鉄華団(鉄血のオルフェンズ)

登録日: 2017/04/07 Fri 13:53:05
更新日:2024/03/18 Mon 02:02:48
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「鉄華団」
え?
俺達の新しい名前。「CGS」なんてかび臭い名前を名乗るのは、癪に障るからな
テッカ…。“鉄の火”ですか?
いや。……“鉄の華”だ。決して散らない…鉄の華


鉄華団とは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場する組織。
ここでは、前身の「クリュセ・ガード・セキュリティ」についても触れる。








概要

オルガたち少年兵がCGSに対して、クーデターを起こし、CGSの基地や設備をそのまま乗っ取る形で発足した傭兵組織。
CGSにおいては「参番組」と呼ばれ、大人達が率いる「壱軍」に使い捨ての駒同然の扱いを受けていたが、ギャラルホルンとの戦闘で自分達を囮にして逃げ出した挙句、三日月の活躍で生き残ったらノコノコ戻ってきて偉そうな態度を取る壱軍に反逆。落とし前として隊長とその腰巾着を射殺し、会計担当のデクスターを除いた他の連中には「ここで死ぬか出ていくか」を迫った。
その後、オルガ発案の「決して散らない鉄の華」を意味する鉄華団と改名した。筋を通さない事を嫌うオルガの方針によって、退職した殆どの一軍の奴らにもきっちり退職金を払うホワイト企業。
火星の経済的自立のため地球に交渉に向かう若き活動家・クーデリア・藍那・バーンスタインを護衛しながら地球へ向かう旅を始め、大きな運命の渦に飛び込んでいくことになる。
後にテイワズ、タービンズと同盟を結び、晴れて893兄弟の盃を結ぶことになった。
これによりテイワズから機材の提供や所属MSの修理やバージョンアップを受けられたり、タービンズのエースパイロットであるラフタやアジーにより作戦の支援や技術指導を受けられ、テイワズ銀行部門からのメリビット出向により運営面も改善する恩恵を得た。
またクーデリアとも長旅の間にビジネス的な関係でありながら絆を育み、クーデリアも道中識字率が低かった団員に文字の読み書きを教えていた。

メンバーはCGSだった少年兵と雪之丞・デクスター・トドの大人3人と元出入り業者の店員だったアトラという構成からスタート、クーデリアと共に向かった地球への道中で裏切っていたトドを放逐、宇宙海賊ブルワーズとの戦いで何人かの犠牲を出したものの、ブルワーズ所有だったヒューマンデブリ少年兵数名を仲間に加えた。

途中でギャラルホルン側と何度か交戦する中で優秀なブレーンかつオルガのストッパーであったビスケットを失うもどうにかクーデリアの地球での目的を果たす。この過程でモンタークに扮したマクギリス・ファリドと接触をもち、2期ではマクギリスとの関係が大きく運命を動かすことになる。

アーブラウでの戦い以降は、ハーフメタル利権を手土産にテイワズの直系組織へと格を上げ、地球支部が出来るなど規模も拡大。新進気鋭の急成長企業として名を上げ、新たに新入隊員も迎える。
一方でオルガを中心とした「寄り合い所帯」から「大企業」に変革しきれておらず、創立時代からの「家族」であることを意識した横の繋がりを重視し、縦の繋がりを意識した体系的な命令、指示系統に不安を残したまま人員だけが膨れ上がってしまった。
2期での新入隊員を含めて多くの団員にまともな修学歴がないため会社としての実務面を少数の大人に頼らざるを得ない状況には変わりなかった。
その結果、組織全体として家長であるオルガに指針を丸投げする傾向もあり、創立メンバーと新規メンバーの思想や価値観のズレが静かな歪みとして燻っている。
また、彼等の活躍がギャラルホルンの腐敗や治安維持能力の不足を暴き、抑止力としてのギャラルホルンの権威に傷をつけた事で世界全体の秩序が乱れ始め、ヒューマンデブリをはじめとした少年兵の増加を招くなど、平穏を望む彼等の意思とは裏腹に、彼等自身が世界の争いの火種となってしまっている。


前身:クリュセ・ガード・セキュリティ

通称「CGS」。鉄華団の前身である名目上警備会社(実質は傭兵会社)。戦力は旧式モビルワーカーが多数と、装甲宇宙母艦「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」。
成人の戦闘員チーム「壱軍」と未成年の非正規部隊「参番組」がある、未成年たちのほとんどは貧困層出身で、人身売買される奴隷「ヒューマンデブリ」も多い。ヒューマンデブリ組でない者もほとんどは身寄りも学もなく、基本的な読み書きができるメンバーも少ししかいない。
未成年には阿頼耶識システムの施術が強制されるブラックな条件。
基本的に壱軍には子供達をガス抜きで虐待するような屑野郎しかおらず、参番組とは相当な格差が存在している。昼食ひとつとっても、壱軍はハムとサラダ付きのタコスなのに、参番組はおかゆなのか丼モノなのかよくわからない、スプーンで食べる茶色い食事がデカい丼に一杯。
とは言え後ろ盾のない孤児にとっては数少ない職場であることも確かで、ヒューマンデブリ組のように買われてくる子供もいる一方で、ビスケットやビルスのように自ら率先して入隊する者もいた。
ギャラルホルンの襲撃に際しては参番組を囮に脱出するが、オルガとビスケットが仕込んでおいた照明弾を遠隔発射させられ逆に囮にされる。命からがら帰ってきたあと、オルガ達のクーデターで一切合財を乗っ取られ、消滅した。


鉄華団関係者

第1期時点からのメンバー

三日月・オーガス(みかづき―)
CV.河西健吾(少年時代:諏訪彩花)
主人公。オルガからの愛称は「ミカ」。参番組時代はMW搭乗員だったが第1話でバルバトスを起動し、以後鉄華団のエースとして転戦する。
滅多なことでは揺るがず、敵対者にはとにかく容赦しないタイプ。別に女みたいな名前だと言われても急にキレたりはしない……と思う。
詳細は当該項目を参照。

◆オルガ・イツカ
CV.細谷佳正(少年時代:東内マリ子)
長身に銀髪と褐色の肌が映える鉄華団団長。高いカリスマ性とリーダーシップを備え、多くの少年兵達から慕われている。
なお「オルガ」という名前は女性名であるが、彼はれっきとした男性
筋を通す事はきっちりしており、壱軍の退職者にもきっちり退職金を払った。その代わり鉄華団はいきなり資金難に陥った。
三日月とは幼い頃からの付き合いで、実の兄弟よりも深い絆で結ばれている。
一方で自分の頼みならばどんな事でも躊躇いなく実行し、全幅の信頼を寄せてくる彼からの期待に「応え続けなくては」という重圧を感じている面や、腕っ節で突っ走ってきた「家族」への信頼と抱え込みがちな責任感から、世間的に見て青少年で構成されている鉄華団への周囲の反応や自分達の組織としての足元の覚束なさを軽視する傾向も見られる。
「家族」や「胸を張って帰れる場所」へのこだわりは人一倍強く、鉄華団という家族の家長となるべく奮闘する。
火星帰還後はさらに鉄華団が大所帯になったこともあり、臙脂色のスーツを身にまとい慣れないデスクワークに追われている。
また孤児院に資金援助をしたり、阿頼耶識手術の義務化を撤廃するなど鉄華団を真っ当な企業へと成長させようとしている。893のフロント企業とか言うな!
しかし、「一刻も早く普通の仕事だけでやっていけるようになりたい」という焦りもでてきて、他者が目くじらを立てたり、嫉妬を買いそうな行動も構わず採る傾向があり、その危険さを名瀬に注意されたりもしている。
ちなみに、Gジェネレーションクロスレイズでは、SEEDに同名のキャラ「オルガ・サブナック」がいる。
その為かクロト・ブエルの援護台詞「うっせーよオルガ」というものがあるのだが、このイツカさん相手にも言うという謎のファンサービスがある。

◆アトラ・ミクスタ
CV.金元寿子
鉄華団炊事係。元々はクリュセの雑貨店で働いており、CGSに食料の搬送を行っていた縁から少年兵たちとも親しい。
10才の頃は娼館と思わしき施設で下働きをしていたが、過酷な仕事とイビリに耐え兼ね脱走。行き倒れかけたところを三日月の仲介で雑貨店のおかみさんに拾われたことで、三日月に淡い恋心を抱いている。
鉄華団に来たのも彼のそばにいたいがためである。
優しく面倒見の良い性格だが、幼児体型が災いしてかお姉さんぶると年下の少年兵からはからかわれてしまう。
三日月にお揃いのブレスレットをお守りとして渡している。三日月もこのお守りを大切に扱っており、敵兵を射殺する際、意図的にお守りを付けた手を背中に回していた。
三日月への恋心からクーデリアを警戒しているものの、嫌っているわけではない為、ギスギスした感じにはなっていない。
むしろ関係は良好で「と言うか3人で一緒になっちゃえばいいじゃん!」という結論になりつつある。タービンズに妙な影響を受け過ぎである。
火星帰還後も引き続き鉄華団メンバーとして働いている。
*1

◆ビスケット・グリフォン
CV.花江夏樹
鉄華団の、もといオルガの参謀役で、恰幅のいい穏やかな少年。参番組で唯一就学経験があるため、世情にも詳しい。
元はドルト2のスラム街出身で、両親が事故死した後に火星で農園を営む祖母サクラの元へ移ってきた。
祖母と幼い双子の妹、クッキーとクラッカを養うためにCGSに入隊した苦労人。

◆ユージン・セブンスターク
CV.梅原裕一郎
オルガが入隊する前に参番組をまとめていた金髪の青年。オルガが乗る指揮車の操縦士になることが多い。
考えが浅く仕切りたがりな所があるため、オルガが来た後は一気に人が離れた。その為、当初はオルガに何かと反発していたが、彼の能力やカリスマは認め、憧れてもいる。
シノ曰く「中身はお坊ちゃん」だが、何だかんだで肝は据わっており、オルガからの信頼も厚い。
優れた阿頼耶識操艦技術で難所の航行を担当したり、オルガ不在の際はイサリビの指揮を務めるなど、肝心な時にはキッチリバッチリ決める副長的な存在となっている。
女性との関係は「純愛」を重視しているらしいが、結局歳星でシノに連れられて「男」になった。とは言え純愛に拘る所は変わらなかったようだが。
火星帰還後は正式に副団長に就任、デスクワークで忙しいオルガに代わり戦場で指揮を執ることも多い。

◆昭弘・アルトランド(あきひろ―)
CV.内匠靖明(少年時代:村中知)
ヒューマンデブリ組のリーダー格。ガチムチのあんちゃん。元々は商船団の子だったが、海賊に大人達を皆殺しにされた挙句、奴隷として売り飛ばされ弟と引き離された過去を持つ。
仲間意識こそ強いが内心は相応に荒んでおり、当初はオルガのクーデターにも「上が誰に変わろうがどうでもいい」という立場だった。*2
しかしオルガから売買証明書を譲渡され、改めて誘いを受ける形で正式に鉄華団に加わった後は、久し振りに得た「家族」を守るために活躍していくことになる。
阿頼耶識の手術を2度受けており、三日月に次ぐ操縦技術を持つ。三日月には何かとライバル心を抱いているが、関係自体は良好。
鹵獲したグレイズ改のパイロットとなったが、操縦席が阿頼耶識システムに対応していないため不慣れながらも自力で奮戦し、タービンズと合流後には姉さん達をMSのシミュレートに頻繁に誘う。
その後、ガンダム・グシオン鹵獲後には阿頼耶識を搭載したグシオンリベイク→グシオンリベイクフルシティに乗り換える。
趣味は筋トレ。それは守るべき者のために悔いを残さない為である。
火星帰還後は実働2番隊(シノ曰く「筋肉隊」)の隊長として引き続きMSのパイロットを務める。
タービンズのラフタ・フランクランドからは異性として好意を寄せられているが、鈍感ゆえに気づいていない。

◆ノルバ・シノ
CV.村田太志
陽気で面倒見のいい青年。年少組からよく慕われている。「ピアスのバカ」。ネーミングセンスは悪い。名字で呼ばれているのは、名前がCGS社長のマルバと似て紛らわしいため(それを指摘したのは三日月)。
食い意地が張っていたり、女の体への興味を恥じらいもなく力説したりと、ある意味リアルなティーンエイジの描写を担当。
ユージンとはバカ騒ぎもするし喧嘩もする、よき悪友関係にある。ユージンに女を教えたのも彼。ユージン曰く「詰めが甘い」とのこと。
鉄華団ではMW隊を1つ任されているが、体格を生かした肉弾戦も強い。
その一方で鉄華団の現状を冷静に見て取れる知性派にして、仲間の生死に過敏な人情家でもある。
愛機をピンクに塗装して「流星号」と呼ぶ拘りがあり、昭弘のグレイズ改を引き継いで以降もそれを通している。
エドモントン市街地戦でグレイズ・アインと対峙するも撃墜され深手を負ったものの生還。
火星帰還後は実働1番隊「流星隊(シノが勝手に呼んでいるだけで隊員からは不評)」隊長となった他、新兵教官として新入りをしごいている。
後にクリュセで発掘されたガンダム・フレーム、ガンダム・フラウロスを乗騎とした。

◆ナディ・雪之丞・カッサパ(―ゆきのじょう―)
CV.斧アツシ
鉄華団整備士。腹巻きと両足の義足がトレードマークのガチムチ黒人。いわゆる「おやっさん」ポジ。
CGS社長マルバ・アーケイとは昔馴染みだった。
オルガのよき理解者であり、他のメンバーからも信頼は厚く慕われている貴重な大人。年長者らしくメンバーを宥めることもしばしば。
壱軍が逃亡した時もただ一人基地に残り、バルバトスの起動に貢献。鉄華団の結成後も残る事を選ぶ。
本職はMW専門で、当初は何かと勝手が違うMSの整備に悪戦苦闘していた。後にはクタン参型の操縦に駆り出されることも。
体臭がかなりキツイのだが、メリビットと交際を始めてからは、体臭問題は改善された。MSの整備に関しても、テイワズ傘下にいる期間にかなり学び直して腕を上げている。

◆メリビット・ステープルトン
CV.田中理恵
鉄華団とタービンズが義兄弟の契りを結んだことで、マクマードの指名で鉄華団に派遣された女性職員。元はテイワズの銀行部門員だった。
事務作業や通信、医療など多彩な分野に通じ、団長のオルガのサポートを行うようになる。
時には大人の女性として彼にアドバイスを送ることもあるが、「カッコつけたい」オルガからはよそ者扱いされており、その関係は一筋縄ではいかない。
鉄華団では一番視聴者の目線に近いキャラクターであり、成長していったクーデリアに代わり、「一般人の反応」を担当するようになっていく。
一見すると邪魔なおばさんだが、復讐心にかられていく少年兵達を止められず涙するなど、メタ的には非常に重要な人物。
火星帰還後はお互い慣れたのか、一歩引きながらも程よい距離感でオルガをたしなめる立ち位置に落ち着いている。
さらに、雪之丞とも交際を始めたのだが、オルガとの間にフラグが立っていたと思われただけに仰天した人は多い。彼の前では結構乙女っぽく可愛らしい一面も見せる。
名前がどこかのパープルトンさんを彷彿とさせるが無論関係はないし、むしろいい女の部類に入る。

◆チャド・チャダーン
CV.石谷春貴
黒人のヒューマンデブリの青年。フミタンと共にイサリビの索敵・艦内管制を担当する。
首脳陣を除いたブリッジクルーの中では出番が多め(といっても彼とフミタンしかいないが)だが、彼がどんな声かすぐにイメージできる人は少ない。
第一クールのオープニングではシノとユージンのケンカを無表情のシャドーボクシングで煽っている。
火星帰還後は鉄華団がアーブラウの軍事顧問となったこともあり、地球へ降り地球支部のリーダー役として動いていた。
しかし蒔苗を狙った爆弾テロで重傷を負い、頭を失った地球支部の面々は謀略に踊らされることになってしまう。
結局地球支部は撤収となり、火星に戻ってからは実働2番隊のMSパイロットに転属した。
雪之丞がメリビットと付き合っていることについて、しばらくしても「信じられねぇ……」と語るなど妙に引きずっている。
地球支部在籍時もオルガへの全幅の信頼は揺るがなかった一方、年少組と違って「ラディーチェは自分達が馬鹿過ぎて見切りをつけたのかも」等と口にしていた。
行動には移せなかったが、地球支部の運営上の問題点も彼なりに理解しており、まとめ役の年長組として冷静さや配慮はしっかり持っているキャラクターである。

◆ダンテ・モグロ
CV:濱野大輝
オレンジ髪のヒューマンデブリの青年。彼もMW隊を1つ任されている他、非常に高い電子戦技能を持つ。
第一クールのオープニングではシノとユージンのケンカを口笛吹いて煽っている。
運送目的でバルバトスへと搭乗しようとした際、三日月用にギリギリまで阿頼耶識のリミッターを外してあるバルバトスの膨大なフィードバックを受け失神するという憂き目に遭った。
火星帰還後はMS乗りに転向し、1番隊の隊員となった。調子に乗りやすい性格でラフタやアジーからしごかれている。
そのお調子者な性格のせいか、いつの間にかライドから呼び捨てにされていた。

◆タカキ・ウノ
CV.天崎滉平
年少組のリーダー格である13歳の少年。上が金髪、下が黒髪のツートンカラーの頭が特徴。
堅物に片足を突っ込みかけている委員長系の真面目な男の子で、少年兵としては例外的なまでに温厚。三日月の大ファン。
6歳下の妹・フウカを学校に入れるため、伝令や雑用、MWのオペレーターなど、様々な仕事に精を出す。
火星帰還後は妹を地球の学校に通わせるという目標を叶え、自身も地球支部の配属となり、妹やアストンと共に暮らしている。

◆ヤマギ・ギルマトン
CV.斉藤壮馬
金髪の鬼太郎ヘアが特徴の寡黙な少年。だが結構遠慮のないところがあり、言うときは言う。
機械いじりの才があり、雪之丞の助手を務める。シノになにやら複雑な感情を抱いており、彼が夜のお店に行くと不機嫌になる。
火星帰還後も引き続きメカニックの一員として鉄華団を支える。

◆ライド・マッス
CV.田村睦心
オレンジ髪の活発な少年。年頃らしくやんちゃな性分だが、自分よりさらに年少の子供達を気遣う優しさも持つ。
絵心があり、暇があればイサリビの艦内に様々なストリートアートを書き連ねている。オルガは彼に鉄華団のエンブレム作成を依頼した。
エドモントン突入作戦で陽動をかけた際に乗機のMWごと橋から転落するもののなんとか生還。
火星帰還後はMSパイロットとなり実働2番隊員として昭弘を支える。
シノがフラウロスに乗り換えると専用獅電こと三代目流星号を受け継ぐことに。なお黄色ベースに塗り替え、「雷電号」に改称した。シノからは文句を言われたが、ライドは頑として譲らず、他の面子はどっこいだと笑っていた。

◆ダンジ・エイレイ
CV.山下大輝
「男児・英霊」とかいう死ぬために名づけられたような少年。1話ではタカキと行動を共にすることが多かった。
ギャラルホルン襲撃の際にMW搭乗を志願し、シノの隊に加わるが、オーリス機に武器も使われず蹴り殺されてしまう。
乗機の残骸からは遺骨すらも残らず焼失し、遺品は阿頼耶識のピアスのみ。それを手にしたシノの慟哭は、良くも悪くも本作の方向性を決定づけた。
クソッ! お前言ってたじゃねぇか! 死ぬときはでっけぇおっぱいに埋もれて死にてぇって!
 おっぱいは柔らけぇんだぞ……こんな堅いコックピットとは違うんだ! なぁ、ダンジぃ! 返事しろよぉ、おい……*4

◆アストン / デルマ
CV.熊谷健太郎 / 室元気
顔に傷がある / 茶髪のヒューマンデブリの少年兵。元・ブルワーズのMS乗り。
苛烈な戦いを生き残った他のヒューマンデブリ達と共に、過去の遺恨を引きずらないオルガによって鉄華団に引き取られ、エドモントン突入作戦ではユージンらと共に増援に駆け付けた。

◆デクスター・キュラスター
CV.江越彬紀
鉄華団経理担当。紐フレームの眼鏡をかけたおじさん。身の安全が保障されるなら職務には忠実なタイプで、少年兵たちにも柔和に接する数少ない人間。
クーデター時には真っ先に退職しようとしたが、少年達に金回りを管理できる人間がいるはずもなかったため、名指しで残らされた(拒否すれば射殺)苦労人。
とはいえ、壱番組が参番組の身体の小さい者にも暴力を振るう様を止められなかったことに罪悪感を抱いていたことから、現在の鉄華団に安らぎを感じてもいるようで、残留組の子供たちと共に穏やかな顔でシャトルを見送る姿も見せている。
二期でも各種事務担当として所属しており、戦闘の関わらない所では現場を任される事もあるなど、地味ながら鉄華団の大黒柱の一人となっている。


第2期時点からのメンバー

◆アストン・アルトランド
CV:熊谷健太郎
名前が変わったので改めて記載。
鉄華団に加入後、昭弘の弟分的存在として彼の姓を貰い、鉄華団地球支部に配属。チャド、タカキと共に中心メンバーとなる。
タカキとフウカとの交流を経て徐々に普通の生活に順応しつつあるが、ヒューマンデブリとしての考え方が染み付いていて、危うい言動をこぼしてしまうことも。
彼を初めとした、元ブルワーズは大人への敵意と対抗心は人一倍であり、仕事先のア-ブラウ防衛軍や同僚のラディーチェと揉めることも玉に瑕となっている。

◆デルマ・アルトランド
CV:室元気
こちらもアストン同様、昭弘から姓を貰い鉄華団実働1番隊の所属となる。
MS操縦経験が長いためパイロットとしては優秀で、同隊のダンテのフォローに回ることも多い。

◆ハッシュ・ミディ
CV:逢坂良太
規模を拡大した鉄華団に入ってきた新人。スラム街出身の青年。17歳。
普段は気だるげな態度を見せているものの、生きるための「力」を強く求めており、その根幹には幼い頃、彼にとって兄貴分の少年だったビルスの存在がある。
ハッシュ達を養うためにCGSへ出稼ぎに行ったビルスは阿頼耶識の施術に失敗。
CGSに打ち捨てられた姿は生々しい施術痕と下半身不随という後遺症を抱えるというあまりにも悲惨なものだった。
例え施術に失敗しても兄貴分であることに変わりはないと看護に励むハッシュの努力も虚しく、ビルスは自責の念から自害してしまう。
健全なライバル精神ではなく、逆恨みに近い嫉心から、施術に三度耐えた三日月を超えるべき存在として何かと突っかかっていたが、実戦で三日月の実力を目の当たりにさせられたことで考えを改め、彼にMS乗りとしての弟子入りを志願。
遊撃隊2番機として経験を積むことになり、色々な意味でハードな三日月の研修に耐える日々を過ごす。
だがその手のひらを反したかのような気持ち悪いまでの敬意は周りを困惑させ、当の三日月からもストレートにウザがれている。
彼が三日月にやった「お米様抱っこ」は色々話題になった。

◆デイン・ウハイ
CV:木村昴
規模を拡大した鉄華団に入ってきた新人。糸目の巨漢。体躯に似合わず精密な作業が得意。
穏やかな性格で口数は少なく、ザックの戯言やハッシュの述懐の聞き役に回ることが多い。名ありの新入りたちの中では良心的存在。
若干の周りと馬が合わないこともあり、ハッシュから「急に喋るとビックリする」と言われたり、彼の筋トレに付き合うため腕立て中(しかも片手)に背中に乗っかる等、悪意はないが噛み合わないことが多い。

◆ザック・ロウ
CV:古川慎
規模を拡大した鉄華団に入ってきた新人。デカいサザエさんヘアーリーゼントが目立つ青年。
数少ない就学組で恐らく高学歴、実家も裕福で親も健在と珍しく恵まれた出身。
学校でメカニック系を専門に学んだため電子情報関係に強く、モビルアーマー戦でののっぴきならない状況下でガンダム・フレームと阿頼耶識のリミッター制御構造を即座に見抜く程に優秀。
鉄華団に対する憧れから入団したものの、あまり訓練に身が入らないので教官役の先輩達に怒られてばかりいる。
団員の中では恵まれた育ちのため、人殺しも平然と行う貧民出身組との感覚には違和感がどうしてもあり、初陣で同期の死を目の当たりにし一時は凹むが、シノと昭弘の励ましで吹っ切れたのか、その後は憧れから来る出世欲を頻繁に口走るようになった。
ハッシュとデインにも茶々を入れる良き悪友関係を築いている。
風俗関係の知識もあるようで、シノと共に夜の街へ繰り出すことも。これに当たってシノの弱みを握ったらしく、上下関係が入れ替わった様子。何があった。
一応、育ちが良かったので昔から悪い遊びが出来たから、という理由が本編外で明かされたが…。

◆エンビ
CV: 石上静香
◆エルガー
CV: 芳野由奈
◆トロウ
CV: 久保ユリカ
◆ヒルメ
CV: 大地葉
一期では裏方作業を手伝っていた年少組の少年達で、クーデリアに読み書きを習っていた。エンビとエルガーが双子。
二期からはMWにも乗り込み新人であるハッシュ達に激を飛ばしており、宇宙ではイサリビ及びホタルビのオペレーターを務めている。

◆ラディーチェ・リロト
CV:深川和征
新たにエドモントンに設置された鉄華団地球支部の監査役としてやってきたテイワズの男性社員。
年齢は二十代半ばから三十代半ばといったところだが、それに似合わない年季のある渋い顔をしている。目はやや細めで表情は常に暗く、不機嫌ではないかと思わせるような表情を浮かべている。
地球支部で唯一会計や事務の業務が可能だという理由で、その分野を担当する。
現実でも監査は現場から敵視ないし倦厭されがちだが、この鉄華団でも例に漏れず、「テイワズ本部から自分達を監視、牽制する為に派遣されたスパイ同然の輩」として、チャドとタカキ以外の地球支部メンバーからは疎まれている。
ラディーチェ自身も大人らしく合理的・理論的な行動に重きを置くため、現地のアーブラウ軍とよく揉め事を起こす少年兵達を快く思っておらず、
ラディーチェを嫌ってはいないチャドやタカキからも「家族」という精神論で不満を片付けられてしまっているが、仕事自体は真面目にソツなくこなしている。

CGSのメンバー

◆マルバ・アーケイ
CV.宝亀克寿
CGS社長。厳つい小太りの中年男性。
昔なじみの雪之丞曰く「昔は犬好きのいい奴だった」そうだが、今ではリアル肉壁としてヒューマンデブリを買い漁り、志願してきた少年兵には阿頼耶識の手術を強制し、軍人でも躊躇うような仕事をやらせるクズ野郎となってしまった。
ただし阿頼耶識の手術も「識字能力も無い孤児でも、難なく情報をインプットさせる」という効率上の利点あってのことで、
使い潰す前提とはいえヒューマンデブリの参番組にも家族を養える程度の給金は与えていたりと、
これでもヒューマンデブリを扱う経営者の中では比較的まともな意識と振る舞いをしており、オルガもマシな部類と評価している。
ギャラルホルンの襲撃時にはありったけの現金を抱え、先陣を切って逃亡。そのまま行方をくらましている内に会社が乗っ取られ、路頭に迷うことになる。
火星のPMCの経営者の中ではマシと看做されていたからか、馴染の名瀬に拾われ、会社を取り戻せるように仲裁して貰う手筈となったが、阿頼耶識を扱っていることがバレてしまい、ケジメとしてテイワズの資源衛星で強制労働をさせられることになった。

◆ハエダ・グンネル/ササイ・ヤンガス
CV.山口太郎/野川雅史
一軍隊長とその腰巾着。どちらも参番組を捨て駒扱いし、暴力で言うことを利かせるクズ。
楽だから、という理由だけで普段から任務を参番組に押し付け、訓練もサボっていた。そのため、目立った能力もなく、オルガからは酷評されている。
ギャラルホルンの襲撃時は率先して逃亡し、それをオルガに囮として利用されるが、辛うじて生還。
帰って来た途端にオルガを見せしめにボコ殴りにしたため、「経営者としてはマシだったマルバとは比較にならず、こいつらが新社長になったら会社はお終い」と参番組首脳陣の危機感を煽り、睡眠薬入りの飯テロで昏倒・拘束される。
仲間の犠牲を出した落とし前としてハエダは三日月に射殺されるが、その直前まで、圧倒的不利な状況におかれた自分の立場を認識できずに怒鳴り散らしていた。
ササイに至ってはハエダの射殺直後に、何をトチ狂ったのか(銃を構えたままの)三日月に突進する暴挙に及んだ。
……ノコノコ戻ってきた後に「トットとズラかろう」と、遅すぎる相談をしている点といい、参番組の決断が正しかったことをその命にかえて証明した点は評価されるべきか。

◆トド・ミルコネン
CV.青山穣
参番組の監督を押し付けられている下っ端のちょび髭。痩せぎすだが腹だけ出ている所を見ると、彼も貧しい食生活で育ってきたことが覗える。
サボり癖の為に子供達の監視はあまりきつくなかったようで、少年兵からは大して相手にもされていない。
壱軍の大部分が退職する中、彼はアドバイザーを気取って自ら鉄華団に残留。情報を売って甘い汁を吸おうとしたが、オルガには最初から見破られていた挙句、内通先からも切り捨てられた。
タコ殴りの上でパンツ1枚で宇宙漂流刑に処され、ギャラルホルンに拾われるが、そのアングラなコネをマクギリスに見いだされ、なんとクーデリア確保のための手回しにこき使われるようになる。
上品な服を貰ってしれっと立っている姿は視聴者を呆気に取らせた。
悪役はとことん「悪役」をしている『鉄血』だが、その中でも彼は珍しい「笑える悪役」。
ある意味一番厄介な立場故に、クーデリア役の寺崎裕香女史にはラジオで「ゴキブリ」「さっさと始末しておけばよかったのでは(意訳)」などと言い放たれた。
その後もちゃっかりモンターク商会の専務にまでなっており、鉄華団とのパイプ役として動いている。
蝙蝠一辺倒かと思いきや、崖っぷちになったマクギリスの最後の出撃寸前まで付き合うなど彼なりの義理はある模様。
専務にまで取り立てるなど、何かといい思いをさせてくれたマクギリスに対する恩義は相当強かったことが伺われる。
死の出撃を決意したマクギリスに武運を祈る言葉をかけ、どこか優しげな視線を彼に向けて劇中から退場した。
監督によるとマクギリスの死後はモンターク商会を引き継ぎ、どうやったのかは不明だが彼の遺産も無事に相続できた模様。


保有戦力・艦艇等

ガンダム・フレーム
厄祭戦末期に開発されたフレームで、エイハブ・リアクターを2個積みした圧倒的大出力が特徴。厄祭戦後の現存機は26機と数少ない。
ここでは鉄華団所属のものだけを記載する。

グレイズ・フレーム
ギャラルホルンの最新鋭量産フレーム。汎用性の高い万能機。
  • EB-06/tc グレイズ改:鉄華団が鹵獲したグレイズを修復したもの。後に「改弐」として再改修され、「流星号」と名付けられる。

◆その他のモビルスーツ
  • ランドマン・ロディ:元・ブルワーズの主力機。売れ残りを地上戦仕様に改修したもの。
  • STH-20 辟邪(へきじゃ):百錬・百里の長所を統合した次世代機。
  • STH-16 獅電(しでん):機動性・戦闘力・換装装備のバランスに優れた汎用機。詳細はテイワズ・フレームMSの項目を参照。
    鉄華団では通常のタイプの他、シノ(後にライド)専用改修機と、オルガに用意された白い専用機が存在している。

◆JEE-M103 クタン参型
エウロ・エレクトロニクス製輸送機。エイハブ・リアクターは未搭載ながら、推進剤タンク付き大型ブースター2基を用いて圏外圏の長距離運用を実現した。
テイワズ傘下に加わったことで、鉄華団にも数機が供給され活躍した。

◆NOA-0093 強襲装甲艦「イサリビ」
漁火。鉄華団の宇宙戦闘艦として活躍する。CGS時代の旧名は「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」。
詳細は強襲装甲艦(鉄血のオルフェンズ)を参照。

◆NOA-0132 武装輸送艦「ホタルビ」
強襲装甲艦の両舷船腹から船尾にかけてを2基の大型コンテナブロックに改装した鉄華団の輸送艦。
MS戦力の大半はこちらに搭載される。


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最終更新:2024年03月18日 02:02

*1 この「同性婚可能」という世界観は外伝作品でも活かされている

*2 1期の冒頭で壱軍に殴打されるシーンでは他のヒューマンデブリと同じく抵抗する事なく上の命令に従う等、すっかりヒューマンデブリとしての立場を受け入れていた。

*3 ライドの失踪を知ったユージンが「あいつ、まだあの時のことを」と口にしていたことから、ノブリスがオルガの仇である事実が既に元鉄華団のメンバーの間で知れ渡っていた模様。

*4 ムードメイカーであるシノのセリフにはこういった『思春期の青少年らしいバカ話』も多いが、一方でこのセリフからは「彼ら少年兵たちは親の顔も知らず母性に飢えていた者も多い」というハードな事実を察することもできる。

*5 アーブラウ防衛軍結成式典の時には一部の団員が「あんな使えねえじじい共が防衛軍かよ」と陰口を叩いていた。