登録日:2009/06/21(日) 21:26:08
更新日:2023/09/27 Wed 02:01:31
所要時間:約 7 分で読めます
『オーディンスフィア』はヴァニラウェア開発、アトラス発売のアクションRPG。
2007年5月17日発売。ハードは
PS2。
概要
屋根裏で不思議な本を見つけた少女・アリス。
プレイヤーはアリスが読み耽る本を通じて、そこに描かれた英雄達の軌跡を追うことになる。
実際にプレイヤーが操作することとなる物語の主人公は5人存在しており、アリスが手にした「本」ごとに主人公が異なっている。
ゲーム開始直後は一冊の本しか選べないが、各キャラクターのシナリオをクリアするたびに新たな本が追加されていく。
なお、世界観は「ニーベルンゲンの指輪」をモチーフにしている。
ヴァニラウェアの得意とする暖かみのある2Dグラフィック表現は健在で、本作は特に絵本のようなデフォルメによる独特な雰囲気を持つ。
また、臨場感ある音楽や、濃厚で複雑なストーリーも特徴のひとつ。
特にシナリオの評価が高く、特定の主人公のストーリーで明かされなかった謎が他の主人公のストーリーで描かれるなど、複数のキャラクターの視点で物語を描きながら全体像を徐々に明らかにしていく構成は、ヴァニラウェアの後の大ヒット作『
十三機兵防衛圏』に通ずるところがある。
また、オペラを彷彿とさせる洒落た台詞まわしも好評。
一方、PS2版は激しい処理落ちが発生することで有名で、また戦闘も単調と言われることが多い。
オーディンスフィア レイヴスラシル
単にグラフィックをHD画質に合わせたリマスターではなく、ゲームシステムも大幅に改修されている。
後発の『
朧村正』『ドラゴンズクラウン』などで培ったノウハウを本作に取り入れたことで、PS2版とは
ほぼ別物といってよい仕上がりに。
ハード性能の向上から戦闘時の処理落ちはなくなり、見違えるほど快適になった。
また、PS2版のシステムで遊べるクラシックモードも付属している。
もともと評価の高かったシナリオはそのままに、遊びやすさが抜群に改善されているので、今から遊ぶなら迷わずこちらを選ぼう。
世界観・用語
エリオン
物語の舞台となる大陸。人間や妖精・死霊などが住む。
予言により『終焉』が約束されており、迫り来る終焉の時から逃れる為にいくつかの勢力が争う戦乱の大地となっている。
大陸はリング状で、中央の内海を囲むようにして様々な国が存在する。
- 死の国 エンデルフィア
- 魔王の国 ラグナネイブル
- 炎の国 ボルケネルン
- 妖精の森 リングフォールド
- 古の王国 タイタニア
- 滅びた大国 バレンタイン
サイファー
『魔石』を使った武器。
魔石には生命エネルギー『フォゾン』を吸いとり、自己を強化する性質がある。
また、自身に蓄えたフォゾンを使い、魔法のような攻撃も行える。
魔石は本来は死の国でしか採取できないが、結晶炉『コルドロン』を使えば例外的に精製出来る。
天然物の魔石は青の光、人工物は赤い光を放つ。
フォゾン
生命エネルギー。生命が死を迎えると放出される。
妖精は自己の維持に必要なフォゾンを自己生成できない為、所持する『コルドロン』によって大気に存在する微量のフォゾンを集めている。
結晶炉コルドロン
フォゾンを操るロストテクノロジー。
- フォゾンの結晶化
- フォゾンの収集
- 人工の魔石の精製
等の能力を持つ。その利便性から争いの種となる。
起動、又は停止には『ティトレルの指環』が必要。
終焉の予言
エリオンに伝わる、世界の終末を謳った予言。
滅びた大国バレンタインの王女が遺した予言と、タイタニアの先王ガロンがまとめた『エリオン叙情詩』の二種類が存在する。
どちらも五つの災厄によって訪れる世界の破滅を伝えている。
+
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バレンタインの予言 |
バレンタインの予言
絶望の獣は人を食らい
希望を砕く
枷の外れた死の狂乱は
生命の光を弄ぶ
荒れ狂う紅蓮の進軍が
玉座の周りを焼き払い
絶望を吐き出す大釜に
大陸の古き血が煮えたぎる
最後の竜レヴァンタンが
血の石を飲み下せば
道は閉ざされ虚無が世界を覆わん
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+
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エリオン叙情詩 |
エリオン叙情詩
第1節
大釜の炎で大地は沈む
鏃と刃で底打てど
たぎりは溢れん
ただ歩をば戒めるのみ
第2節
燭々たる6つ眼の獣が駆ける
救いの御手の導き手
苦痛を払うるは我が息子
第3節
死の凱旋で冥府の王は現る
漆黒を脅かすは
時に亡き彼の主の影
第4節
森を焦がし灼熱が来たる
人には抗えぬ炎の奔流は
いずれ世界樹に阻まれ消える
第5節
蛇の王が残りを喰らい尽くす
混沌と炎から生じ
母の手で眠る
大地に生命は絶え
終焉が満ちる
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登場人物
主人公
グウェンドリン
CV:
川澄綾子
一冊目
『ワルキューレ 〜VALKYRIE〜』の主人公。
ラグナネイブルの第二王女にして、戦場を駆けるワルキューレ。
妖精達との戦いにて姉のグリゼルダの最期をみとり、『
槍』のサイファーを継承する。
そして父オーダインの尖兵となり、戦いを続けるが…
清楚な姫君だが、戦場では勇敢。
父を敬愛しているが、その愛情は報われていない。
後述のベルベットの異母妹。
可愛い顔してやることはエグい。
流し目がエロい。何気にしゃがむと乳が揺れる。
自立の物語。
戦闘では動きにクセがあるものの、比較的スタンダードな能力のファイター。
サイファー能力をフルに使えば、とんでもない瞬間火力を誇る。
特技は滑空。
コルネリウス
CV:
浪川大輔
二冊目
『呪われ王子の冒険 〜POOKA PRINCE〜』の主人公。
タイタニア王子。
交際関係にあるベルベットに逢いにいく途中、何者かの罠にはまり、プーカ(
兎に似た獣人)の姿にされて死の国へ運ばれてしまう。
死の国にて、謎の声の主より『忌まわしきの
剣』のサイファーを受け取り、その教えに従うこととなる。
冒険の目的はタイタニアへの帰還、人間へ戻ること、そしてベルベットの手助け。
誠実にして温厚、挫けぬ精神を持つ兎。
男前と萌えを両立する至高のキャラ。
温室育ちの身なれど逆行に負けない。
モフモフ可愛い。
献身の物語。
戦闘面では地上戦を得意とするスピードタイプのキャラ。
スキのない連続攻撃が魅力だが、スタミナの関係上息切れしやすく、さらに攻撃が軽いのが欠点。
また、魔力系の攻撃を持たないのでウーズ相手には手も足もでない。
特技は回転斬りだが、使い勝手が悪い。
メルセデス
CV:
能登麻美子
三冊目
『妖精の国の物語 〜FAIRY LAND〜』の主人公。
悪戯娘のメルセデスは、母の『石弓』のサイファーを持ち出して狩りをして毎日を過ごしていた。
だがある日、戦で母の妖精王エルファリアを失ってしまう。
妖精国の後継者となるメルセデスだが、従兄のメルヴィンにより内乱が起き…
最初は頭が痛くなるほどワガママな姫だが、不思議な(
毒)蛙をお供に、幾多の戦場を駆け抜け真の女王となっていく。
指舐めの仕草と生足がエロい。
成長の物語。
石弓による遠距離主体のアクションは他のキャラクターの操作感と大きく異なる。
スタミナの代わりにリロードを行い、威力は弱いが攻撃密度が高い速射と、威力は高いが単発で燃費の悪い貫通弾を駆使して戦う。
防御力が高い敵には無力。
オズワルド
CV:千葉進歩
四冊目『死と暗黒の剣 〜BLACK SWORD〜』の主人公。
妖精国の宰相、メルヴィンに育てられた『魔剣』使いの青年。
戦いに敗れ、メルヴィンから自由になった彼は、心に残る“彼女”の為に身を捧げるが…
悲劇のアンチヒーロー。
“彼女”へのプロポーズで迸るワードセンスから、プレイヤーからはしばしばポエマーといわれる。
意外と打たれ弱い、ヘタレな中二病。
愛の物語。
クセが有りすぎるアクションでやや扱いの難しいキャラ。
だが高い基本能力を誇り、大概ごり押しで何とかなる。
特技はバーサク。
ベルベット
CV:
沢城みゆき
五冊目
『運命とともに 〜FATE〜』の主人公。
亡国バレンタインの姫。アラビアン風の赤い衣装が印象的な女性。
母の遺した『鎖』を操り、逃れえぬ終焉に立ち向かうべく奮闘する。
揺れる胸、パンストがエロい。
責任と決意の物語。
伸び縮みする鎖を使う。
敵を追尾するチャージを主体に戦う中距離キャラ。
長めのリーチと高い機動力で敵を寄せ付けず、一定の距離を保つことがカギ。
主要人物
CV:
立木文彦
最高の魔術師にして、最強の戦士であるラグナネイブルの主。
グウェンドリン、グリゼルダ姉妹の父であり、イングヴェイ、ベルベット兄妹の実父でもある。
『球』のサイファーの使い手。
オーダイン配下の巨漢。
一言でいうならば好色な荒くれ者。
忠誠心が薄い野心家。
CV:
大原さやか
オーダインの娘で、グウェンドリンの姉。
勇敢なワルキューレであったが、コルドロンを巡る戦争にて命を落とす。
タイタニアの王。
かつて王国を襲った三つ首の魔物を退治したという武勇伝を持つが、今では気の弱い哀れな老人にしか見えない。
CV:本田貴子
妖精たちをまとめる美しき女王。メルセデスの母親。
コルドロンを巡り、オーダイン率いるラグナネイブルと戦争中。
CV:
速水奨
エルファリアの甥である美男子。オズワルドの上官。
祖国を救うため、様々な計略を巡らせる。
CV:
関智一
炎の国の王。
紳士を気取っているが、直情的でキレやすい男。
グウェンドリンの気高さに惚れ込み、求婚を繰り返している。
CV:本田貴子
死者と生者の領域の管理人にして、死の国の女王。
ヴァニラウェアゲーにありがちなすんごいサイズのおっぱいの持ち主。
ベルベットの学問の師。
叙事詩について研究しており、ベルベットの行く道を示してくれる。
グウェンドリンの侍女であるプーカ。かわいい。
偉大なる魔法使い、ベルドー、ウルズール、スカルディ。
彼らもまた叙事詩について調べている。
全てを見通す力を持った竜。
今際の際にオズワルドに予言を与える。
最強の竜…のはずだが、弱い。
ウルズールに支配されている巨竜。
冠を戴いた竜のひな。
幼体とはいえ、竜の王者にふさわしい力を持つ。
CV:
森久保祥太郎
ベルベットの実兄。
複数の主人公のストーリーで登場し、物語の中枢に関わる。
彼の視点から見た物語は、またもう一つのオーディンスフィアと言えるだろう。
ストーリーテラー
本作のストーリーテラーを務める女の子。
彼女が飼い猫と共に屋根裏で不思議な本を見つけたことからオーディンスフィアの物語が始まる。
以下、ストーリー終盤のネタバレを含むため格納する。
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ストーリー終盤のネタバレ |
六冊目のタイトルは『終焉 〜ENDING〜』。
訪れた終焉。
世界が破滅へと向かう中、運命に抗う英雄達。
予言の結末は回避できるのか。
全ての物語が今、交差する。
この章ではそれぞれのキャラクターが最後に持っていたアイテムとレベルを引き継ぎ、世界を滅ぼさんとする災厄たちと戦う。
六つ目の獣、冥府の王、炎の王、地獄の大釜、最後の龍。
タイタニアの先王ガロンが残した叙事詩通りに、特定のボスに特定の主人公を選んで戦わなければ バッドエンドを迎え、世界は滅亡する。
しかし、中には不正解の組み合わせでも特殊な会話が発生する固有イベントもあるため、全イベントを見るためには何周かする必要がある。
予言通りにキャラクターを選ぶと屋根裏部屋に戻り、アリスの可愛らしい行動後に話の続きが流れる。
(アリスが部屋を去った後にコルネリウスとベルベットが持って来た本がエピローグとして追加される)
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「ワルキューレは追記・修正を恐れない」
- 正直ゲーム内容うんぬんよりも出てくる食事がジブリみたいで美味しいそう。(目玉焼き乗っけたパンも出てくる) -- 名無しさん (2013-10-31 09:22:49)
- 謎なのが、どうやってアリスの時代まで人類が存続したかです。 普通に考えたら、精々オズワルドとグウェンドリン子供世代で終了ですが。 バレンタインの始祖がいた別大陸からの移住者らが来た可能性はあり得ますし、倫理的にはこれが妥当だと思います。 -- 閲覧者 (2014-02-19 04:00:59)
- 普通に近親婚でしょ…そんなバレンタインの始祖に征服されて終了とか冗談 -- 名無しさん (2014-05-15 07:33:28)
- オーダインまじいいおとんなんすよ -- 名無しさん (2014-05-15 07:33:48)
- HDリマスター…リマスターにとどまらないっぽいけど、とりあえずオメ やりたかったのでちょうどいい -- 名無しさん (2015-07-21 02:30:08)
- PV見てきた。半年が待ち遠しくなる出来であることは間違いないな… -- 名無しさん (2015-07-21 09:59:02)
- ↑×5 北欧神話と同じ事じゃないかな。あっちもオーディン勢の神々はほぼ壊滅してるけどちょっとだけ残った神々がいてあっちの世界は普通に続いてて人もいる。しかし進めれば進めるほど目に付くオーダインの駄目人間感 -- 名無しさん (2016-03-04 14:18:11)
- 次作の朧村正では、グウェンドリンの声優さんがお姉さんキャラで、ベルベットの声優さんが妹キャラで、関係を逆転させているのが面白かった。あと、グウェンドリン(CV:川澄綾子)の都合お構いなしに求愛してくるオニキス王(CV:関智一)はFateのキャラ臭がして、闇の力について語る黒フードの死神レイス(CV:若本規夫)はキングダムハーツのキャラ臭がするのです。(笑) -- 名無しさん (2016-03-24 14:17:17)
- ワルキューレ姉妹の母はどんな人だったのかねぇ ドレスについてしか語られないけど ラグナウェイブルの他の女同様「産む道具」扱いで終わったんだろうか… -- 名無しさん (2016-03-24 16:54:53)
- ↑ミス ラグナネイブル -- 名無しさん (2016-03-24 16:55:44)
- ↑2 オーダインが王様としての体面をかなり気にする上に、ベルベットの母親に一途な人だったので、奥さんは滅茶苦茶可哀想な扱いだったんじゃないかと思うが、オーダインだから内心は引け目というか罪悪感は感じていて、オーダインだからきっとそれを奥さんに上手く伝えられないw -- 名無しさん (2016-03-24 22:21:54)
- 終焉の5ボスの中で最強そうなのは、役割的に世界を干上がらすほどにフォゾンを吸収したレヴァンタンのような気がするが、プレイヤーキャラがストーリーイベント上でことごとく敗れてしまうガロン王や万全状態オニキス王の方が描写的には絶望感がある。逆に一番大したこと無さそうなのはコルドロン。 -- 名無しさん (2016-04-07 09:31:15)
- ↑ そりゃ、後々の為に、コルドロンは壊さずに無力化しなきゃいけないのが大変ってだけだしね。 -- 名無しさん (2016-04-07 09:50:56)
- そういうのを求める作風では無いといえばそれまでなのかも知れないけど、やっぱりね、群像劇におけるカタルシスの形として、主人公5人が集結してそれぞれの掛け合いとか協力して戦うとかを観たかった気もするのですよ。レイヴスラシルになって戦闘が大分キャッチーになった故に、そう思うところが強くなった気がする。 -- 名無しさん (2016-04-07 10:22:35)
- 個人的にはダーコーヴァ→メルセデス、ガロン→コルネリウス、オニキス→オズワルドで真エンドになってくれたら良かったなぁと いやそうじゃなきゃダメな理由はわかるけどさ、特にメルセデスとオニキスとかロクな因縁ないやん…? -- 名無しさん (2016-04-07 10:55:52)
- ↑ 予言を超えた真エンドは確かに実装してほしかったぜ。他はともかく、メルセデスとオニキスは完全に予言の割を食わされちゃってるというか、エンディングの一枚絵がやりたかったんだなっていうのはわかるんだけど、主人公の中でメルセデスだけ悲惨というか、何かこう、浮いてる(物理的な意味じゃなくてw)。 -- 名無しさん (2016-04-07 11:55:44)
- これの二週目機能が朧村正にもあればよかったのに -- 名無しさん (2016-11-07 01:05:31)
- リメイク版ほんま好きだわマジ神ゲー -- 名無しさん (2023-01-23 16:00:00)
最終更新:2023年09月27日 02:01