サギ(バテン・カイトス)

登録日:2017/03/24(金) 14:32:18
更新日:2023/10/06 Fri 03:14:39
所要時間:約 4 分で読めます





「刀に力を…!」



「バテン・カイトスII 始まりの翼と神々の嗣子」の主人公。15歳。
プレイヤーキャラクターだがプレイヤーの分身ではない。
世界でも珍しい「精霊憑き」の少年だが、前作の主人公・カラスと異なり精霊魔法は使えないなど、幾分劣る面が見られる。
また、今作はIIとナンバリングされつつも、中身は前作の20年前を描いた前日譚に当たるため、前作を知っているとニヤリとしたり、あるいは驚くような関わりを色々と持っている。

「産土の里ハッサレー」というド田舎にある、シェラタンという村の出身。
帝国アルファルドのエリートが集まった「暗黒部隊」に所属しており、身の丈ほどもある長刀を武器に戦う。こころの翼は文字通り白鷺。
故郷のハッサレーのために出稼ぎに来ており、前向きで感情豊かな性格。幼少期はやや気弱で内向的であったため、友達はいなかった。
そんなこともあって、相棒である精霊には強い信頼を寄せているが、自分にしか認識できないその存在に不安を抱くことも多い。
また精神的には幼さが抜けておらず、母であるジーナに依存気味。ぶっちゃけマザコンの気あり。


暗黒部隊ではシェラタン近郊で掘り出した魔法人形・ギロを相方として活動している。
当時の暗黒部隊は「マキナウィル」という機械人形を隊員1人につき1体支給されているのだが、ギロはマキナウィルと異なり自我を持ち、さらに魔法が使えると全くの別物。だが、外見が酷似しているので押し通しているらしい。


皇帝オーガンの暗殺任務を言い渡され、既に死んでいた皇帝の暗殺犯として追われる中、謎の怪物に遭遇。
それと同時に起きた過去の世界へのタイム・スリップ、そして謎の少女ミリィアルデとの邂逅をきっかけに、世界の真相にまつわる戦いに巻き込まれていくことになる。

現在の時間では、帝国の軍務官ネロの部下として、もう一人の皇帝候補であるバアルハイトの進める「マキナ化」を阻止するために各地を巡り、過去の世界では人々をマグナス化する魔導師「ワイズマン」に立ち向かう五人兄弟の一人・マーノになり替わって戦い続ける、というストーリーが基本の流れ。

行く先々の国にマキナ化の危険を訴えつつ、マキナ化部隊や謎の怪物「マルペルシュロの遺児」と激突。その中で、徐々に前作をやったプレイヤーには心当たりのある事実が次々と明かされていく。
そして、Disc1終盤、帝国で行われた応援演説の最中、バアルハイトの腹心である青年・シャナトにより、「こころの翼にまだ頼る愚か者」としてジーナが引き出され、翼を引き抜かれる事態が発生。
これに我を忘れて暴走したサギは、最初に見たのと同じあの怪物へと変貌、捕縛される。

過去へ飛んでマーノと同調した意識が見たのは、ワイズマンを倒すために闇の力を得た兄弟たちが魔法人形によって殺され、自身もギロそのものである魔法人形に殺された場面。
そこには、ある驚くべき真相があった。






以下、ネタバレ







実はサギは、前作の主人公カラスと違い、精霊憑きではない。
先帝オーガンは、帝国を継ぐべき我が子・シャナトを精霊憑きにしようと考えていた。が、精霊憑きは狙って生み出せるものではない。
そこで、オーガンは精霊とは別のちから、すなわち邪神マルペルシュロに注目した。
マルペルシュロはその体を五つに分けられ、エンド・マグナスとして封印された。だが、そうならなかった体の破片が各地に散らばっていた。
オーガンはこれらを回収し、老若男女を問わず集めた被験体に融合させ、ちからある人間を生み出そうとした。
が、結果はいずれも失敗。サギも、母・ジーナもこの被験体の一人だった。

オーガンは失敗の後、普通に被験者たちを解放したが、ジーナにだけはなぜか追手がかかった。
が、それは別の話。
サギは無数の被験体「マルペルシュロの遺児」の中で唯一邪神の力に適合した、いわば邪神憑きであったのだ。
ただ一つ他と違っていたのは、適合した欠片はただの力ではなく、分断された肉体の破片に意識を宿したマーノその人であったこと。

真の意味でマーノと心を通わせ、精霊憑きに匹敵するちからを得たサギは、それぞれの真相を明らかとした仲間とちからを合わせ、軍務官ネロの命のもと、各地を蹂躙するマキナアルマを片っ端から破壊。
さらに過去の世界に飛び、マーノの敵であるワイズマンも打倒した。
最終的に、バアルハイトが建造させた「戦艦タラゼド」に乗り込み彼と対峙。実は精霊憑きであった(マキナの知識も精霊からもらった)バアルハイトを激闘の末に打ち倒すが、そこに真の黒幕が姿を現した。





軍務官ネロ。
彼は、マキナの力を手に入れて皇帝になろうとしていたのだ。精霊憑きというのも騙りであり、人々の支持を集めるための方便だった。
オーガンをそそのかし、シャナトを操り、至高の座を手に入れるために、全てを欺いていたのだ。
腹心たるゲルドブレイムをも無残に切り捨て、本性をあらわにした彼はタラゼドを掌握するべく中枢へ向かう。
怒りを爆発させたサギは、ギロ、ミリィと共にネロを追いかけて打ち倒し、そのこころを食らって復活したワイズマンも、マーノのきょうだい達のちからを借りて撃破。

その後、タラゼドからの脱出の際に頭だけになったギロを伴い、ミリィと共に幻影都市ミラへ移住。
カルブレン公の養子として迎えられた……というところでサギのストーリーは終わり。


ゲーム自体はその後、ボロボロになって戻ってきたゲルドブレイムが皇帝に推挙され、ゲオルグを招集したところでエンディングとなる。



【関連人物】

  • マーノ=シュ=ソウル*1
相方たる「邪神」。1000年前にワイズマンを倒すために立ち上がった五人兄弟の末っ子に当たる人物。
彼女あるいは彼の意志を宿した欠片と融合している。
闇の力が手に集中していたため、亡骸から両手が切り取られ、サダルスウドの月騙しの森に封じられた。残りの体は魂を宿した一部がサギと融合し、残りはザウラクに放り込まれて「兄弟神幻影=シュ」となった。
なお、五人兄弟の残り四人も同様に頭部・脚部・胸部・胴部が亡骸から切り取られてエンド・マグナスとなり、残る体は遺児となるか、兄弟神幻影となっている。

  • ギロ
イバラのヌサカンで掘り出した古代の魔法人形。
正体は1000年前の土の民が作り上げた、マルペルシュロの五人を殺すための人形であり、現在ギロとなっているのはかつてこの人形を操っていた魔導師夫婦の残留思念が融合したもの。
一人称は「わし」で、ミリィとは犬猿の仲。

  • ミリィアルデ
帝都ミンタカで遭遇した双棍使いの少女。こころの翼は蝶。
しおらしいところも見せるが、基本的には常に強気で勝ち気。
正体はバアルハイトの娘で、15年前に遺児の暴走に巻き込まれて致命傷を負い、父に憑いた精霊・ダイモンのもたらしたマキナの技術でサイボーグ化して命を繋いでいる。
事件後は天の樹の落ち枝で生身に近い体を取り戻しているが……。

  • ジーナ
母。青く大きく美しいこころの翼を持つ。
サギの行動理念は基本的に彼女が中心。

  • ネロ
帝国の軍務官にして皇帝候補。
暗黒部隊にハメられたサギを、ゲルドブレイムを通じて味方に引き込んだが、それもすべては計画のためだった。
サギは知らないが血縁上の父に当たる。
なお、彼と対峙した場面ではサギも遺児としての側面を垣間見せており、「

  • ゲルドブレイム
暗黒部隊に追われていたところを、彼の手引きで逃れた。
その後はネロからの連絡役として何度か接触しているが、前作のような傲慢な面はここでは見られない。
彼の変貌については終盤でネロに切り捨てられたことと、バアルハイトもネロもいなくなったことで棚ぼたで玉座が転がり込んできたのが原因。

  • ジャコモ
暗黒部隊の若きエース。この当時は13歳。
サギ相手に連敗を喫したことで、人を超えたちからを求めるようになった。
だが、その行く末は……。




  • ミローディア
ミリィとの間に設けた娘。前作の黒幕。
エンディングでミリィがいた部屋は、前作において大公の部屋とされていた場所である。
また、本来の髪は青緑で、サギと同じ。

  • カラス
前作の主人公。ニハル砂漠にいたゲオルグがサギに預けた「こころの器」のマグナスから生み出された。
エンディングの最後には生まれたばかりの彼が映っている。


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最終更新:2023年10月06日 03:14

*1 パッケージの写真より便宜上引用。プレイヤーの名前が入る