ブオーン/プオーン

登録日:2017/04/08(土) 17:51:45
更新日:2023/11/09 Thu 12:54:28
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ブウウーイッ まったく よくねたわい。

さて……ルドルフはどこだ。かくすとためにならんぞ。

まあよいわ。体ならしにキサマらから血まつりにあげてやるわ!





ブオーンとは、ドラゴンクエストⅤに登場するモンスターである。
全身にコケの生えた山のような巨体と二本の角が生えた牛のような顔、背中にはコウモリのような翼を持つ。
特に3DグラフィックのPS2版では凄まじくインパクトがある。あと戦闘開始までの時間が長い

太古の時代に各地で暴れ回り、大盗賊ゴロステを彼が持っていた「さいごのかぎ」ごと飲み込む等の悪事を働いていた。
150年前にルドマンの先祖であるルドルフが壺に封印し封印の祠に安置していたが、ルドマンの代で遂に封印が解けてしまう。

この壺、青年期前半(ジャミ戦以前)だと色が青く、封印状態が安定していることが分かる。
が、青年期後半だと封印が解けかかって赤くなっている。

戦うには青年期後半にサラボナでルドマンと会話し、封印の祠で壺の様子を確認した後、見晴らしの塔の最上階に行く必要がある。
ただし、封印の祠に入るにはエルヘブンで「まほうのかぎ」を入手しておく必要があるため、実際に戦えるのはかなり後半になる。
ブオーンを倒すと手に入る「さいごのかぎ」は海の神殿を通じて魔界に行くために必須なので、避けて通れない相手である。



…が、このブオーン、かなり強い



まず、ステータス自体が非常に高い。
攻撃力は圧巻の300で、ミルドラース第2形態に若干劣り、PS2版以降のゴンズと同等。
耐久面もHPが4000を超えており、守備力で劣る点を踏まえてもゲマに近い硬さを誇る。

通常攻撃だけでも痛いが、使ってくる特技もどれも凶悪。
「はげしいほのお」「いなずま」と二種類の全体攻撃を備えているため、パーティの回復が追いつかない。
前者は「フバーハ」等で軽減できるが威力が高く、後者は威力は劣るが軽減できる防具が極僅かしかない。
また「スカラ」で守備力を上げてくるため、対策に「いてつくはどう」「ルカニ」等が欲しい。
特に「いてつくはどう」は「てんくうのつるぎ」を道具として使うことで誰でも発動できる。

これだけでも厄介だが、PS2版以降はさらに能力が強化された。
ゲマやミルドラース同様にランダムで二回行動するようになり、二連全体攻撃で瞬殺されることも。
さらに「ルカナン」を習得したため、「フバーハ」や「いてつくはどう」に加えて「スクルト」も欲しい所。
スクルトの上昇量が20%に弱体化したのに対し、ルカナンの下降量は50%と据え置きなためジリ貧になりやすく地味に曲者である。
また、素早さが若干下がった代わりにHPが若干上がっており、元々鈍足なので地味に強化されている。
リメイクにあたって、ラスボスよりやたら気合の入ったムービーが流れるので必見。

対ブオーン要員として優秀なのは主人公以外では男の子ピエールゴレムスジュエル等。
いずれも素のステータスの高さに加えて攻撃力や回復能力、上記の対策に必要な呪文や耐性等を備えている。
先にゲマ・ゴンズをシバいてドラゴンの杖を回収し、主人公v ドラゴンvsブオーンの大怪獣バトルを繰り広げさせるのも手。
概ね安定した威力を出せる火炎ブレスや異様に強い爪攻撃でかなり楽になる筈。イブールと違っていてつくはどうも使わない。*1

また、ブオーンより先にイブールを倒していた場合、救出した妻と共にブオーンに挑むことが可能。
この場合は専用の会話があり、特にフローラデボラの場合は戦闘終了後にルドマンのセリフも変化する。
余裕があれば試してみるのも面白いだろう。


実はSFC版には戦闘中にある条件を満たすと発生するバグが存在しており、このブオーンもその条件に該当してしまっている。
そのバグとは敵が無敵になるというとんでもない物である。
こうなると敵のHPが何をしても減らなくなり何時間戦おうが絶対に倒せなくなるので最後には回復するMPも尽きて全滅が確定する。
(何故こうなるのか、バグの詳細が知りたい人はドラクエWikiの”HP無限バグ”の項目にかかれているので一読してもらいたい)

このバグの内容を簡単に説明すると、戦闘中に敵の現在HPが『2047』になる事が条件なのだが
このバグで問題なのは、戦闘開始時からHP計算でもしてない限り、プレイヤーには現在無敵になっているという事が判断出来ない事である。
「突然攻撃が全く通用しなくなった」などの特殊効果でもあれば、このバグが起きてしまったと判断する事も可能なのだが
見た目上は普通にダメージを与えられるので、もう倒してもおかしくないくらいの長時間を戦って初めて「あ、コイツ無敵になってるわ」とようやく気付けるのである。
バグを解除する方法としては残りHPが2047になったターンに即「ときのすな」を使うか、「パルプンテ」のランダム効果の一つである「敵味方全員のHP回復」がある。
しかし、ネットインフラもロクに普及していない当時(1992年)、そもそもこんなバグが発生していること自体分かるはずがない。
ブオーンはスカラも使うのでチマチマ削っていたらこうなった、というのも多い筈。

前述通りこのバグの条件は現在HPが『2047』になることなので、それ以上のHPを持っているボス*2は全て該当する。
なのでたまたまこの条件にヒットしてしまい、全滅するまで延々と何故か死なないブオーンやイブールと戦い続けたチビっ子もいただろう。
バグの発生確率的にはかなり低い方であるが、なんせ本作は社会現象にもなった国民的RPGの一つなので、被害者は結構いたと思われる。


DQⅣにおいてもPS版以降は彼を封印したものとおぼしき壺の存在に触れられている。
この壺を所持しているのはサブイベントで集められる「移民」の一人であるホビットのルドスト。
彼は100年の間なら魔王すらも封じられる「ふうまのツボ」を作ったため、常にモンスター達に命を狙われていた。
身を守るために移民を決意し、最終的にいつか壺が役に立つ日が来ると信じ、子孫に継承させることを決意する。

短編集『知られざる伝説』では封印された時の様子が詳しく描かれている。
ゴロステは元々ルドルフに持つ「てんくうのたて」を狙ってやって来たが、ブオーンと鉢合わせ「さいごのかぎ」もろとも飲み込まれてしまう。
しかし、ゴロステを飲み込んだことでブオーンは強烈な食あたりを起こし、ロクに抵抗できないままルドルフに封印されてしまったのだという。
図らずもゴロステは間接的にブオーン封印のための功労者となったのだ。


追記・修正は鍵を持った小人を飲み込んでからお願いします。






















SFC版ではブオーンを倒すと跡形もなく消滅するが、PS2版以降は再び壺に封印される。
実はタークを仲間にしてから封印の祠を訪れると、この封印を解いてしまうことが可能。




が…












な なんだ この小さな体は!?

くそ~! ルドマンめ! 禁断の封印を使いおったな!





ルドマンの仕掛けた「禁断の封印」によってその力の殆どを失ってしまっていたブオーン。
身体も小さく縮み、顔もゆるキャラ風のつぶらな瞳に鼻水を垂らす等、愛嬌のあるものに。
名前も「オーン」の濁点が半濁点になり、「オーン」になった。
仕方なく彼は元の力を取り戻すために主人公一行について行くことを選択する。

こうして、不完全体とは言え、かつての強敵を仲間モンスターとして使えるように。
隠しキャラだけあってレベル99まで成長し、ブオーン時代の能力も余裕で超えられる。
無論、育ち切っても元の姿には戻らないし、裏切ったりもしない。

しかし、そのために必要な経験値はタークやバトラーと並んで最多。
また「力を失った」という設定通り、最初からある程度強いターク達とは違い、初期能力値は極めて貧弱。
力が25、身の守りが15とやや高めな以外はレベル1のスラりん並の数値である。
レベル60を超えるまでほぼ成長しないのもタークと同様だが、プオーンの場合はそのハンデがより重くのしかかる。
が、レベル61からはグングン成長し、最終的にターク達と同様、仲間キャラの中でトップクラスの強さを得られる。







と、言いたい所だが……











正直、手間がかかる割に弱い

いや、無論殆どの能力がカンストし、特技も豊富になるので並大抵のキャラよりは強い。
しかし、それでも最強パーティやエスターク最速撃破要員に選ばれるほどかというと…

まず、殆どの能力がカンストとは言うものの、コイツはタークと違い、素早さは最後まで殆ど成長しない鈍足型で、MPも300前後で止まる。
そして能力がどれだけ上がっても耐性が紙なのもタークと同様で、ダメージ系はまだしもザキ系や状態異常が厄介。
というか相手に先手を取られる分、ターク以上に耐性のなさが響いてしまう。


習得する特技や呪文は以下の通り。


Lv1 スカラ
Lv5 きあいため
Lv10 はげしいほのお
Lv15 いなずま
Lv20 みなごろし
Lv30 ラナルータ
Lv40 しゃくねつのほのお
Lv45 リレミト
Lv55 ザオリク
Lv65 ギガデイン


全体攻撃に長けており、雑魚掃討に力を発揮する。
が、それは上述のタークやバトラーについても同じことが言える。
プチタークと違って専用の特技や呪文もない。
ギガデインライオウの例で分かる通り、有効な相手は少ない。

また、ターク達と違い装備アイテムにも恵まれない牙系モンスター。
同系統のモンスターにも、仲間モンスターでトップクラスの強豪シーザーがいる。
あちらも力がカンストする上に全体攻撃に長け、身の守りも上限近くまで伸びる。
素早さや耐性に至っては比較にもならない。

プオーンがシーザーに勝る主な点としては「ザオリク」「みなごろし」の存在等。
ただ、その「みなごろし」もDS版ではバグが修正され、対エスタークには使えなくなった。

入手時期や必要経験値の関係上、育成自体が趣味の領域なのはタークと同様。
ただ、こちらは育ち切っても対エスターク要員としての優先度が低いのが哀しい…

タークより遥かに育成が大変にも関わらず装備の質や最終的なステータスで劣るのが一番のガッカリポイントだろう。


【その他の作品でのブオーン一族】

腹痛を起こして佇む姿が島と誤認され、「謎の島」呼ばわりされていた。
飛竜を使って上陸し、中央のでっぱり(ヘソ)を調べると正体が判明する。
最初は踏み潰してやろうと脅してくるが、「今はそれどころじゃない」と戦闘にはならず。
話を聞くと宝物を誤って飲み込んでしまったため、体内に入り探してきて欲しいとのこと。
これにより、新ダンジョンであるブオーンの体内に入ることが可能となる。

なお、この「宝物」とはプオーンのこと。
本作では同一個体ではなく息子という設定であり、彼の救出が目的であった。
このダンジョンのボスである邪菌ピロリアンに襲われ、壺に身を隠していた。

本作のブオーンは子煩悩で憎めない性格というキャラ付けとなっている。
また義理堅い性格でもあり、このときの恩義から
のちに主人公たちがとある邪神と対峙したときに時間稼ぎの助太刀として現れた。

  • DQMJ2、DQMJ2P
ブオーンが本作からの目玉である巨大モンスターの一体として登場。
配合では作れず、戦ってスカウトする必要がある。

ただ、本作ではブオーンより先にブオーンJr.と戦うことになる。
ブオーンの息子という設定で、外見は同じだが能力は親に大きく劣る。
雪山に登場し、火を見ると突進する習性を利用し、氷の壁を破壊して貰うことになる。
雪山深部の洞窟を抜けた先で焚き火に火を付けるとまた突進して来て戦闘に突入する。

ブオーンJr.自体は敵専用モンスターなのでスカウトできない。
しかし、再びこの場所に来て焚き火を調べることでブオーンと戦える。
能力的にはHP・力・身の守りは高いが、他の能力は低く、使いづらい。
主にムドー等の配合素材として使うことになる。
固有スキルの『ブオーン』は唯一HPバブル*3を修得できるが、デメリットが重くこの時代での需要は低い。

  • テリー3D
野生のブオーンは力の扉にのみ出現し、今回は戦闘に入るか否か選択できる。
初めて訪れた時点ではまず勝てないため、戦力が充実するまで放っておこう。
二体目以降の入手には他国マスターから奪うか、プオーン同士の配合が必要。
戦闘要員としては能力的には同サイズのエスタークの劣化に近く、影が薄い。

今回からプオーンも登場。
配合では作れないため、卵から誕生させるか他国マスターから奪う必要がある。スキルはやはり同じく『ブオーン』
その鈍足さから「リバース」(ポケモンで言う「トリックルーム」)と相性が良い。
耐久力や状態異常耐性も優秀で、父親との差が激しい。
固有修得であるHPバブルのデメリットは攻撃と素早さ半減に緩和されたものの、今度はマイナス特性『ウトウト』*4が付いてしまう。*5

  • イルルカ
本作で超ギガボディのモンスター達が登場し、ウリだったデカさのインパクトが薄れてしまった。
その他にも特性と覚える特技の相性が悪く、オセアーノンがほぼ上位互換として君臨する等不遇。
スキル目当てでもプオーンをスカウトした方が早いため、とにかく需要が少ない。

プオーンは新たに行動済みの相手により大きなダメージを与える「先手ハンター」を習得した。
その他の特性もブオーン以上に無駄がなく強力で、相変わらずリバースパの主力として活躍する。
固有ry(のHPバブルは本作からマイナス特性強制修得が無くなり、スマホ版では紋章で攻撃と素早さ半減は据え置きで 1.5倍から2倍に強化された。 物理攻撃を使わないモンスターはこれの搭載率が高く、1枠でさえギガボディ並みのHPを持つようになった。


  • DQMJ3P
ラプソーン等を差し置いてブオーンが超ギガボディの仲間入りを果たした。
ただ、今作から新システム・超生配合により、全モンスターがこのサイズに変更可能となった。
逆にサイズの大きいモンスターを縮めることもできる。
神獣界の最下層では超ギガボディ化したラマダ(イブールに仕える神官)と争う様子が見られる。

プオーンは最初期に仲間になるモンスター候補の1体で、サンチョの質問に「庭の散歩」と答えると仲間になる。
行動順が早くなり回避率の上がる「スモールボディ」を習得したほか、超ギガ化すると「AI3回行動」も追加される。
今まで固有修得だったHPバブルは『商人』、『破壊神シドー』でも修得できるため唯一ではなくなった。

追加シナリオではブオーンJr.がゲスト出演。
時空を超えて松明の明かりを追いかけ、氷漬けにされていたノチョーラを救う役に立った。

このノチョーラはギガボディに縮んだブオーンをプオーンとセットで使うこともある。



追記・修正はプオーンをレベル99にしてからお願いします。

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最終更新:2023年11月09日 12:54

*1 ただこの場合、残りの二人(リメイク版は三人)はかなり考えて選出しなければならないが。回復呪文では主人公以外でベホマまで覚え、かつブオーン戦で有用なのは息子とピエールくらいなので考えて回復やサポートをする必要がある。とりあえず1ターン目でドラゴンの杖はやめよう。

*2 ブオーンの他には青年時代後半におけるゲマとイブール、ミルドラース第二形態にエスタークが該当

*3 HPが1.5倍になるが、攻撃と素早さが1になる

*4 戦闘開始時に確率で眠り状態になる。眠り耐性があっても無効

*5 一部の強力な特技や特性を得る際に何かしらのマイナス特性を強制的に修得させられる。スマホ版では撤廃された。