ポケモンライド

登録日:2017/03/31 (金) 01:03:00
更新日:2023/12/25 Mon 14:48:09
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『ポケモンライド』とは、
アニメ『ポケットモンスター無印』の金銀編115話『ポケモンライドでつっぱしれ!!』にて登場したポケモンを使ったスポーツの事。
あるいは、『ポケットモンスター サン・ムーン』から登場した新要素の一つ。
本項目では後者の方を扱う。

■もくじ


■概要


第七世代から登場した新要素であり、フィールド上で専用の「ライドポケモン」に乗って移動が出来るというもの。
第六世代の時点でもゴーゴートなど特定の場所で乗れるポケモンはちらほらいたのだが、こちらは種類が多くどこでも乗れるというのが魅力(一部除く)。
主人公の力だけではいけないところも行くことが出来る。
ライドポケモンによってできることは異なるが、大半はこれまでにあった要素をポケモンに置き換えたものが多い。
そのためこれまでシリーズ皆勤であった「自転車」「ダウジングマシン」「ひでんマシン」は削除された。
一部のプレイヤーからは惜しまれているが、いわゆる「秘伝要員」が必要なくなったことで旅パの自由度が大幅に上がったことについては評価する声も多い。
これまでと同じく十字キーでお気に入り登録も可能。

ライドポケモンに乗る際にはそのポケモンに専用の器具を付けるほか、「ライドウェア」とヘルメットを着用しなければならない。ライドウェアは男女で細部のデザインやカラーリングも異なる。
しかしヘルメットのみなどのトレーナーも多くいるためそこら辺のルールは緩いのかもしれない。

また、ライドウェアは陸上と水上で異なる。
陸上用は胸部や肘・膝にプロテクターを装着するが、水上ライドウェアは水着の上にライフジャケットらしきものを装着したようなものになっている。
水上ライドウェアはヘソフェチ歓喜の仕様である。

NPCでもライドポケモンを使っている人は多くいるほか、ハウもEDにて乗っているところが確認できる。

Let's Go! ピカチュウ・イーブイ』では一部のポケモンをつれ歩きした際にライドすることが可能。
バリエーションはさらに変化し、中には移動速度アップや空中エンカウントを可能にしたりするものまである。

LEGENDS アルセウス』でも登場。こちらは「カミナギの笛」の旋律を聴かせて認められるというイベントを経て乗れるようになる。
面子は本作初登場の追加進化形やリージョンフォームで統一されている。
乗っている時はボールやアイテムが投げられず、野生ポケモンの攻撃や高所からの落下によるダメージも受けてしまう点には注意しよう。
また、既にアローラ地方でポケモンライドの技術が確立されていることがラベン博士から明かされており、この時代ではヒスイ地方とアローラ地方でポケモンに対する価値観が違っていたことが窺える。(この辺は文化的な側面もあるだろうが)
この他にもヒスイ地方はポケモンへの価値観が他の地方と比べて異なることが示唆されており、別の地方では既にポケモンバトルの文化が成立している模様。


■ライドポケモンの種類


サン・ムーンウルトラサン・ウルトラムーン

メレメレ島の大試練を終えた後、ハラからライドギアを貰うのと同時に登録してもらうことができる。前作までの「じてんしゃ」「いわくだき」にあたる。
Bボタンで素早く移動が出来る他、ひびのはいった岩を壊すことが可能。テンカラットヒルに入るには必須。
自転車と異なり走るためにボタンを押す手間はあるが、その移動速度はかなりのもの。

今作ではその走行速度を利用して、預かり屋の前にある柵の中でグルグル回る異様な孵化作業を行っている人が多い。

アニメではケンタロスレースというものがあるらしく、ポケモンスクール内では流行っている様子。
ゲームだと屋内でなければどこでも爆走できるが、アニメではさすがに街中を走っている描写などはない(現時点では)。

オハナ牧場にてマオから登録してもらうことができる。
Bボタンを押すことで周辺のにおいを嗅ぎ、見えない道具の位置を教えてくれるため便利。前作までの「ダウジングマシン」にあたる。
一部の試練ではムーランドを用いて行う試練もある。

実は歩行速度に関してはケンタロスより速いので、孵化作業時に両手が使えない場合こちらを使う人もいるとか。

スイレンの試練を行う際にスイレンから登録してもらうことができる。
前作までの「なみのり」にあたる。
一応XYでもラプラスに乗ることはできたが、今作ではBボタンを押すと若干加速する。
釣りスポットに近づくことで過去作と同じく釣りをすることもでき、後述のサメハダーを入手した後もお役御免になることはない。
背中の甲羅の上に装着されている座席は座る位置がやたら高い。甲羅がやたらとゴツゴツしているせいだろう。

アニメではスイレンの手持ちであり、SM5話では回想含めかなりの数のラプラスが登場している。
ムサシたちの私欲によって捕らえられそうになるもののサトシ達の活躍で難を逃れた。
ロケット団はライドポケモンよりもっと便利なマシンなどを持っているはずなのだが…。

カキの試練」を終えた後カキから登録してもらうことが出来る。前作までの「そらをとぶ」にあたる。
今作は島間の移動が大変な事もあってかもらえるタイミングが結構早い。
仕様はORASに近く、一部の道路やダンジョンにも着陸ポイントが設定されているため非常に有能である。
ラティオスなどのように「おおぞらをとぶ」ことはできない。
ライドポケモンの中では唯一アローラにいないポケモンで、さらに御三家という特別なポケモンであることもあり、選出に少々ゴリ押し感が漂う。
まぁ、初代から登場するポケモンの中でもその容姿から人気が高いポケモンではあったのだが。
地上1400mまでしか飛べないはずなのに「ホクラニ岳」「ラナキラマウンテン」へ難なく飛んでいることに突っ込んではいけない

アニメではカキの手持ちとして登場しており、配達作業をするときに使っている。

ライドポケモンの中では唯一の新入り。ウラウラ島の12番道路でハプウと会話することで登録できる。なんで2体持っているんだろうか。
普通のポケモンでは入れないようなゴツゴツした荒地を歩くことができる。
前作XYの9番道路にあったトゲトゲ山道のサイホーンにあたる要素で、前作の新要素であった「秘伝技以外でもポケモンに乗れる」システムを継承している。
使う場所が限定的かつ歩行速度が遅いため、ライドポケモンの中では結構影が薄いが、地味に殿堂入り後も何度か使う事となる。

15番道路でギーマと会話した際に登録してもらうことができる。「なみのり」+「いわくだき」のようなものであり、
Bボタンを押すことで水上を素早く移動でき、一部の岩礁も破壊できる。
事実上ORASであった機能の続投であり、海釣りできないところも前作と一緒。

アニメではサトシがSM1話冒頭で水上スキーかの如く乗り回していた。

ポニの古道でハプウの祖母から登録してもらえる。この祖母の登場の仕方が異常に怖い。
前作までの「かいりき」にあたり、今作でまた一段とでかくなった固い岩を押すことが出来る。
SMからカイリキーの自力習得技に「かいりき」が加わったためかいりき要員になっていることも頷ける。
に会うには必須になるためそれなりにお世話になるポケモンだろう。

なぜか主人公の性別問わず下の両腕でお姫様抱っこのように抱えられるためシュール。
カイリキーは二本の腕で主人公を抱え、二本の腕で岩を押す。
ハウオリ霊園でのあるイベントは腹筋的に初見殺しである。

イベントを全て消化すると殆ど出番がなくなるが、フェスサークルの「ムキムキを見せつけろ」というアトラクションではお世話(?)になる。
アトラクションはカイリキーにお姫様抱っこされた状態でフェスサークル内を歩き回り、何回「ベストカップルだね」と言わせたか回数を競うというもの。
ケンタロスを使うアトラクションではラッシュで岩を壊すという本来の役目を果たしているのに対し、カイリキーは主人公をお姫様抱っこするという役目である。
どうしてこうなった。

ウルトラサン・ウルトラムーン

ポケモンライドの一種と言えるが、ライドギアへの登録はできず、各島のビーチでしか使えない。
各島を海で移動するために使われるものだが、移動場面は波乗りのミニゲームになっており、スコアに応じてBPが貰える。
波の高さとスピードが上がれば上がるほど高スコアを稼ぎやすい仕様となっており、ピカチュウ版の隠しゲーム、「ピカチュウのサマービーチ」を彷彿とさせる。
というか、全ビーチでハイスコアを更新すると「なみのり」を覚えたピカチュウ貰えるので、どう考えてもサマービーチを意識している。


LEGENDS アルセウス

黒曜の原野で出会うはじめのライドポケモンで、従来の自転車のポジション。その様はさながらヤックルを駆るアシタカ
ジャンプが可能で、ちょっとした障害物なら飛び越えることもできる。崖をゴリ押しで突破するプレイヤーもいる。

紅蓮の湿地で加入。ダウジングマシン及び第七世代のムーランドに相当。
ムーランドとは違いマーカーが表示されており、このマーカーが宝が埋まっている場所に近づくほど強く反応し速度も速くなっていく。
お宝探しに夢中になって野生ポケモンの攻撃を喰らってしまわないように注意。
アイテムだけでなく、彼の力を用いて特定の人物を探し出すイベントも存在する。

群青の海岸で加入するなみのり要員。
彼のみ乗っている時もボールやアイテムを投げることができる(そうでないと水棲ポケモンに対する捕獲及び戦闘ができないからだろうか)。
加速の他に二段ジャンプも可能で、ジャンプ中は物を投げるボタンを押している間スロー状態となり、標的を狙いやすくなる。
LEGENDSがこのゲームっぽいと言われる所以のひとつ
通常は生身で水に入ってAボタンで呼び出せるが、他のポケモンにライド時に着水した場合は勝手に切り替わってくれるのでそちらのほうが楽。

天冠の山麓で加入するロッククライム要員。
その長いかぎづめをひっかけて、険しい崖を登ってくれる。スタミナ制限もなく、雨や雪が降っていようが自由に登り降りができる。
ちなみに乗り方は、オオニューラが背負う籠に主人公が入るというもの。
案の定、近年大ヒットした鬼退治する人気漫画主人公みたいだとネタにされた
崖に密着してAボタンでも呼び出せる。壁際のアイテムを取ろうとして暴発するのはご愛嬌。
崖際でYボタンを押すことで崖を下り始める。呼び出すのを忘れたまま前転で崖からダイブしないよう注意。

純白の凍土で加入。
呼び出すと上昇し、パラセールハンググライダーの要領で滑空できる。
2つのボタンで加速と急降下が可能。一度飛び立った後に再び上昇はできないため、現在位置より高い障害物を越えるには前述のオオニューラが必要。実は加速ボタンを連打すると長押しするより遠くに飛べる。
高所からの落下中にAボタンでも呼び出せるので、落下ダメージを回避できるようになる。
イメージとしては、フィールド上で使えるようになった「おおぞらをとぶ」に近いか。もしく上昇気流とスタミナの概念のないリーバルトルネード

スカーレット・バイオレット

本作の舞台のパルデア地方は地形の起伏が激しく、自転車移動は向かないと作中で断言されている。

本作のパッケージを飾る伝説のポケモン。
当初は徒歩よりちょっとだけ速い程度のスピードしか出せないが、3つあるストーリーのうち『レジェンドルート』をこなすことで力を取り戻していき、
  • 地上を駆け巡るしっそうけいたい/ドライブモード
  • 水上を走るゆうえいけいたい/フロートモード
  • 空を飛ぶかっくうけいたい/グライドモード
の3種類の形態を適宜切り替えてゆくことになる。
さらにしっそうけいたい/ドライブモードは力を取り戻すことでダッシュや崖上り、大ジャンプといったアクションが解放される。
これに加えてかっくうけいたい/グライドモードはDLC『ゼロの秘宝』後編『藍の円盤』にて新たなライド技として飛行が追加された。
滑空とは違い文字通り自由自在に空を飛べる能力であり、当初はストーリー中の一場面でしか使用できないが、エンディング後は永続的に使用が可能となる。

作中でもコライドン/ミライドンと類似性が指摘されるポケモン。何故似ているのかはコライドン/ミライドンの項目参照
作中主人公がモトトカゲに搭乗することはなく、また泳いだり崖を登ったり空を飛んだりといった芸当は流石にモトトカゲは出来ない。
パルデア地方の住民にとっては貴重な足であり、各地でこれに搭乗するトレーナーを見かけることが出来る。
また、アローラ地方ほどライドポケモンの種類を分けることがないらしく、作中では「他の地方では色んなポケモンに乗るんでしょ?」という話を聞くことが出来る。

作中ではスター団の各組ボスがデコトラの如くゴッテゴテに改造が施された巨大なブロロローム・『スターモービル』に搭乗し、戦闘時は切り札として繰り出す。側面には進化前のブロロンがくっ付いている。
これについてクラベル校長が「改造ライドポケモン」と称していたことから、ブロロロームへのライドが一般的なものかどうかはさておき、ライド自体は可能な様子。
なお、スター団のしたっぱは尻尾(バイクで言うサドル)の部分に飾り付けをしたモトトカゲも所有しているが、こちらは連れているだけで搭乗するシーンはない。


■アニメでのポケモンライド


ゲームでのポケモンライドの設定を引き継いでいるが、ライドウェアやヘルメットは装着しない。
キャラが分かりづらくなるからしょうがないね。実際約2名は半裸で乗っていたし。

アニメではガブリアスチルタリスフライゴンハクリューメタングオンバーンもライドポケモンとして活躍している。


ポケスペでのポケモンライド


第14章の主人公・サンはポケモンライドを用いて荷物を運ぶ「運び屋」を生業としている。
仕様はゲームに忠実で、ライドポケモンの転送は一瞬。ライドウェアも瞬時に着脱される。そしてライドポケモンがバトルに使えないのも同じである。
単行本4巻時点で、ケンタロス・ラプラス・サメハダー・ムーランド・カイリキーに乗っている。
また、マンタインサーフはバーネット博士が披露。一緒に乗っていたリーリエは大変だったようだが…。
なお、ポケスペのアローラではライドポケモン以外への騎乗が禁止されているわけではないようで、ムーンはモクローを使って空を飛んでいる。


■余談


ゲーム内では「アローラ地方ではライドポケモン以外に勝手に乗ることが法律で禁止されている」という設定により、ポケモンの秘伝技が使用できないとされている。
が、なんでライドポケモン以外に乗ってはいけないのかを深く考える意味はないだろう。
なぜならこれは単なる理由付けに過ぎないからである。

ライドポケモンがメタ的な観点で導入された機能であることは想像に難くない。
絵面の問題や秘伝要員によるパーティ編成への制約を解消する目的が大きいだろう。

第七世代ではフィールドグラフィックがデフォルメなしの七頭身になり、それに伴い従来の「影のような姿のポケモンに乗って空や水辺を移動する」というデフォルメ演出が難しくなった。
もっと掘り下げればそもそも秘伝技自体がメタい事情により導入されたであろうシステムである。
魔法のような力がある世界観ではないし、初代は乗り物の演出も難しいので、
ポケモンの技による原始的な移動はそれなりに合理的だったし、人とポケモンが助け合う世界観にもマッチしていたのである。

グラフィックが発展した第七世代ではフィールド上でも移動要員のポケモンにグラフィックを割り当てる必要が出てきたが、秘伝技を使う全てのポケモンに移動専用グラフィックを割り当てるのが困難であることは想像に難くない。
更に主人公より小さいポケモンに乗って空や海を移動するというのは不自然極まりない演出になる。
ドーブルのそらをとぶなんてどうすれば良いんだよ。
この問題を解消するため、特定の場面で乗るポケモンを特定の大型ポケモンに統一したものと考えられる。
なお、個別のポケモンにフィールド移動用グラフィックを与えるという演出については、初代ポケ151匹+αのみが登場するピカブイで実現している。

また、今まで秘伝要員は主要なダンジョンで必須になることが多く、チャンピオンロードなどの重要な局面で手持ちの1枠を秘伝要員に割かざるを得ないことが多かった。
SMには登場しないが、過去作のチャンピオンロードは総じて複雑かつ広大な傾向があり、強敵トレーナーが何人も待ち受けていた。
このためチャンピオンロードを一気に抜けると、留守番をしていたポケモンが他のポケモンにレベルを引き離されるという事態が起こる。
チャンピオンロードを抜ける前にはライバルとのバトルイベントがあるシリーズも多く、フルメンバーで全力の勝負ができないことも多い。
更にチャンピオンロードの先にあるポケモンリーグは、レベルの差が勝敗に影響しやすく、少しレベルの低い手持ちポケモンがパーティの足を引っ張る結果にもなり兼ねない。
秘伝要員なしでシナリオを進められるようになると、こういったレベルの差に悩まされる機会も減るのである。


■小ネタ


  • SMのヘルメットはルチャブルカラーになっている。
  • ライドポケモンに乗ったままトレーナやポケモンに遭遇した場合、ライドウェアを着たままでの勝負となる。ラプラスやサメハダーに乗った状態だとライドウェアも水上仕様に変化する。ヘソフェチ大歓喜。
  • ライドギアのポケモンは秘伝要員を持ち歩くわけではなく、指定されたポケモンをいつでも呼び出せるシステムである。
  • リザードンを呼び出した時に、ライドギアに埋め込まれた白いボールらしきものでポケモンを呼び出していることが確認できる。公式絵を見る限り他のポケモンも同じ方法で出している可能性が高い。



追記・修正はライドポケモンを揃えてからお願いします。

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最終更新:2023年12月25日 14:48