肉体のリミッターを外す形と推測され、後々の事を考えると多用はできない技だと思われるが、
能力の使用を続けられるならば、自身の能力で治癒と痛みの緩和が自由自在なのでどうにかしてしまう可能性もある。
また脳内麻薬のせいでか戦闘中はとんでもなくハイテンションになっていた。

  • 整形手術
顔を変える変装能力。
詳細は、活躍の項を参照。


活躍

刃霧の手によって大凶病院に誘い込まれた幽助達を始末するべく、病院で領域を広げてウイルスをばら撒き、まずは柳沢と室田を病気に感染させる。
次に、病院内で嗅ぎ回っていた城戸と接触。人気のない場所で城戸を始末するつもりで、彼の話に乗るフリをしていたが、そばにいた看護師に今日は当直ではないことを指摘される。
それを聞いた城戸が自身に警戒したため、突発的に襲撃し、彼の隋意筋の大部分を麻痺させる。更に一部始終を目撃した看護師も続けて「メス」で切り裂いた。
倒れた2人の事後処理として「城戸が看護師を襲って自殺を図った」ように見せかけようと偽装工作を画策するが、別の看護師が偶然その場にやってきたことで騒ぎが大きくなってしまい、やむなく断念。
咄嗟に目撃者を装い、「犯人は医師に扮して病院内に潜伏している」とその看護師に嘘を吹き込み、この場をやり過ごそうとする。

程なくして、他の医者たちも集まり「看護師と学生の2人が何者かに襲撃される事件」として、現場は騒然となる。
現場に駆けつけた幽助が城戸に状況を聞こうとするが、彼は隋意筋の麻痺により言葉を発する事すら出来ない体となっていたため、自分の正体が露見する事はないと考える。
しかし、城戸が“影(シャドー)”の能力と全精神力を駆使し、床の血痕を使って「「かみや」」と血文字を書き、それを見た医者たちの視線が自身に向いたため、とうとう幽助に正体を知られてしまう。


予定変更

病院内の人間全て殺す


同室の医者たちを切り裂き、病院内の人間全てにウイルスを感染させる。
幽助との対決では、脳内麻薬で並の人間以上の体力を得ていた事で、何度殴られても平然と立ち上がり、霊丸で左腕を吹っ飛ばされても結合手術で元通りにした。
そしてその霊丸から幽助が人間相手に本気になれず迷っていると分かると、間違っても自分は幽助に殺される事はないと高を括り、さらに偶然部屋から飛び出して来た女性看護師を人質にとり挑発する。
しかし、その看護師は“模写(コピー)”で変身していた柳沢であり、彼に硫酸をかけられ、顔に大火傷を負う。
その場から逃走を図るも幻海も駆けつけた事でいよいよ逃げ場を失う。ウイルスの感染者達を解放するよう要求されると、観念した様子で懐から注射器を取り出し、中身がウイルスの血清であると伝える。幽助はその注射器を受け取ろうと神谷に近づくが…

実はこの注射器に入っている液体はただの医療用薬品(ブドウ糖)。そもそも「医師(ドクター)」によるウイルスに血清は存在せず、感染者が助かるにはドクターを解除させる以外に方法は無い。
つまり血清の話は、注射器を受け取ろうと油断している幽助の寝首を掻くためのに過ぎなかった。

油断した幽助に騙し討ちを仕掛けようとするが、その場に現れた室田の「盗聴(タッピング)」により、上記の企みを暴露され、失敗に終わる。

「てめえ…救われねえよ」

卑怯な行為を繰り返した神谷に憤りを覚える幽助。中途半端な攻撃では気絶しない上、もう時間に余裕はなく、やむを得ず神谷殺害を決行。

幽助の怒涛のラッシュでフルボッコにされ、病院の外まで吹っ飛ばされた。この時の攻撃には流石に肉体が耐えきれず、意識を失い一時的に死亡(心肺停止)。
これによりドクターは解除され、感染者達はウイルスから解放された。

殺すしかなかったと良心の呵責に苛まれる幽助だが、幻海が「こんな奴の命をお前が背負う必要はない」と諭し、彼女の霊能力による蘇生で神谷は一命を取り留める。

その後、駆けつけた警察によって逮捕され、警察署で取り調べを受けている際には…

刑事さん「誰か」を殺したいと思ったことありませんか?

私は「誰か」じゃなく「全員」殺してやりたいと思ってました

人間全てを・・・ なぜかって?

だってこんな醜い生き物は他にいないじゃありませんか

欲望は果てしなく何でも喰い何でも壊す

あげくの果てに自らの体を壊して病院で肉の塊になる

医者になって人間への嫌悪が憎悪に変わりましたよ

殺意はありました

ただし「個人」にではなく自分を含めた「人間」全てにですけどね・・・

…と不遜な態度で語り、刑事達を唖然とさせた。
逮捕後は殺人未遂(アニメ版では殺人罪に変更)・器物損壊の罪で刑務所に収監されたが、魔界トンネルが完全に開く直前に脱獄。
飛影に刺され倒れていた刃霧のところへ行き治療を行った。
度を超えた人間嫌いではあるものの、少なくとも仙水や刃霧に対しては仲間意識ぐらいはあった模様。
その時の治療で、臓器の隙間を通したような見事な切り口を目の当たりにした事で、自分達は幽助達には決して勝てないと直感、
魔回虫が街から消えた事で仙水は幽助達に敗れたと悟り、刃霧と互いの今後を話した後に彼の前から去った。

ほんの少し寿命が延びただけだ。オレもあんた達もな

事件が収束した後は自分の顔に整形手術を施し、警察の目を欺きながら逃走を続ける。
その後は彼なりに改心したのかリスクの大きさを痛感したのか前述の飛影のような境地を目指したくなったかは不明だが、自分の能力を利用して「心霊道場」を設立。
自分のところを訪れる患者を「心霊医術」で救う日々を送る事となった。

余談

後に、仙水の身体は悪性の病巣に侵され、持ってあと半月の命しかない事が判明する。
そしてこの病気は神谷の能力をもってしても手の打ちようがないほどに悪化していたと説明されたため、
ファンの中には「仙水あるいは樹は治療或いは延命措置を行ってもらうために神谷を仲間に引き入れたのではないか?」と考える者もいる。

アニメ版では幽助との戦闘時に様々な狂気じみた表情(いわゆる顔芸)を披露しており、その種類は某千の姿を持つ魔闘家以上である。

原作ではこのシリーズに直接は関わらなかった螢子と静流だが(静流に関しては原作の魔界の扉編では一切登場していない)、
アニメ版ではプーを追って大凶病院に来たことで事件に巻き込まれ、その場に居合わせた幽助たちと以降は行動を共にするようになる。
また、螢子もウイルスに感染したために、危うく死にかけた。



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最終更新:2024年01月25日 10:05

*1 ウィルスの特性を操作できるかは不明

*2 それも能力でどうにかしてるのかもしれないが