日売テレビ(名探偵コナン)

登録日:2017/03/17 Fri 17:29:08
更新日:2024/01/15 Mon 20:10:06
所要時間:約 14 分で読めます




「日売テレビ」とは、『名探偵コナン』に登場する架空のテレビ局である。
名称はアニメを製作している「読売テレビ」と、その系列キー局で一部アニメ製作にも参加している「日本テレビ」から取られた。


概要


コナン作品で度々登場するテレビ局。略称はNUT。初登場は第11巻『テレビ局殺人事件』。
毛利小五郎はここで放送されているあるテレビ番組にゲスト出演したのを期に一躍時の人となり、いつしか「眠りの小五郎」の異名で名の知られる存在となる。
これ以降も小五郎は何度か同局の製作する番組にゲスト出演をするようになり、その関係で彼の家族の江戸川コナン毛利蘭も何度かここを訪れている。

また、怪盗キッドが大々的に犯行を予告した際には、必ずと言っていいほどここに勤務するリポーターが現地に赴いており、
キッドの犯行の様子やそこに押し寄せているキッドファンの熱気などを電波を通じてお茶の間に届けている。

社屋のデザインは登場当初、日本テレビの本社(→麹町分室)に近いものだったが、『果実が詰まった宝箱』以降は大阪にある読売テレビの2代目社屋に似た建物となっている。
アニメ版でも当初は原作と同じ変遷を遂げ、『完全半分犯罪の謎』からは実在の読売テレビ3代目社屋とほぼ同じ建物に変更された。

マスコットキャラは日本テレビのマスコットなんだろうと似ているが、目がぐるぐる回っていたり、シッポの先が尖っていたりなど若干の違いがある。
本社は東京の潮留(汐留ではない)にあり、大阪鹿児島沖縄などに支社・支局が存在している*1

主に放送している番組は…

  • 仮面ヤイバー
  • 日本まる見え探偵局*2
  • 朝生7(「沖野ヨーコの4分クッキング」はこの番組の1コーナー)
  • どっちのスイーツでSHOW
  • 名探偵マグレ
  • 土曜サタデードラマ
  • 世界一受けたい授業
  • HANZO*3

…など。


…さて、『名探偵コナン』といえば皆さんご存知のとおり、毎回殺人等の事件が発生してそれを主人公の江戸川コナンが解決していく作品である。
よって作品の都合上連載期間に比例して犯罪の件数もどんどん増えていっているわけだが、その中で群を抜いて犯罪発生率が高いのが、この日売テレビなのである
よくファンの間では米花町の凶悪犯罪発生率は異常と言われているが、
そんな米花町内といえども同じ施設で何度も事件が発生しているというケースは少ないので、かなり異常な組織・空間であることがお分かりになるだろう(詳細は後述)。

ちなみにコナン作品で、日売テレビの他に何度も事件の舞台となった施設(アニメ版・劇場版含む)は、杯戸シティホテル(4件)、トロピカルランド(4件(マリンランド含む))、
歩美の住むマンション(3件)、杯戸中央病院(3件)、東都タワー(3件)、ベルツリータワー(3件)等がある。

また、ロケ先や取材先で関係者が事件に巻き込まれるケースも多く、日売テレビに勤務する関係者が事件の被害者、または犯人となる例も妙に多く、特に事件の被害者*4は過去に問題を起こすなど褒められた人物でない事がほとんどである*5
それ故に、僅かな期間(約半年間)で様々な不祥事が多発していることになるのだが、不思議な事にそれらのことでマスコミに叩かれている描写は特になかったりする。
根本的な問題があるのかないのか、偶然なのかは不明だが、何かが危ない会社であると言えるだろう。
なお、コナンの世界では第80巻から登場している「チーター宅配便」という運送会社に勤務の従業員による事件も、特にアニメオリジナルで多くなってきており、日売テレビのようなポジションになりつつある。


以下は日売テレビが関係している主な事件を紹介。
ストーリーの構成上やむなくネタバレしている箇所もありますので注意してお読みください。


局内で発生した事件


●原作

日売テレビが初登場した事件。
「日本まる見え探偵局」に出演するタレントが、身勝手な理由で番組を降板させたプロデューサーに復讐するべく、生放送中に殺人を決行。
日本中の視聴者を味方につけてのアリバイトリックだったが、コナンの目は誤魔化されなかった。
この事件をコナンが眠りの小五郎として解決する様が全国生中継されたおかげで、小五郎の認知度は一躍全国区となる。

とあるビジュアル系ミュージシャンが、自分の所属する芸能プロダクションの社長をテレビ局の一室で殺害した事件。
そのミュージシャンは顔に派手なメイクを施していて、
楽屋には鏡がなく、メイクに必要な鏡も持っていなかったことから、それを落とした後で犯行に及んでもう一度メイクをし直すことは不可能だということを理由に、自分には犯行は無理だと主張した。

大企業の会長が、全国の「コジマ」という名字の人物を集め、「全国コジマさん選手権」という奇妙な選手権を開く。
その様子はテレビで放送される予定だったのだが、決勝戦が開始される直前に、主催者の会長が階段から突き落とされて殺害されてしまう。
決勝に残っていた3人の「コジマさん」にはある共通点があり、その内の1人は元太の父親でもあった。

人気番組「どっちのスイーツでSHOW」*6の収録中に発生した事件。
この番組で使われる果実入りの宝箱の中から、審査員の男性の遺体が発見され収録は中止になった。
この料理番組については、「チャンピオンにあらかじめ食材が教えられているのではないか?」という不正の噂が囁かれていた。


●アニメオリジナル

「お天気お姉さん」として知られる美人キャスターが、番組収録直前に何者かに誘拐された事件。
彼女は誘拐される前にコナン達に会っており、彼らの事を信じて、彼らのポケベルに自分の居場所を示す暗号を送り続けた。

人気推理ドラマ「名探偵マグレ」の脚本家3人のうちの1人が、ミーティング中に毒殺された事件。
容疑は若手脚本家に向くが、その人物を犯人だと断定する事は、状況的に不可能であった。

日本テレビの人気番組「世界一受けたい授業」とコラボしたエピソード。
番組収録中に、出演者が持参していた高価な壺が消失。
この壺が見つからなければ、番組の収録続行は不可能という状況となってしまう。

  • 女王様の天気予報
「天気予報の女王様」として知られる女性気象予報士が転落死した事件。
捜査によって番組スタッフの1人に容疑が向くが、それは真犯人の罠であった。
この事件のみ、日売テレビの別館で発生している。

皐月会の事件の後で大阪日売テレビの新社屋が完成し、記念作品として大怪獣ゴメラと仮面ヤイバーがコラボした映画製作が決定する。
だが発表会直後に映画プロデューサーが殺害される事件が発生。犯人はすぐに特定されるが、その後は事件関係者が次々と爆弾で殺害されていく。


●劇場版

大阪日売テレビにて、百人一首の団体「皐月会」の会長と小五郎が対談するという特番の収録直前に爆破予告のメールが届き、実際に爆破事件が発生する。
コナン・平次・和葉が危険にさらされるも難を逃れ、死者はいなかった。
ただし、局の建物自体は壊滅的な被害をこうむっている。


ロケ先、取材先などで発生した事件


●原作

天皇杯の決勝戦で銃の発砲事件が発生。
犯人は試合を中継していた日売テレビに対し、「現金を用意しなければ観客を射殺する」と脅迫する。
だが2回目の要求の内容から、犯人は日売テレビに対する恨みから犯行に及んだとコナンは推理した。

とある映画監督の追悼式で発生した暗殺劇。
この追悼式の司会は日売テレビのアナウンサーが務めており、事件発生後は同局のリポーターが現場となったホテルでインタビューを行おうとしていた。

人気覆面レスラー「ウルフェイス」の対戦相手が、試合直前に殺害された事件。
日売テレビは、ウルフェイスが所属するプロレス団体の放映権を持っていて、試合前にも選手にインタビューを行っていた。
また、団体の了承を得て被害者がいた控え室に隠しカメラを仕掛けていたが、これが事件を解く重要な手がかりとなった。

沖縄でトレーニングをしていたプロ野球選手が刺殺された事件。
小五郎は日売テレビの企画で被害者のプロ野球選手と対談する事になっていた。
犯人は被害者の親友であるスポーツタレントの男性だったが、彼には犯行時刻に飛行機の中にいたという鉄壁のアリバイがあった。

黒の組織が企てた、衆院議員立候補者の暗殺事件。
組織の一員である日売テレビアナウンサー・水無怜奈がインタビューを行う相手が暗殺の標的だったが、コナンとFBIの手によって暗殺劇は防がれた。

アイドルの沖野ヨーコがドラマのロケハン先である軽井沢の別荘で巻き込まれた殺人事件。
現場の屋根裏部屋は密室であり、被害者はトランプの暗号を残していた。
この現場にはコナン達は訪れておらず、当初は小五郎が推理をしようとしたが、序盤で食あたりを起こしてトイレに籠もったため、コナンと脇田兼則が安楽椅子探偵形式で真相を暴いている。


●アニメオリジナル

日売テレビ系列で放送されるドラマロケの合間に発生した殺人事件。
被害者はカメラマンの男性で、彼は死の間際に「コマイヌ」という奇妙なメッセージを書き残していた。
ちなみに撮影していたドラマは、無事完成して放映されていた事が後のエピソードで明かされている。
テレビアニメ版ではこの回で「日売テレビ」の名称が初登場した。

山形の人里離れた山奥に建つ旅館で起きた連続殺人。
関係者の一人は日売テレビのプロデューサーであり、ドラマの取材のために旅館を訪れていた。
真犯人がドラマの脚本を手がける予定だった作家だったため、解決後にこのドラマ企画はポシャった可能性が高い。

コナン達は日売テレビの旅番組の出演者として広島を訪れる。
だが到着直後にスタッフの1人の具合が悪くなり、その後もスタッフ達の身に奇妙な災難が立て続けに発生する。
関係者の話から、スタッフの周辺を調べていた“ある男性”の存在が浮上するが、遂には傷害、放火事件まで発生してしまう。

有名女優が、日売テレビ企画の番組のロケ中に命を狙われた事件。
女優は事前に小五郎に警護を依頼し、小五郎は警備会社の1ボディーガードとして女優の警護に当たっていた。


●劇場版

Jリーグを狙った大規模な爆弾事件。
犯人は手始めに東都スタジアムを爆弾で破壊するが、コナンの活躍のおかげで死傷者は1人も出なかった。
この現場に居合わせた日売テレビのプロデューサーは、決定的瞬間を撮った事で降格の危機を免れるが、
喜びのあまり思わずガッツポーズをするという不謹慎な行動をとっていた。


特殊な事例


●原作

4人の高校生探偵が孤島に集められ、その内の1人が殺害された奇妙な事件。
探偵達は日売テレビの「探偵甲子園」という企画に参加するために集まっていたが、
日売テレビはこの事に関与しておらず、犯人が高校生達を呼び寄せるために使った口実であった。
ちなみに、犯人に騙されてスタッフを演じていた男性が着ていたスタッフジャンパーは、背中にプリントされたマスコットの目玉の渦巻きの向きが本物と逆になっていた。


●アニメオリジナル

報道大賞を受賞したカメラマンが、自分の秘密を知るルポライターを口封じするために起こした放火事件。
日売テレビは一躍時の人となったそのカメラマンを司会に番組を作ろうとしていたが、
放送第1回目でカメラマンが眠りの小五郎の推理によって逮捕されたため、僅か1回で番組は打ち切りとなってしまった。

  • リアル30ミニッツ
日売テレビの企画する番組「ザ・ランナウェイスペシャル」の放送中に発生した事件。
といってもこの番組自体が事件に関係するわけではなく、番組の生中継と並行して約30分間リアルタイムに事件が進行していくという変わった趣向のエピソードとなっている。

  • 消えたお巡りさん
髭を生やした警察官を探していた女性。
だが制服警官は髭を生やしてはならないという規定があり、そのような警察官は存在しなかった。
捜査が進むうちに、この事件では日売テレビ制作の2時間ドラマで使用された「ある物」が関係していた事が判明する。

  • ラジオお悩み相談
ラジオ番組に出演した小五郎は、隣人の騒音に困っているという女性の相談に答える。
だがその翌日、相談者と思わしき女性が何者かに殺害される事件が発生する。
当初は騒音を出していた隣人が犯人だと思われたが、後に疑いは女性の夫である番組プロデューサーに向く事となる。


日売テレビに勤務する方々


※ここでは複数話に登場している人物のみを紹介。

  • 水無怜奈(アナウンサー。正体は組織の一員「キール」にしてCIA諜報員「本堂瑛海」)
  • 麦倉直道(アナウンサー)
  • 上諏訪幹彦(プロデューサー)
  • 八川弘司(AD)


補足


『名探偵コナン』では日売テレビの他にも「東都テレビ」というテレビ局が存在している。
日売テレビほど登場はしていないが、ヤラセ番組問題でバッシングを受けたり、プロデューサーが製作費を水増ししてスタッフにキックバックを要求したり
勤務している関係者が窃盗や殺人連続殺人に手を染めたりなど…
やはり日売テレビに負けず劣らず何度も不祥事が発生していたりする。
また、原作では「テレビ東都」というテレビ局も存在している。

なお、「東都テレビ」という名前のテレビ局は『コナン』だけでなく、別のフィクション作品にも登場することのあるテレビ局でもある。


追記・修正は、日売テレビの番組を視聴しながらお願いします。

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最終更新:2024年01月15日 20:10

*1 劇場版の設定を考慮すると、本社は大阪の可能性もある。

*2 名前に”まる見え”とある辺り、”世界まる見え!テレビ特捜部”が番組名の由来と思われる。

*3 『ゼロの日常』にて。

*4 被害者ではない場合もある。

*5 というより、コナンの世界では局関係以外のメディア関係者にも問題のある人物が何故か多い。

*6 番組名は日テレ系で放送されていた「どっちの料理ショー」が元ネタだが、番組内容は割とあからさまに「料理の鉄人」(フジ系)である。