すなのちから(ポケモン)

登録日:2017/04/08 Sat 02:08:30
更新日:2023/12/03 Sun 16:21:25
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すなのちからとは、ポケットモンスターシリーズに第五世代(ブラック・ホワイト)から登場したポケモン特性である。

効果は「天候が『すなあらし』の時、じめんいわはがねタイプの技の威力が1.3倍になる」というもの。
じしん」「ストーンエッジ」「アイアンテール」であれば威力100→130、「だいちのちから」は威力90→117、
あなをほる」「アイアンヘッド」「パワージェム」「ラスターカノン」なら威力80→104、「いわなだれ」は威力は75→98へと強化される。


反動ダメなどのリスクを負わずにじしんなどのメジャーな技を「とびひざげり」と同等の威力に強化できるのである。
砂嵐のおかげで相手のタスキを潰しやすく、これにタイプ補正なども加われば生半可な耐久で耐えるのも難しくなり、非常に強力な特性として作用する。
この特性を持つポケモンは全てじめん・いわ・はがねのいずれかのタイプを持つが、この特性には「砂嵐によるダメージを受けない」という効果もある。
万が一相手の「みずびたし」でみずタイプに変えられても天候ダメージは受けない。
また、いわ・じめん・はがねタイプは特殊アタッカーのサブウェポンとして採用されることが少ない。
そのため、「トレース」持ちと鉢合わせになっても相手の技が強化されてしまう事態は起こりにくい。


この特性を持つポケモンは以下の通り。メジャーなポケモンからややマイナー気味なポケモンまで様々だが、いずれも一線級の強さを持ったポケモンばかりである。
砂の塊であるシロデスナには与えられなかったのが残念でならない。


強いポケモンを中心に与えられた強特性であり、すなのちからアタッカーをエースとするパーティと対戦で鉢合わせした日には苦戦を強いられることだろう。
第七世代ではZワザも登場したため、すなのちからとZワザを併用すれば凄まじい威力を叩き出せること間違いなしである。
第八世代ではダイマックスのダイロックを使うことにより、攻撃と同時にすなあらしを発動できるようになった。



追記・修正はすなのちからアタッカーを倒してからお願いします。























一応、上記の内容自体は本当である。強いか弱いかと言われれば「強い」と言って差し支えのない性能である。



……が、ぶっちゃけた話、すなのちからはかなりマイナーな特性である。
化身ランドロスとバンギラスを組ませる通称「バンギランド」構築ではランドロスのすなのちからが大いに活用される。
しかし、それ以外のポケモンではほぼ採用されない。

使われない理由は「弱いから」ではない。
「この特性を持つポケモンは他にも優秀な特性を持っているから」である。
使用者が全体的に鈍足で、すなあらしを起こしたところで次のターン以降に無傷で3タテを狙うことも難しいという事情もある。
要は多くのポケモンが「積んでる暇があったら素直に殴ったほうが強い」ということである。
バンギランド構築は恵まれた種族値、優れた相性補完とすなのちからを簡単に両立できることが幸いしたに過ぎない。

ダイマックスを使えば攻撃しながら能動的な発動が狙えるようになったが、やはり初手をダイロックにしないと発動できないという縛りが厳しい。
むしろ天候の奪い合いに便乗して発動を狙うほうが実用的な運用方法だろう。

  • ダグトリオ
原種は「ありじごく」が優秀なのでこちらが優先されがち。
素早さはかなり高いが、紙耐久なので自分ですなあらしを起こす余裕もあまりない。

リージョンフォームは原種と違い「ありじごく」を持たないため、砂パでなら砂の力を採用できそうに見える。
しかし同タイプの「すなかき」ドリュウズに比べると砂嵐下での素早さと一致技の火力の両方で劣っている。
一応、平常時の素早さで上回る点やあちらにはない「ストーンエッジ」「ふいうち」等を覚える点等から完全劣化ではない。
そのため砂パであれば消去法で選択肢に入ることはあると言えるだろう。
シングルでドリュウズを差し置いて採用する場合は後続補助に役立つ「カーリーヘアー」を活かした方が良いかもしれない。

  • メガハガネール
鈍足で相手に先制されやすいため、メガシンカさせるよりも非メガ型で特性「がんじょう」を活かした方が扱いやすい。
したがって、砂の力が活かされる機会は少ない。
メガハガネール自体は物理攻撃力も耐久力も高くバランスが取れており、物理に至っては攻撃特化メガバシャーモの「とびひざげり」を確定で耐えるほど硬いため、鈍足でも砂の力を活かしやすいほうではある。
しかしながら砂の力を活かすとなると必然的に砂嵐発動要員が必要となる上、「すなおこし」持ちや「すなあらし」を覚えるポケモンの多くはメガハガネールと弱点が一貫しやすく、パーティの構築に支障をきたす可能性が高い。
このため、メガハガネールを砂の力前提で使うケースは少ない。

  • トリトドン
「よびみず」で耐性をひとつ増やしつつ火力を強化したり、「ねんちゃく」で持ち物を奪われないようにする方が活躍させやすい。
ステータス上は弱点が少なく耐久性もあり砂の力との相性は良さそうだが、砂パだと呼び水の方がかえって相性補完に優れる。

  • メガガブリアス
そもそもメガシンカすると素早さ種族値が102から92にまで下がってしまうこともあり、扱いづらい。
砂パであれば「すながくれ」、そうでなければメガガルなどに強く出られる「さめはだ」、いずれにしろ非メガ型のガブリアスが採用される。
ただし、相対的に見れば砂の力との相性は良い方であり、この特性による補正の掛かった火力はハチマキを持った通常ガブの火力を上回る。
攻撃種族値170から放たれる高威力技にノーリスクで1.3倍の補正が付くのは種族値の暴力である。

  • カバルドン
通常特性「すなおこし」のおかげで砂嵐発動要員になれる点が採用理由の大半を占めるため、砂の力は使われない。
何気に剣盾発売までPDWでしか入手できなかったレア特性だが、GTSで欲しがる人もほぼいない。
剣盾ではカバルドンをダイマックスさせてアタッカーとして暴れさせる奇襲運用がマイナーであるが確立しており、主力技の火力底上げになることや「ダイロック」で簡単に砂嵐にできることから、「すなのちから」の採用もありえるようになった。

  • ダイノーズ
メジャーなじめん技やかくとう技が4倍弱点で一撃死のリスクが高いため、「がんじょう」の方が使いやすい。

  • ギガイアス
通常特性として「がんじょう」と「すなおこし」を持つ。
がんじょうであれば一撃死回避、すなおこしであれば低めの特防を防御と同等の130相当に引き上げられる。
アタッカー型のみならず、すなあらしを発動して爆発、がんじょうを頼りに重力発動やステロ撒きを行なって爆発等、サポート型も優秀。
消去法で砂の力は使われなくなる。

  • ドリュウズ
すなのちからであれば爆発的な火力を得られるが、砂パ型であれば微妙な素早さを大きく補って全抜きを狙える「すなかき」の方が強力。
砂パ以外では「ふゆう」持ちに地震を当てられる「かたやぶり」が優先されやすい。

  • ランドロス(けしんフォルム)
バンギラスと組めばある程度弱点を補完しあえるため、霊獣フォルムでなく化身フォルムを使う場合はすなのちからが採用されやすい。
化身フォルムの隠れ特性「ちからずく」を持つ個体は第5世代でしか入手できず、レーティングバトルでは使えないという事情もあった。
第8世代では隠れ特性個体をランクバトルで使用できるようになったことで、ランドロスであっても「バンギランド」構築以外でのすなのちからはマイナーになってしまった。


死に特性というほど悲惨な性能でもないのに、ここまで使用率が低い特性というのも珍しい。
メガシンカ勢に至っては、その能力を発揮すれば間違いなく高い攻撃性能を発揮できる。
反動ダメなどのリスクを一切負わずに複数のタイプの技の威力を強化できる特性は少なく、性能自体は十分に優秀な部類なのである。
砂パなどすなあらしを意識したパーティを構築すればその性能を発揮できるので、砂パを愛する方は是非とも使って頂きたい。


追記・修正はすなのちからを発動してからお願いします。

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最終更新:2023年12月03日 16:21