黄泉(幽☆遊☆白書)

登録日:2017/04/06 (木) 17:23:33
更新日:2024/04/20 Sat 00:51:43
所要時間:約 5 分で読めます






オレは見えなくなって強くなれたんだ


黄泉(よみ)とは、幽☆遊☆白書の登場人物の1人。


●目次


人物

雷禅むくろと並ぶ魔界三大勢力の一角を担う妖怪で、魔界都市「癌陀羅」を統治している国家元首。
ちなみに三大勢力の中では最も若手。
黒の長髪で高身長、角と耳を6つずつ持っている。1000年ほど前は角が4本、耳が2つであった。

作中に描写がないため忘れられがちだが、雷禅やむくろと同じく食人鬼である。
いつか雷禅、むくろを凌駕して、魔界の統一を実現しようと考えている野心家。
それに加えて、霊界と人間界の掌握も目論んでいるらしく、それを見抜いていた雷禅は幽助に対して「黄泉にだけは気をつけろ」と忠告していた。
(回想シーンで「人間を糧にするのはやめよう(雷禅)」「これでも我慢してやってる(むくろ)」と話し合ってる中、「好きに喰えばいい。どうせ奴らは勝手に増える」と言っている人物が黄泉であり、その危険性がうかがえる。)

蔵馬とは旧知の間柄で、かつては蔵馬が率いる盗賊団で副長を務め、2人で魔界を荒らしまわっていた。
しかしその頃にとある妖怪に襲われ、光を失ってしまう。
盲目となってからは、音や空気の流れを頼りに周りの状況を把握する術を身につけ、会議など映像による情報が必要な時には「頭伝針」を用いて脳に直接情報を送っている。

冷静で辛抱強く、かつ相手の行動を先読みして行動する、三大勢力きっての頭脳派。
だが若い頃は我が強く血気盛んで、自分の力を過信するあまり盗賊団の中でも単独行動ばかりが目立っていた。「正直頭が悪かった。切られて当然」というのは本人の弁。
しかし、光を失った事がきっかけで“今まで見えなかったもの”が見えるようになり、メキメキと実力をつけていく。
そして、かつては「魔界の双頭」と呼ばれていた雷禅、躯と肩を並べられるほどの存在にまでのし上がった。


前述のとおり、とある妖怪に襲われた事で視力を失ってしまったが、実はその妖怪は蔵馬が彼に差し向けた刺客であった
彼が団の中で身勝手な行為ばかりを繰り返していたため、蔵馬は彼を見限り刺客を放って彼を始末しようと考えたのである。
蔵馬の送り込んだ刺客は当時の黄泉とは比べ物にならないほど強かったが、黄泉は視力を失う代わりに何とかそれを退ける。
その後実力をつけた黄泉は、100年ほど前に自分から光を奪った刺客を捕らえ、死んだほうがマシと思える拷問の末、死を条件に彼の依頼主を聞き出した。
蔵馬を魔界に呼んだ後コイツを幽閉している拷問室に二人して訪れ、わざわざ蔵馬が見ている前で依頼主を改めて聞き出してトドメをくれているため、
黄泉としてはとっくに知っていたものの、あえて蔵馬に見せるまで仲間になるか否かの択一を迫るために生かしておいたのだろう。

前述の通り当時の自分は斬られても仕方がないほど無知であったと自覚しているので現在は蔵馬の事を恨んではいないとは本人の弁。
と言いつつも各種行動から襲撃に対して未だに負の感情は残っている可能性は高い。当然ではあるが。
しかし、その負の感情を棚上げしてでも蔵馬を部下に欲しいほど、その頭脳と実力を買っていることも事実である。

作中で修羅という1人息子が誕生*1し、彼の前では幽助も呆れるほどの親バカとなる*2
最初は野望のための手駒のような存在でしかなかったと思われるが、育児が始まる頃には改心していたこともあってか修羅を育てるのにはかなり手こずったらしい。
どうやら結構甘やかしてしまったらしく、ワガママな性格に育ってしまった……が、年齢が年齢なので仕方ないところだろう。
その愛情は本物で、修羅とは真剣勝負を約束しており容赦の無い攻撃で観客も凍り付いていたが、
黄泉にとっての真剣勝負とは本気で生死をかけて戦う文字通りの意味合いであり、非常に重みのある言葉だった。
そのため幼く(黄泉にとっては)まだ弱い修羅が軽々しく口にしてよいものではなく、
修羅をボロボロにはしたものの実際のところは殺さぬようかなり手加減し続けており、悔し泣きさせてしまった後には父親らしい言葉をかけている。


能力

視力を失った事で並外れた聴覚と嗅覚を身につけており、国の中の人々の会話は全て把握しているとさえも言われている。
また、感覚を研ぎ澄ます事で、視界に頼らず相手の体温や血圧・心拍の変化、筋肉の硬直具合、空気の流れを感じ取り、相手の表情や思考、霊気や妖気の動きすらも読み取る事が出来る。
かつては蔵馬よりは実力は低かったが、魔界三大勢力の一角となった現在は蔵馬以上の妖力と知力を有している。
しかし、気の流れや聴覚を頼りにしながらの戦闘は消耗が激しいため、同等の能力を持つ者たちの中では持久戦を苦手とする*3

【ステータス(妖力測定器調べ)】
  • TP(妖力値) 1550000
  • HP(体力) 422500
  • OP(攻撃力) 382500
  • DP(守備力) 325000
  • SP(特殊能力) 410000



  • 魔古忌流(まこいりゅう) 煉破反衝壁(れんぱはんしょうへき)
防御術の1つ。
自分の周囲に呪詞のような防御壁を張り、妖気による攻撃を吸収、自身の妖力を回復する。
発動に僅かながら時間を要するが、黄泉は敵の行動を先読みして使うことで欠点をカバーしている。
アニメ版では霊力は吸収できないという弱点が存在し、幽助の霊力を混ぜた妖丸*4を受けると霊気によっていくつかかすり傷を負い、
渾身の霊丸を受けた際には防御壁が破られ大爆発が発生していた。

  • 妖気弾
掌に妖気の塊を発生させ、それを発射する事で攻撃を行う。


活躍

魔界統一編

三大勢力の1人・雷禅の死期が近いと部下の妖駄が推測した事で、雷禅が死亡した後でのむくろの国家との全面戦争を想定し、戦力の増強を図る。
統一実現には蔵馬の知力が必要になると考え、人間界にいる彼の元に使いを送り、過去の因縁を捨てて彼に協力を求めた。
蔵馬がそれを拒みそうになると蔵馬の家族*5へ危害が及ぶことをちらつかせ、有無を言わさず軍に迎え入れる。


戦略の第一歩は情報収集 これもお前の教えだよ

そして、かねてから素行を問題視していた軍のナンバー2・鯱を蔵馬に始末させ、蔵馬を軍事参謀総長に任命した。
この際あえて命令はしておらず鯱が勝手に謀略を仕掛けて返り討ちに遭ったのだが、
これは「蔵馬なら鯱の謀略に対抗できる」と踏んだ上でそのように仕向けたらしい*6


切り札は先に見せるな

見せるなら更に奥の手を持て・・・か


妖駄の予測どおり雷禅が死亡し、いよいよむくろとの決戦の幕が開くかと思われたが、
雷禅の後を継いで国王の地位に就いた幽助の来訪で、事態は思わぬ方向へと向かっていく。
幽助の意図が読めず、和睦かとも思いひとまず話を聞きつつも裏で思考を巡らせ、都合が悪ければ暗殺する気だったのだが、
来訪してきた幽助の目的は、魔界統一トーナメントの開催。
そのトーナメントで優勝した者が、問答無用で魔界の頂点に君臨すればいいという、魔界全土を揺るがしかねない提案だった。

この提案を聞いた時には流石に動揺を隠せないでいたが、その話を聞いていた蔵馬たちが賛同。
その上むくろの軍が接近しており*7、一度にすべての相手はできなかった事でその場は承諾せざるを得ず表面上は幽助の提案に応じた。

幽助が本気でお祭り感覚のトーナメントを開催したいことは承知しつつも、
野望のために大会の運営を引き受けることでトーナメントを優位に進めようと画策。
国家「癌陀羅」は解散したが軍勢はそのまま残っていたため、周囲からは「どうせ黄泉とむくろの一騎討ちになる」と思われており、
黄泉自身も「切り札の修羅を育てれば確実にオレが勝つ」と自分の勝利を確信していた。


蔵馬、お前は正しいよ。№2が勝敗を左右する

…だがその思惑は脆くも崩れ去る事となる。
自分と互角かそれ以上の妖力を持つ妖怪が、魔界のあちこちに野心も持たずにゴロゴロしてた上、彼らがお祭り感覚でこぞって出場してきたからである。
この思わぬ誤算に黄泉は再び動揺するが、
それ以上にかつての血が騒ぎ、今度こそ本気で国を捨て、1人の妖怪としてトーナメントに臨もうと決意を固めた。


やはりオレもバカのままだ

トーナメントには修羅と共に出場。
そして奇しくも予選ブロックで修羅と当たる事となるが、
死なない程度に手加減しつつも容赦のない攻撃を加え続け修羅をギブアップに追い込み、本戦への出場を決める。
この時まだ幼く力の差も明確に開いているにも拘らず、比較的穏当なこのトーナメントで修羅が本当に死ぬまで戦う愚か者だったら止めを刺していたと思われる。

本戦では3回戦で幽助と対決。
心機一転してからは戦いを本気で楽しむ馬鹿な幽助をすっかり気に入っており、わざと攻撃を喰らってみたくなって実際に喰らってみたほど。
決着がつくまで60時間という大会屈指の名勝負となり、幽助のギブアップで辛くも勝利する。
だが、その戦いで集中力と体力を著しく消耗してしまい、続く4回戦で孤光と戦い敗退した。
それでも今回の大会は純粋に楽しめたらしく、次回の大会で幽助と戦える事を望みながら去っていった。

原作において幽助戦は途中で終了した為、幽助の口から説明されただけだったが、アニメ版では試合が最後まで描かれた。
勝敗を分けたのはギブアップではなく、互いに倒れながらも、
黄泉は修羅の呼び声に反応し、辛うじて意識を保ったことになった。


「パパーッ!!」
「はっ……!」

…最早そこには、三界を支配する野望に燃えた帝王は、どこにも居なかった。
愛するわが子の為に、格好いい所を見せようとした、人間と変わらない普通の父親であった。

そして大会が終了してすぐに、「修羅を幽助に勝てるぐらい鍛え直す」と修羅と共に修行の旅へと出発し、旅立つ前に蔵馬に対し


「お前と再会できて良かった」
と告げ、完全に和解した。

もう黄泉は、嘗てのように三界支配の野望に火がつく事は無いと思われる。
次に彼がその力を振るう時は、幽助と再戦する時、魔界を守る時、そして愛する息子を守る時だろう。


「良項目のカギは追記・修正が握る。お前の持論だったな」


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最終更新:2024年04月20日 00:51

*1 初登場時はカプセルに入っていたため、黄泉のクローンとの説もある

*2 蔵馬によると息子の修羅は黄泉の若い頃とそっくりらしい

*3 それでも60時間ほどはぶっ通しで戦い続け、先に幽助がへばるぐらいのスタミナはある

*4 霊丸の妖気バージョン

*5 南野秀一としての家族

*6 黄泉が直接部下を粛清すると士気に影響が出るためと思われる

*7 黄泉は知らなかったが、むくろも提案に乗る気であった