超電導カンタム・ロボ

登録日:2011/12/24 Sat 18:23:05
更新日:2023/09/03 Sun 17:32:37
所要時間:約 10 分で読めます





1993年にテレビ朝日系列の番組「クレヨンしんちゃん」で放送されたロボットアニメ
要は劇中劇である。3回にわたって放送され、合計時間は30分程度であるが、劇中劇とは思えない程のクオリティからファンも多い。

本作の制作のためにスタジオ「めがてんスタジオ」が立ち上げられ、

本郷みつる:監督・絵コンテ・演出・世界観設定・脚本
高倉佳彦:キャラクターデザイン・作画
西村博之:メカニックデザイン・作画

の3人のみで制作された。
制作にあたって、
本郷監督「懐古趣味なオタク狙いではなく、幼年層が面白く見れて、手間のかからないもの」
西村氏「線・面を減らし、格好良く動かす」
と言うコンセプトを3人で共有した。

制作終了後は本郷監督・高倉氏の仕事場兼マネージメント事務所として運営している*1

2014年にはスーパーロボット超合金のカンタム・ロボが発売された。

【主題歌】

「立て!カンタムロボ」
作詞:里乃塚玲央/作曲:真崎修/編曲:林有三/歌手:ダイナマイトShu


【ストーリー】

地球を征服するために突如として現れたロボット軍団『秘密結社ミッドナイト』になすすべもない人類。
そこへ未来からミッドナイトの野望を阻止するためにやってきた巨大ロボット「カンタム・ロボ」が現れる。
かくして山田ジョンはカンタム・ロボと友達になり、共に平和を守ることを誓い合うのだった。


【登場人物】


◇カンタム

CV:大滝進矢
ミッドナイトから平和を守るために未来からやって来たヒューマロボノイド
普段は実態と同じ姿の巨大ロボ「カンタム・ロボ」の中で過ごしている人間サイズのロボット。
実は自身も元ミッドナイトの一員であったが、組織のやり方に疑問を抱き人類側につく。
しかし、人類を守るためとはいえ自らを育ててくれた世界を裏切り、かつての同胞や肉親と戦わねばならないことに内心心を痛めていた。
「ロボットは壊れたパーツを取り替えれば済むけれど、人間はそうはいかないからね」「もうパワーアップしていくだけの殺し合いは沢山だ!」等、
ロボットとは思えないシニカルな発言が目立つ。
最終回にて婚約者のシーラ・ロボと自身に瓜二つの息子(カンタムJr.)がいることが判明した。

◇山田ジョン

CV:松尾佳子(TV版) 山口勝平雲黒斎の野望檜山修之逆襲のロボとーちゃん
東京都東村山市在住の少年。
この物語の主人公であり、カンタムの相棒。
カンタムが元ミッドナイトということが判明した時は動揺したものの、レイザック事件でカンタムの人類を思う気持ちを知り、絆を深めた。
逆襲のロボとーちゃんにおいては、29歳になった姿が拝める。

◇シーラ・ロボ

CV:萩森侚子
カンタムを追って未来のロボ社会から抜けてきた女性型ロボ。
単体での戦闘力は不明だが、カンタムと合体する事によって絶大な力を得る事ができる。

◇カンタムJr.

CV:戸谷公次(雲黒斎の野望) 大滝進矢(逆襲のロボとーちゃん)
カンタムとシーラの子。外見は父と瓜二つだが泣きぼくろがある。
雲黒斎の野望や逆襲のロボとーちゃんでは、ジョン少年と共に戦う姿が描かれた。


【登場ロボット】


◇カンタム・ロボ

カンタムが操縦する巨大ロボット。
メインカラーは緑。
カンタムが正体を明かす前はこのロボット自体が意志を持っていると考えられており、ジョン少年は頭部から命令を出すのみだった。
正体を明かしてからは次第に激しさを増していくミッドナイトとの戦いに向けてジョン少年も内部に乗り込み2人で操縦するようになった。
普段は大仏に偽装されているカンタムシークレットベースに収納されている。

【技】


  • カンタムパンチ
いわゆるロケットパンチ

  • カンタムゴットウィンド
下半身を分離させ体当たりさせる技。カンタムパンチからのコンビネーション技として使われた。Vガンダムっぽい。

  • カンタムビーム
指先からだすビーム。センサーがカンタムと直結しているので、精密射撃も難なくこなせる。連発可能で大量のミサイルを撃ち落とすほどの威力がある。

◇超カンタム・ロボ

第8話『立て!カンタムロボ』で初登場したカンタム・ロボのパワーアップ形態。カラーリングは緑から赤に変化している。
カンタムロボが上半身と下半身に分離し、上下が入れ替わる形で再合体する「正常合体」を行うことで完成する。
この形態では操縦系統がジョンに移されており、カンタム自身は機体制御とサポートに専念している。
余談だがコクピットがかなり狭くなっており、カンタムに至っては逆さまに座って固定されている。

【武器】

  • カンタムハリセン
肩から射出されるハリセン状の武器。

【必殺技】

  • ハリセンアタック
「いいかげんにしろ!」のツッコミとともに敵を叩き割る技。

◇超超カンタム・ロボ

第20話『燃えよ!!友情の炎』で初登場したカンタム・ロボの更なるパワーアップ形態。
カンタムとジョン少年が同時にバーベルを上げることで、超カンタムに瞳が現れ超高速で動くことが可能となり、ミッドナイト五人衆を瞬殺するほどの力を持つ。
しかし超超カンタムの状態が長時間続くと機体に高熱が発生するため、発動後は全身の装甲を開いて放熱する必要がある。
その状態ではまったく動けなくなるため、一か八かの切り札的な存在ともいえる。
恐ろしく作画に気合いが入っている。

【必殺技】

  • カンタム超伝導アンマ
超高速で錐もみ回転し、敵の股間に突っ込み粉砕する技。

◇究極カンタム・ロボ

超カンタム・ロボとカンタムの婚約者ロボのシーラ・ロボが『究極極限正常合体』したことで誕生したカンタムの最強形態。
メインカラーは白で、シルエットも大きく変わりサイズも更に大きくなっている。
初登場回が最終話なので登場時間は短いが、ギルギロスとの殴り合いは台詞回しも相まってかなり格好いい。
ゲッター2とかニルヴァーシュとか言ってはいけない。

【必殺技】

  • 究極極限限界名物カンタムカニばさみ

◇スペースカンタムΩ

映画『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』に登場。
白を基調としたボディに片方だけ黒目ありという、究極カンタム・ロボによく似たデザイン。
操縦者は山田ジョン(29)とカンタムJr.(17)。
52週に渡る戦いの末に辿り着いた究極の姿だが、アコギデスの前に苦戦を強いられた。

◇カンタム軍団

映画『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』に登場。
お急ぎ便で発注した、Amazonっぽい箱型ユニットから参上した無数のカンタム・ロボ。
登場シーンは一瞬だが、デザインやポーズ、ネーミングが全員何らかのロボットアニメのパロディになっている。
名前が判明しているのはカンタム7カンタムZウルトラカンタムカンタムAカンタムZZカンタムキングの6体。

◇超超超超超カンタムロボ

映画『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』に登場。
「スペースカンタムΩ」をベースに「カンタム軍団」が合体した姿。
外見は巨大なカンタム・ロボ。合体する過程はまんま真ドラゴン
装備は「超超超超超カンタムドリル」。
カンタムJr.曰く「科学は常に前に進んでいる」ため、形状はトンネル工事で使われる円筒型の「尖ってない掘削ドリル」だった。

【必殺技】

  • 超超超超超カンタムロボ超超超超超カンタムドーリル超超超超超超超アタッークNo.1
超超超超超カンタムドリルを構え、相手に突撃する決死の大技(要するにギガドリルブレイク)。
こんな長い必殺技名を噛まずに言える声優は凄いの一言。

◇スペース超超超超カンタムロボ

コミカライズ版『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』に登場。
頭や肩が燃えているような姿をしている。
成長したカンタムJr.とジョン青年が正常合体した「スペース超カンタムロボ」とアコギデス大王の体内から脱出した
カンタム・ロボ、シーラ・ロボが「親子水入らず合体」ならぬ「親子ジョン入り合体」を果たした、驚異の3体合体ロボ。
見た目が完全にドリルの彼の最終形態なのは脚本の影響…かと思いきや、監督の高橋渉のアイディア。

【必殺技】

  • ハイパースペース張り扇アタック
自身の何倍もの大きさの張り扇で相手を切り裂く必殺技。

【秘密結社ミッドナイト】

未来から『次元の穴』を通じて人類を滅ぼすために現代へやって来たロボット軍団。

◇ギルギロス大統領

CV:青野武
ミッドナイトのトップで、メカ世界の伝説の人物。
その姿は黒いベールに覆われており、正体は不明。
カンタムを初めとするロボット生命体の産みの親とも言われているが…。

◆ミッドナイト五人衆

ミッドナイト最強の5体のロボット。
全員カンタムの親戚であり、カンタム同様ハイパー化することが出来る。
カンタムとは違い一度分離して正常合体する必要がないため、隙が少ない。
それぞれがカンタムと同等、もしくはそれ以上のスペックを誇る。

カイザム

CV:石井康嗣
カンタムの兄で五人衆のリーダー格。
ギルギロス大統領からは「勇者カイザム」と呼ばれるほどの信頼を得ている。
ハイパー化することで超カイザムとなり、メインカラーが青から紫に変わる。

【技】
  • カイザムミサイル
  • カイザムパンチ
  • カイザム冷凍ビーム

【武器】
  • カイザムハリセン
超カイザム時の武器。

◇オータム

カンタムの叔父。紫色のカラーで太くがっしりしている。

◇ザンダム

カンタムの従兄弟。オレンジカラーでトサカ型の角が特徴。

◇キンタム

カンタムの叔母。赤とピンクのカラーでふっくらとした体型。

◇ジジザム

カンタムの祖父。カンタムに髭と着物に羽織を身に着けたような姿で、杖をついている。

◇ウルトラトラトラカイザム

超超カンタムに倒されたミッドナイト五人衆の残骸が合体して現れた最後の敵であり、ギルギロス大統領の正体。
カンタムを遥かに上回るサイズを誇り、圧倒的な力でカンタム達を追い詰める。
最後は究極極限限界名物カンタムカニばさみをくらい、究極カンタム・ロボと共に次元の穴の彼方へと消えていった。

【必殺技】

  • ギルギロスデスショック
  • ギルギロスデスサンダー
  • ギルギロスギロチン

◇アコギデス・ブッコロス

CV:立木文彦
映画『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』に登場。
ミッドナイト第15代党首。巨大な箱のような姿から「チェンジ・アコギデス」の掛け声で変形する。「ガキーン!ズキューン!ガグーン!」
タコのような脚に甲殻類のような細く硬質的な腕、炎に包まれた頭部、そして胴体はミッドナイト特有の巨大な一つ目で構成されている。
変形後の姿は反螺旋族の機体にちょっと似ている。
カンタム・ロボとは52週戦い、しばらく間を置いて今回の戦いが「最後でさらばで永遠に終わり」らしい。
大人になれカンタムJr.!私と一体化しろ!妙にメタい発言と共にスペースカンタムΩを「アコギデストラクタービーム」で吸い込んで取り込もうとするが失敗。
板野サーカスばりのミサイル弾幕で攻めるが超超超超超カンタムドリルで突破され、超超超超超カンタムロボ超超超超超カンタムドーリル超超超超超超超アタッークNO.1で葬り去られた。
ちなみにしんちゃんの世界では玩具として発売されている(しんのすけとほぼ同サイズな辺り、かなりデカい)。

【必殺技】

  • アコギデスブラックダークデビルデスゾーゼージゴクショック
自身の背中にあるドリルで突っ込む。
その巨大なドリルの威力は相当な物だが、科学の進歩でパワーアップした超超超超超カンタムドリルの前に敗れた。

◇アコギデス大王

コミカライズ版『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』に登場。
映画版とは設定が異なるため、分けて記載。
正義の力を吸収する能力でスペース超カンタムロボを圧倒するが、先に吸収していたカンタムとシーラを体内から脱出させてしまい、
「親子ジョン入り合体」を果たした「スペース超超超超カンタムロボ」のハイパースペース張り扇アタックで撃破された。
カンタムとシーラの反発はかなりのものだったのか、最近胃もたれが気になっていたらしい。

【必殺技】

  • ギャラクシーワーストエナジー


【クレヨンしんちゃんでの活躍】

アクション仮面と並ぶ、野原しんのすけの好きなキャラクター。
アニメでの担当声優は『戦闘メカ ザブングル』にて主人公のジロン・アモス役を担当した大滝進矢*2

劇場版やゲームではしんのすけ達によって何度か現実世界へと召喚され、共に悪へと立ち向かった。
しんのすけの仲間の一人として登場する時もあれば、しんのすけ達の駆るスーパーロボットとして登場する時もある。

ヘンダーランドの大冒険』では、
アクション仮面ぶりぶりざえもんと共にしんのすけに力を貸した。
「家が壊れるかもしれないけど、カンタムパンチを使ってもいいかい!?」

逆襲のロボとーちゃん』においても、
冒頭の劇中劇として映画「劇場版カンタムロボ カンタムVSアコギデス 最後でラストで永遠にさらば」*3のクライマックスシーンが描かれた。

しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』では巨大サイズのカンタム・ロボが登場。
超能力者となったしんのすけが念動力で操作できるようになっており、今作の悪役である非理谷充を止めるために戦う。
なお、こちらでは30歳の非理谷が幼少の頃から見ていた古いアニメという設定になっている。

【そして…】

2016年『爆睡!ユメミーワールド大突撃』の宣伝のため「スーパーロボット大戦X-Ω」に期間限定とはいえ参戦。
スパロボとは25周年つながりでもある。
パイロットは「嵐を呼ぶ幼稚園児」野原しんのすけ。夢の世界で大好きなカンタムに乗り込む。
作中では主に『STAR DRIVER 輝きのタクト』とのクロスオーバーが展開されていた。

しかし、夢の中とはいえ戦場に立つ5歳児を、ひろし声の外道に人生を狂わされた元KPSAの少年兵が見たら何を思うのだろうか…とか言ってたらガンダムの方4歳児がロボットに乗り戦場に立ってしまった…。
余談だが、ガンダムシリーズにはひろし声のパイロットが乗る「ガンダム」が2存在しており、
このコラボ後ぶりぶりざえもんを継いだ声優しんのすけを継いだ声優かつてSDガンダムとして共演した事があった



こうしてカンタムJr.とジョン青年の追記・編集は終わった…
いや!やっぱりまだまだ続くのかもしれない。
戦え、超超超超超カンタムロボ!

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最終更新:2023年09月03日 17:32

*1 西村氏も2007年まで所属していた。

*2 カンタムのデザインにはザブングルの影響が見られる

*3 コミカライズ版では「劇場版超伝導カンタム・ロボ お銀河大決戦!!」